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ホーム > 分野別情報 > 漁港・漁場・漁村の整備 > 漁港漁場情報箱 > 漁港漁場漁村のメールマガジン > 漁港漁場漁村のメールマガジン 第59号


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漁港漁場漁村のメールマガジン 2011/1/17 VOL.059

 ▼目次▼

【1】新年のごあいさつ

水産庁漁港漁場整備部長    橋本    牧

【2】私からの本音トーク

水産庁漁港漁場整備部整備課漁港漁場専門官    坪田    幸雄

【3】静岡県伊東市の活力ある漁村づくりの取組紹介

ランドブレイン(株)地方活性化グループ    齋藤    元嗣

【4】平成23年度予算の概算決定について

水産庁漁港漁場整備部計画課/防災漁村課

【5】漁業・漁村の6次産業化について

水産庁漁港漁場整備部防災漁村課課長補佐(環境整備班担当)    中村    克彦

【6】松江の思い出

水産庁漁港漁場整備部計画課事業班環境係長    中村    厳哲

【7】平成22年の主要水産物の生産と今後の動向

漁業情報サービスセンター(JAFIC)    石井    元

【8】「水産物の安定供給のための人工礁に関するFRA-SEAFDEC合同国際ワークショップ」が開催されました

(独)水産総合研究センター水産工学研究所水産土木工学部長    生田    和正

【9】ちょっといい話

  • 第8回シーフードショー大阪(H23年2月開催)のご案内
  • 「オーライ!ニッポン会議」では「グリーン・ツーリズム商品コンテスト2010」優秀賞のツアーを予定しています

市町村相談窓口のご案内

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【1】新年のごあいさつ
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水産庁漁港漁場整備部長      橋本    牧

    皆様、あけましておめでとうございます。本年も漁港漁場整備部のメールマガジンを宜しくお願いいたします。
    プライベートな話ですが。元日の朝6時50分、布団の中の私に高校時代の友人からメールがきました。「職場到着!」。彼は、札幌郊外のイオンのショッピングセンターに勤務していて、すでに戦闘態勢です。ショッピングモール内のファッション等のテナントが成果を上げられるよう目配せしたり、イベントの企画をしたりするのが彼の役目。サポートにより、いかに消費者に来てもらい商品を手にとってもらうか、そこが腕の見せ所です。
    いつも年末に一緒に酒を飲んで、小売業の様々な苦労や工夫を聞くのですが、その話で驚くのは、それぞれのテナントのスタッフのモチベーションの高さです。店長さん達は年齢が若い人も多く、アルバイトの人の比率も高いので、経験年数が長いとは思えないのですが、プロフェッショナルとして厳しい戦いを行い勝ち抜いているのですから。
    単純比較はできませんが、水産物の小売りの7割以上を占めているといわれるスーパーマーケット業界に以前話をお聞きしたところ、「鮮魚販売はなかなか儲からない」と言われました。鮮魚の小売商も減少を続けているようですし、消費者に最も近い「販売の現場」が抱える課題についても、漁業の生産現場と同様に、更に勉強する必要を感じました。
    1月2日の9時、「昨日は入場者が6万人を越え、売り上げも目標を達成できそう。北海道の景気状況ではこれからダウンが予測されるので、3が日は頑張らねば」とのメールが来ました。友人の奮戦ぶりを目の当たりにして、私も水産物の流通にもっと力を入れねばと心を熱くした次第です。
    本年は、長期計画の見直し作業などが控えています。漁業、漁村、基盤整備を深く考える一年となります。皆様、ご支援ご指導のほど、何卒宜しくお願いいたします。

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【2】私からの本音トーク
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水産庁漁港漁場整備部整備課漁港漁場専門官      坪田    幸雄

    あけましておめでとうございます。年末年始、皆様はどのように過ごされましたか。
    私は、実家(兵庫県の瀬戸内海側)に帰り、中学校の同窓会に参加しました。同窓会は5年ごとに行われており、前回、35年ぶりに初めて参加したのですが、前回参加していなかった人とは、40年ぶりの再会となりました。正午から始まった同窓会も、二次会、三次会と進み、気が付くと9時間も飲んでいたようです。しかし、昔話に花が咲いたこともあり、二日酔いの症状もなく、翌日には帰りの新幹線に間に合いました。
    その時に話題になったかどうかは定かではないのですが、40年以上前の子供の頃のことを少しお話しします。

  • 実家の側には幅10mほどの川がありましたが、台風が近くを通ると増水し、床上近くまで浸水したことが2回ほどありました。しかし、その後、河川改修がなされ、今では増水することもないようです。その代わり、フナやザリガニなども捕れなくなったようです。
  • 小学校の給食には、鯨の赤身とコンニャクの煮物がよく出ていました。当時は、豚肉や牛肉は高価で、家庭でも豚カツではなく鯨カツがほとんどでした。また、ベーコンも鯨肉が主で、豚肉のベーコンは滅多に見かけませんでした。今では、想像もつかないかもしれませんが、私にとっては、思い出のある食材の一つです。
  • 家で食べる刺身には、マグロはほとんどなく、ハマチ(ちょうど、養殖ハマチが普及しだした頃のようです)がよく出ていました。当時の養殖ハマチは脂臭い感じがして、子供心にもあまり美味しくありませんでした。しかし、最近はマグロも赤身であれば全国的に安価に口にすることができますし、養殖のブリやハマチも美味しく食べられるようになりました。

    昔話が長くなりましたが、この40年の間にも、様々な変化があったと思います。その変化は、良くなったこともあれば、悪くなったこともあったかもしれません。しかし、差し引きすれば、良くなったと感じることの方が多いと思います。今の子供たちが、何十年後かに、子供の頃からの変化を楽しめるようにしていきたいものです。

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【3】静岡県伊東市の活力ある漁村づくりの取組紹介
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ランドブレイン(株)地方活性化グループ      齋藤    元嗣

    静岡県伊東市は温暖な気候に恵まれた伊豆半島の東の玄関口に位置し、市域の44.7%が国立公園区域に指定、首都圏からのアクセスも良く、風光明媚な国際観光温泉文化都市として1年を通じて観光客が訪れています。地域の漁業はアジ・サバ・ムロ・イワシ・ブリなどを漁獲する棒受網、巻き網、定置網漁業、キンメ・ムツ・イカなどを漁獲する一本釣り、サザエ・アワビ・イセエビなどの魚介類を漁獲する潜水漁業、エビ刺網等が営まれています。また、1980年代から漁協直営のダイビング事業を展開するなど、漁業者による観光への取組では先進的な地域でもあります。
    しかし、伊東市への観光客数は平成3年に896万人でピークを迎えた後は、減少が続き、現在は年間600万人強にまで落ち込んでいます。漁業の状況も、全国共通の課題でもある水揚げ高の減少や漁業者の高齢化、観光客による魚の消費も減少するなど、難しい状況を迎えています。
    このような状況の中、新しい事業形態を作り出す事によって雇用機会の増幅と観光客の誘致、水産資源の有効活用による経済効果を生み出すことをめざした取組が始まりました。伊東市、いとう漁業協同組合、伊東観光協会、伊東温泉旅館ホテル協同組合に加え、静岡県の認証団体であるNPO法人体験活動研究会が伊東海洋地域資源開発協議会を組織し、海の自然を使った体験活動を中心とした事業を模索しています。
    取組は、子ども達や障害児童、高齢者を対象に、科学的根拠に基づいた心と体への健康効果を持つプログラムの提供です。海・漁業環境を活用し、体験として漁業体験や漁船乗船体験、水辺の観察、シュノーケリング、シーカヤック、イルカとの触れ合いなど、主に漁業者とNPO法人によりプログラムの運営に取組んでいます。漁船乗船体験は特に参加者数が多く、普段乗りなれた漁船でのお客さんの案内に漁業者も手ごたえを感じたようです。また、若い漁師達を中心に、漁業体験や水産物加工体験などの企画を活発に議論、来客への対応の検討や安全管理についての勉強会を開催するなどの動きが進んでいます。加えて、NPO法人が重要な役割を担っていることも注目したいところです。プログラムの健康効果など、専門的な技術・知識を持つNPO法人により、子ども達や障害児童、高齢者の受け入れ窓口、プログラムの運営がなされていますが、首都圏のスイミングクラブと連携やフィットネスクラブと連携した子ども達や高齢者の受け入れ、また全国の障害者施設や組織と連携した障害児童およびその家族の受け入れを可能にしています。
    地元漁業者とNPO法人が一体となって取り組むことで、首都圏をはじめとする観光客に対して、体と心の健康を提供するという、伊東の海を活用した新しい観光の姿、漁業者による体験観光の創造を目指す地域の取組に、今後も注目したいと思います。

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【4】平成23年度予算の概算決定について
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水産庁漁港漁場整備部計画課/防災漁村課

    昨年の12月24日、平成23年度予算の政府案が閣議決定されました。漁港漁場整備部関係の概要は以下の通りです。

(1)水産基盤整備事業
1)概算決定額
    水産基盤整備事業は、資源管理・漁業所得補償対策の創設に伴い、水産庁予算全般の組替えを行った結果、72,367百万円(対前年比88.01%)を概算要求していたところ、昨年12月24日閣議決定の政府予算案において、平成23年度の概算決定額は、要求同額の72,367百万円(対前年比88.01%)を計上しております。
    この他、平成22年度に創設された農山漁村地域整備交付金において漁港・漁場の整備を行うほか、同交付金で実施してきた事業内容の一部を、平成23年度より一括交付金として内閣府計上で創設される地域自主戦略交付金(仮称)に移行し、漁村整備等を実施することとしています。
2)重点事項
    平成23年度の重点事項として、長期計画に掲げた成果目標の達成と水産業が直面する喫緊の課題に対応するため、「水産環境整備の推進」と「流通拠点漁港における衛生管理対策の推進」に一層の重点化を図ります。
「水産環境整備の推進」
    我が国排他的経済水域における沖合資源の増大と生産力向上を図るフロンティア漁場整備事業、水産資源の回復・増大と豊かな生態系を維持するため、水産生物の生活史に対応した良好な生活環境整備として、藻場・干潟から沖合域までを一体的に整備する水産環境整備事業を推進します。
「流通拠点漁港における衛生管理対策の推進」
    全国の流通拠点漁港において、安全・安心な水産物の安定供給の確保と老朽化対策を図るため、高度衛生管理型荷さばき所、岸壁等の整備を推進します。特に特定第3種漁港における衛生管理対策を推進します。

3)新規・拡充事項

  • 特3漁港における衛生管理対策の推進(拡充)

特3漁港における衛生管理対策を推進するため、国が高度衛生管理計画(仮称)を策定するとともに、水産物の衛生管理に対応した岸壁及び荷さばき所の整備にかかる補助率を1/2から直轄事業並みの2/3に引き上げることとします。

  • 漁港施設機能強化事業(拡充)

漁港における高潮、波高の増大等による災害、漁船被害等を未然に防止する観点から、漁港施設機能強化事業の採択条件の見直しを行います。

これらの具体的な内容については、1月27日の漁港漁場関係担当課長会議(於:農水省)にてお知らせしたいと考えています。また、交付金関係についても、今後、適宜情報提供をさせていただきます。その他、事業制度等のお問い合わせなどありましたら、水産庁計画課事業班までお気軽にご連絡いただければと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。

(2)漁港海岸事業
    漁港海岸事業(補助事業)の概算決定額については、7億6900万円(対前年比0.79)となっており、安全で活力のある漁村づくりを推進することとしています。また、平成22年度より農山漁村地域整備交付金が創設されましたが、平成23年度はこの一部がさらに一括交付金化されることとなったため、これら2つの交付金とともに海岸の整備が行われることとなります。具体的な交付金の制度については現在検討を進めているところです。

(3)災害復旧事業
    漁港関係等災害復旧事業の概算決定額は、11億1,300万円(対前年比1.000)となっています。
    この予算においては、21年災、22年災及び23年災について、それぞれ所定の進度まで復旧を図るための必要額を計上しています。

(4)強い水産業づくり交付金
    強い水産業づくり交付金(産地水産業強化支援事業含む)の概算決定額は、35億5,200万円(対前年比0.70)となっています。
    本予算は、従来の強い水産業づくり交付金の部分を大幅に縮小(3億8,800万円)し、新たに産地水産業強化支援事業を創設(31億6,400万円)しました。産地水産業強化支援事業は、市町村、漁業者団体、関係者から構成される産地協議会が策定する「産地水産業強化計画」に基づき、漁業者の所得の向上、地先資源の増大、6次産業化等に資する取組を支援するものです。

(5)赤潮対策施設整備事業
    赤潮対策施設整備事業の概算決定額は、37億円(新規事業)となっています。
    本予算は、赤潮発生時の代替養殖場のための施設整備、栄養塩不足等による漁場環境の変化に対応する経営体質の強化のための施設整備等を支援します。なお、本予算は緊急対策との位置づけの下、単年度の事業になっています。

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【5】漁業・漁村の6次産業化について
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水産庁漁港漁場整備部防災漁村課課長補佐(環境整備班担当)      中村    克彦

    最近、農山漁村振興の話が出た際には必ずと言っていいほどよく登場するのが「6次産業化」という言葉です。今回はこのことについて少し紹介させていただきます。
    この「6次産業化」という言葉ですが、昨年12月に公布された「六次産業化法」(正式名称:地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律)の中では、「一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す6次産業化の取組」と記述されています。
    ごく簡単に言い換えると、水産関係の場合、漁業者が他の業種の方々などと連携しながら地域水産物などの付加価値を高めていくような取組と言えると思います。具体的な例では、漁業者らが地元で獲れる新鮮な魚介類を直売所や漁家レストランにおいて販売・提供することなどが該当します。
    この他にも6次産業化の取組としては、水産物のブランド化、未利用資源を活用した新商品開発など、様々な取組が含まれます。既に一部の漁村ではこれらの取組を実施しており、成果をあげている事例もみられ始めています。
    農林水産省では、このような6次産業化の成功事例を増やし、農山漁村における雇用の確保と所得の増大を図るため、「6次産業化」を施策の柱の一つとして掲げ、様々な取組を推進していくことにしています。昨年末の平成23年度農林水産予算の概算決定では、「未来を切り拓く6次産業創出総合対策」として約130億円計上しており、水産庁独自でも「産地水産業強化支援事業」(約32億円)を盛り込み、漁村の6次産業化等を通じた産地における水産業強化の取組を支援することとしています。
    また、水産庁では、これらの取組を積極的に支援するため「水産庁6次産業化推進チーム」を立ち上げました。まずは全国各地に出向き、地方公共団体や漁協などの関係者の方々に、6次産業化の取組事例、それらを支援する事業制度等の必要な情報を提供するとともに、チーム内では今後更に必要となる施策等について議論していくことにしています。
    今回は、漁業・漁村の6次産業化についてこの程度の簡単な紹介しかできませんが、さらに詳しい情報を知りたいという方は、本メールマガジンの最後に掲載されているメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。

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【6】松江の思い出
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水産庁漁港漁場整備部計画課事業班環境係長      中村    厳哲(よしあき)

    皆様こんにちは。計画課事業班で漁場の整備等の予算要求を担当している中村と申します。
    昨年の4月まで2年弱といった短い期間でしたが、水産庁から島根県職員として出向し、松江市街で暮らす機会をいただきました。
    松江の方言で「ありがとう」を「だんだん」というのは、昨今のドラマなどで全国で知られるところとなりましたが、特に福島県出身の小職にとって趣深い言葉は、「○○していただけると喜びます。」という出雲地方(?)独特の言い回しです。この言葉は、素直な感情が表れていて、たいへんすてきだなぁと思います。
    この喜びに満ちた松江は、市街を見下ろす松江城とそれを取り囲むお堀、さらにその南西に広がる宍道湖など、たいへん趣のある風景が楽しめる地域です。もちろん地域で収穫される野菜や魚介類の料理や造り酒屋の日本酒など、美味しいものに事欠かないのは間違いないところですが、古くから伝統ある城下町であること、夕食は自宅で食べる習慣が根強いこと、割と男性が料理を苦にしないことなどから、町の料理屋さんに対する評価は厳しいようです。
    仕事帰りに我々が立ち寄る居酒屋さんにもちょっと独特の文化が育まれているようです。その中で小職が今回ご紹介したいのは知る人ぞ知る「松江おでん」です。松江の居酒屋さんの多くはお店の看板に「おでん」と掲げていて、一年中おでんを味わうことができるのです。しかも、お店それぞれに違った味があり、食べ飽きません。なお、昨年の10月に全国のご当地おでんを一同に集めた「全国おでんサミット」が松江で開催されたそうです。このイベントで当たり前のように地元にあった松江おでんが、地域の人々に再認識されたようですが、日本の各地に知られることでさらなる変化を遂げることもあるかもしれません。
    松江では、県職員、関係漁協、漁業者の皆様をはじめ、たくさんの方にお世話になりました。思い出深い松江近隣の名所などは紹介しきれませんが、皆様が松江にお立ち寄りの際には「○○していただけると喜びます。」という会話や「松江おでん」の味わいなども楽しんでいただけると小職も「喜び」ます。

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【7】平成22年の主要水産物の生産と今後の動向
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漁業情報サービスセンター(JAFIC)      石井    元

    新しい年を迎え、水産・漁業界も昨年の結果を踏まえて新たな気持ちでの取り組みが要求されています。今回は昨年の主要な水産物の生産動向と今後の課題について述べてみたいと思います。

  • 全国の概況

昨年もメディアでは「異常気象」等騒がれましたが、海の表面水温は黒潮域では周年平年並みからやや高めの推移でした。道東から三陸沖合域では5月まで平年より低めの推移でしたが、7月以降は高目に変わり12月までこうした状態が続きました。また日本海海域でも5月まで低めの推移でしたが、6月以降高目の水温に変わり現在まで続いています。

  • 魚種別の状況

(サバ類)
    まず最近比較的安定した漁獲となっているサバ類ですが、昨年のサバの漁獲は10月頃まで前年対比で並みかやや下回る状況でした。11月に入って九州西方海域や北部太平洋海域で盛漁期でもあったのですが、急激に漁況が好調になり、結果的にJAFIC集計では43.4万トンで昨年を7%程度上回りました。魚価も水揚げ好調な割には79円で昨年の76円を若干上回りました。資源の消長は別にしても昨年はかつて北の海域では殆ど漁獲されなかったゴマサバが八戸港などに日によっては、7-8割前後を占めるなど、ゴマサバの分布範囲も従来とはかなり違った様相を帯びてきて北にも分布するようになっています。今ではスーパーや魚屋さんの店頭にはゴマサバの切り身や半身が並んでいるのは、既に日常的な風景になっています。そのような意味ではゴマサバの漁獲量の増加とともに利用範囲も生食や缶詰原料としても価値をもつようになってきています。
    また、マサバ太平洋系群の資源水準も1990~2000年代前半の最低水準期を脱したといわれており、効果的な漁獲が続けば、もともと利用価値の高い魚類でもあり、本年もおおいに期待したいと思います。
(秋サケ)
    秋サケの定置網漁は北海道・三陸もほぼ終漁模様になっています。昨年の秋サケ漁は例年とは少し様相が違い、北海道では初漁期の前期群から来遊が遅く、10月にやや盛り返しましたが、結果的には昨年に比べ約2割の減少となりました。岩手県での漁獲も前年に比べ30%以上も減少しました。その結果秋サケの漁獲は、13.7万トンで前年の17.5万トンから2割以上も減少しました。市況も当初水揚げの低調さの割にはイクラ在庫の多さもあって、低迷していたのですが、漁の不振が確定しかけた10月以降は一転反騰し、高値となりました。その結果364円で昨年の7%高となりました。今秋サケは新巻きのような形態は少なくなり、輸出(主に中国)にも向けられるようになりました。かつては100円を割っていた輸出価格も今では350円でも輸出可能になっています。いまや冷凍ドレスで出した方が加工に向けるよりも利益に繋がるといったことや、国内での消費傾向の変化が背景にあります。したがって、今後も旺盛な中国需要を含めて、魚卵はともかく親サケは内販はもとより海外需要に即した展開が価格にも大きな影響を与えそうです。
(サンマ)
    続いてサンマです。サンマも12月下旬まで漁が続きましたが、秋サケ同様初漁期から極めて低調に推移しました。この不振の原因を巡っては様々な論議が業界でも交わされたのを覚えていると思います。結果漁獲量は19.3万トンにとどまり前年比63%の水準に終わりました。平均単価も134円になり、前年の2倍近い高値となりました。平成16年以来の100円超えでそれも大きく超えるということになりました。過去にこうした高値は平成14年まで遡ることになりますが、金額ベースでみても、近年は200億円超えが続いており、それ踏襲した格好で近年でも最も多い250億円超えが達成されました。また、ここ数年過去にはみられなかった状況変化もあります。それは、今年は初期の漁不振によって一時輸入も久しぶりに9、10月にまとまったことと、ロシア主体の輸出が近年非常に伸びてきていることです。特に輸出関連でいえば、ロシアでの缶詰原料としてのサンマの需要が10万トン程度あるとみている関係者もいるほどです。缶詰原料となれば必ずしも特大、大型魚といった型への極端な拘りも少なく、鮮度とサイズの揃えなどの仕立てさえきちんとしていれば、ということもあって産地サイドでは、ロシア輸出にも大きな期待を抱いています。しかし、何しろそれ相応の来遊資源があってのことでもあり、このことが来年の状況に繋がっていくわけで、いまやサンマもグローバルマーケットの世界に参入しつつあるのが現在のサンマの置かれている状況といえます。
(スルメイカ)
    最後にスルメイカです。昨年のスルメイカ漁は、秋口まで釣り(生・冷とも)とトロールが不振、まき網が好漁と極めて好対照の結果が出ていました。ところが10月中旬から本格化した羅臼沿岸(釣りと定置主体)で漁が始まってからは、11月主体に大豊漁に沸き一気に生鮮スルメイカの全国ベースの水揚量は昨年並みまで追いつき、その結果生鮮スルメイカの水揚量は、10.5万トンに達し昨年を3%程度上回りました。しかし冷凍スルメイカは3.6万トンで前年の2割減と水揚げ的には最初から最後まで山の少ない1年になりました。特に船凍船は1航海の日数が延びたため、周年ベースでみると各船とも1航海少なくなったのも水揚げ減に影響しています。ただし価格的には、本年は漁期当初から他のイカ類の少なさ、特に太平洋赤イカの激減、ペルー赤イカの減少、輸入物イカ類の減少など、供給減少を予想される事態も多く、国内のスルメイカを始めとするイカ類の価格は久しぶりに上昇基調になりました。特に冷凍スルメイカは平成16(2004)年以来の高値になっており、さすがに12月に入ってからは上述した羅臼での生鮮スルメイカの豊漁の影響を受けて、やや弱くなりましたが、基本的には最後まで高値推移が目立った年になりました。同時に冷凍太平洋赤イカも平成年代で最も高く、高騰が目立った1年になりました。
    スルメイカは1年魚という特性もあってなかなか予想しにくい魚ですが、後半の生鮮スルメイカの好漁で加工業者の手当てもかなり進んだとみられることもあり、来年の年明け以降は、並漁が続けばやや弱いスタートが考えられます。

    いずれにしても、昨年は産地では水揚げの多寡はそれぞれ魚種によって違いましたが、総じて単価的には、やや強かった年で今年も豊漁を祈願するとともに価格的にも期待したいと思います。

    なお、詳しい情報につきましては、http://www.market.jafic.or.jp/、若しくは、JAFIC石井、緑川(電話番号:03-5547-6887)まで、お気軽に問い合わせ下さい。

注:この稿における全国水揚量は、JAFICが収集している100あまりの主要産地市場の水揚情報を集計したものです。

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【8】「水産物の安定供給のための人工礁に関するFRA-SEAFDEC合同国際ワークショップ」が開催されました
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(独)水産総合研究センター水産工学研究所水産土木工学部長      生田    和正

    東京都港区の南青山会館において、平成22年11月11日、水産総合研究センター(FRA)と東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)の主催による「水産物の安定供給のための人工礁に関するFRA-SEAFDEC合同国際ワークショップ」が開催されました。会議には、海外からはSEAFDEC及びタイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ブルネイから水産関係行政部局の専門家が8名、国内からは水研センターをはじめ水産庁、岡山県、魚礁関連企業などから43名が参加し、東南アジア及び日本における魚礁研究開発の現状と将来に向けての推進方向について活発な議論が展開されました。
    SEAFDECは東南アジア地域における水産業の発展を目的として技術開発や人材育成など活発に活動している国際機関で、水産庁も積極的に支援を行っております。水研センターも、SEAFDECと長年にわたって技術交流を続けてきており、両機関で推進すべき研究交流の重点事項の一つに「魚礁研究」が位置づけられております。我が国では、魚礁研究やその整備技術開発には長い歴史があり、漁場整備事業が各地で強力に推進されていますが、近年では、東南アジア諸国におきましても水産資源の増大を目的として大規模な魚礁整備事業が進められるなど、この分野における技術開発ニーズが高まっています。
    会議において、SEAFDEC及び東南アジア各国からは、人工礁による漁場や増殖場のさらなる整備を推進していくため、魚礁の効果や機能の評価手法やモニタリング技術の分野において日本とのさらなる技術交流を深めたいとの要望が提示され、今後効果的な協力の仕方について検討する事とし、ワークショップは成功裏に閉会しました。
    翌日には、SEAFDEC一行は早朝の築地市場でのまぐろ競り風景を見学した後、水研センター水産工学研究所(茨城県神栖市)で実験施設の見学と意見交換を行い、日本における最先端の水産工学研究について熱心な質疑が繰り広げられました。今後、ますますこの分野での国際交流が期待されます。

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【9】ちょっといい話
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  • 第8回シーフードショー大阪(H23年2月開催)のご案内

    社団法人大日本水産会の主催のもと、第8回「シーフードショー大阪」が、2011年2月15日(火曜日)~16日(水曜日)の2日間、昨年同様、アジア太平洋トレードセンター内のATCホールで開催されます。
   「シーフードショー」大阪は、魚とシーフードへの世界的な関心の高まりを背景に、食の宝庫・大阪で本格的な“魚”の展示商談会として開催致します。昨年度より、国内の魚・水産商材、国内企業の出展を中心とした開催と位置付けたことで(東京会場は、国際展とする)、日本近海の魚、日本各地の水産商材を中心に、昨年度を上回る約180小間に達する見込みです。
    出展社数は、約200社(前年度は、180社)に達し、大阪会場への初出展企業は約70社に及ぶ予定です。北海道から九州、そして沖縄の企業が、国内第2位のマーケットであり、再開発地域が国内最多ということで期待が膨らむ関西市場に対し、地方の魚、地域の逸品を紹介したいと大集結します。魚で地域をPRしたいという自治体や組合が、地域企業を巻き込んでの出展が過去最高になろうとしているのです。
    全国各地から活魚や鮮魚、寿司や魚食の可能性を広げる冷凍刺身商材・フィレ商材、大人気のレンジアップ対応魚商材、未利用魚・低利用魚を活用した水産加工品、ご飯に良く合う魚商材、そして安心・安全で資源問題からも関心高まる養殖魚と、“魚”の提案が盛りだくさんです。
    加えて、食料自給率に寄与する優れた取組みを表彰するフード・アクション・ニッポンアワード2010の受賞商品も展示します。
    同時開催セミナー・シンポジウムは、水産総合研究センター、水産大学校、そして大日本水産会による講演を2日間にわたって催します。今年度より、“全国すし商生活衛生同業組合連合会”が、すしの知識と技術の向上を目的とした「すし認定試験」も実施します。
    来場者は、2日間で昨年度(11,359名)を上回る13,000名を見込んでおり、事務局は盛況な開催に向け、魚需要を掘り起こす新たな提案を、皆様の目で、口でご体感いただける開催となるよう努めております。
<インターナショナル・シーフードショーのHPは下記から>
>http://www.exhibitiontech.com/seafood/osaka_gaiyou.html

 

  • 「オーライ!ニッポン会議」では「グリーン・ツーリズム商品コンテスト2010」優秀賞のツアーを予定しています

    「オーライ!ニッポン会議」では、農山漁村地域をフィールドとした優れた旅行商品を選定・表彰する「グリーン・ツーリズム商品コンテスト」を実施し、83件の応募の中から、優秀賞(5件)、特別賞(3件)を選定しました。なお、優秀賞を受賞した商品についてはモニターツアーが行われます。受賞した商品のうち、漁村地域関連商品は以下の通りです。
(優秀賞)
■いすみツーリズム2010  房総いすみで農的田舎暮らし体感ツアー風の谷ファーム
■古の風に願いを乗せて旬の島食材を王都に集めろ!壱岐の島歴史ぐるめぐりツアー
(特別賞)
■浜田産(さん)のちょっと教えて!伝統食・ルーツの旅

受賞賞品の概要、モニターツアーの募集等については、以下のホームページでご参照いただけます。
http://www.ohrai.jp/library/gt-tour_of_index.html

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◆市町村相談窓口のご案内
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    地元のお考えや解決したい課題等を水産庁に直接相談していただけるよう「市町村相談窓口」を開設しています。どうぞ、お気軽にご利用下さい!
相談対象者:市町村からの相談を基本とします。
相談内容    :水産業及び漁港漁場に関連した漁村の振興
相談方法    :原則、電子メールで、所属、氏名、連絡先、
相談内容を送付下さい。
E-mailアドレス:www_fid_fa@nm.maff.go.jp
回答              :1週間以内目処でお答えします。
窓口担当     :防災漁村課漁村企画班、環境整備班

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◎バックナンバー
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平成17年9月から発行している「漁港漁場漁村のメールマガジン」のバックナンバーを掲載しています。
★漁港漁場整備部ホームページからどうぞ
>>> http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_merumaga/index.html

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▲編集後記
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    新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
    昨年末から今年初めにかけては、全国で大雪や暴風に見舞われました。山陰での大雪による漁船の沈没をはじめ、被害を受けられた方々へ心からお見舞い申し上げます。
    一方、昨夏は猛暑で、昨年の夏の気温は気象観測データが存在する過去113年で最も高く、世相を表す「今年の漢字」にも「暑」が選ばれるほどでした。漁業についても、漁業情報サービスセンターの石井さんが、昨年一年間を振り返って、主要水産物の生産動向等について書いてくださいましたが、やはり暑さの様々な影響がみられた年であったと思います。
    昨年末に平成23年度予算政府案が閣議決定されました。漁港漁場関係の予算案につきましては、月末の漁港漁場担当課長会議等を通じて、お知らせすることになりますので、よろしくお願いいたします。
    最後になりましたが、昨年末から全国的に寒い日が続いています。新型インフルエンザも流行しているとのことであり、どうか皆様方には体調管理に万全を期していただければと思います。
    このメールマガジンに対する、ご感想、ご要望、ご意見等歓迎しますので、どんどんお寄せください。また、皆様の町の話題についても、取り上げていきたいと考えておりますので、お知らせいただければ幸いです。
~~~~~~~ ♪漁港漁場漁村のメールマガジン♪ ~~~~~~

★発行:水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
(〒100-8907東京都千代田区霞が関1丁目2番1号)

このメールマガジンは、水産業・漁村の振興に関わる地方公共団体の
方々に配信しています。
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水産庁

漁港漁場整備部整備課
ダイヤルイン:03-3502-8493
FAX:03-3502-2668

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