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ホーム > 水産白書 > 平成21年度 水産白書 全文 > 平成21年度  水産の動向 > 第1部 平成21年度 水産の動向 > 第2章 平成20年度以降の我が国水産の動向 > 第1節 水産物の消費・需給をめぐる動き > (1)水産物の消費動向


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(1)水産物の消費動向


(厳しい家計状況が魚離れをもたらしている)

近年、厳しい経済情勢を反映して、家計の収入及び消費支出は一貫して減少傾向にあります。支出の内訳をみると、保健医療費、交通・通信費等は増加傾向にある一方で、被服及び履物費等と並んで、食料費は減少が続いています。食料費について品目別にみると、米、牛肉等と並んで生鮮魚介は減少傾向になっています。


生鮮魚介について支出額の減少の要因をみると、単価の下落以上に購入数量の減少が大きくなっており、厳しい家計状況の中で、魚離れが進んでいることがうかがえます。


(食の外部化が進んでいる)

食料支出額について形態別にみると、家庭内調理※1 への支出の割合が減少する一方、外食及び調理食品への支出の割合が増えています。

特に、二人以上の世帯と単身世帯とを比較すると、単身世帯において外食及び調理食品への支出割合が高くなっており、特に男性の単身世帯では、魚介類への支出割合が低くなっています。単身世帯数の割合は平成7年の25.6%から平成17年には29.5%へと増加している※2 ことから、世帯構成の変化による魚介類への支出額の減少は、今後とも進行していく可能性があります。

※1 家庭内調理:ここでは、食料支出額のうち、米、肉類、魚介類及び生鮮野菜の合計をいう。
※2 総務省「国勢調査」



(人口減により水産物消費が一層減少する可能性がある)

我が国の人口は平成19年の1億2,777万人をピークに減少しており、平成37年には1億1,927万人と、平成19年比で7%減となることが予想されています※1。農林水産政策研究所が人口減、世代交代、高齢化等の要素を勘案して将来の食料支出額を予測したところ、我が国の全世帯の年間食料支出額は、平成17年の36兆8,340億円から、平成37年には36兆1,360億円へと、2%減少するとの結果になりました。中でも魚介類については3兆5,000億円から2兆6,000億円へと25%減少するとされています※2。

※1 資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」
※2 資料:農林水産政策研究所「少子・高齢化の進展等を踏まえた我が国の食料消費構造の展望」。食料支出額は、「家計調査」及び「全国消費実態調査」に基づき、出生年の違いによる「コーホート効果」、加齢に伴う「加齢効果」、時代の変化による「時代効果」、「消費支出額」、「価格」の影響を計測し推計を行っている。
 

(家庭で消費される魚は変化している)

家庭で購入される鮮魚について、魚種別に1人当たり購入数量の変化をみると、昭和40年にはアジ・イカ・サバが上位3種を占めていましたが、平成21年にはサケ・イカ・マグロへと変化しています。


家庭での魚介類の購入形態をみると、切り身、刺身、干物など、家庭での下ごしらえが不要な形態での購入が多くなっています。また、消費者の魚介類の購入先をみると、一般小売店からの購入が減り、スーパーマーケットからの購入が増えています。サケやマグロの1人当たり購入数量が大きく伸びた背景には、こうした魚介類の購入形態や購入先の変化が反映しているものと考えられます。
 


(多種多様な我が国の魚介類)

暖流と寒流が混じり合う我が国周辺の海域は多様な魚種に恵まれ、日本に生息する魚種は3,300種※1 に及ぶといわれ、地域性豊かな魚食文化がはぐくまれてきました。我が国と同じく漁業大国であるノルウェーは、漁獲の上位8魚種で総漁獲量の9割を占めます。他方、我が国の場合、総漁獲量の9割を占めるのに28魚種が必要であり、我が国で獲れる魚介類がいかに多種多様であるかがわかります。

※1 出典:東海大学出版会「日本産魚類大図鑑」。
 

(魚食の地域性が薄れている)

このような魚介類の多様性は、地域の消費にも反映されています。例えば、地域ごとの魚種別の購入数量を全国平均と比較すると、東北地方ではカツオ、カレイ、サンマ等の購入が多く、九州ではタイ、アジ、イワシ等の購入が多くなっています。

しかしながら、近年、冷凍技術の発達や流通経路の多様化、輸入の増加、家庭での食生活の変化等により、こうした地域性が薄れるようになっています。特に、海外からの輸入が多いサケや冷凍技術の発達したマグロは、周年供給が行われるようになったため、消費の平準化が進んでいます。


(魚食の普及を通じた水産物消費の拡大が重要)

以上のように、今後とも魚介類の消費は減少することが懸念されますが、国民の間には、地産地消や食の安全性に対する関心が高まっており、国産水産物に対しては潜在的な需要が存在しています。

このため、家庭、地域、企業、学校等の生活の様々な場において、バランスの良い食卓づくりに向けた工夫や努力をしていくこと等を通じ、魚食の意義について国民の理解を得ながら、魚食の普及を図っていくことが重要です。

コラム:さぁ、さかなをたべよう! 子供を通じた魚食普及の取組(愛媛県松山市)

出前教室の風景
出前教室の風景
愛媛県松山市の中央卸売市場水産市場では、水産物の取扱量が平成7年をピークとして、減少傾向で推移してきました。そのため、取扱量を増やすために、まず魚を食べてもらうことが重要であるとの認識のもと、魚食普及に力を入れています。特に、子供の魚離れをくい止めることを重点課題の一つとし、魚食を題材とした紙芝居の作成・配布や出前教室、クイズ大会の開催、地元産タコの干しもの作りの親子体験、「魚(ぎょ)ぎょっとバーガー」の開発など、多彩な取組を行ってきました。

平成21年度からは、地元で水揚げされた魚介類を地元水産業を知るための「教材」として位置付け、栄養士等と相談しながら、「魚を美味しく楽しく食べてもらえる学校給食」の実現に向けた取組を開始しています。

学校給食は、日常生活における食事について正しい理解と望ましい習慣を養ったり、栄養バランスのとれた食事によって健康増進を図る役割がありますが、地元水産物の学校給食への活用は、地域の食文化や水産業への理解の促進という面からも大きな意義があります。

輸入魚と比較してコストが高い、骨付きの魚には抵抗があるなど、水産市場の取組にはまだまだ課題はありますが、将来を担う子ども達に安全・安心な地元の魚を届けようと活動は活発化しています。
 

コラム:「ととけん」で魚食普及

ととけん
平成22年5月から(社)日本さかな検定協会による「日本さかな検定(愛称「ととけん」)」が始まりました。「とと」とは、魚を意味する日本古来の幼児語です。日本では、古来より多種多様な魚を食し、また多彩な魚食文化を形成してきましたが、「ととけん」はこうした日本の魚食文化を見つめ直すものです。

「ととけん」では、知れば知るほど奥深い日本人と魚の関わり、魚の旬や鮮度、文化、歴史、うんちく等幅広い知識が問われます。検定を機会に、魚や魚食文化への知識を深めることで、より豊かな魚食生活につながることが期待されます。
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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