ホーム > 政策評価 > 水産行政における政策評価の導入について
従来、我が国の行政においては、政策の企画とその実施に重きが置かれ、その政策の効果等を評価し、政策を積極的に見直すとの機能は軽視されがちであった。今後、国民合意の下で透明性の高い効率的な政策を実施していくためには、客観的な基準の下で政策を評価し、その結果を政策の企画立案等に反映させていくことが重要である。また、国民に対して政策の目的や効果を定量的・客観的に明らかにすることにより行政の説明責任(アカウンタビリティ)を徹底し、行政に対する国民の信頼性を向上していく必要がある。
そのため、中央省庁改革の一環として、中央省庁等改革基本法において、「国民的視点に立ち、かつ、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた客観的な政策評価機能を強化するとともに、評価の結果が政策に適切に反映されるようにすること」とされ、平成13年1月以降、国の行政機関は、内閣の統轄の下に、その政策について、自ら評価し、企画及び立案に反映させることとなった。
農林水産省においては、平成11年の食料・農業・農村基本法の制定などを受けて、他省庁に先駆けて、政策評価を開始している。
水産庁についても、農林水産省の一外局であり、平成12年度から政策評価を実施しているが、一方で、現在、国会に提出している水産基本法が制定されることとなれば、平成14年度以降はこの法律の趣旨・理念も念頭においた政策評価を行うことが求められることになろう。
政策評価の方式には、事業評価、実績評価、総合評価の3類型がある。
農林水産省では、事業評価(個々の事務事業の評価の必要性が強く指摘されている分野を対象に、事務事業毎の事前、事後等に効果を検証するもの)、実績評価(主要施策を対象に、あらかじめ目標を設定し、定期的にその目標に対する実績を測定するもの)を実施することを決定し、また、総合評価(時々の重要課題に対応して行政活動のまとまりを対象に実施)についても試行的な取組から検討していくこととしている。
政策評価のうち、事業評価については、公共事業、試験研究、施設整備等、多くの事業で実施されており、今後とも、その的確な実施を図りつつ、実施方法等について、不断の改善努力を行う必要がある。
水産庁においては、平成13年度以降に実施される補助事業等のうちハード事業等に係る事業について、費用対効果分析の導入等を行い、事業の認定・決定・採択基準等を公表することとなっている。そのため、事業に関する事前評価が重要になってきている。これらの基準等を設定するに当たって、できるだけ公平で効率的な事業が実行されるようにする必要があること等から、第三者の活用を図っている。この関連で、政策評価の実施を踏まえた手続きをとることとし、後述の専門部会でも審議をして頂くこととなっている。
一方、実績評価については、これまで、まとまった形で、実施された例は多くないことから、これについて詳述する。
水産庁における実績評価に関しては、水産行政に係る主要施策を21の政策分野に分類し、政策評価をすることとなった。しかしながら、21の分野は、平成12年度に政策評価が可能か否かを検討した結果、直ちに実施可能な15分野と直ちに実施不可能な6つの分野に分かれている。後者については、定量的目標を設定し、その達成度合でもって評価する方式になじまない政策分野として平成12年度の政策評価の対象としないこととなったわけである。
前者の15の分野についての政策評価については、政策分野ごとに、政策の目標(政策の効果によりどのような成果がもたらされたかをアウトカムの形で定量的に計測できるもの)、関係者が取り組むべき課題、政策手段等を記入した政策評価シートを作成しており、目標の達成状況を毎年記載していくことにより国民にわかりやすい評価の材料を提供することを目指している。
政策評価担当課である漁政課では、定量的目標の達成度合などを基準に客観的に施策の効果を評価し、評価結果を文書にしてまとめ、大臣官房に提出することになる。大臣官房での厳密な審査等を経て、政策評価結果は決定され、公表される。
政策評価結果は公表されると同時に関係部局に通知される。
政策評価が実施されても、それが新たな施策に反映されないのであれば、効率的な政策の実施にはつながりにくい。関係部局における政策評価結果の政策への反映のための検討が極めて重要である。そのため、政策評価結果を受けて政策分野を主管する各課、政策手段を所管する各課が政策手段のあり方等を検討し、その結果を直近の政策立案実施にいかに反映させるかを決定し、その内容も公表することにより、透明性の高い政策の実施が確保されることになるであろう。
さて、これらの政策評価の実施に当たっては、(1)高度の専門性や実践的知見、 (2)政策評価の実施に当たり客観性の確保、多様な意見の反映、といった観点から、第三者の活用が求められている。
農林水産省においても、一般的に、中立性、透明性、客観性の確保への要請が強いことを配慮して、農林水産省政策評価会を開催することとしている。この評価会に対応して、水産庁でも、水産庁関係政策に関する検討を行うために水産庁専門部会を開催している。
この専門部会は、現在、学識経験者、報道関係者、水産現場関係者からなる総勢5名で開催されており、水産庁関係政策評価の審議として、政策評価シートの審議、政策評価結果の審議、政策評価手法の改善の審議、事業評価(チェックリスト作成、認定・採択基準の作成、事後評価マニュア作成、事業評価手法の改善等)の審議等といった多様な議論を行っていただいている。
本年については、既に、2月と3月に2度の専門部会を開催し、平成12年度政策評価シートや平成12年度、13年度の事業評価に関する各種の審議を行い、政策への反映に資する貴重な意見等が得られているところである。
今回の中央省庁再編を受けて、各行政組織には、その政策の効果を公表を前提とした客観的な指標で測定する必要が発生した。政策について、国民全体に対するアカウンタビリティと政策運用の透明性の確保が強く求められている。
現在、水産庁では、平成11年にまとめられた「水産基本政策大綱」及び「水産基本政策改革プログラム」に即し、これまでの政策を「水産資源の適切な保存管理と持続的利用を基本とする枠組みの構築」「水産業全体の発展を図る」「国民への水産物の安定供給や漁業地域の活性化等の国民的課題にも対応」しうる政策として再構築されつつあるところである。これらの新たな政策理念と基本的な施策方向を、現在の国会で審議中の「水産基本法(仮称)」として制定するとともに、各種の施策が実施に移されていくことになる。したがって、水産庁の政策・施策の多くは、現在、見直し及び再編の途上にあり、近い将来、再編された政策目標等が提示されることが求められている。その際には、国民が行政に信頼を寄せるように、行政組織が国民に理解できる情報を提供して、国民の行政に対する評価を助けること、国民にとって意味ある説明を提供するという視点を無視することはできない。
すなわち、水産政策の推進に当たって、「国民」を今まで以上に意識することが必要となるのである。
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政 策 分 野 |
主 管 課 |
| 資源の適正な利用 | 水産庁管理課 |
| 資源の積極的な培養の促進 | 水産庁栽培養殖課 |
| 良好な漁場環境及び生態系の保全 | 水産庁漁場資源課 |
| 漁業経営の安定と持続的発展 | 水産庁水産経営課 |
| 担い手の確保・育成 | 水産庁研究指導課 |
| 漁業協同組合の役割の明確化と事業・組織の見直し | 水産庁水産経営課 |
| 水産物流通の効率化 | 水産庁加工流通課 |
| 水産加工業の体質強化対策 | 水産庁加工流通課 |
| 水産物供給体制の整備 | 水産庁計画課 |
| 水産資源の生育環境となる漁場等の保全・創造 | 水産庁計画課 |
| 水産業の振興を核とした漁村の総合的な振興 | 水産庁防災漁村課 |
| 海洋水産資源の開発及び利用の合理化 | 水産庁漁場資源課 |
| 技術の開発 | 水産庁研究指導課 |
| 漁業分野の情報化 | 大臣官房情報システム課 |
| 水産食品の品質の高度化及び安全の確保 | 水産庁加工流通課 |
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政 策 分 野 |
主 管 課 |
| 防災対策の推進(漁港海岸) | 水産庁防災漁村課 |
| 漁業保険 | 水産庁漁業保険課 |
| 水産物の需給・価格の安定 | 水産庁加工流通課 |
| 国際的な水産資源管理 | 水産庁国際課 |
| 国際漁業協力の推進 | 水産庁国際課 |
| 海外漁場の確保 | 水産庁漁場資源課 |
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水産庁
漁政部漁政課
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