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漁港漁場漁村のメールマガジン  2008/2/7 VOL.029

目次

1.私からの本音トーク

水産庁 漁港漁場整備部 防災漁村課 課長補佐(漁村企画班担当)吉竹 正明

2.話題のひと・話題のまち

あの賑わいをもう一度

大分県漁港協会理事 真鍋 ハマ子

3.平成20年度概算決定 - 非公共予算

(1)計画課関係予算

(2)防災漁村課関係予算

(3)整備課関係予算

4.平成19年発生災害について

水産庁 港漁場整備部 防災漁村課 課長補佐(災害調整班担当) 中村 克彦

5.世界の港から - アルゼンチンの思い出

水産庁 資源管理部 沿岸沖合課 釣人専門官 城崎 和義

6.漁港・漁場関連基礎用語 - BCP(業務継続計画)

7.ちょっといい話

  • 「干潟生産力改善のためのガイドライン」の作成

 

1.私からの本音トーク

水産庁 漁港漁場整備部 防災漁村課 課長補佐(漁村企画班担当)吉竹 正明

 

毎月、メルマガに掲載の漁村の振興に関する「市町村相談窓口」担当の「吉竹」です。今回は、私の出番となりました。よろしくお願いします。

これまで、漁村の生活環境改善の業務を担当し、全国、津々浦々の皆様の取組をお聞きしてきたところですが、この中で、私が感じ、思ったことは、都市と地方(漁村)の地域格差とともに、漁村間でもその格差が広がっているということです。

漁村の生活環境改善の主要指標である漁村の汚水処理人口普及率(H19.3現在)を見てみますと、全国平均47%(25%(H12.3))と順調に伸びてきていますが、都道府県毎の最高、最低は次のとおりとなっています。

  • 漁村の汚水処理普及・接続率(%) 最高 92・ 93 最低 14・21
  • 漁業集落排水の普及・接続率(%) 最高100・100 最低 0・0

この普及率等が低い地域からは、財政難、高齢化等の社会・経済情勢の変化や公共下水の整備遅延などの理由が挙げられていますが、全国的には、施設の整備が完了及び近々完了となる都府県は、10以上にのぼります。

地方公共団体の地域事情があるのは当然でしょうが、汚水処理施設の整備促進に向けた課題の整理や打開策、施設の重要性のPR、施策への改善要望などの検討は、行われているのでしょうか。単に、財政難、高齢化という言葉だけで片付けられているような気がします。

水産物の提供を考えた場合、地元では生活雑排水等が流れ込む海域で魚介類が漁獲・生産されています。果たして、この整備率の格差の拡大や食の安全安心に関心が高まる中、この実態を目の当たりにした国民は、どのように感じるのでしょうか。

確かに、生活環境の改善は、机上の世界と異なり、地元で関係者の理解など相当な苦労が必要とお聞きしていますが、その一方で、財政難といっても、予算は「ない」わけではなく「ある(やれることはある)」と思っております。実際に、首長を始め皆様や地域住民等の知恵と工夫により、課題解決に向けて取り組んでいる地域があります。例えば、小規模(100人程度)な漁村ですが、漁業集落排水施設も整備(接続率100%)し、大都会での水産物販売の社会実験や漁業・漁村体験などの都市漁村交流の展開により、活力ある漁村づくりが展開されています。

活力ある漁村づくりへの取組は、改革です。書籍「ザ・シークレット」(引き寄せの法則)の言葉を借りれば、一人が、真に地域のことを思い、創造し、行動に起こすことから始まります。そして、それは、必ず地域社会のリズムと融合し、組織や地域社会を動かすと信じております。

私たちは、皆様と同様、漁業者を始めとする地域住民あってのものであり、限られた組織、財政等の中で、漁業者、地域住民、水産加工業者等と一体となった相互の協力体制を築いていくことが重要と考えております。

今後とも、水産業を核とした地域の輪・和・話の創造に支援して参りたいと考えておりますので、よろしくお願いしたします。

   

2.話題のひと・話題のまち ~あの賑わいをもう一度~

大分県漁港協会理事 真鍋 ハマ子

(大分県漁業協同組合女性部長)

 

私たちの住む大分県杵築市は、人口約3万4千人、農業、漁業、工業と均整の取れた町で、観光は「坂道の城下町きつき」をキャッチフレーズに最近、全国に50ある「小京都」に仲間入りしたしっとりとした街である。

私の属する奈狩江漁協女性部は、南北約2kmにわたる白砂青松の美しい奈多海岸にある。港の清掃、信用事業、植樹活動と取組は広く、購買事業で運営費を賄う自立した女性部である。特に水産加工は独立採算ではあるが25年の歴史があり、農林水産大臣賞を受けたこともある。まさに浜の母ちゃんパワー全開の地である。

さて、通称「美濃崎」というこの地に嫁いで早や40年が過ぎた。当時は活気のある港で、山で育った私でもすぐに浜の女になった。底引網漁業が栄え、エビ、タイ、ヒラメ、時には船が傾く程の大漁で笑いが止まらない時期もあったが、年々漁獲量が減少し、魚市場は赤字を出し続けた。

平成15年、合併が進み日本で初めての県1漁協となって、赤字続きの市場は当然閉鎖になった。市場の庭は水気がなく風が吹き抜ける。生活が苦しい。漁師の妻達はパートに出た。市場があれば、浜に集まる女達の笑い声で救われるのだが、仲買人達の車の往来も人の姿もなくなり、すっかり寂しく寒々しい港になってしまった。

私たちは月に1回でもいいから、朝市をしたいと考えた。以前、女性部の40周年記念事業で朝市を開いたとき、片田舎の小さな漁村に500人のお客さんが来てくれて嬉しい悲鳴をあげたことがあったからだ。その経験を元に、女性部も入って話は進められた。

奈狩江漁協は合併後、支所だったのが、営業店と名が変わり、やがて事務も閉じられたが、その市場の後利用を嘆願し許可を得た。度々の会議の末、「美濃崎漁師市」として月に1回の朝市が始まったのが、16年3月である。

その後、月2回の開催となり、早朝の市が始まる前から来て待っていてくださるお客さんたちに朝ご飯「漁師の朝定」を提供するようにもなり、今はお客さんの希望でバイキング形式の食事を提供している。おなじみさんが一人でも多くなるのを楽しみに漁協の事務所を改造した小さな食堂で頑張っている今日この頃。

資金も無ければ、専門的な指導者もいない。しかし、私たちには深い想いと夢がある。協力しあえる漁師の仲間がいる。4年間の経験と反省の上に立ち、これからも試行錯誤の連続だろうが私たちは頑張りたい。

この小さな漁村美濃崎を、漁港を、再び女たちの甲高い笑い声の聞こえる港にしたいから。子どもたちが走りまわって遊ぶ漁村にしたいから。そして、次の世代に自慢の地として残すために・・・。

 

3.平成20年度概算決定 - 非公共予算

(1)計画課関係予算

1)湖沼の漁場改善技術開発事業費 71,021千円

湖沼特有の諸条件に対応可能な漁場改善技術の開発を行う。

2)漁港を活用した海と国民のふれあい推進事業(新規) 25,000千円

海と国民のふれあいの場を提供し、漁村の活性化を図るため、海のネットワークの拠点づくり及び民間活力の導入等によるプレジャーボートの係留・保管施設の確保に関するマニュアルを作成し、漁港管理者の指針とする。

 

(2)防災漁村課関係予算

1)強い水産業づくり交付金 7,730,493千円の内数

ア「経営構造改善目標」関連分

資源の減少、魚価の低迷、燃油の高騰などといった地域の抱える課題や実情を踏まえて地方が自主性を活かして取りくむ水産施策の展開を支援する。

イ「漁港機能高度化目標」関連分

水産業に係る要請の多様化、都市との交流による漁港利用増大、防災意識の高まり等の社会情勢に対応するため、漁港機能向上及び利用の円滑化、漁港環境形成、防災安全等に資する施設整備を促進する。

2)漁村地域力向上事業 102,500千円

活力ある漁村づくりを推進する観点から、地域資源を活用した先進的な地域ぐるみの取組・都市漁村の交流を促進する。

3)漁業地域の減災モデリング事業(新規) 30,000千円

災害発生後の時間経過に応じた減災対策手法マニュアルを策定し、今後切迫する大規模地震・津波等の災害に備え、漁業地域の被害の最小化を図る。

 

(3)整備課関係予算

1)生育環境が厳しい条件下における増養殖技術開発調査事業 227,379千円

海象条件等、生育環境が厳しい条件である沖ノ鳥島において、サンゴの種苗生産技術を開発し、これをもとに、広くその他の海域にも適応可能なサンゴの増養殖手法のガイドラインを作成する。

2)豊かな海の森づくりによるCO2固定推進事業(新規) 42,000千円

近年、温暖化対策の一つとしてCO2固定技術が注目を集めていることに鑑み、水産分野でのCO2固定と豊かな海の森づくり推進の観点から、海域の生産力の向上によるCO2固定効果等について検討すると共に、CO2固定リサイクル材の開発とその効果の検証等により、これらの適切な活用を図るためのガイドラインを作成する。

3)岩礁域における大規模磯焼け対策促進事業 46,551千円

磯焼け対策の技術的なサポートを行うことで、改善事例や体制づくり等のノウハウを整理し、他地域への普及を図る。これにより、磯焼け対策に対する意欲向上、自発的取組を促し、磯焼け対策の全国的かつ効率的な改善を目指す。

 

4.平成19年発生災害について

水産庁 港漁場整備部 防災漁村課 課長補佐(災害調整班担当) 中村 克彦

 

防災漁村課災害調整班の中村です。今回は、平成19年に発生した漁港施設等の災害について概要を紹介します。

平成19年に発生した漁港施設等(漁港、漁港海岸、漁業用施設、共同利用施設等)に係る災害の特徴は、地震による被害が全体の約5割を占めたことです。3月に能登半島地震、7月に新潟中越沖地震がそれぞれ発生しましたが、いずれも震度6強を記録する大震災であり、特に、能登半島地震での石川県下における漁港施設等の被害は甚大でした。

一方、台風や冬季風浪等による被害については、被害報告額と被害箇所数が、いずれも例年並又はそれを下回る程度でした。

具体的には、漁港施設等の災害に係る被害報告件数は全体で381件であり、この内、海岸・漁港施設に係るものは267件でした。被害報告額としては全体で146億円であり、この内、海岸・漁港施設に係るものは134億円でした。

被害報告額等の大半を占める海岸・漁港施設及び漁業用施設の被害について、19年災を過去5年間(平成14年から18年)と比較すると、金額ベースでは5割程度、箇所数ベースでは7割程度でした。

自然災害については、IPCCの第4次報告において、台風の強大化の可能性も指摘されており、また、今後、東南海地方や三陸地方等で大規模な地震発生の確率が高い中、防災、減災対策と併せて、災害復旧対策の迅速かつ着実な実施が求められています。水産庁としては、所管する漁港施設等の災害復旧が円滑に行われるよう、関連セミナーの実施や新たな体制の構築(ボランティアの活用)を検討しています。今後も、関係機関の連携を深めて行きたいと考えおりますので、地方自治体の災害担当者におかれましてはより一層のご協力をお願いいたします。

 

5.世界の港から - アルゼンチンの思い出

水産庁 資源管理部 沿岸沖合課 釣人専門官 城崎 和義

 

2005年から3年間、アルゼンチン(亜)の日本大使館に赴任しました。大使館での業務は、イカ釣り漁業など水産関係のほか、牛肉やレモンの対日輸出に関わる情報収集や折衝、対亜政府開発援助(ODA)の企画・実施など多岐にわたります。その中で今回は、漁業調査船・開洋丸によるイカ資源調査の裏話を紹介します。

マツイカ。スルメイカの近縁種でするめや塩辛の原料になるイカです。マルビナス諸島(英名:フォークランド)近海を含む亜沖では80年代に漁場開拓が始まり、90年代には世界最大のイカの漁場として発展しました。しかし水揚げは100万トン(90年代後半)から30万トン(04年)に激減し、亜政府の入漁制限もあって、日本船の漁獲量は1万トン程度となっていました。このため、日亜両国は、この海域でのイカ資源の持続的利用を図るため、イカ資源に関する共同調査を実施することで合意し、そのために開洋丸が派遣されることになったのです。

官船であっても入港手続きは複雑で、外務省、農牧水産食糧庁(水産庁に相当)、税関、入国管理局、海上警察、海軍、地方行政組織などとの調整が必要です。特に海軍については、今回の泊地が海軍地方司令部の敷地内だったことや、調査期間中に米州サミットの開催と米国大統領の訪亜が予定されていたことから、対テロ対策が強化される中、臨検など不測の事態に巻き込まれることがないよう、十分な根回しが必要でした。

ところで、亜は歴史的に親日国家で、日露戦争の際には、亜が購入間近だった軍艦2隻(日進、春日)を日本に譲り、その活躍により日本がロシアに勝利した史実など、100年にわたって友好的な関係にあります。そのせいか否か、ラテン特有のゆったりした仕事運びにやきもきすることもありましたが、手続きは首尾よく進みました。

入港後の表敬では、司令官は日本との昔話をいくつも話してくれましたし、組織の奥深く、レーダーが何台も列ぶ中枢部に我々を案内し、亜経済水域ライン上に各国イカ釣り漁船が列んでいる映像を見せてもくれました。ドアの入り口には、海軍の戦歴(?)を物語る拿捕したアジア各国イカ釣り漁船の国旗のイラストが十数個。赤いもの、白地に赤と青のもの・・、ここに日の丸が無かったことも彼らの心証を良くしているのだと感じました。

話が前後しますが、着岸時の操船には最も気を遣います。船の前後を神経質に見守る船長とそれに呼応する操舵士。船内の空気がだんだんと張り詰めるその時、岸壁に海軍歓迎のタンゴが大音量で流れました。入港後船長に聞いたところ、タンゴを聞く余裕どころか周りの声が聞こえなくなり相当緊張したとのことです。

イタリア移民が多くを占めるラテンの国。遠方からの友人を迎える、彼らの大らかさを見た気がしました。帰路寄港したブエノスアイレスでは、青い空の下、土色のラプラタ川を白い開洋丸が走る姿が今でも目に浮かびます。

 

6.漁港・漁場関連基礎用語 - BCP(業務継続計画)

突然の大規模災害発生などで、企業や行政の事業が存続出来なくなるリスクを事前に分析・想定し、継続に必要な最低限の業務や復旧時間と対応策などを定めた包括的な行動計画のこと。

 

【背景】

07年7月16日の中越沖地震の時、自動車部品の大手メーカーが被災を受け部品供給が止まったことから、日本の自動車生産が一時ストップしました。自動車各社などからの応援部隊により被災後1週間で操業は再開できましたが、改めて、災害時の業務中断が与える影響の大きさに注目が集まりました。

中央省庁においても首都直下地震のような大規模災害が発生した場合に、首都中枢機関の機能継続性を確保するために、非常時優先業務の特定、必要な資源の確保・配分や、そのための手続きの簡素化、指揮命令系統の明確化等の措置を講じる必要があります。このため、内閣府は07年6月に「中央省庁業務継続ガイドライン」を策定しました。

また、水産分野においても、港、市場等が被災した場合の水産物流通機能の確保に向けて、平常時から業務継続計画を周到に準備しておき、緊急時に事業(業務)の継続・早期復旧を図ることが重要となります。

 

7.ちょっといい話

「干潟生産力改善のためのガイドライン」を作成します

水産庁では、平成19年度で終了する「藻場・干潟生産力等改善モデル事業」の中で、実用的な干潟の環境や二枚貝資源の生産力改善手法の検討及び課題の整理を行い、「干潟生産力改善のためのガイドライン」としてそれらの成果をとりまとめました。また、普及のためのパンフレット「干潟を守って二枚貝を増やそう」も作成しています。

これらガイドライン等については、今月2月28日~29日に東京の三田共用会議所で行われるアサリ干潟関連事業・合同報告会等において概要報告とともに配布する予定です。

報告会への出席及び同ガイドライン等の入手希望については、下記担当班までご連絡ください。

問い合わせ先:整備課設計班(内線6880)

 

 

 バックナンバー

平成17年9月から毎月発行している「漁港漁場漁村のメールマガジン」のバックナンバーを掲載しています。

★漁港漁場整備部ホームページからどうぞ

>>> 漁港漁場漁村のメールマガジン

 

編集後記

「そうだ、葉っぱを売ろう!(横石知二著)」という本を読んだ。副題は過疎の町、どん底からの再生とある。徳島県の高齢化がすすむ典型的な農業の町、上勝町で、葉っぱ(料理のつまものに使う材料)を商品として販売し、70代、80代のおばあちゃん達が売上高2億6千万円のビジネスを支えている。競合産地よりも有利に地域資源をお金に換えるためのアイデアや努力など地域再生にかけた著者の20数年にわたる記録の書である。

今月は大分県の美濃崎港から漁協女性部の活躍が届いた。朝市の試みは今は小さな点かも知れないが、上勝町のように夢を持って諦めないことや地域資源を見直す中で、女性たちのエネルギーが点から線へそして線から面へと広がってほしいと思う。

まだまだ寒さは厳しく、各地でインフルエンザによる学級閉鎖も報告されている。くれぐれも御身お大切に。
 

連絡先

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★発行:水産庁漁港漁場整備部防災漁村課

(〒100-8907    東京都千代田区霞が関1丁目2番1号)

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