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水産庁漁業取締船による宮城県石巻市牡鹿半島周辺の被災状況報告

水産庁漁業取締船が現地調査を行い、牡鹿半島周辺の各地区代表者等から被害状況等について聞き取りを行い、各地区の現状を取りまとめました。

水産庁漁業取締船「白竜丸」による報告

表浜地区現状報告(平成23年3月17日)

表浜地区現状報告(平成23年3月18日)

田代島現状報告(平成23年3月18日)

大須地区現状報告(平成23年3月19日)

寄磯地区現状報告(平成23年3月20日) 前網地区現状報告(平成23年3月20日)
鮎川地区現状報告(平成23年3月20日) 網地島長渡地区現状報告(平成23年3月20日)  金華山地区現状報告(平成23年3月21日)
福貴浦地区現状報告(平成23年3月22日)    

 

水産庁漁業取締船「なのつ」による報告

新山地区現状報告(平成23年3月23日) 泊地区現状報告(平成23年3月23日)   

 

水産庁漁業取締船「東光丸」による報告

鮎川港地区現状報告(平成23年3月28日)

網地島長渡地区現状報告(平成23年3月28日)

表浜(小渕地区)現状報告(平成23年3月30日) 表浜(給分地区)現状報告(平成23年3月30日)
田代島仁斗田地区現状報告(平成23年3月30日)

福貴浦地区現状報告(平成23年3月30日)

女川港地区現状報告(平成23年3月31日)  

 

 

表浜地区現状報告(平成23年3月17日)

1.平成23年3月17日 海外まき網漁船「118海王丸」搭載艇にて、表浜小渕地区岸壁にて救援物資を陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

上陸後、地区の代表者である、宮城県 漁業協同組合 表浜支所 運営委員 木村千之氏(宮城県石巻市小渕浜)から状況を聞き取った。

(1)表浜地区は更に、下記4区に分かれている。 

(ア)小渕地区住民約470名(行方不明者26名)

(イ)給分地区住民約250名(行方不明者3名)

(ウ)大原地区住民約250名(行方不明者不明)

(エ)小網倉地区住民約250名(行方不明者20数名)

(2)住民の約9割が家を流され被災している。

(3)怪我人はいません。薬も足りています。

(4)灯油が一番必要です。

(5)外部と連絡が取れないので、水産庁の取締船にメッセージカードを託したい。

(6)救援物資は地区の人で公平に分配します。

(7)この地区は水は足りています。

(8)救援物資の軽油は重機やトラックに数日分使え助かります。

3.取締船による現地調査結果

(1)小渕地区の岸壁は沈下したのか、又はまだ水位が高いのか、海面下30cmほどにあり、小型ボートでは接舷出来ない。まき網搭載艇の船首を岸壁に押しつけ、岸壁には小型ボートを配置して、救援物資を陸揚げした。

(2)地区の住民約30名ほどが岸壁で出迎えた。

(3)本船から岸壁迄は距離1海里ほどであり、所々で径30mm程の太いロープが流れており、プロペラガードの付いた搭載艇でないと容易には接近不可能と思われる。また、本船搭載艇で接近するのであれば、昼間目視出来るので、場所が分かればプロペラをチルトで引き上げて乗り切る方法もあるが、半水没の物は分からないので、プロペラに巻く可能性もある。

(4)当地区は地形柄水は足りているので、被災地によっては必要救援物資が異なるものと思われる。

(5)住民の方たちは、一致協力して救援物資を運んでいた。

  

表浜地区現状報告(平成23年3月18日)

1.平成23年3月18日午前7時40分ころ、昨日救援物資を搬入した際の表浜地区の木村千之氏及び石森利一氏の両名が、船外機付き小型ボートにて本船乗船し、メッセージカード38枚を本船に届けた。

現在本船では、直ちに複写後、電子ファイルに変換作業中。

石森利一氏 住所:石巻市小渕浜

木村氏は昨日報告済み

2.被災状況(聞き取り結果)

本船に乗船した、両氏から次のことを聞き取ったので報告します。

(1)現在不足している物資 

(ア)女性用下着類(生理用品等含む)

(イ)ガソリン(捜索活動の自家用車に補給したい)

(ウ)灯油及び煮炊きができる石油ストーブ本体

(エ)停電しているので、乾電池、ろうそく

(オ)米・毛布

(2)被災者の情報

(ア)現在表浜地区に約19箇所に分かれて被災生活を送っている。

(イ)倉庫や家屋が流されなかった家に、ブルーシート等を下に敷いて毛布にくるまっている。

(ウ)水は近くの寺の井戸水を飲んでいるので足りている。

(エ)1日2回の食事をとっている。1食おにぎり2個程度である。

(オ)煮炊きは、ドラム缶で被災した家屋の木材を燃やしている。

(カ)病人は牡鹿病院で対応中であるが、そこも数日で薬が無くなる可能性がある。人で一杯と聞いている。

遺体は牡鹿町公民館に安置してあり、現在15体ほどある。

(キ)食料は昨日の支援物資で助かった。米があと3~4日で底をつく。

(ク)行政区の住人だけで公民館に被災対策本部を設置し、1日3回、 08時、12時、15時に各班長が報告に来る。

(ケ)避難場所の約19箇所の横の繋がりはできている。

(コ)継続して支援して欲しい。

(サ)表浜地区の岸壁は約1.5~2メートル沈下した。

(シ)住民の方たちは、助け合って避難生活を送っている。

木村氏の家は流されなかったので、現在付近の住人27名ほどで避難生活している。

(ス)田代島及び網地島は老人が多い。

(セ)漁業に関しては、身の回りの事だけで精一杯で、考えられない。

  

田代島現状報告(平成23年3月18日)

1.平成23年3月18日、田代島 大泊地区と仁斗田地区に上陸し、被害状況調査及び救援物資の陸揚げを行った。

2.被災状況(聞き取り結果) 

(1)大泊地区

上陸後、大泊区長・津田隆雄氏から状況を聞き取った。

住所:石巻市田代浜

(ア)大泊地区には14~15名が生活していた。(死者・行方不明者なし)

(イ)怪我人はいない。

(ウ)被災後は仁斗田地区の「マンガアイランド(キャンプ場)」に避難して寝泊まりしてます。本日は午前中だけ家の片付けのため戻ってきて作業をしております。

(エ)灯油とストーブが一番必要です。

(オ)大泊地区15世帯中12世帯で被害を受けた。家屋を被災しなかった3名だけ大泊地区の自宅で生活しています。

(カ)地形的に津波には強いし、チリ地震の時はさほど被害はなかったので、今回も大丈夫だろうと思っていたが、予想以上だった。

(キ)外部とは連絡が一切取れません。田代島の対策本部は仁斗田にあるので、救援物資は仁斗田地区のマンガアイランドに持って行ってください。

(2)仁斗田地区

上陸後、仁斗田区長・平塚敬市郎氏及び離島振興会理事・濱温氏から状況を聞き取った。

(ア)現在、田代島には71名います。マンガアイランドには26名が避難生活をしています。5名は自宅から通って食事等をしています。40名は自宅で生活しています。3名はヘリコプターで搬送されました。行方不明者は1名のみです。死者はなし。

(イ)仁斗田地区では全壊家屋は1棟です。

(ウ)物資は海自及び陸自が食料と灯油(少量)とストーブを供給してもらいました。食料の心配はあまりありません。本日から市の防災課とメールでの連絡を取り始めました。自衛隊にガソリン、灯油、薬、乾電池、トイレットペーパー等を要求しました。現在は調理にはプロパンガスを使っており、しばらくはもちます。

(エ)食事は朝と夕方の2食です。

(オ)ガソリンは発電機と自動車用に必要ですが節約して使用しています。島での自動車の使用は3台に限定しております。

(カ)井戸水があるので水には困りませんが、強いていえば水質が心配なので浄水器が欲しいところです。

(キ)漁業被害は、カキ養殖筏32台、イワシ生け簀4台が全滅です。漁協施設は、事務所(床上浸水)、冷凍・冷蔵庫、ポンプ小屋、カキ剥き場、フォークリフト4台及び重油タンクの配管が被害を受けました。漁港の岸壁は50センチメートルから1メートルほど沈下しました。

(ク)3/17からauの携帯電話のみ通じるようになったので、少しずつ安否確認等外部との連絡も取っています。しかし、高齢者は外部との連絡が取れていない人がいますので、水産庁の取締船にメッセージカードを託したい。

(ケ)生活でもっとも困っているのはやはり電気です。はやく復旧してほしいです。

3.取締船による現地調査結果

(1)岸壁は沈下しているため、本船の取締艇であっても接舷及び係留が困難である。

(2)海上には筏及び生け簀に使用されていたロープが浮遊しており、取締艇での航行に大きな障害となった。また筏及び生け簀用の多数の大型ゴム製フロートが固まって数カ所に点在していた。

(3)取締艇による上陸行動は海況が悪いと、障害物が多い海域では航行するだけでも困難である。

(4)避難所には旅行者6名も島を離れることもできず、生活していた。島から戻る手段がないため、いつ帰れるか大変心配していた。

(5)住民の方々は、皆協力して避難生活をしていた。田代島は漁業で生計を立てているので、皆今後の復旧の見通しについて大変心配しており、できる限り1日も早い復興を願っていた。 

  

大須地区現状報告(平成23年3月19日)

1.平成23年3月19日午後0時9分ころ、救援物資を積み込んだ本船搭載取締艇で大須漁港に上陸した。上陸後漁港への坂道を降りてきた住人2人に状況を聞いたところ、漁港から約2km離れた大須小学校に約700名ほどが避難している情報を得たことから、同校に向かうこととした。道中、大須消防団事務所に立ち寄ったところ、大須小学校まで本船乗組員5名を搬送してくれた。

2.大須小学校に到着すると、自衛隊車両数台が到着していたことから、当該司令官の第1中隊長に当方の支援目的を告げたところ、快く同意したことから同校に立入り、調査を開始した。

石巻市立大須小学校校長である、相原勝春氏及び石巻市 雄勝消防団 桑浜班班長である永沼清徳氏から以下のことを聞き取った。

3.被災状況(聞き取り結果)

(1)大須地区は間野林道が開通したことから、仙台、石巻、女川と通じた。

(2)大須小学校事務室には、周辺の下記地区の被災者が避難している旨の掲示板が掛けられていた。

3月19日07時現在

(ア)大須地区  住民約290名

(イ)熊沢地区  住民約75名

(ウ)羽坂地区  住民約78名

(エ)桑浜地区  住民約39名

(オ)船越地区  住民約44名

(カ)明神地区  住民約16名

(キ)雄勝地区  住民約89名    合計654名

合計数字が合わないことを尋ねたところ、昼間は家の片付けで帰っている人がいるとのことであった。

ピーク時には742名の方が避難していた。

(3)当地区は高台が多いので、津波で流された家は少ない。行方不明者も、話を聞かせてくれた、石巻市雄勝消防団桑浜班班長の母1名であるとのことであった。

(4)遺体は飯野川高校に安置してある。

(5)夜間自宅に帰ると火災が発生する恐れがあり、消火活動の対応ができないので、出来る限り、大須小学校で寝泊まりしてもらっている。徐々に親戚宅に身を寄せる方が出てきたので、避難者の数は減ってきている。

(6)食事は1日2回で、おにぎりが主体である。炊事は大須小学校及び周辺のコミュニティーセンターで行っている。流れついたプロパンなども回収して使っている。

(7)3月18日ころ、林道が開通し、食料が多く入るようになった。

(8)避難者700人で1日約米が300kg必要で、残り約5日分の米が残っているが、足りなくなれば、カップ麺等で対応する。

(9)電気、ガス、水道は不通であるが、夕方6時~10頃まで発電機を運転するので衛星テレビ等を見ることが出来る。

(10)電話が通じないので、安否確認ができていません。この安否メッセージカードを水産庁の取締船に託すのでNHKBS2で上記時間帯に放送していただけると非常に有り難い。

(11)被災直後、校庭にSOSの文字を書きました。米軍ヘリが一度飛来しました。その後、熊本、岡山、鳥取県の防災ヘリが飛んできました。

(12)医者は2日から3日で巡回してもらえている。

(13)水は井戸水や沢の水を沸かして飲んでいるので足りている。

(14)現在不足している物資

(ア)女性用下着類(生理用品等含む)

(イ)ガソリン(今一番欲しい。捜索活動の自家用車に補給したい。)

(ウ)灯油及び軽油(非常用電源に使用)(約1週間分保有)

(エ)歯ブラシ等の日用品。

(オ)米(5日分保有)

(15)湧き水は山に行けばふんだんにあるが、車で運搬するためのガソリンが欠乏している。湧き水は一旦煮沸させてから飲用水とする。

(16)ガソリンが著しく不足している。流された車などから抜き取るなどして、約100リットル程度を集めた。

(17)自衛隊の補給部隊が到着し、約800リットルの軽油の補給を受けた。

(18)煮炊きに使用する燃料として、山から薪を拾ってきている。

(19)陸上自衛隊の炊き出しには、非常に感謝している。各集落のコミュニティーセンターでおにぎりを主とする炊き出しを行っている。

(20)陸上自衛隊が本日、米500キログラムを補給した。

(21)陸上自衛隊が本日補給した、トラック2台分の毛布は住民に行き届いていることから不要であり、同避難所より撤収された。

(22)自衛隊のヘリコプターにて急病人搬送を行っている。呼出は駐在所の警察無線を使用し、交信に割り込むことにより行っている。

(23)被災直後、漁業無線局のSSB無線機でSOSを送信したところ、アメリカ軍のヘリコプターが1回だけ飛来した。

(24)海上自衛隊観測艦「にちなん」の衛星電話の子機を使用させてもらい、非常時の通信手段としている。

(25)常用通信手段がなく、安否確認が全く取れていないので、水産庁の取締船にメッセージカードを託したい。

(26)日中は有線放送で情報収集している。

  

寄磯地区現状報告(平成23年3月20日)

1.平成23年3月20日午前8時15分ころ、支援物資を積み込んだ本船搭載取締艇で寄磯漁港に上陸した。上陸後岸壁付近にて作業中の石巻市寄磯浜前浜の行政委員区長 早坂美代治氏に現地の状況の聞き取りを行った。寄磯地区98世帯中35世帯が全壊、住民約340名中約120名が小学校の体育館で、約220名が石巻市内数カ所に別れて避難生活をしている。死者4名(遺体は牡鹿町の体育館に移送され安置)、8名が行方不明となっている。津波は海抜20メートルまで達している。

2.被災状況(聞き取り結果)

(1)道路は寄磯地区から石巻、鮎川へは通じている。

(2)通信状況は通信会社の移動車(中継アンテナ)も来ておらず、携帯電話、固定電話一切不通。石巻管内では携帯電話が使用可能。

(3)陸上自衛隊からの補給は、食料、軽油、灯油、毛布等を一度受け取ったがその後物資の提供はほとんどされていない。

(4)食事は1日2回で、避難生活の長期化に備え出来る限り節約している。食料は、残り数日分しかなく、米においては尽きてしまった。

(5)電気、ガス、水道は不通であるが、水は井戸水で足りている。

(6)毛布は被災していない家庭からの持ち込みと、自衛隊からの補給で不足していない。ストーブも被災していない家庭から持ち込んでいる。

(7)発電機の運転で電気は使用可能だが、発電機に使用する軽油を提供して欲しい。

(8)安否確認は石巻、鮎川への一般道が通じており、石巻まで行けば携帯の電波が通じるため、車を使用して交代で行き、親戚等とほとんどの避難民は連絡を取ることができている。

(9)一日も早い電気、ガス、水道の復旧を望む。

(10)漁港内に遺体が沈んでいる可能性があるので、海上保安部のダイバーに早急に捜索してもらいたい。

(11) 漁港付近の瓦礫整理を進めたいので、岸壁まで車が通れるようにして欲しい。

(12)現在不足している物資

(ア)ガソリン(今一番欲しい。緊急車両用に補給したい。)

(イ)軽油(発電機に使用)

(ウ)食料

(エ)生理用品

(オ)医薬品

(カ)仮設住宅

(13)漁業被害について

(ア)漁港入口の両側の防波堤は、それぞれ約100メートルずつ倒壊し、完全に水没した。また、岸壁においては数カ所で数十メートルにわたり亀裂及び隆起していた。岸壁は約1メートル沈下しており満潮時には浸かってしまう。津波の最大水位は約20メートルであったため漁業施設は全壊である。

(イ)漁業用倉庫10棟(100世帯分)が鉄骨のみ残し、全壊である。

(ウ)ホタテの養殖筏約40台、ホヤの養殖筏約80台が全滅した。

(エ)漁船は小型の船外機船は約90隻あったが全滅、19トン未満の底曳き網漁船等19隻の内5隻が沈んだ。被害を免れた漁船は現在女川原発の港に係留しているが、漁港がこのような状態では何もできない。

(オ)水産物処理センターは鉄筋の骨組みだけを残して全壊である。

(カ)ウニ、ホタテ、アワビ等の荷受け施設が全壊である。

(キ)漁協の事務所は全て沈没した。

(14)漁業者からの復興に関する要望としては、磯まわりでの作業で使う小型船外機漁船が稼働出来るように、まずは最低限の漁港を整備してほしいところだが、優先順位を考えられる状態ではないというのが本音だと語っていた。今回の地震の被害に対し、漁業者は途方に暮れているが、施設の復興には時間がかかることも自覚していた。漁業施設の復興に関する要望の聞き取りには切実に話をしてくれるが、まずは目の前の瓦礫の山を撤去することさえも自分たちにはどうしていいかわからない状態であった。

  

前網地区現状報告(平成23年3月20日)

1.平成23年3月20日午前9時58分ころ、救援物資を積み込んだ本船搭載取締艇で前網漁港に上陸した。上陸後、漁港付近の瓦礫の中より生活物資を捜索していた住民のうち1人に状況を聞いたところ、漁港から徒歩で約10分の高台にある民家に付近住民が避難しているとの情報を得たことから、同民家に向かうこととした。同住民は軽トラックにて支援物資とともに我々を搬送してくれた。

2.前記民家に到着したところ、4名の男性が物資の搬送と当方の聞き取り調査に協力する旨、快く同意してくれたことから本調査を開始した。

3.被災状況(聞き取り結果)

(1)避難所の状況

漁港付近の住民が避難している民家は、正式な「避難所」ではなく、高台にあるためさらなる津波の危険性が少ないこと、大きな住宅であり部屋数が多いことから、自宅を失った住民が同住宅の住人に許可を得て各部屋を間借りし避難生活を送っている。
同民家には、被災当初、周辺住民45人が避難していたが、家屋が現存する住民は自宅へ帰宅したため、現在では約15人が避難生活を続けている。
避難民のうち、最高齢は64歳の男性であり、乳幼児及び身体の不自由な方はいないとのことである。

(2)ライフラインの状況

電気、ガス、水道全てが使えない状況である。

電気を供給するため、ガソリンを燃料とする小型発電機を使用しているが、ガソリンが欠乏しているため、食事の時間帯を含め1日2~3時間程度しか稼働させることができない。

(3)支援の状況

岬の東側に位置する寄磯地区には避難所が設置されており、陸上自衛隊第6師団による支援活動が行われているが、同民家は「避難所」ではないため、陸自による支援は一切受けていない。

このため、2~3日おきに石巻市役所牡鹿総合支所の担当者が、食料を届けてくれるが米の支援がないことから、各家庭より米を持ち寄り対応しているとのことである。

昨日、市役所より届けられた食料品は、カップラーメン、卵、バナナであり、主食になるものではなかった。
寄磯地区の避難所に給水のため出向くことがあるが、食糧不足の折、「米をください。」とは言い出せないと話していた。

(4)孤立状況

林道が走行可能であるため、石巻市街方面、前記寄磯地区のいずれにも出向くことはできるが、移動手段である自動車の燃料がない。
消防団所属の消防車両は、石巻市内で緊急車両として優先的に給油することができるが、燃料缶等には給油してもらえない。
移動手段が使えない状態では、孤立していると同じ状況であると話していた。

(5)漁港周辺の被害状況

漁港周辺の住宅地は、海に面した高さ約25メートルの高台にあり、谷に沿って23軒が建ち並んでいたが、現在残っているものは僅かに6軒のみである。

漁港岸壁の後方には、鉄筋コンクリート2階建ての「前網漁民センター」が、その北側には漁具倉庫及び加工工場が建ち並んでいたとのことであるが、漁民センターの外観以外は原形をとどめないほど破壊されていた。

漁港岸壁は海に向かうにつれ沈下しており、住民の話によれば「1メートルくらい沈下した。」そうである。

岸壁に設置された荷役用の大型クレーン5基のうち、使用可能なものは1基のみである。

漁港防波堤は中央部分のみ原形をとどめているが、陸岸より中央部に至る約30メートル及び中央部分より先端に至る約20メートルが崩壊、海中に没していることから防波堤の機能を完全に喪失している。

同岸壁に係留していた漁船約10隻は、沈没または転覆したうえ流出し、現在では1隻も残っていない。

湾内を覆い尽くすほど設置していたホヤの養殖棚は全滅し、「私たちには何も残っていない。」と話していた。

(6)漁村の復興について

住宅と漁船を失った現在、漁村復興など考えられないとしていたが、しばらくの後、

漁港に散乱する建物の残骸を撤去して欲しい、 ホヤの養殖を再開するために湾内の海底清掃をして欲しいと痛切な面持ちで話しかけてきた。

(7)行方不明者について

同地区では4名の方が行方不明であったが、昨日、海上で1名が遺体で発見されたとのことである。

漁港沖合では、住民5名が乗船した小型ボートが捜索を行っていた。

(8)その他

本調査終了後、民家より再度、軽トラックで搬送していただいたが、運転手の方は別れ際に漁港を指差し「地震発生後、しばらくして第1回目の津波が押し寄せた。その後、みるみる潮が引き始め、湾内の海底が完全に見えた数分後、第2回目の大津波が押し寄せた。そいつが全てを飲み込んでいった。」と話していた。

本船備え付けの航海用海図によれば、同漁港沖合の最大水深は約20メートルである。 

  

鮎川地区現状報告(平成23年3月20日)

1.平成23年3月20日13時45分ころ、鮎川港に取締艇にて水面下に水没した岸壁に上陸して、救援物資を陸揚げした。その後、岸壁近くにある石巻消防局の救急車にて、岸壁から500mほど離れた高台にある石巻市牡鹿総合支所に赴き被災状況を調査した。

2.被災状況(聞き取り結果)

石巻市 牡鹿総合支所支所長 成澤正博氏から聞き取りを行った。

宮城県石巻市鮎川浜

(1)鮎川地区は全壊状態である。

被災状況は当支所が本職に提供した、3月17日現在の地区名及び避難場所等を記載した表を末尾に添付するので参照されたし。

(2)道路が石巻まで開通した。

(3)NTTが衛星電話を当支所及び石巻市市立牡鹿病院に開設した。

当支所入口にはパラボラアンテナが設置され、電話機が10台ほど設置されており、列を作らずに混雑することなく被災者は連絡を取っていた。

高台に移動すると、携帯電話が通じるようになった。

(4)自衛隊は第6師団が入り、順次物資が入るようになった。

(5)食料・水は足りている。

(6)女性用下着(生理用品含む)、トイレットペーパー及び日用品が不足している。

(7)停電しているので、ろうそくが不足している。

(8)燃料である、ガソリン、軽油及び灯油が不足している。

(9)第一に復旧させたいのは、電気・ガス・水道。

次いで道路及び漁港の復旧である。

(10)漁港は約75cmほど沈下した。

3.取締船による現地調査結果

(1)岸壁の状態、漁港付近の水産施設及び一般住宅の倒壊状況(津波によるものと推察される。)等、その被災状況は鮎川の広範囲にわたり甚大な被害をもたらしている。(添付写真参照)

(2)岸壁は水没しているため、上陸場所選定に困難を極めた。また、満潮に近づいていたため、上陸してから更に水位が上昇したことから、本船に帰船する時機を逸する恐れがあったことから、検査班は3班に別れ、短時間での情報収集に努めた。

(3)漁港までは、転覆船、ロープ、漁具等が漂流又は半水没の状態で散在しているので、海からの接近は慎重に行う必要有り。

(4)道路が開通し、陸上自衛隊からの補給があり、電話も徐々に使用できているが、甚大な被害であり、住民の表情は無言で悲痛な表情であるように見受けられた。 

地区名

人口
(H23年1月末)

避難所数

避難人数

行方不明

死亡

備考

避難場所

避難箇所数

避難所

自宅等

鮎川 1 407 総合支所
清優館
斎場
鮎川集会場
熊野神社
 5  502    11  4  
金華山  7 黄金山神社    4    0  0  
新山  101 生活センター  1  101    0  0  
長渡  334 長渡分館
開発センター
 2  334    0  0  
網地  149 生活センター  1  149    0  0  
十八成  284 個人宅5ヶ所  5  76    1  1  
小渕  576 個人宅19ヶ所  19  502    16  8  
給分  236 個人宅3ヶ所  3  235    0  1  
大原  181 大原小  1  166    1  1  
小網倉  226 個人宅3ヶ所
ヘリで別避難所
 4  209    14  4  
谷川  163 大原中
泊コミセン
 2  132    28  3  
大谷川  105 大原中  1  105    0  0  
鮫浦  151 女川原発体育館  1  104    3  0  
 169 泊コミセン  1  119    4  1  
前網  82 個人宅1ヶ所
女川原発体育館
 2  42    4  0  
寄磯  374 寄磯小
ヘリで別避難所
 1  130    3  4  
4 545    49 2 910

 0

 85  27  

 

 

網地島長渡地区現状報告(平成23年3月20日)

1.平成23年3月20日午後1時47分ころ、支援物資を積み込んだ取締艇で長渡漁港に上陸した。上陸後、岸壁付近にいた住民により、避難施設であり同地区の対策本部となっている石巻市牡鹿公民館長渡分館に案内された。漁港岸壁から距離約800mほどの高台にあった。

宮城県漁協 網地島支所長の阿部敏和氏、及び網地島郵便局長の高橋秀一郎氏に現地の状況を聞き取った。網地島民約500名弱の内、長渡地区住民は約330名、その内約30名弱が避難生活をしている。宮城県内でも津波に強い島として知られているというこの島で、家屋の全壊は網地島全体で9棟、長渡地区で5棟、死者は網地島では居なかった。津波の影響は海抜10メートル以上に及んでいる。

2.被災状況(聞き取り結果)

(1)道路は島内2カ所の県道で崩落があり、現在は片側通行可能だが、余震が続いている状況下、いつ通行不能となっても不思議ではない。

(2)石巻及び鮎川とを結ぶフェリー、高速艇は欠航状態。漁港桟橋は壊れ、島周辺には漂流物が多く危険であり、転覆、乗り上げ、座礁等で使用できる漁船の数は少なく、また燃油も余裕が無いため、島外への往来は殆どしていない。

(3)固定電話は一切不通。携帯電話は島内の極限られた場所で時々通じるようになってきている。3日前から牡鹿総合支所に衛星携帯電話1台(090-2256-7069)が持ち込まれ、外部との通信手段として重宝している。27MHzの無線機が3台あれば、島内各地区間での通信はカバー出来るため、支援して欲しい。

(4)自衛隊からは毎日ヘリコプターによる支援物資の補給が行われている。支援物資の内容、規模は担当者が網地地区におり把握していない。

(5)食量はいまのところ間に合っており、それほど不自由ではないが、先の事を考えると不安である。

(6)水は井戸水が使えるが、市の指導で飲料水として使用していない。そういう意味では真水は不足している。

(7)3日に1度、1世帯当たり灯油2.7リットル、水2リットルの配給はあるが、十分とは言えない。

(8)漁港は島内にある4漁港すべてで1メートル前後沈下している。長渡漁港は岸壁のひび割れ、沈下に加え風浪に弱いため使用不可能な状況にあり、被害を受けなかった数隻の漁船は、現在網地漁港に係留している。

(9)漁協事務所はほぼ全壊状態、クレーンも電気系統の損壊により使用不可能な状態である。

(10)漁船は島内4港で、それぞれ20~30隻あるが、その9割以上が流出、水没等による被害を受けた。

(11)養殖施設の被害は、銀ザケ生け簀16基、ワカメ棚140セットが全滅。養殖事業の完全復帰は、施設復旧後最低2~3年を要する。

(12)網地地区の漁業事務所はほぼ全壊。岸壁も全体的に沈下し、広範囲にわたり亀裂が入っている模様。

(13)岸壁、漁協事務所を含む漁港の整備に1日でも早く着手し、復旧されることを願っている。

(14)一日も早い電気、ガス、水道の復旧を望むが、その中でも海底ケーブルにより給電されている電気の復旧に、どれだけの期間を要するのか心配である。

(15)漁業者として今最も必要な物資は燃油(A重油、軽油)であり、先の事を考えるといくらでも欲しい。燃油があると島外への往来が頻繁に出来、安否確認で石巻へ行ったり、物資の運搬も可能となる。今回頂いた軽油は重機、軽トラック、漁船用に使用する。軽油は3缶だけあるが緊急事態用に確保していたため使えずにいた。今回の補給は大変助かった。

(16)震災当時島外からは13名ほどいたが、3、4日後に自衛隊のヘリで島から離れることができた。現在、帰りたくても帰れないという方はいない。

  

金華山地区現状報告(平成23年3月21日)

1.平成23年3月21日午前8時20分、取締艇にて金華山岸壁に上陸、金華山社務所まで石垣の崩れた参道を500m登り、被災状況の確認及び救援物資を陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

上陸後、金華山黄金山神社宮司 奥海聖氏から状況を聞き取った。

宮城県石巻市鮎川浜金華山

(1)金華山には、現在宮司さん本人、妻、母親の3名が残っている。神様がおられるので離れる訳にはいかない。

(2)社員が20名ほどいましたが、本土に返しました。

(3)電話が全く通じませんので、水産庁の取締船にメッセージカードを託された。

なのつに原本引渡済み(一緒に被災写真印刷及びCD記録)石巻市災害対策本部宛

(4)自家発電機用のガソリンが不足しています。1日10L消費で、残り2日分です。発電機を運転して時々冷蔵庫を冷やしている。

(5)北側の防波堤の先端がもぎ取られている。

(6)3日ほど前に自衛隊が入り、パンや水の救援物資を搬入してくれた。

(7)本殿など古い建築物の方が地震には強い。近年の建築物の方が被害が大きい。

3.取締船による現地調査結果

(1)岸壁の状態は他の場所と比較して良い状態と思われる。港内は乗用車やクレーン車が散在していた。

(2)参道には灯籠が倒壊し、崖崩れが数カ所発生して、道路を寸断していた。正殿正面の鳥居は根本から倒壊していた。

(3)岸壁から社務所までの道のりの、下から半分ほどが崖崩れをおこし、道路が地割れを起こしており、軽トラックが走れないので、乗組員を増員し中腹まで救援物資を担ぎ上げた。そこから先は軽トラックで搬送した。

(4)社務所は倒壊していないことから、生活の場所は確保されていた。

(5)参道は急な坂道となっているため、救援物資の搬送には軽トラックが必要であり、海岸から250m程の岩及び土砂を除去する必要有り。

(6)観光用の桟橋付近の建物はほぼ全壊であった。

  

福貴浦地区現状報告(平成23年3月22日)

1.平成23年3月22日9時34分ころ、福貴浦港に取締艇にて岸壁に上陸して、救援物資を陸揚げした。その後、漁港岸壁にいた福貴浦区長・阿部勝征から被災状況について状況を聞き取った。

2.被災状況(聞き取り結果)

(1)福貴浦地区は約35世帯中、被災しなかったのは7、8世帯のみである。住民106人中、死者0名、行方不明2名である。陸上自衛隊第6師団第6施設大隊が、福貴浦、鹿立、狐崎、竹浜、牧ノ浜地区を統括しており、本部は牧ノ浜地区の東浜小学校に置かれている。5地区で合計360名が避難生活をしている。福貴浦、鹿立の2地区で一つの支部となっている。

(2)福貴浦地区106名、鹿立地区45~50名が福貴浦地区で避難生活をしている。避難場所は福貴浦会館で30名、運送会社((有)宝福丸水産運送)の倉庫と被災しなかった7、8棟の家屋で約100名が避難生活している。食事は福貴浦会館と運送会社に来て食べている。

(3)本部には自衛隊の衛星電話が設置されているが、緊急用しか使用できない。親戚等の安否確認は、役所を介したり、個人的に石巻方面に赴いたりして、ほとんどの住民は確認がとれている。携帯電話は高台に行けば通じる場所がある。道路は石巻方面まで県道が通じているが、ガソリンが足りないため最低限の行動しかしていない。電気は福貴浦会館に発電機があるが福貴浦会館側の電気設備に問題があるようで使用していない。

(4)食料は毎日8時と15時に牧ノ浜の本部に行き、各地区に支給されるし、量も困らない程度支給される。外部からの物資は本部が集約して、各地区に支給される仕組みになっている。そのため、本船が本日提供した物資は一度本部に持って行き、その後配分される。おむつや医薬品等についても揃ってきている。トイレが少ないので、仮設トイレがもう少し欲しい。野菜や醤油等の調味料が不足している。5地区で10名ほどの赤ちゃんがいて、粉ミルクは残り少なかったので助かった。

(5)陸上自衛隊が重機を使用して瓦礫の片付け作業をしていた。始めたばかりであったため、ほとんど片付いていない状態だった。

3.漁業被害について

(1)カキ養殖で使用する小型船35隻中3隻、底曳き網やいか釣り用の漁船については3隻中2隻が被害にあった。津波の高さは約10メートルほどであったが、地震直後にほとんどの漁船は田代島沖まで沖出ししたため無事であった。現在は港外に錨泊させている。

(2)カキの養殖筏は1世帯あたり約13台所有しており、カキ養殖をしている25世帯で全300台以上が壊滅的である。

(3)漁港の陸上施設は、カキの処理場、カキの浄化施設、給油施設(重油、軽油、ガソリン)、倉庫であり、全て壊滅状態である。

(4)岸壁は1メートルほど沈下している。片側の防波堤は50メートルほどが津波に流された。

(5)今後の復興としては、まずは岸壁の整備をしてほしいが、それだけでも数年はかかるであろうと懸念していた。

  

新山地区現状報告(平成23年3月23日)

1.平成23年3月23日午前10時18分ころ、取締艇に支援物資を積込み4名で新山漁港に上陸し、支援物資を陸揚げした。我々の上陸の様子を見ていた親子が漁港に駆け寄り、300メートル離れた高台にある新山地区避難場所の生活センターに案内してくれた。その後、当センター代表の安住文雄氏他5名から当地区の現状を聞いた。

2.被災状況(聞き取り結果)

(1)当地区は地震直後に直ぐ避難したため住民101人は全員無事で、家は20メートル程の津波が来たが高台にあるため倒壊は免れた。

(2)当地区は震災後停電のため、昼間は各家に帰って生活するが、夜は心細いので当センターで多数寝泊まりをしている。また、被害が少なかったので他の地区の被災者が集まってきている。現在総勢130名で避難生活を送っている。

(3)1日に1回程度市役所の職員や自衛隊員が車で巡廻しにきて、食料の配給がある。一日2回は食事しているが量的には困ってないがいつも同じものなので、今日貰ったおでんやおかゆは助かりました。小さな子供もいるのでミルクや離乳食も助かりました。女性用の衛生用品や電池が足りなくて困っています。
定期的な医者の巡廻もあり、病人はいません。

(4)ライフラインは、電気が通じてないため発電機を使用しているが燃料のガソリンが足りないため短時間の使用、固定式電話及び携帯電話は使用できない。ガス・飲料水は各家庭で使用できる。
道路は自分達で倒木等瓦礫を取り除いて開通させたのと、車の被害がなかったため交通手段に不便はなく、孤立感は無い。

(5)震災直後、アメリカのヘリコプターが着陸し物資を補給してくれた。その後、漁港に簡易ヘリポートをつくった。

3.漁業被害について

(1)新山地区は主に定置網漁業、刺し網漁業、たこつぼ漁業で成り立っているが全漁業種が壊滅状態。

(2)漁船も全数水没状態。

(3)漁港は半壊状態だが使用可能。

(4)漁港付近は漂流物が多く、定置網が半水没状態で浮いているため、取締艇も漁港に着岸するのに苦慮した。

4.復興について

津波の凄さを何回も説明してくれたが、漁業の復興については、早く復興したいがどうしたら良いか分からないのとのこと。

5.取締船による現地調査の結果

当地区の人々、家屋及び車の被害はなく交通網もあるので孤立感はない。防波堤は壊れていなく漁港の周辺が少し損壊している状態で、使用できると推測する。前浜は漂流物が大変多く、定置網や漁船が半水没しているため、本船から取締艇で1海里の漁港に行く間にエンジンが漂流物を吸い込み停止するなど、海上からの接近は慎重に行う必要がある。

  

泊地区現状報告(平成23年3月23日)

1.平成23年3月23日午後14時13分ころ、本船取締艇に支援物資を積込み4名で泊漁港に上陸し、支援物資を陸揚げした。我々の上陸の様子を見ていた住民が車で漁港に来てくれて、車で6分程走った高台にある避難場所の泊コミニティセンターに案内してくれた。その後、泊地区長松川一雄氏と漁協泊地区海浜支所運営委員長の阿部範男氏から当地区の現状を聞いた。

2.被災状況(聞き取り結果)

(1)20メートルの津波により、当地区の人的被害は1名死亡、1名行方不明状態です。160名の地区で家は50軒中18件が壊滅状態です。当センターと隣にある老人憩いの家で泊地区50名と隣の谷川地区20名の合計70名が避難生活をしています。

(2)1日に1回程度市役所の職員や自衛隊員が車で巡廻しにきて、食料の配給がある。一日2回は食事している。小さな子供もいるのでミルクや離乳食は助かりました。女性用の衛生用品、ロウソクや電池がなくて困っています。
医者の巡回が2回あり、病人はいません。欲しい薬は病院に注文して貰っている。

(3)ライフラインは、電気が通じてないため発電機を使用しているが燃料の軽油が足りないため短時間の使用をしていたが、今日貰った軽油で長時間の発電が出来るようになった。固定式電話及び携帯電話は使用できない。昨日、市役所職員が衛星電話を持ってきて1時間の間に皆が公平に要件だけ掛けた。ガスは家庭で使用できている。飲料水は今日から復活した。それまで配給された水と沢水を利用していた。道路は使える。ガソリン、灯油、軽油が少しずつ配給されている。
お風呂はまき風呂の家が2軒あるので、皆入れて貰っている。まきは幾らでもある。

3.漁業被害について

(1)当地区は主にほたて、ほや、わかめの養殖漁業で成り立っているが出荷を前にして壊滅状態。

(2)漁船は養殖用15隻のうち6隻が、小型漁船8隻のうち2隻が、磯舟50隻のうち46隻が水没状態。

(3)防波堤は壊滅状態で、岸壁全体には1.5メートル沈下した。

(4)漁港の資材庫が全壊したため、養殖用の機械、資材及び種苗もなくなった。

(5)残った舟は隣の谷川地区に置いて、毎日様子を見に行っている。

(6)漁協の事務所は無事だった。

4.復興について

漁港整備を一番に急いで欲しい、早く漁業をしたい。舟も欲しい。前浜の養殖場のゴミを取り除いて欲しい。

5.取締船による現地調査結果

当地区は若い後継者が多く復興についても意欲がある。しかし、防波堤は壊滅状態で岸壁は全体に1.5メートル沈下したため、満潮時には海水を被るので使用不可能、漁場は養殖資材やそのロープ、沈没船、崩壊した家屋により、海底の掃除をしなければ使用出来ないと推測する。

当地区漁港付近は漂流物が多く、ロープ、漁具等が半水没で浮いているので本船の取締艇も岸壁に着岸するのに苦慮した。

 

鮎川港地区現状報告(平成23年3月28日)

1.平成23年3月28日、海外まき網漁船「第3、第6わかば丸」及び水産総合研究センター開発調査センター調査船「北勝丸」の搭載艇にて、鮎川港岸壁に支援物資を陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

上陸後、現地災害対策本部責任者:石巻市牡鹿総合支所次長兼地域振興課長 岡田伸氏から状況を聞き取った。

(ア)現在石巻市牡鹿総合支所の2階が災害対策本部となっており、1階は避難所になっており、数十人程度避難している。

(イ)最近ようやく自衛隊が支援物資を提供できるようになり、現在自衛隊は、ホバークラフトを使用して自衛艦と陸上を1日3回往復して入浴支援を行っている。

(ウ)水や食糧はある程度供給されている。

(エ)海上からの物資陸揚げは、「石巻市水産物地方卸売市場牡鹿市場前岸壁」が適しているが潮が満ちてくると少し水没するので、干潮時に良い。港外側の岸壁は損壊しており、自動車が行くことが出来ないので不可能。

(オ)現在1番不足しているのが、ガソリンで、2番目は灯油である。灯油は支援されると非常に助かる。

(カ)現在携帯電話の「ドコモ」と「ソフトバンク」が移動中継アンテナを設置しており、使用することができるが、「au」は使用することができない。

(キ)支援は有り難い。

(ク)荷揚げに参加した人の様子は、比較的穏やかな表情であり、笑顔も時々見られている。

 

網地島長渡地区現状報告(平成23年3月28日)

1.平成23年3月28日、海外まき網漁船「第3、第6わかば丸」及び水産総合研究センター開発調査センター調査船「北勝丸」の搭載艇にて、網地島長渡に支援物資を陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

上陸後、現地責任者網地島長渡地区長 阿部豊道氏から状況を聞き取った。

(ア)現在電気は電圧調整ができず、電気が通じていない。非常発電機を使用して何とか電気を通しているが、そのためにも軽油がほしい。また、復興のため使用するトラック及び重機を使用するためにも軽油がほしい。

(イ)最近ようやく自衛隊が支援物資を時々提供できるようになったが、漁港岸壁が潮が満ちると水没するので、常時物資提供は行われていない。

(ウ)現在1番不足しているのが、ガソリンで、2番目は灯油である。3番目は、軽油がほしい。

(エ)携帯電話は、使用することができる。

  

表浜地区(小渕地区)現状報告(平成23年3月30日) 

1.平成23年年3月30日、水産庁漁業取締船東光丸乗組員が水産総合研究センター開発調査センター調査船「北勝丸」の搭載艇にて、石巻市表浜地区(小渕地区)の被災者あてに水産庁が託されたメッセージカードを渡すために上陸した。

2.被災状況(聞き取り結果)
現地責任者 小渕行政区長 石森政彦氏にメッセージカードを手渡すとともに、他数名より現在の状況を聞き取った。  

(ア)現在、本地区には4百数十名の避難者がいる。当初500名を超える避難者がいたが石巻の他親戚を頼って移動した人もいるので正確な人数はわかっていない。本日現在、行方不明者は9名である。

(イ)ライフラインとして、電気は依然として停電中であり、夜は真っ暗になるので早く就寝している。水道の復旧のめども立っていない。ガスはプロパンガスなので何とか寄せ集めて使用している状況である。

(ウ)外部との通信手段は、現在ドコモの携帯電話のみ。他の携帯電話会社及びNTTの固定電話は使用不能状態である。

(エ)ガソリンは、役所手配の給油車が時々来ている。灯油は幾分残っているが少なくなってきている。また、軽油についてはこれまでのところ間に合っている。

(オ)食料等の物資について、自衛隊の方から配給があるため不自由していない。むしろ、調味料(醤油やマヨネーズ等)が不足気味である。

(カ)医薬品は救援物資として配給されており、近くに病院もある。

(キ)その他の要望として、昨日自衛隊の瓦礫撤去作業により車の通行が可能となった。岸壁付近を含め、道路の両脇は瓦礫の山である。これらを早く撤去して欲しい。

3.小渕行政区長石森政彦氏より、ノートに書かれた小渕地区避難生活者リストの提供を受け、安否確認のために農林水産省ホームページに掲載することを 説明し、了承を得た後、デジタルカメラにより撮影して取締艇に帰船後電子ファイル化 した。

4.東光丸乗組員が当地を離れるに当たり、「我々はここで復興に向けて頑張る」とはっきりと意思表示をし、笑顔を絶やさなかった。

  

表浜(給分地区)現状報告(平成23年3月30日) 

1.平成23年3月30日、石巻市表浜地区(給分地区)の現状について、現地責任者 給分(本部)地区副部長 安藤 渉氏に聞き取り調査を行った。

2.被災状況(聞き取り結果)

(ア)給分地区は、4つの地区に細分化され避難している。詳細は以下のとおり。

中沢地区 16名

3班地区    43名

後山地区 42名

本部地区 61名 合計162名

それぞれの避難者は、損害を免れた家屋に避難しており、訪問した本部地区の対策本部も個人所有の家であった。本日現在、当該給分地区における行方不明者は1名である。

(イ)ライフラインは、小渕地区と同様、電気は依然として停電中であり、水道も復旧していない。ガスはプロパンガスを使用している。

(ウ)外部との通信手段は、現在ドコモの携帯電話のみ。他の携帯電話会社及びNTTの固定電話は使用不能な状態である。

(エ)ガソリンは、役所手配の給油車が時々来ているが配給される量は少ない。灯油はなんとか足りている。また、軽油については間に合っている。

(オ)食料等の物資について、自衛隊の方から配給があるため食料の不自由はしていないが、野菜の摂取不足のため野菜ジュースや青汁、絆創膏、石鹸、シャンプーの他、下着類といった日用品類が不足している模様。また、安藤氏は「復興に向けて」と記されたメモを本職に提示した。内容は以下のとおり。
軽油で作動する発電機、チェーンソー、刃物(鎌)ノコギリ、バール、ハンマー、合羽、長靴、ゴム手袋、軍手、ウィンドブレーカー

(カ)特に小型船の船外機の燃料としてガソリンを何とかして欲しいとのこと。その理由として、本地区はカキ養殖が盛んな地域であるが、津波により当該養殖施設が壊滅的な被害を受けている。可能であれば復興の手始めとして、沖合に設置の破損した養殖施設の復旧や、流失し沿岸に漂着している養殖棚のフロートやプラスチック製のケース等再利用可能な漁具を早急に回収したいとのことであった。

「これらの漁具は、我々の財産である。なんとか回収したい。」という強い思いが伝わってきた。

さらに、これら漁具を保管できる資材置場(フロート2万個、カキ保管篭ケース(大)5千個、カキ保管篭ケース(小)5千個)を望むとのこと。

3.副本部長安藤渉氏より、A4紙及び色紙に書かれた給分浜地区避難生活者リストの提供を受け、安否確認のために農林水産省ホームペー ジに掲載することを説明し、了承を得た後、デジタルカメラにより撮影して本船に帰 船後電子ファイル化した。

4.当地を離れるに当たり、「我々はここで復興に向けて頑張る」とはっきりと意思表示をし、笑顔を絶やさなかった。  

  

田代島仁斗田地区現状報告(平成23年3月30日)

1.平成23年3月30日、水産庁漁業取締船東光丸乗組員が、海外まき網漁船の搭載艇にて田代島仁斗田漁港岸壁に上陸、支援物資の陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

現地責任者 仁斗田副区長 阿部勇太郎氏より水産庁が託された、田代島被災者宛のメッセージカードを手渡すとともに、下記のとおり聞き取りを行った。

(ア)現在、田代島で生活しているのは、仁斗田地区が28名、大泊地区が5名です。被災直後は、マンガアイランド(キャンプ場)等で避難生活をしていたが、今は、それぞれの自宅に戻って生活をしている。その他の住民は、島を離れて 親類の家等に身を寄せている。

(イ)東北電力からの非常用発電機があるので、電気のみ使用できる。水・食料・日用品に関しては、自衛隊からの支援物資があり十分足りているが、新たに支援物資を持ってきてもらうことは、うれしい。

(ウ)現在1番欲しいものは、暖房用の灯油。2番目はガソリンである。軽油は足りている。とにかくガソリンと灯油がほしい。

(エ)携帯電話は、一部地区(山頂付近)au がつながり、ドコモは移動中継車が来ているが、つながりにくい。その他、NTTの衛星電話が2台設置されている。

(オ)3月24日から田代島大泊と石巻工業港とを結ぶ客船が1日1便運航されている。

  

福貴浦地区現状報告(平成23年3月30日)

1.平成23年3月30日、海外まき網漁船「第3,第6わかば丸」及び水産総合研究センター開発調査センター調査船「北勝丸」の搭載艇にて、福貴浦漁港岸壁に支援物資を陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

上陸後、東浜地区災害対策本部責任者の豊島富美志氏及び平塚勝征両氏より、下記のとおり聞き取りを行った。

(ア)現在福貴浦漁港から自動車で所要時間約7分の所に東浜小学校があり、そこが災害対策本部となっており、下記5地区災害支部のとりまとめである。

災害本部携帯電話:080-2348-5542(6時00分-20時00分のみ使用可)

(イ)3月20日過ぎから自衛隊が大量に支援物資を提供できるようになり、食糧及び飲料水は、十分供給されている。石巻市より女川回りで陸路が復旧しているので、物資供給は滞りなく行われている。

(ウ)入浴に困っていたが、本日昼より自衛隊が入浴施設を供給することになっている。聞き取り中に自衛隊第5旅団の入浴施設装備のトラック5台が当場所に到着した。

(エ)電気は復旧していないが、非常発電機によりある程度供給されており、特に不自由はない。

(オ)現在1番不足しているのが、ガソリンです。漁協から600リツトル供給があったが、それ以降供給がなく、現在160リツトルしか在庫がなく、5地区において制限しながら使用している。

(カ)現在携帯電話の「ドコモ」が使用することができるが、「au」「ソフトバンク」は使用することができない。

(キ)避難生活者は、380名程度であり、人数のみの把握しかできていない。昨日夕方に石巻市より、仮設住宅入居申請のため避難生活者リストを作成するよう依頼され、今朝9時の災害支部長連絡会議において各支部長に地区避難生活者リストの作成を依頼したところで、作成完了は4月6日頃の予定である。

 

女川港地区現状報告(平成23年3月31日)                                                                                                                                   

1.平成23年3月31日、水産総合研究センター開発調査センター調査船「北勝丸」の搭載艇にて、女川港岸壁に支援物資を陸揚げした。

2.被災状況(聞き取り結果)

上陸後、災害対策本部災害対策係長 阿部清人氏から状況を聞き取った。

住所:宮城県女川町女川浜字大原310(女川第二小学校2F)

電話番号:衛星電話090-1490-0111

(1)避難者リスト(約1万名)は既に電子ファイル化されており女川町住民の殆どの情報が記載されている。このファイルには多くの個人情報の他、行方不明者等の情報も含まれ、近日中に宮城県の担当者に送付するとのこと。

(2)支援物資については、石巻市総合運動公園に保管所があり、交通網が復旧した現在は、陸路によってほぼ必要な物資は入手可能である。不足している物資は現在のところないが、強いて言えばガソリンが不足気味である。ガソリンスタンドは1店舗が稼働しており、ガソリンについては20リットルの制限はあるが、給油可能である。軽油にについては建設会社の所有するタンクローリー1台がある。用途は建設車両に制限して使用している。

(3)インフラの整備には時間を要する。電気は石巻市に近い地区で被害の少なかったところは一部復旧している。水道は、ボランティアが給水を実施している。ガスはこの地域プロパンが多く使用されている。県からは給食用(ママ)にボンベ20本が補給された。また、郵便局は、避難所に1日1回の配達を行っている。

(4)避難者は2,530名、避難所は20箇所である。避難者の年齢構成は乳児が0.5、小中学生が1、一般が4.5、高齢者が4の割合である。

(5)現在携帯電話の「ドコモ」、「au」、「ソフトバンク」を使用出来る。役場は被災しており災害対策本部との通信は既出の衛星電話等に限られる。なお対策本部では電話には24時間対応している。

また、現地対策本部に居合わせた宮城県東部水産漁港部普及員安部丈晴氏から下記の通り状況を聞き取った。

(6)県東部水産漁港部は女川災害対策本部と連携して処理に当たっている。事務所は石巻JF宮城(3F)に仮事務所を設置している。

(7)港内の物資陸揚場所として、既出の女川湾石浜突堤については、河北日報(3/29付け)によると、保安庁が航路及び同突堤の調査を完了したとのことであった。この際の水深は突端で7.5m、西側の一部が4.5mであった。

3.取締船による現地調査結果

(1)災害本部は14名から15名のスタッフで運営しており、会議を控えていたためか、対策本部はフル稼働の状態で話をする時間も十分に確保出来ない状態であった。

(2)港付近では、復旧に従事する自衛隊車両、土木関連車両が頻繁に行き来する中、多くの一般車両も通行していた。また、他の岸壁では港内に堆積した土砂と瓦礫を積んだ砂利船1隻が陸揚げしていた。

(3)当初陸揚げを予定した観光船桟橋基部の岸壁は潮汐による水位上昇のため、女川湾石浜突堤に移動して作業を行った。また、航路及び水深については、時間の経過に伴う漂流物が航路に移動する恐れがあり、大型船の入港は現在推奨できないとのことであった。また、保安庁の大型船は入港していない。

(4)本船が3月16日に女川港調査を行った際と比較し、水面は表面上とはいえ飛躍的に浮遊物が減っていた。

 

 

 

お問い合わせ先

水産庁

東北地方太平洋沖地震対策チーム
担当:梶脇、三島
代表:03-3502-8111(内線6532)
ダイヤルイン:03-6744-0507
FAX:03-6744-0509

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