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漁港漁場漁村のメールマガジン 2011/12/21 VOL.069

 ▼目次▼

【1】和歌山県太地町の漁村活性化の取組について

ランドブレイン(株)地方活性化グループ    齋藤    元嗣

【2】東日本大震災から「奇跡の4ヶ月!」

~宮城県南三陸町馬場中山生活センター  会長  阿部倉善さん・きくみさんご夫妻に聞く~

(財)漁港漁場漁村技術研究所  調査役    大塚    浩二

【3】未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選から
十六羅漢岩  山形県/遊佐町

遊佐町文化財保護審議会  前会長    菅原    傳作

【4】お知らせ

  • 漁村活性化関連予算について

市町村相談窓口のご案内

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【1】和歌山県太地町の漁村活性化の取組について
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ランドブレイン(株)地方活性化グループ      齋藤    元嗣

    紀伊半島の突端に位置する和歌山県太地町は、宮城県鮎川、千葉県和田とともに小型沿岸捕鯨の伝統を守るくじらのまちです。400年前、古式捕鯨がこの地で発祥したといわれ、古く江戸の初期から日本中にしられたまちですが、他の漁村地域と同様に人口減少や高齢化が進展するとともに、捕鯨に関するさまざまな動きに翻弄されている状況もあります。
    地域資源としては、鯨の生態や捕鯨の歴史資料が集められ世界有数のスケールを誇る「くじらの博物館」、海水浴場内に仕切り網をはり、小型のくじらと一緒に遊泳、間近で観察することができる「くじらと出会える海水浴場」、他にも町内にはさまざまな鯨料理や民芸品、捕鯨漁師の夜話、古式捕鯨跡や和洋折衷の独特の民家が混在する集落、漁協自営のスーパーマーケットでの産地の新鮮な水産物など非常に多くの資源を見て取ることができます。また、近年は、誰もが安全に使える清潔な公衆トイレの整備や駅のエレベータ設置などを進め、皆をあたたかく迎える公園のようなまちづくりにも取り組んでいます。
    このたび、町では、くじらという最大の資源を始め、多くの地域資源を最大限に活用し、広く都市住民の共感と理解を得て活力あるまちづくりを推進する目的で、「森浦湾鯨の海構想」を作成しました。真珠やひおうぎ貝養殖がなされている森浦湾の海域を利用して鯨類の飼育、研究や体験の場を創出するもので、
(1)鯨と人のふれあいと癒しの場の創出として小型捕鯨の生態に老若男女が接する機会の創出
(2)世界に先駆けた鯨類飼育の場の創出としてくじらの博物館での飼育・研究実績をもとに大型鯨類の飼育を試みること
(3)日本屈指の鯨研究メッカの創出
(4)観光客集客力の強化と地域活性化の核の創出をはかること
を4本の柱として位置づけています。
    先日、取組みのスタートとして、キックオフくるま座シンポジウムを開催し、町民多数の参加の下、太地町にとってのくじら資源の重要性について議論し、くじらの町づくりという考え方の共有が図られました。
    12月24日には「太地の朝市」が太地町漁協にて開催され、漁師のまかない料理の試食やセリ市体験などが実施されます。太地の水産物・くじらの歴史文化を味わいに訪れてみてはいかがでしょうか。

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【2】東日本大震災から「奇跡の4ヶ月!」

 ~宮城県南三陸町馬場中山生活センター 会長 阿部倉善さん・きくみさんご夫妻に聞く~
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(財)漁港漁場漁村技術研究所調査役      大塚    浩二

    宮城県南三陸町の旧歌津町の半島の先に「ばなな漁港」があります。ひらがなの漁港名は大変珍しいのですが、馬場地区、中山地区、名寄地区が合併し、各地区の頭文字をとって「ばなな」という漁港になった町管理の第1種漁港です。
    ここで3.11以降、奇跡ともいえる4ヶ月の集団生活が見事に成し遂げられました。
    「地震と津波で道路が寸断し、孤立しちまってね。みんなが馬場中山生活センターに集まって、その夜は240人位いたかな~。1ヶ月たっても200人はいたよ。この地区は100世帯位あったけど、津波の被害を免れたのは5軒程。生活センターには4畳に8~10人が寝泊りしたのさ。」
    東日本大震災が起きた3月11日はワカメ養殖の収穫最盛期でした。地区内外から集まった大勢の方々が収穫作業に従事しており、道路が寸断したために自宅に帰れない方々も大勢いました。
    幸いにも生活センターは集落の斜面の上にあり、津波の被害を逃れた唯一の共有施設なのでした。しかし、生活センターは町の指定避難場所にはなっていなかったため、自立を強いられていました。
    「孤立してたから物資の補給もなく、流れていた冷蔵庫から食料を集め、漂流していた車からガソリンを集め、かろうじて集団避難生活ができたんだよ。そのうちに米軍のヘリが上空から食料を降ろしてくれてね。有り難かったね~。」
    震災後1ヶ月経った4月11日、集落の若者が馬場中山生活センターのHP(http://www.babanakayama.jp/)を立ち上げ、センターの状況を毎日更新すると、全国から多くのボランティアの方々が支援に集まりました。この時はまだ電気も水道も寸断されたままでした。この地区は団結力がとても強く、被災した地元のみんなで協力して男性は力仕事・女性は家事と分担して、毎日いろいろな作業をしていました。
    徐々に親戚や仮設住宅への入居が進み、震災後4ヶ月経った7月に全員が仮設住宅に入居できるまで約60人が集団生活を送りました。奇跡ともいえる凄まじい4ヶ月もの集団生活を乗り切ったのです。それを見事にまとめたのが阿部会長ご夫妻でした。
    「これが第一歩だよ。これから大変な生活が待ち受けてるのさ。明日に向けてどうやって生活するかがね。高台じゃ養殖はできないさ。集落がバラバラになってもだめなんだよ。海での元の生活に戻りたいね~。子どもや孫のためにもう一度スタートを切るよ!」阿部さんご夫妻の口から、逞しい言葉を聞く事ができました。
    そして、阿部さんが地区の若者を率いてワカメ養殖の準備を始め、北海道から養殖組合で共同利用するための漁船を買いつけ、ようやくワカメの種挟み作業を終えようとしています。
    ここ、馬場中山を訪れるたびに、三陸の浦々に位置する小さな漁村が地域の産業を支えていることを痛感するとともに、漁村ならではの絆の強さと、全てを失ったにもかかわらず前を向いて生きていこうとしている人間本来の姿を垣間見ることが出来ました。

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【3】未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選から
十六羅漢岩  山形県/遊佐町
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遊佐町文化財保護審議会  前会長      菅原    傳作

    吹浦駅を北西に約1キロの海岸に、本町随一の名勝「十六羅漢岩」が日本海に突き出ている。
    西鳥海火山の中腹に富士山型をした観音森が寄生火山のような形で形成され、その上方に猿穴の噴火口が大きな口を開いている。その昔、この火口から流れ出した溶岩流は、観音森で二た分けされ、流れの一つは三崎山となり、一つは吹浦山となり、各々その末端は日本海の荒波にその脚を洗われているのである。吹浦山一帯の溶岩は吹浦溶岩と呼ばれ、複輝石安山岩で、十六羅漢はこの溶岩に刻まれたものである。このあたり一帯は奇石怪岩に富み、一衣帯水日本海の孤島飛島を望み、風光明媚、まさに一幅の名画を見るの感がある。
    吹浦は、もともと漁村で、漁師の宿命として昔からどんなに多くの人達が荒波に命を失ったことであろう。海禅寺第二十一代寛海和尚は夙にこのことに胸を痛め、諸霊の供養と海上の安全を祈り、衆生を救わんと、羅漢の造佛を念願していたが、発願したのが元治元年(1864)のことである。寛海は、自ら近村は勿論、遠く酒田まで托鉢して勧化につとめ、一方、升川の石工たちを指揮督励して刻苦すること五ヵ年、明治元年漸く二十二体の見事な磨崖佛を完工したのである。像は、自然の岩石の姿に合わせて刻むことを心したものであるという。十六の羅漢に釈迦牟尼、文珠、普賢の両菩薩、観音、舎利仏、目蓮の三像を併せて二十二体であるといわれている。寛海は、ひたすらに漁師の身の上を案じながら刻んだものであろう。
     以来約140年の間、この佛たちは冬の海の怒濤逆巻くを見ては波静かなれと海上の安全を念じ、春の海の駘蕩なる様を見れば大漁たれと漁師の幸せを冀ってきたに違いない。いわばこの佛たちの願いは寛海和尚の切なる願いである。今に寛海和尚は生きているのである。十六羅漢岩の眺望台に、碑が二つある。一つは斎藤勇の「母川回帰」の歌碑であり、一つは佐藤漾人の「鳥海の鳥曇」の句碑である。岩の東方100mの道傍に「吹浦かけて夕涼み」の芭蕉の句碑のあることも忘れてはならない。

    なお、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」については、(社)全国漁港漁場協会のホームページに掲載されておりますので、興味のある方は是非ご覧いただきたいと思います。
URL  http://www.gyokou.or.jp/100sen/100kekka.htm

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【4】お知らせ
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●漁村活性化関連予算について

    農林水産省では、都市と農山漁村の共生・対流、農山漁村の6次産業化を推進しており、水産庁以外でも、漁村や漁業者が利用できる事業が予算化されています。
    24年度予算については、現在、財務省との折衝中であり、不確定な部分がありますが、政府案が決定されれば、早いものは年度内から随時、公募が行われるものとみられますので(下記、「補助事業参加者の公募」のページ等に公示される)、都市漁村交流や6次産業化をご検討されている市町村、漁協等におかれましては、これらの事業についても、参照されてはいかがでしょうか。ご参考までに、農林水産省の該当するホームページのアドレスを以下に記載いたします。

(都市と農山漁村の共生・対流)
http://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/kyose_tairyu/k_kyotai/index.html
・24年度予算要求の概要(食と地域の交流促進対策交付金)
http://www.maff.go.jp/j/budget/2012/pdf/b47.pdf

(農山漁村の6次産業化)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika.html
・24年度予算要求の概要(6次産業総合推進事業)
http://www.maff.go.jp/j/soushoku/sanki/pdf/soft.pdf
・6次産業化パンフレット
http://www.maff.go.jp/j/soushoku/sanki/pdf/6jikapanf.pdf

(補助事業参加者の公募)
http://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/index.html

以上について、ご質問等あれば、ご遠慮なく、以下までご連絡ください。
水産庁 防災漁村課 都市漁村交流専門官 村上
電話 03-6744-2392

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◆  市町村相談窓口のご案内
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地元のお考えや解決したい課題等を水産庁に直接相談していただけるよう「市町村相談窓口」を開設しています。どうぞ、お気軽にご利用下さい!
相談対象者:市町村からの相談を基本とします。
相談内容    :水産業及び漁港漁場に関連した漁村の振興
相談方法    :原則、電子メールで、所属、氏名、連絡先、
相談内容を送付下さい。
E-mailアドレス:www_fid_fa@nm.maff.go.jp
回答            :1週間以内目処でお答えします。
窓口担当   :防災漁村課漁村企画班、環境整備班

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◎  バックナンバー
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平成17年9月から発行している「漁港漁場漁村のメールマガジン」のバックナンバーを掲載しています。
★漁港漁場整備部ホームページからどうぞ
>>> http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_merumaga/index.html

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▲  編集後記
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    東日本大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
    先週末は、大阪で開催された「地域リーダー育成研修会」に行って参りました。参加された各地の皆様、有識者の先生方、大変お疲れ様でした。より充実した内容にするため、ご意見等をお知らせ頂ければと思います。
    今月号では、和歌山県太地町の取組をご紹介いたしました。太地町の方が、前述の研修会に参加されていましたが、本年5月にNHKスペシャル「クジラと生きる」が放送されてから、町への激励の連絡が増え、心強く感じられたそうです。漁村の実情や苦境を皆に知ってもらうことの大切さを実感いたしました。
    また、宮城県南三陸町馬場中山地区での、東日本大震災からの4ヶ月について、(財)漁港漁場漁村技術研究所の大塚さんからご寄稿頂きました。NHKの番組でご覧になった方もいらっしゃると思いますが、地区の団結力、会長ご夫妻をはじめとするリーダーシップ、全国からの支援が大きな力になったと感じます。復興まではまだ長い道のりですが、どうか乗り越えていって欲しいと思いました。
    本格的な寒さを感じる頃となりました。お風邪等召さず、皆様、良いお年を迎えられますよう、お祈りいたします。
    このメールマガジンに対する、ご感想、ご要望、ご意見等歓迎しますので、どんどんお寄せください。また、皆様の町の話題についても、取り上げていきたいと考えておりますので、お知らせいただければ幸いです。

~~~~~~~ ♪漁港漁場漁村のメールマガジン♪ ~~~~~~~

★発行:水産庁漁港漁場整備部防災漁村課
(〒100-8907東京都千代田区霞が関1丁目2番1号)

このメールマガジンは、水産業・漁村の振興に関わる地方公共団体の
方々に配信しています。
このメールマガジンに関するご意見・ご要望、転載の希望、あるいは
メールマガジンの配信停止やメールアドレスなどの変更は、こちらまで
メールでお願いします。
>>> www_fid_fa@nm.maff.go.jp

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お問い合わせ先

水産庁

漁港漁場整備部整備課
ダイヤルイン:03-3502-8493
FAX:03-3502-2668

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