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ホーム > 水産白書 > 平成21年度 水産白書 全文 > 平成22年度 水産施策 > 2 低位水準にとどまっている水産資源の回復・管理の推進 > 5 海面・内水面を通じた水産動植物の生育環境の改善と増養殖の推進


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5 海面・内水面を通じた水産動植物の生育環境の改善と増養殖の推進


(1)森・川・海を通じた環境保全の推進

ア 水質環境の保全・再生

漁場における汚泥・ヘドロの除去、覆砂による海浜・干潟の保全や浄化施設の整備、排水規制や生活排水対策をはじめとする水質保全対策を推進するとともに、水産生物への化学物質の影響に関する調査を行います。また、地域の実情に応じ、水産動植物の生育に重要な栄養塩類について河川からの適切な補給を図るため、河川を通じた流域・沿岸域の物質循環の解明に取り組みます。ノリ養殖漁場においては、必要な栄養塩を供給することが可能な水質レベルを維持・管理する手法・手段について検討を進めるとともに、ノリの色落ちに対応する緊急措置として必要な場合には関係者と協議の上で支障のない範囲でダム放流の実施を図ります。

また、希少水生生物の保全のために必要となる手法を開発するとともに、湿地や湿原を復元する自然再生事業や魚道の整備、下流域の維持流量確保のためのダム放流量の調整を行います。

このほか、閉鎖性海域中長期ビジョンを踏まえ、第7次水質総量削減に係る対策の実施に向けた検討を進めます。また、富栄養化が解消された閉鎖性海域において、栄養塩類の管理のあり方などに関し調査研究を推進します。さらに、赤潮の予察・防御技術の開発や貧酸素水塊の発生機構の解明及び予察・防御技術の開発、自動昇降機能を付与する等効率的な連続観測技術の開発及びカキ礁を用いた漁場環境改善技術の開発の取組を支援します。

また、全国海の再生プロジェクトとして、東京湾、大阪湾、伊勢湾及び広島湾において各再生行動計画に基づき、陸域からの汚濁負荷の削減、海域の環境改善、環境モニタリング等を推進します。

さらに、有明海及び八代海の再生のため、有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律に基づき、(1)環境改善対策(覆砂、たい積物の除去、藻場の造成や汚水処理施設の整備等)、(2)赤潮等被害防止対策(赤潮や貧酸素水塊の発生予察技術の開発等)及び(3)資源回復対策(地域間の連携強化による魚介類種苗の適地・適時での効率的な放流を行う体制を確立するための取組の支援等)を推進します。

イ 森林整備による生育環境の保全

森林法に基づき、魚つき保安林の指定と保全を図るとともに、河川上流域等において、広葉樹林化等を取り入れた漁場保全の森づくりをはじめとする森林の整備・保全を推進します。

ウ 漁場環境の悪化を防ぐ取組

有害物質及び廃棄物の排出規制や浮遊ゴミ、流出油の回収を行うほか、発泡スチロール製フロート等の漁業系資材のリサイクル技術の開発・普及や漁場からの大型漂流物の回収支援や漁業活動中に回収した漂流物の適切な処理を促進します。

輪番休漁を活用した漁業者グループによる藻場・干潟の整備、海岸清掃等といった資源回復効果や漁場生産力の向上に寄与する取組を支援します。

全国各地において油の大量流出事故に対応するための訓練を行います。また、油流出事故に伴い発生した漁場油濁の防除・清掃に要した費用を支弁するとともに、適切な防除措置の指導を行う専門家の育成や被害拡大防止対策に対し支援します。

このほか、漁協等が行う水質や底質等の漁場環境が悪化した湖沼における湖底耕うん等の漁場改善活動について、その効果を検証しつつ行う取組について支援します。


エ 藻場・干潟等の造成・保全

磯焼け等により効用の低下が著しい漁場において、海域環境変動に応じた手法による藻場・干潟の造成・保全と併せて、ウニやアイゴ等の食害生物の駆除や海藻類の移植・播種に対して支援を行います。

また、海域の基礎生産力向上による藻場生態系のCO2固定効果等についての検討を行うとともに、CO2固定・削減に資する基質材の活用を図るための技術開発等を行います。

さらに、厳しい環境条件下におけるサンゴ増殖技術を確立するため、サンゴ種苗生産技術、移植技術等の技術開発に取り組みます。

加えて、漁業者や地域の住民等が行う藻場・干潟等の保全活動を支援します。

(2)野生生物による漁業被害防止対策の推進

(大型クラゲ・トド等)

近年、広域的かつ大規模に出現し、大きな漁業被害をもたらしている大型クラゲ等の有害生物について、出現状況の把握と情報提供、駆除、改良漁具の導入、陸上処理等を促進するとともに、トドについては、一斉追払いなど効果的な追払い手法の実証試験等を行います。

また、大型クラゲについて、日中韓の国際的な枠組みの中で、大型クラゲの発生・出現過程を解明するための調査を行います。

(外来魚・カワウ)

外来魚について、密放流防止についての啓発や在来魚に与える影響の調査、効果的な移入抑止対策の検討を行います。また、外来魚の生息状況に応じた効果的な外来魚攻略手法の開発を行うほか、外来魚及びカワウについて先駆的な手法による集中的な捕獲・駆除の実施など複数県にわたる広域的・緊急的な防除対策の実施を支援します。

(3)環境・生態系と調和した増殖の推進

栽培漁業の全国的な展開に必要な種苗供給を確保するための種苗生産施設や中間育成施設の整備を進めるとともに、地域間の連携強化による適地・適時での効率的な放流を行う体制を確立するための取組や放流した種苗の混獲防止対策の検討等を支援します。

また、ウナギの完全養殖技術を確立するとともに、クロマグロ種苗の安定生産技術を開発します。さらに、遺伝的な多様性に配慮した増殖技術開発のために、種苗放流が天然資源の遺伝的多様性に与える影響を評価する技術の開発を行います。加えて、サケ・マス類について、資源の造成に必要な増殖施設の整備や個体群の維持のためのふ化放流を推進するとともに、民間団体が行うふ化放流に対しては、効率化を進めながら着実にその実施が図られるよう支援します。

魚道整備によって生物生息環境の改善を図るとともに、種苗生産施設をはじめとする共同利用施設の整備を支援します。

また、漁場環境の改善を促進するための漁場環境調査指針の作成や渓流魚の遺伝的多様性を維持した移植放流、生息場所の復元技術の開発を行うほか、効果的な増殖手法が明らかになっていない重要魚種について、その手法の開発を進めます。

(4)持続的な養殖生産の推進

ア 養殖業の振興

(海面養殖業)

漁場環境の悪化を招かない持続的な養殖生産を実現するため、持続的養殖生産確保法に基づく漁場改善計画の作成を推進するとともに、漁場環境の状態を簡便に評価する手法の開発や、窒素やリン等の物質循環を可能とする魚介類と藻類など複数の種類を組み合わせた複合養殖技術の開発等を進めます。また、魚粉の含有率を下げた低コストの配合飼料の開発、未利用資源の養殖用飼料としての活用推進、養殖業の効率的な生産体制の構築等を支援します。

また、配合飼料価格の急激な上昇による経営環境への影響を緩和するため、配合飼料価格が一定基準以上に上昇した場合に養殖業者と国の拠出により積み立てた資金から補てん金を交付するセーフティーネットの構築を支援します。

さらに、近年注目されているクロマグロ養殖については、消費者への安定供給を図るため、まき網で漁獲された小型魚の運搬技術等や海象条件の厳しい未利用海域での養殖を可能とする生簀(いけす)技術等の開発を進めます。

さらに、優良な養殖種苗の安定供給を確保するため、クロマグロ、ウナギ等について、種苗生産技術や配合飼料の開発を進めます。

(内水面養殖業)

中国・台湾・韓国との連携によるシラスウナギ資源の適正管理を確保するための生産者間の民間協議、ウナギの放流、内水面漁場におけるウナギ資源の適正管理に関する検討等を促進します。

平成16年新潟県中越地震や平成19年新潟県中越沖地震により被災したニシキゴイ養殖施設に関して、魚病による被害防止のための現況調査や技術指導等の取組を支援します。

イ 防疫体制の整備

水産資源保護法に基づく輸入防疫制度及び持続的養殖生産確保法に基づく国内防疫制度の適切な運用を図ります。また、疾病対策の基礎研究、水産用医薬品の開発や養殖衛生管理技術者の人材育成を行うとともに、水産防疫制度の点検及び強化の検討を行います。特に、コイヘルペスウイルス病が発生した場合に備えるため、まん延防止措置の実施に対する支援を行うとともに、アユ等の疾病対策の推進や検査機器の整備の支援を行います。

ウ 国際化に向けたノリ養殖業の体質強化

漁協等の策定する構造改革計画に基づいて、生産性の低いノリ自動乾燥機の廃棄と大型ノリ自動乾燥機等の整備に加え、ノリ養殖関連機器のリース方式による導入を支援します。

また、品質向上やコスト削減を図るための生産から出荷・流通に至る新たなシステムの開発・普及や、優良な特性を有するノリ株の選定、利用及び品種登録を推進します。さらに、ノリの色落ち問題に対処するため、栄養塩を吸収する植物プランクトンを捕食する二枚貝類とノリとの共存養殖技術の開発や、植物プランクトン(大型珪藻)の発生を抑制しつつ、ノリ養殖漁場に十分な栄養塩を供給することが可能な水質レベルを維持・管理する手法・手段の検討を進めます。

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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