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ホーム > 分野別情報 > 漁港・漁場・漁村の整備 > 漁港漁場情報箱 > 漁港漁場漁村のメールマガジン > 漁港漁場漁村のメールマガジン 第42号


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漁港漁場漁村のメールマガジン 2009/8/21 VOL.042

▼目次▼

【1】私からの本音トーク

水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
課長補佐(総括班) 佐藤良助

【2】話題のまち、ひと~長島の海産物で島おこし~

鹿児島県長島町水産商工課
課長補佐 山内達也

【3】海洋・沿岸域における水産環境整備のあり方について

水産庁漁港漁場整備部計画課 
計画官 米山正樹

【4】離島漁業再生支援交付金制度検討会中間取りまとめについて

水産庁漁政部企画課
課長補佐(企画班) 大久保慎

【5】「森の聞き書き甲子園」をご存知ですか?

水産庁漁港漁場整備部計画課
課長補佐(企画班)楠富寿夫

【6】生産者の手取りアップのために、産地市場で取り組めること
~「産地のブランド化について」~

(社)海洋水産システム協会
研究開発二部技師 岡野 利之

【7】最近の漁海況について(7月以降の状況)

漁業情報サービスセンター(JAFIC) 石井元

【8】第12回日韓漁港漁場技術会議交流会議の開催

水産庁漁港漁場整備部整備課
海外水産土木専門官 中村誠

【9】基礎用語解説~「海業」~

水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
課長補佐(環境整備班) 中村克彦

【10】ちょっといい話
●活力ある漁村づくりモデル育成事業の二次募集中です
●藻場・干潟の保全活動を強力にサポートします
●「持続的な磯焼け対策の実践に向けて」~平成21年度日本水産工学会秋季シンポジウム~
●農林水産省本省「消費者の部屋」特別展示のご案内

◆7月31日、8月10日付け人事異動

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【1】私からの本音トーク
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水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
課長補佐(総括班) 佐藤良助

メルマガ読者の皆様こんにちは、防災漁村課総括班の佐藤と申します。昨年4月に漁政課から異動し、はや1年半近くになりました。漁港漁場整備部は初めてで、漁港整備などの専門用語にとまどっております。漁政課の前は漁業調整事務所勤務ということで地方暮らしをエンジョイ(?)しておりました。特に住居が塩釜港に近いことから、休日には卸売市場まで出かけては魚を買い、一日かけて料理しそれをつまみに一パイが楽しみでした。夏はウニ、ホヤ、冬はどんこと、東北ならではの海の幸に舌鼓と・・・。本庁に戻ってからは中々そうはいきません。
漁政課では庁内及び漁業調整事務所との連絡調整、水産政策審議会、災害の窓口などを担当し、現在の防災漁村課とは災害の関係で若干関係がありましたが、外で見るのと内で見るのでは違うなと感じております。
当課は海岸事業、災害復旧、強水、漁村活性化と公共・非公共予算を抱えておりますが、本年は特に漁村活性化のあり方検討会において中間取りまとめが取りまとめられたところでもあり、微力ながら、活性化の実現に努力して参りたいと思っております。まだまだ不慣れで、皆様方には御迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくご指導方お願いします。最後まで取り留めのない雑文をお読みいただきまして有り難うございました。

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【2】話題のまち、ひと~長島の海産物で島おこし~
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鹿児島県長島町水産商工課
課長補佐 山内達也

長島町は、鹿児島県の最北端に位置し、一部は雲仙天草国立公園内に含まれ熊本県との県境にある町です。長島周辺海域は、黒之瀬戸及び長島海峡を有し、海流はこの海峡を介し、八代海と東シナ海を行き来します。この流れの中にある大小23ある島々の間では、昔からイワシなどが大量に獲れ、カツオ船への生えさの供給基地でもありました。昭和40年代にブリ養殖が導入されて以来、恵まれた立地条件が品質の良いブリを生み出し、餌や飼育方法の改良、加工工場の衛生面への取組などを全国に先駆けて実施し、東町漁協は日本有数の養殖ブリ生産地に成長しています。養殖ブリの年間生産量は約14,000t、約100億円ですが、漁船漁業からも約20億円の水揚げがあり長島の海の豊かさを示しています。
一方、農業では、鹿児島県のブランドにも指定されている赤土バレイショやさつまいもなどが収穫され、まさに長島は第一次産業の町といえます。さらに、東シナ海へ沈む夕日、黒之瀬戸大橋から見る急流、冬にはシベリアから出水平野に訪れる鶴の渡りのルートと、自然に恵まれた立地条件にあります。今まで、これだけの資源を持ちながらそれを活かしきれなかったことが不思議といえば不思議です。
近年、水産業は漁獲の減少や資材の高騰、特に魚価安は生産者の生産意欲をなくしています。そこで、平成20年度水産庁の「活力ある漁村づくりモデル育成事業」に応募し、長島のブリや特産品を全国に売り込もうと事業に取り組みました。事業実施に当たり一番注意した点が、民間主導で実施することでありました。そのことは、このモデル育成事業のコンセプトでもあります。
実施した内容は、1)都会に就職され同窓会に帰ってこられる地元出身者を対象にブリのPRを実施、2)福岡の百貨店での特産品販売(長島フェア)、3)島内飲食店での旬の食材祭り、4)世界ぶりサミット&長島おさかな祭りの開催などでした。
個々の事業では反省点や問題点も多々ありましたが、事業に関わった漁協や商工会、飲食店組合などが、それぞれの立場で積極的に参加して下さったことが大きな収穫でありました。特に4)のイベントでは、人口11,000人足らずの町に2日間で13,000人という集客ができ、自分たちでもやればできるという大きな自信と驚きを得ることができました。また、長島のブリをたっぷり食べて頂き、「こんなにおいしいものが長島にあることを知らなかった」とか「ぜひ来年も実施してほしい」という声を聞き、長島のさかなは美味しい、長島のさかなは自信をもって消費者に提供できるのだということを認識しました。
今回の活性化事業は、地元資源の掘り起こしと活用、漁業者や町民が主体となって実施するなど、むらづくりの基本が実践できた取組みでした。(自画自賛かも知れませんが・・)鹿児島県長島町は「長島造形美術展」や「ぐるっと一周フラワーロード」など住民参加のイベントがたくさんあります。これからも、長島の海の幸を全世界に届ける取り組みを、漁業者一丸となって実施して行きますので、ご注目下さい。

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【3】海洋・沿岸域における水産環境整備のあり方について
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水産庁漁港漁場整備部計画課
計画官 米山正樹

水産庁では、海洋・沿岸域における水産環境整備のあり方を検討するため、有識者からなる検討会を設置し、全体で3回の議論を行いました。そして8月10日に「中間とりまとめ」が策定されましたのでこの場をかりてご報告いたします。なお、検討会を設置した背景等については、本メルマガのVOL.040(2009/6/25)でも紹介しております。
さて、中間とりまとめでは、検討会の名称にも使われている「水産環境整備」を生態系全体の生産力の底上げをめざし、水産生物の動態、生活史に対応した良好な生息環境空間を創出する整備と定義しました。
「水産環境整備」の6文字の組み合わせを初めて見た方もいらっしゃるかと思いますが、今回初めて提案する造語です。この言葉をこれからの漁場整備の方向性として積極的に普及させていきたいと思っております。「はて何だろう?」と思った方は、是非中間とりまとめをご一読ください。すると今度は「では実際にどうするの?」といった疑問が湧いてくるかもしれません。そうです、それを皆様と一緒に考えて、より使いやすい仕組みへと改善していきたいのです。
水産環境整備を進めるためのいろいろなアイデアをお持ちの方は、これまで無理だと思っていたものが、これを一つのきっかけとして、変わるかもしれませんので、是非ご意見をお寄せください。我々としても、予算要求や長期的には次期漁港漁場整備長期計画に反映していきたいと考えております。
最後に、検討会の資料及び中間取りまとめについては、農林水産省のホームページで下記URLからご覧頂くことができますので、今後の漁場整備について一緒に考えていきましょう。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/keikaku/090810_1.html

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【4】離島漁業再生支援交付金制度検討会中間取りまとめについて
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水産庁漁政部企画課
課長補佐(企画班) 大久保慎

水産庁では、今年度で終期を迎える「離島漁業再生支援交付金制度」を今後どうするかについて、有識者からなる検討委員会を設置し、全体で4回の検討委員会を開催して多角的な議論を行ってまいりまいりました。この度、その検討結果を踏まえ、委員会としての提言等が「中間取りまとめ」として取りまとめられましたのでお知らせいたします。
委員会では委員の皆様方からもこの「離島漁業再生支援交付金制度」が、本土の漁業に比べ輸送条件等の面で不利性を有する離島における漁業の再生を図るために大変役立っているという評価のみならず、地域におけるコミュニケーションが図られることにより自治活動も活性化するなど、地域の連帯感の醸成といった無形の成果が評価されたことから、まずは、本事業の継続が強く望まれたところであり、さらには、2期対策としていかにあるべきかについて様々な御議論を頂いたところです。
水産庁といたしましては、本「中間取りまとめ」の内容を踏まえつつ、実効性の高い施策を実施していきたいと考えており、平成22年度予算要求について検討中です。
なお、本「中間取りまとめ」や検討委員会の資料等につきましては、農林水産省のホームページでご覧頂くことができます。アドレスは次の通りです。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kikaku/090727.html

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【5】「森の聞き書き甲子園」をご存知ですか?
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水産庁漁港漁場整備部計画課
課長補佐(企画班) 楠富寿夫

みなさんは「森の聞き書き甲子園」というもうひとつの甲子園があるのをご存知でしょうか。これは、林野庁、文部科学省、社団法人国土緑化推進機構、NPO法人共存の森ネットワークによる実行委員会が主催しているもので、毎年、森の名手・名人100人(きこりやまたぎなど森林に関わる分野で優れた技や知見や持ち、他の模範となっている達人で、社団法人国土緑化推進機構が毎年選定します)を高校生が訪ね、マンツーマンで名手・名人から技術や人となりを聞き書きし、その記録を広く社会に向け発信するというイベントです。
この聞き書きというのは、話し手へのインタビュー時に録音した話し手の言葉を一字一句書き起こし、話し手の語り口を活かした文章にまとめるという手法ですが、聞き書き甲子園では、これまで700人に及ぶ森の先達の技術、生活の聞き書きが集められています。また、高校生が名人との出会いを通じて、人や森、社会との接点を見出すことができるという点でその教育的効果も認められるようになり、今年度は第8回目の甲子園になりますが、多くの機関からの協賛・協力を得て実施されています。そして、今回からは森の名手・名人100人に加え、7人の海・川の名人からの聞き書きも試行的に行われることになりました(水産庁も情報提供などでこの取組に協力しています)。
8月11日、新宿の損保ジャパン本社ビル大会議室に主催者、支援・協力者、そして北海道から沖縄県に至る全国から選ばれた107人の高校生が集まり、今年度の開会式が行われました。開会式では、昨年森の聞き書きを行った高校生と名人による聞き書きの体験トーク、TVタックルでおなじみの阿川佐和子さんや聞き書き作家の塩野米松さんの軽妙なかけ合いによる聞き書きの模擬演習が行われましたが、特に塩野さん扮する話し手役の秋田のハタハタ漁師の演技があまりにも真に迫りユーモラスだったので、会場から笑いが巻き起こる一幕もあり、参加者は聞き書きのノウハウを楽しく学んでいました。
開会式に全国から集まった生徒達は8月11日から14日の間、東京で研修を行い、9月下旬位からそれぞれ名人を訪問することになります。そしてその聞き書きの成果は、来年3月28日に江戸東京博物館ホールで開催されるフォーラムで発表される予定です。今回から行われる海・川の名人の聞き書きの発表が今からとても楽しみですね。
詳しくは以下をご参照下さい。
http://www.foxfire-japan.com/

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【6】生産者の手取りアップのために、産地市場で取り組めること
~「産地のブランド化について」~
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(社)海洋水産システム協会
研究開発二部技師 岡野 利之

≪魚種のブランド化が抱える課題≫
近年、各産地で魚のブランド化が積極的に取組まれています。特定魚種のブランド化により産地の活性化に成功している事例は、数多くあります。この場合、対象魚種の水揚げ量が豊富であることや明確な差別化、効果的な販売促進等、魚種のブランド化に活用できる条件や学ぶべき取組みが多くあります。その反面、魚種のブランド化に長年取り組んでいるにも拘らず、思うように軌道に乗らない事例も見受けられます。これは、投資額を販売額から吸収できないことやブランド魚の認知が消費者に浸透しない等の問題が挙げられます。魚種によっては数十ものブランドが存在している場合もあり、産地で力を入れているブランド魚も消費者にとっては、数あるブランド魚の一つにしかすぎず、消費者は、特定のブランド魚に対する評価を絞り難い現状が一因として考えられます。また、ブランド魚が高く売れるようになったとしても、産地の全取扱量に対する割合でみれば、ブランド魚の取扱量は数%に満たないことも多く、全体の売上から見ると微々たる増収に留まる場合も考えられます。
ブランド化に取組む場合は、消費者の価値観・ニーズを理解して満たしていくことは、とても重要なことです。それと同時に、出荷者側の産地にとって、費用対効果やメリットがなければ、ブランドの継続が難しくなります。それでは、どのような取組みを目指していけばよいのか、ここでは、魚種のブランド化ではなく、産地のブランド化について、お話をさせて頂きます。

≪魚種のブランド化から産地のブランド化へ≫
消費者に、その魚が持つ価値以上の対価を求めても現実的ではないし、例えそれができたとしても継続は難しいことが殆どです。また、産地では、手間をかけているのだから価値があるはずだと思っていても、消費者からみれば、産地とは価値判断の基準が異なることが見受けられ、期待通りの価値は認められないこともよくあります。
しかし、ブランド化への取組みにより、魚に対する取扱いや品質に対する意識の向上へ繋がる効果が得られれば、その産地の魚全体の価値を上げていくことも期待できます。
品質管理の行き届いた魚は、流通過程で取扱う業者にとって、安心して販売できる扱い易い商品であり、日持ちも長くなるため、店では販売時間を多く得られ、不良在庫のリスクも軽減できます。その分、その商品に対する引き合いは強まり、相場の安定や価値の向上といった効果も期待できます。当然、美味しければリピーターの確保にも繋がります。
また、単一魚種ブランドの場合、通年の安定供給は難しく、店側は常時販売できる商品確保に努めなくてはならないため、その単一魚種ブランド以外の集荷も行なう必要があります。取引先が複数になるほど、競争が強まり販売側も仕入側も駆け引きが要求されるため、価格は不安定化します。しかし、産地市場が品質管理の伴った産地ブランドとして取組めば、その時期に水揚げされている旬の魚を安心という付加価値とともに提供でき、出荷可能な魚種は複数になるため安定供給を可能とし、店側としても仕入れの負荷を軽減できるので、価格の安定化が期待できます。
従って、産地市場としてのブランド化に対する取組みは、単一魚種の特定サイズものに期待を大きく被せるよりも、産地で取扱う全ての魚を対象にしたブランド化(地域ブランド化)戦略を立てて取組むことの方が、大きなメリットを生み出していくものと考えます。
販売先の安定は相場の安定に繋がり、結果として、生産者の収入の安定化にも繋がります。

≪産地市場における衛生品質管理の効果≫
魚の鮮度は、漁船の魚倉に入っている間は良いけれど、市場に揚げてから鮮度が落ちるという話をよく耳にします。魚の商品価値を下げないためには、市場で衛生品質管理に取組んでいく必要があります。
産地市場の衛生品質管理向上を目的とする取組みに、(社)大日本水産会が認定する「優良衛生品質管理市場認定制度」があります。
http://qc.suisankai.or.jp/ichiba/ichibalist.htm
これは、産地市場の衛生品質管理に対する取組みを認定基準に基づき審査して認定をする制度です。取扱い魚の品質に対し、販売先の信用獲得、衛生品質管理推進に伴う労働環境の改善、漁獲物を大切に扱う意識の向上等の相乗効果が見られています。
認定市場の一つである熊野漁業協同組合木本卸売市場では、主要な漁法である定置漁業の定置網漁船も高度衛生化に対応しており、漁獲から出荷まで一貫した衛生品質管理に取組むことで、浜相場は、従前に比べて全体的に向上したと聞いています。また、同じく認定市場の一つである笠沙町漁業協同組合の卸売市場では、出荷箱に「優良衛生品質管理市場認定」と明記して販売促進に活用されています。
このように、産地市場としては、特定の魚種に対する取組みに力を入れるだけでなく産地市場全体の取組みを改善していくことで活性化を図るところも近年増えています。
また、北海道や岩手県、三重県等では、行政が産地市場の衛生品質管理を積極的に支援しており、我が国の水産物に対する安全安心を満たす信頼確保の構築と、それに裏打ちされた魚食普及に繋がる効果として期待されています。

≪まとめ≫
ここでは、魚種のブランド化の次のステップとして、産地のブランド化の考え方やそのツールの一つとして衛生品質管理に対する取組みをお話しさせて頂きました。他にも、産地が一丸となって消費者に対する直接販売を試みて活性化に成功している事例等もあります。産地全体が元気になることは、漁業者、荷受け、仲買業者に留まらず、関連産業や地域経済の活性化にも繋がることを意味します。我が国の重要な食糧産業である水産業を守るためにも、産地の発展に大きな期待をしています。

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【7】最近の漁海況について(7月以降の状況)
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漁業情報サービスセンター(JAFIC) 石井元

○全国の概況~最近の海や魚の状況は?~

暦の上では立秋も過ぎ残暑も厳しいのですが、朝晩は涼しい風も感じられるようになってきました。しかし日本近海では各海域とも依然昇温傾向が続いているようです。
九州・四国近海~沖合では依然としてほぼ平年並みで推移しています。しかし道東近海~三陸沿岸では低め、また日本海でも青森から福岡北部近海までは低めで推移しています。また北海道の西側近海では、上旬前半までは平年比低めでしたが、旧盆明けにはやや高めに変わってきました。
盆明けを迎え、18日からはサンマの大型船が解禁、一斉に出漁しました。これでサンマ船は全船が出揃ったことになり、いよいよ9月の盛漁期に向かって本格的な季節を迎えることになります。

○魚種別の状況

では最近の全国の主な魚種の水揚げや価格の状況をみてみましょう。
マアジは依然山陰沿岸が主体で九州西方海域が続いています。7月の単月の水揚げが10,850トン、kg当たり140円(前年11,571トン、244円)でしたが、今月も水揚量の割には、単価がかなり下がっており、浜安の状況が目立っています。8月は盆休み等もあって、水揚げもやや少なくなることが予想され、浜値の上昇を期待したいところです。
スルメイカは、日本海側では南側が終漁模様になりましたが、利尻・礼文島周辺にも漁場ができるようになり、魚群も北上がみられます。しかし、盆前の主漁場は太平洋側で青森県沿岸が良くて、三陸の各港で最もまとまった水揚げが見られるようになっています。7月の全国の単月の水揚げが10,524トン、kg当たり173円(前年5,643トン、281円)で、日本海側、太平洋側、特に太平洋側ではまき網での漁獲が昨年を大幅に上回っているのが特徴です。8月に入っても特に太平洋側中心に昨年を上回る好漁が続いており、秋イカ漁本番を迎える9月以降の漁に期待が寄せられます。
カツオは今年、不漁が決定的となり、盛漁期の7月も水揚げの伸びが見られず、終始低調な漁模様となっています。したがって水揚げも7月の単月で釣りが3,594トン、kg当たり332円(前年10,152トン、218円)、網3,310トン、kg当たり471円(前年11,412トン、268円)で、7月に入っても伸びが全くみられず、昨年より差が開いている現状です。本年は全般的に魚価安ですが、カツオのみが、依然堅調相場に終始しています。
サバ類は三陸近海での漁の不振もあって、7月単月も15,270トン、kg当たり78円(前年58,822トン、80円)とかなり低調な水揚げが続いています。また価格も水揚げの少なさの割には、昨年を下回っており、低調な推移となっています。
サンマは冒頭のように大型船も出漁し、これからがいよいよ旬を迎えます。7月単月の水揚げは2,057トン、628円/kg(1,778トン、527円/kg)となっており、8月に入ってもほぼ前年並みの水揚げが続いており、下旬から水揚げも本格化することから、新サンマも店頭を賑わすのも間近になってきました。
なお、詳しい情報につきましては、下記HP若しくは、JAFIC石井、緑川(電話番号:03-5547-6887)まで、お気軽に問い合わせ下さい。
http://www.market.jafic.or.jp/

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【8】第12回日韓漁港漁場技術会議交流会議の開催
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水産庁漁港漁場整備部整備課
海外水産土木専門官 中村誠

標題の会議については既に漁港漁場月報(7月15日 全国漁場漁場協会)などで紹介されているところですが、6月17日から19日に韓国で開催され水産庁から橋本漁港漁場整備部長と共に参加しましたので、会議や現地見学の様子を報告します。
本会議は1997年に全国漁港協会(現全国漁港漁場協会)と韓国漁港協会(現韓国漁村漁港協会)の合意により、漁港漁村のインフラ整備や管理等に関して共通のテーマの下、両国の漁港漁場行政担当者も参加し、話題提供や意見交換をするもので、水産庁からの肌委提供なども有ります。会議は毎年相互で行われ今年は韓国での開催でした。
記録を見ますと第1回目は日本側10名、韓国側4名で始まり12回目の今年は同16名、72名と着実に交流が進んでいることが伺えます。
今年のテーマは「漁港と漁場の発展のための効率的な連携方案」とし、本からは漁港泊地での種苗放流効果に関する研究と事業評価での産業関連の活用に関する2題、韓国からは漁港と漁場の多機能連携による水産業の価値増加の可能性と漁村を健康空間とした開発による漁村漁港の存在価値化発揮の必要の2題、当職からは漁港施設の長期利活用についての計5題が報告され、質疑応答と併せ、国の違いはあるものの水産業の発展を推進する強い姿勢が現れる意見交換となりました。
続く現場見学はソウルから車で約5時間北に移動したソクチョ市の大浦漁港にて直轄漁港担当者と市の担当者から、観光開発と一体化した漁港を核とする地域開発の説明を受けました。確認は取れなかったのですが、ここでの説明によると韓国の漁港づくりは防波堤等の基本施設は国直轄(100%)、関連施設は自治体(単費)で行い、自治体は民間からの出資金を受け入れているとのことで、大浦漁港の基本計画でも観光資本(ホテル2軒、ショッピングセンター)が位置づけられていたことが印象に残っています。なるほどと思いつつも民間資本との連動については考えさせられる現地見学となりました。また、ソクチョ市は韓流ドラマ「秋の童話」のロケ地で、ソラク山の入口である観光名所で有りながら、国境に近く海岸護岸にまで有刺鉄線が巻かれるなど日本との違いも感じられる所でしたが、夕刻に見たイカ釣りの漁火は日本と同じであり何かホッとさせられたりし、水産業に生きる根強さや漁業文化など様々な思いが頭の中を巡った次第です。
最後になりますが、この会議の将来構想には魚食民族を中心とした東・東南アジア諸国(中国、インドネシア、タイ・・等)を交えた大交流が有るとのことです。水産業を取り巻く国際的な渦の中で、このような大交流圏が確立されることは意味深いこととです。その先駆けとして12回の会議を継続する日本・韓国の両協会に敬意を表しまして結びとさせていただきます。

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【9】基礎用語解説~「海業」~
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水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
課長補佐(環境整備班) 中村克彦

「海業(うみぎょう)」という用語は、1980年代に神奈川県三浦市において使われ始めたものです。その後、地域経済に係る研究分野などにおいて、地域振興における海業の重要性などが着目されてきたものの、広く一般に使われてこなかった用語でもあり、明確な定義はありませんでした。
このような中、7月15日に公表された漁村活性化のあり方検討委員会の「中間取りまとめ」(本検討委員会については、前号のメールマガジン第41号において紹介)においては、海業の定義とともに、漁村活性化におけるその重要性が示されたところです。
「中間取りまとめ」では、海業とは、「所得機会の増大等を図るため、漁村の人々が、その居住する漁村を核として、海や漁村に関する地域資源を価値創造する取組」と定義されています。
具体例で説明すると、例えば、地元の魚という地域資源を、その鮮度を売りとして付加価値を高め、直売所や漁家レストランなどで都市住民等に提供することにより、漁業以外の所得の向上を図る取組などが、海業ということになります。
他にも様々な海業の事例があります。詳しくは、農林水産省のホームページに掲載されている「中間取りまとめ」の「2漁村活性化のために必要な取組」及び「参考3」をご覧ください。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/bousai/090716.html

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【10】ちょっといい話
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●活力ある漁村づくりモデル育成事業の二次募集中です
8月5日(水曜日)~9月2日(水曜日)の4週間募集いたします。この事業は、地域資源を活用した新たな産業の形成や都市と漁村の交流の促進など、地域自らの意欲的・先進的な取組を支援するものです。課題提案書を提出していただき、審査の上、採択されたされたものに対して支援を行います。これまでの取組事例については、「漁村へGO!」からご覧になれます。
http://www.gyoson-go.com/model/
また、本年度既に採択された地区の一覧については、水産庁ホームページの中で紹介されています。取組を考える際のご参考にしていただければと考えます。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyosei/supply/kekka/index.html

なお、応募資料などは下記アドレスから入手できます。ご関心のある方は、下記までご遠慮なくお問い合わせください。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyosei/supply/hozyo/090805.html
問合せ先:水産庁防災漁村課村上、水浦
電話:03-3502-8111(代)内線6905

●藻場・干潟の保全活動を強力にサポートします
漁業者や地域の方が取組む藻場・干潟の保全活動を支援する事業「環境・生態系保全対策」が本年度から開始されました。現在は、北は北海道から南は沖縄県に至るまで支援母体の地域協議会が設立され、その取組が全国的に広がっています。
ところで、「この制度を利用していろいろな保全活動に取組んでみたいけど、技術的なこともあって難しそうだな」、「取組を開始したら、いろいろ技術的に聞きたいことが出てきたけど、誰に相談していいかわからない」という悩みを抱えるみなさんに朗報です。
全国漁業協同組合連合会では、水産庁事業「環境・生態系保全活動支援推進事業」の補助を受け、みなさんのこうした悩みに親切ていねいにお答えする相談窓口を開設しています。また、この窓口では、相談の内容やみなさんの要望を踏まえ、現地での指導が可能な専門家をご紹介することも可能です。このほか、保全活動に取組む方を対象とした講習会を各地で開催することも予定しており、みなさんの取組を側面から強力にサポートしていきます。
相談はもちろん無料ですので、こちらのサポート窓口をぜひご活用ください。また、関係機関の方におかれましては、活動組織の方にご案内いただけましたら幸いです。
詳しくは、以下のホームページをご参照下さい。
◎全国漁業協同組合連合会「環境・生態系保全活動サポート窓口」
http://www.zengyoren.or.jp/env_support/index.html

●「持続的な磯焼け対策の実践に向けて」
~平成21年度日本水産工学会秋季シンポジウム~
水産庁は、平成19年に「磯焼け対策ガイドライン」を示し、その後「岩礁域における大規模磯焼け対策促進事業」により、漁業者が中心となった磯焼け対策に技術サポートを展開しています。その成果は、ヘクタール単位の藻場回復、そしてそれに伴う地域の活性化として全国各地で表れています。
本シンポジウムでは、まず、現在各地で実践中の藻場回復の取り組みを紹介します。次に、植食動物の有効利用に関する新たな試みを紹介します。さらに、総合討論では、地域の人材や風土を活かし、効果・効率的に、そして持続的に磯焼け対策を実践するためには、何を、どのように進めればよいのか、平成21年度からスタートした「環境・生態系支援活動」制度を踏まえた話し合いを行います。
開催要領、申込み等については、以下をご覧下さい。

日時:2009年9月28日(月曜日)10時00分~17時30分
場所:東京海洋大学楽水会館(〒108-8477東京都港区港南4-5-7)
TEL 03-5463-0400(代表)
主催:日本水産工学会
共催:(独)水産総合研究センター水産工学研究所、(社)水産土木建設技術センター、(社)全国豊かな海づくり推進協会、東京海洋大学、水産庁
参加方法:参加費として1,000円必要です。所属団体名、氏名を記入し、以下の申込み先にFAXでお知らせ下さい。
お問い合わせ、申込先:
(独)水産総合研究センター水産工学研究所 桑原久実
tel.0479-44-5935 fax.0479-44-1875

●農林水産省本省「消費者の部屋」特別展示のご案内
「消費者の部屋」では、消費者の皆様に農林水産行政、食料、食生活等についてご紹介するために特別展示を行っています。9月の特別展示から水産業・漁村に関係するものを紹介します。

○8月31日(月曜日)~9月4日(金曜日)
「立ち上がる農山漁村」
農山漁村には、地域の資源を活かし、自らの創意工夫によって地域を元気にしている人たちがいます。そういった意欲あふれる取組で「立ち上がる農山漁村」として選定された事例について、パネルやパンフレット、産品を展示して紹介します。

消費者の部屋は、農林水産省北別館1階にあり、入場無料、農水省への入館手続き不要です。また、展示の他、皆さまからの食に関するご相談にお答えしています。

★開室時間は10時から17時まで(ただし、展示初日は12時から、最終日は13時まで)。
★問合せ先:
消費者の部屋相談室TEL:03-3591-6529 FAX:03-5512-7651
子ども相談電話:03-5512-1115
★ホームページ:
http://www.maff.go.jp/j/heya/index.html
特別展示の詳しい情報、平成21年後期(8~12月)の展示スケジュール、これまでの特別展示の様子等をご覧いただけます。
★最寄駅:東京メトロ霞ヶ関駅B3a出口すぐ

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◆7月31日及び8月10日付け人事異動
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7月31日及び8月10日付け漁港漁場整備部関係の人事異動をお知らせします。

☆7月31日付け退職・旧所属

喜多良哉 (計画課 計画官)

☆8月10日付け部内へ異動・新所属
【計画課】
川上直樹 → 計画官

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◎バックナンバー
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平成17年9月から発行している「漁港漁場漁村のメールマガジン」のバックナンバーを掲載しています。
★漁港漁場整備部ホームページからどうぞ
>>> http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_merumaga/index.html

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▲編集後記
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今年は、豪雨、地震と災害の続く8月になってしまいました。また、新型インフルエンザの動向も気になります。平穏な日々と皆様のご健康をお祈りいたします。
今月号では、久しぶりに基礎用語解説を復活し、「海業」をご紹介いたしました。「海業」は、漁村の活性化を図っていくうえで、重要なキーワードとしてクローズアップされています。今後、各漁村の置かれた状況に応じて、地域の特性を活かして、海業を展開していくことが大切です。
試行的ではありますが、今年から、森の聞き書き甲子園が、海、川でも行われることになりました。皆様の町にも、海や漁業に関わる名人の方々がいらっしゃることと思います。先達の経験や知恵は地域の大切な財産です。これをしっかりと伝えていくことが、地域を活性化する上で重要ではないかと思います。
今月は、夏休みをとられる方も多く、執筆をお願いした方々には、締め切り日を守っていただき心から感謝いたします。
このメールマガジンに対する、ご感想、ご要望、ご意見等歓迎しますので、どんどんお寄せください。また、皆様の町の話題についても、取り上げていきたいと考えておりますので、お知らせいただければ幸いです。

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★発行:水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
      (〒100-8907東京都千代田区霞が関1丁目2番1号)

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