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漁港漁場漁村のメールマガジン 2011/7/22 VOL.064

 ▼目次▼

【1】漁村活性化における中間支援組織について

      ランドブレイン(株)地方活性化グループ      齋藤    元嗣

【2】高校生たちにとっての「聞き書き甲子園」

      水産庁漁港漁場整備部計画課 課長補佐(企画班担当)      小林    聖治

【3】最近の漁海況について(4~6月の状況について)

      漁業情報サービスセンター(JAFIC)      石井    元

【4】「漁業地域復興支援プロジェクトチーム」について(状況報告)

      財団法人  漁港漁場漁村技術研究所  第1調査研究部  部長    中村    隆

【5】シンポジウム
      『大震災を超え、再生しよう新しい日本の水産業へ』を開催します

      (社)大日本水産会    魚食普及推進センター

【6】東日本大震災の状況と問題点
      ~現地で見聞したこと(5月下旬-6月上旬)~

      漁業情報サービスセンター(JAFIC)      石井    元

【7】お知らせ

  • 活力ある漁村づくりモデル育成事業公募結果(2回目)について

市町村相談窓口のご案内
7月1日付け人事異動

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【1】漁村活性化における中間支援組織について
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ランドブレイン(株)地方活性化グループ      齋藤    元嗣

    まちづくりや農山漁村の活性化の取組において、「中間支援組織」と呼ばれる組織があります。その明確な定義はありませんが、地域が活動を行うに際して、地域住民参加により地域の魅力を引き出し、交流などのプログラムづくりを支援したり、対外的な窓口となったり、あるいは地域での人材育成をおこない活動の持続を支援するなどの役割を持つ組織です。また、NPO等が中間支援組織となる場合は、その活動の範囲は一つの集落・地域にとどまらず、市町村や都道府県等、より広域で活動することもあります。
    漁村の活力向上に向けた様々な取組のうち、都市漁村交流での漁村体験を例にみてみると、地域内では、体験プログラムづくりや関係者の合意形成、地域住民の役割分担等が、また対外的には、情報発信やニーズの把握、連絡・調整などの作業が必要です。活力ある漁村づくりモデル育成事業では、それらを地元行政、漁協、住民等関係者で構成される協議会が担っており、中間支援組織として協議会が有効に機能することが重要です。また、NPO法人や民間団体が有する体験プログラムづくりや人材育成などの優れたノウハウを活用することも選択肢の一つとなり得ます。
    中間支援組織としての具体的活動状況をもう少しみてみると、地域の新たな雇用・所得の機会として、地域住民による漁業体験・観光を推進するため、地域の漁業者などを対象に、安全対策や地域資源の掘り下げによる体験型プログラムづくり、フィールドワーク等をあわせた実践的講習を実施し、地域での体験指導者の育成を進めているところがあります。地元漁業者が体験指導者として活躍することで、そこでしか体験できない魅力の創造につながるという効果もあります。また、地域住民を対象に救急蘇生法の講習会を実施し、現在町民約100名に1人が体験活動指導者となっているところもあります。そこでは、受け入れ時の人的サポート体制の充実により、修学旅行の誘致などに有利な条件ができているようです。
    協議会の活動は、都市漁村交流にとどまらない広範なものです。漁村活性化を進めていく上で、人材を育てつつ、漁村住民の信頼を得て、漁村の将来の姿を見据えて、協議会が中間支援組織としての力を発揮していくことが極めて重要なのではないでしょうか。

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【2】高校生たちにとっての「聞き書き甲子園」
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水産庁漁港漁場整備部計画課 課長補佐(企画班担当)      小林    聖治

    今回は高校生の皆さんから届いた参加を希望する理由を読んだ感想を交えながら、「第10回聞き書き甲子園」について紹介したいと思います。
    「森の“聞き書き甲子園”」は、日本全国の高校生が森の名手・名人を訪ね、知恵や技術、人生そのものを直接本人から「聞き」、それを「書き」記録するという活動です。この活動を通じて、参加した高校生の皆さんが人と自然が共存する未来を考え、新たな一歩を踏み出すことを願い、既に9回が開催されています。昨年度は、海・川の名人から「聞き書き」を行う「第1回海・川の聞き書き甲子園」も共催されました。
    本年度「森の“聞き書き甲子園”」も10回目となり、昨年は共催という形で開催された「海・川の聞き書き甲子園」も、水産庁が林野庁とともに農林水産省主催という形でこの取組をサポートすることができるようになり、これまでの「森の“聞き書き甲子園”」も装い新たに、「第10回聞き書き甲子園」として開催されることが決まりました。その中で、今年も昨年度同様、「海・川の名人」への聞き書き活動について、20人の高校生の皆さんが募集されることになっております。
    本来、まったく面識のない方から話を伺うことは非常に難しい活動であるにもかかわらず、毎年、多くの高校生の皆さんがこの活動に参加してくれています。皆さんから寄せられたこの取組への参加理由を読むと、自分にとって名人たちに直接会ってお話を聞くことが、自分にとってどういう意味を持つのかを真剣に考え、自分なりの答えを見付けよう、海や川のなりわいで技術・技能を究め、地域の模範として優れた名人たちから直接お話を「聞き書き」する中で、名人たちの生き方やものの考え方を学び、受け取ることを、自分たちの将来を考える機会と考えているだけでなく、自分を取り巻く環境の未来を見詰める機会と捉えている、そんな気持ちが伝わってきます。
    今年も各関係機関にこの活動に対するご理解とご協力を頂きながら準備が進められているところであり、8月下旬には参加頂ける名手・名人を決定し、9月中頃には高校生の皆さんが名人・名手を訪ねる、「聞き書き」活動が始まります。

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【3】最近の漁海況について(4~6月の状況について)
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漁業情報サービスセンター(JAFIC)      石井    元

○全国の海況
    今年の上半期の日本近海の海水温は、平年より低い状態が続き、4~6月期においても、特に三陸近海から沖合にかけてと日本海沖合については、何れも平年より低い状態が続きました。ただ三陸近海の東経145度以西では平年よりやや高い海域も見られ始めました。また、その他の海域でも、九州南部沖合から四国沖合のように平年並で推移している海域もみられるなど、全体的には昇温とともに徐々に平年差が縮まりつつあります。
    黒潮は、4月上旬は九州南部では蛇行して流れていますが、九州東部では4月上・中旬やや離岸、下旬、5月上・中旬まで接岸、下旬離岸、6月上旬やや離岸、接岸、離岸を繰り返しました。四国沖合の足摺岬~室戸岬では4月中旬を除き接岸、5月は概ね接岸、6月は離岸~接岸していました。
    潮岬沖では4月下旬、5月上旬に離岸していたほかは、概ね接岸傾向で流れていました。その後は遠州灘沖合で直進して流れ、伊豆半島南で小蛇行を繰り返しながら伊豆半島東を北上し、房総沖合を離接岸を繰り返し流れていました。


○魚種別の状況
    マアジは4~6月に九州や山陰では盛漁期を迎えます。したがって上半期での漁の行方が今年の水揚げを大きく左右します。
    本年は4月まで九州での漁が好調で、水揚量も3倍の多さでした。しかしその後、盛漁期を迎えてから、特に6月入って山陰や九州での漁が急激に落ちてきたこともあって、6月末の累計水揚量も約5.1万トンで、昨年に比べ105%となっています。市況は上半期の好漁もあって安値も目立っていましたが、4,5月と水揚げの急減に伴って、月平均価格も急上昇したこともあって、累計平均単価は178円/kgで前年(176円/kg)並みにまで戻しつつあります。マアジは夏場から秋にかけてももう一山ある年が多いことからみると、まだ下半期に期待をつなぎたいと思います。
    カツオは今や上りカツオ、下りカツオと年間を通じて2回その旬があると言ってもよくなっています。上半期はその意味では当然上りカツオの季節に当ります。漁法も曳縄、1本釣り、巻き網あり、4月までは曳縄、1本釣りが主体です。
    カツオは1~4月、特に1~3月までは漁場も小笠原周辺や九州南部沖合が主漁場に当り、まだ水揚げも少なく、4月に入って徐々に伊豆列島西側に漁場ができる頃になって、水揚げも増加するようになります。
    本年の漁模様は4月までは釣り主体に前年をやや下回る水揚げにとどまりました。
    しかし5月以降、釣りも含めて水揚げが急増し昨年を大きく上回るようになりました。釣りの6月までの累計水揚量は、1.7万トンで前年(1.3万トン)をかなり上回っています。しかし巻き網の累計水揚量は、0.4万トンで前年(0.7万トン)をかなり下回っています。
    魚価は釣りが244円/kg(前年291円/kg)、網物346円/kg(同413円/kg)と何れも前年の84%と安値推移となっています。
    今年は、何といっても地震・津波・原発により水揚げ港に大きな変化がみられます。それは、釣りでは安房勝浦や御前崎に、巻き網では銚子や沼津にも水揚げが集中していることです。例年この時期はまき網では気仙沼や石巻、小名浜、中之作といった産地にも水揚げが集中されるのですが、今年は石巻、中之作、小名浜は今のところ水揚げがありません。
    ようやく気仙沼に6月下旬の28日に初水揚げがあった程度です、釣りにおいてもこの時期にはおおよそ数隻は気仙沼には入港しています。いまだ復旧途上で、餌場の問題、製氷施設、冷凍施設等の問題を抱えながら徐々に水揚げを増加していくものと推測されます。また沼津のように近年さほど目立った水揚げはなかった漁港でも水揚げは4倍増となっており、ここでも原発等から離れた地区での水揚げが目立っています。消費地市場からの要請などもあるものと推測されます。
    主漁場がまだ北に形成されていないということがあるものの、今年の魚の水揚げを巡ってはこれからも例年とは違った色々な動きが出てくることは想像に難くありません。その意味でも被災に遭った漁港の復興は急がなければならないと思います。
    続いてマイワシです。今年の年明けから、マイワシは順調に水揚げを伸ばしています。特に犬吠埼から房総海域、山陰沿岸、長崎沿岸といった地区での水揚げの伸びは眼を見張るものがあります。当然にもこうした高水揚げもあることから資源復活への期待の高まりもみられるようです。
    道東・三陸地区でマイワシの全盛期には初夏から秋口にかけて極めて大量の漁獲があったものです。もちろん現在の水揚げ増は往時に比べるべくもありませんが、それでもやはり今後への期待は大きいものがあります。
    6月までの累計水揚量は、8.3万トンで前年(2.1万トン)の4倍増となっています。漁港別にみても累計水揚量は、銚子で4.7万トン(前年1万トン)、境港で2.4万トン(同0.3万トン)、長崎で2.4千トン(同0.2千トン)を大きく上回っています。
    累計平均単価は44円/kgで前年(120円/kg)を大きく下回っています。特にこの数ヶ月のマイワシの漁獲サイズは小中羽や中羽イワシが多く魚体も小さく、餌料用に回るものも多く安値が続きました。
    この魚価の水準は、平成8年並みで、ちなみにこの年のマイワシの生産量は、約32万トンとなっています。本年はTAC枠が15.1万トンに設定されており、当然この枠内での漁獲量になるものとみられます。
    ただ関係者の話では2010年級群が卓越年級群ともいわれており、こうしたことから、この年級群以降連続した卓越年級群が出現することになれば、資源の復活の話にも現実味が帯びてきます。ただ現状の太平洋系群の資源水準は未だ低水準といわれ、その動向は増加傾向であることもあり、いまある資源を有効に利用しながら、次の代へつなげていく必要があります。
    なお、詳しい情報につきましては、http://www.market.jafic.or.jp/、若しくは、JAFIC石井、緑川(電話番号:03-5547-6887)までお気軽に問い合わせ下さい。

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【4】「漁業地域復興支援プロジェクトチーム」について(状況報告)
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財団法人 漁港漁場漁村技術研究所 第1調査研究部 部長      中村    隆

    漁業地域の復興に関しては、漁業を中心とする生産活動と生活が一体的に営まれる場所として発展してきたという経過に鑑み、トップダウン的な発想で一律に規定することなく、そこに居住する漁業者や住民の意思を最大限尊重した計画づくりをボトムアップ的に行う事が重要であると考えます。
    このため、(財)漁港漁場漁村技術研究所では、水産業、漁港、津波・防災、地域づくりの各分野の有識者等から構成される「漁業地域復興支援プロジェクトチーム」を設置し、現地の声を聞きながら個別地域の復興計画づくりへの助言等の支援を行うとともに、漁業地域の復興の視点や考え方、復旧・復興の手順等について、提言を行うこととしています。
    これまで、第1回会合(5/22)を開催するとともに、実際に、岩手県の大船渡及び陸前高田、宮城県の気仙沼において、現地調査(6/23~6/24)を行ったところです。各委員からは、「集落の復旧にあたっては、生活と生産の場の一体性、漁業形態等を踏まえた対応が必要ではないか。」、「過去に高台移転したが、時代とともに低地に戻ってきた過去の経緯等を踏まえる必要があるのではないか。」等の様々な意見が出されているところです。
    プロジェクトチームでは、今後、9月頃を目処に提言をとりまとめる予定です。

http://www.jific.or.jp/blog_1/post-2.html

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【5】シンポジウム
『大震災を超え、再生しよう新しい日本の水産業へ』を開催します
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(社)大日本水産会  魚食普及推進センター

    大日本水産会は、シンポジウム『大震災を超え、再生しよう新しい日本の水産業へ』を開催致します。是非ご参加ください。当日は第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーの中日です。会場も隣接しています。両行事をご体験ください。
    今回のテーマには、障害を越えて元に戻るだけはなく、新しいその先を目指すという思いを込めて「超え」る、という表現に致しました。震災以前より長く続いている魚食消費低迷の中、追い打ちをかける東日本大震災に遭遇した日本水産業の再生・復興を目指し、業界関係者、消費者一体となり新しく再生する糸口を探ります。概要は以下の通りです。

 

『大震災を超え、再生しよう新しい日本の水産業へ』
開催日:平成23年7月28日(木)13:00開場
会    場:東京ビッグサイトレセプションホールB
(江東区有明3丁目11番1号 TEL 03-5530-1115)
(JR新橋より「ゆりかもめ」国際展示場正門で下車、直ぐです。)
【プログラム】
○第一部    講演会「買って、食べて応援しよう水産日本」
    講師:阿南   久   全国消費者団体連絡会事務局長
    消費者目線で日本の漁業、水産業、そして魚食動向をどのように見られているのか、魚食市場拡大に向けて日夜尽力している生産者と魚嫌いではない、魚を食べたいとする消費者が多い中、両者の魚食普及の連携はどのようにあるべきなのか、貴重なご提言に耳を傾けたいと思います。

○第二部    パネルディスカッション

    「応援しよう日本の水産業-どう描くその未来」~水産業界各代表に聞く。読み解く環境、戦略の設計~

    コーデイネーター:馬場    治   東京海洋大学海洋科学部海洋政策文化学科教授
    パネリスト:
    (1)漁業者として/茨城県久慈町漁協
       小型底引き網漁業経営    小泉    光彦氏
    (2)水産加工・流通業者として/気仙沼市  株式会社阿部長商店  代表取締役社長    阿部    泰浩氏
    (3)中央卸業者として/(社)全国中央市場水産卸協会会長    伊藤    裕康氏
    (4)魚介類販売業者として/株式会社魚力  相談役    伊藤    繁則氏
    (5)消費者団体代表として/全国消費者団体連絡会  事務局長    阿南    久氏

    水産業の主軸を構成する異なる業態の方々に加え、魚を食べたいとする消費者が多い中、消費者団体代表他をパネリストにお迎えし、それぞれの視点から再生する、新生しようとする日本の水産業について討論します。コーデイネーターは東京海洋大学馬場治教授にお願いし、それぞれのパネリストの思いに迫って頂きます。馬場先生は海洋政策文化学、とりわけ日本の漁業経済をご研究、学界・業界に深い示唆をなされております。漁業経済学の視点から、「魚離れは魚嫌いではない、食の種類が豊富になったから」という分析をされており、日本の水産業の活性化に向けて、新しい読みを水産業界各位、消費者の目線で討論を行って頂きます。
○申込み:ご参加の条件ではありませんが、事前に以下をご連絡ください。
(1)出席者名、会社・団体名、電話番号(以下の無料招待券を事前に希望される方は送付先住所)
(2)連絡先は、FAXの場合  03-3582-2337
      社団法人大日本水産会魚食普及推進センター事務局、
      メールにてご連絡の場合は  miyamoto@suisankai.or.jp
      魚食普及推進センター事務局宛にお願い致します。
(3)シンポジウムご来場の皆様には、当日東5・6ホールで開催される第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーの無料招待券を会場入り口で配布させて頂きます。事前郵送を希望される方は(1)により送付先をご連絡ください。「応援しよう水産日本」として開催されるシーフードショーの訪問、被災地域を励ます被災者出展ブースの訪問をお願い致します。
    本行事に関するお問合わせは、03-3585-6684 石川、宮本までお電話ください。
    大日本水産会ホームページはhttp://www.suisankai.or.jp です。

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【6】東日本大震災の状況と問題点
~現地で見聞したこと(5月下旬-6月上旬)~
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漁業情報サービスセンター(JAFIC)      石井    元

○はじめに
    2011年3月11日午後2時46分、日本列島を震撼させた地震とその後の津波による被害は東北地方をはじめ現地に大きな爪痕を残しました。中でも被災された地域の方々、特に今回の大震災の被害地域の多くは漁村や漁港、つまり水産・漁業界であり、そうした地域に大きな傷跡を残しました。その後4カ月経ち、生活支援から復旧・復興へと徐々に現地からの声も大きくなってきています。
    ここでは、5月下旬から6月上旬にかけて三陸各地(八戸、宮古、大船渡、気仙沼、女川、石巻、塩竃)でみた現地の様子と現地が抱えている問題点を取り出してみたい。
○八戸
    八戸は、震災後まもなく、中型イカ船が漁港に乗り上げられた映像がテレビで放映されたこともあり、記憶に残っている方も多いと思われるが、既に筆者が訪れた5月下旬には漁船は解体され、その姿はなかった。そして市場周辺の瓦礫も多くなく復旧の度合いは非常に速いテンポで進められていた。
    そのことは、八戸の有力企業である加工業者の冷蔵庫の回復具合にも表れており、一部それぞれの工場内での解体・後片付けの作業はあるものの大半の業者は、自力で冷蔵庫機能の回復に向けた行動をとっていた。
    八戸に立地している冷蔵庫は、海側と山側に分かれており、今回の津波でより海側(市場周辺)に面した冷蔵庫は、かなりの部分が海水に浸かっており、中の原料や製品が使用不能になったものも多かった。しかし上述のように、回復度合いは急速に進んでおり、7月以降の巻き網やスルメイカの時期の受け入れ態勢は完全ではないものの相当程度間に合うとみた。
    市場の方は、一部岸壁がやられている個所もあるが、車を始め海底の瓦礫の撤去は進んでおり航路の確保はおおむね順調にきていた。筆者の訪問時、底引き船が小中野の市場に水揚げしていたが、震災後直ぐは、鮫の市場に底引き船が水揚げし、それをトラックで小中野の市場に運び入札を行っていた。
    まき網漁業の基地として存在感の強い八戸においてトラックスケールは、北の港にとっては必須の設備である。それが稼働できないと処理能力の面で大きなハンディキャップとなる。市場側も6月中には回復したいという話であるが、7月にかかってしまうという心配も現地の関係者にはあるようだ。その意味で処理スピード・処理能力に大きな影響でるためまき網の水揚げが始まる7月までには早急に解決しなければならない課題でもある。
    サンマの水揚げ期待も八戸港には寄せられているが、同時期にサバやスルメイカも水揚げされることや、また選別機の導入がある程度必須の条件でもあるため、かなりの設備資金が必要であることなどからみると、難しい印象を受けた。
    また、一部仲買業者からは、放射能汚染問題で安全証明書発行の話も出ていたが、この件については、八戸のみならずどの市場でも長期に亘って共通課題として存在し、サンプリング調査含めて何らかの発信が必要とされている。(既に魚介類のサンプリング調査は随時公的機関で実施中)
○宮古
    宮古は、市場と製氷施設が破壊された。未だ市場内の片隅には瓦礫が山になっており、撤去しながら隣接している市場で入札を行っていた。
    訪問時、市場の入札は再開され沖底船の水揚げがみられていた。旧事務所が使えないために、旧事務所の脇に、平屋の仮事務所を建て清算業務を行っており、卸売業者(宮古漁協)と仲買業者がそこに出入りしていた。底引き船は、瓦礫の清掃と操業を当番制で行っており、海の整備(=漁場の確保)と操業を両立させていた。
    この震災後の市場復旧についての最大の問題は、氷の問題がある。現在市場で使用されている氷は、震災前に田老にある冷蔵庫に移しておいたもので、約800トン貯氷されている。それを使用しているわけであるが、製氷施設がまだ復活していないため、それを使い切ると氷が無くなる事態が起こるわけだ。氷がない状態で下半期の盛漁期(三陸では、サンマ、サバ、イカ等の魚種はピークを迎える)を迎えることになれば、鮮魚で出回る魚にとっては致命的なことになる。こうした事態は、今回被災した全ての市場に言えるわけで、余り取り上げられていなかったが、こうしたことがある程度復旧されて初めて漁船が漁獲し・水揚げされた魚が価値を持つことになる。製氷施設はどの市場でも現段階(鮮魚で出回る時期という意味)では必須の条件になっている。
(以下次号)

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【7】お知らせ
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●活力ある漁村づくりモデル育成事業公募結果(2回目)について

    近日中に採択された地域を公表する予定です。応募された地域につきましては、別途、結果をご連絡いたします。
問合せ先:水産庁防災漁村課 村上、武下
電         話:03-3502-8111(代)内線6905

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◆  7月1日付け人事異動
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7月1日付け漁港漁場整備部関係の人事異動をお知らせします。

☆7月1日付け部内へ異動・新所属
【整備課】
佐藤    昭人    →    整備課付

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◆  市町村相談窓口のご案内
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    地元のお考えや解決したい課題等を水産庁に直接相談していただけるよう「市町村相談窓口」を開設しています。どうぞ、お気軽にご利用下さい!
相談対象者:市町村からの相談を基本とします。
相談内容    :水産業及び漁港漁場に関連した漁村の振興
相談方法    :原則、電子メールで、所属、氏名、連絡先、
相談内容を送付下さい。
E-mailアドレス:www_fid_fa@nm.maff.go.jp
回答              :1週間以内目処でお答えします。
窓口担当     :防災漁村課漁村企画班、環境整備班

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◎  バックナンバー
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平成17年9月から発行している「漁港漁場漁村のメールマガジン」のバックナンバーを掲載しています。
★漁港漁場整備部ホームページからどうぞ
>>> http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_merumaga/index.html

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▲ 編集後記
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    東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
    今年は全国的に梅雨明けも早かったですが、今度は大型の台風6号がやってきました。本格的な台風シーズンはもう少し先ですが、節電の中、熱中症にも注意しつつ、皆様が厳しい夏を体調を崩さず乗り越えられることを心からお祈りいたします。また、今週初めには、なでしこジャパンがサッカー女子ワールドカップドイツ大会で見事初優勝しました。とてもうれしいニュースでした。
    さて、今月号では、東日本大震災の関係の記事をいくつか取り上げました。漁港漁場漁村技術研究所の「漁業地域復興支援プロジェクトチーム」の活動、大日本水産会のシンポジウム「大震災を超え、再生しよう新しい日本の水産業へ」のご紹介、漁業情報サービスセンターの研究会で取り上げられた東日本大震災と三陸の水産加工業の状況です。
    大日本水産会のシンポジウムについては、開催期日が迫っています。ご都合のつく方は是非ご参加いただければと思います。漁業情報サービスセンターからの報告については、現場の状況は刻々と変化していますが、流通の専門家の目から見た、大震災から3ヶ月経過する時点での状況ということでみていただければと思います。続きは、次号以降で取り上げていく予定です。
    大震災の影響はいろいろなところにみられます。高校生が参加する「聞き書き甲子園」は、例年100人の高校生が参加しますが、今年は50人の規模で行われる予定とのことです。カツオの水揚げについても、漁場形成の影響もありますが、これまで水揚港の変化がみられました。まだまだ時間はかかりますが、関係者のご尽力に敬意を表するとともに、大震災からの復興が少しでも早く進むことをお祈りいたします。
    このメールマガジンに対する、ご感想、ご要望、ご意見等歓迎しますので、どんどんお寄せください。また、皆様の町の話題についても、取り上げていきたいと考えておりますので、お知らせいただければ幸いです。

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★発行:水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
(〒100-8907東京都千代田区霞が関1丁目2番1号)

このメールマガジンは、水産業・漁村の振興に関わる地方公共団体の
方々に配信しています。
このメールマガジンに関するご意見・ご要望、転載の希望、あるいは
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メールでお願いします。
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お問い合わせ先

水産庁

漁港漁場整備部整備課
ダイヤルイン:03-3502-8493
FAX:03-3502-2668

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