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1 未利用魚の活用 ~MOTTAINAI~


水産物の流通過程においては、魚体のサイズが不揃いであったり、漁獲量が少なくロットがまとまらないなどの理由から、非食用に回されたり、低い価格でしか評価されない、いわゆる「未利用魚」が発生しています。しかしながら、近年、この未利用魚を有効活用しようとする動きが広がっています。

未利用魚の活用は、食べ物を粗末にしない、資源を無駄なく利用していこうという点で、「MOTTAINAI」※1 の精神につながるものです。また、これまでは採算が合わないということで有効利用されていなかった未利用魚を、関係者の創意工夫や加工技術により商品化することで新たなビジネスチャンスにつなげている事例もみられます。産地の手取りの向上、魚介類の消費拡大を通じた食料自給率の向上のためにも、水産物の生産から流通、消費に至る各段階の関係者の積極的な取組が重要です。

※1 「MOTTAINAI」とは、2004年にノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイ氏が、環境を守る世界共通語として広めることを提唱した日本語。

(卸売市場が未利用魚を活用)

規格外の魚を集めたセット
規格外の魚を集めたセット
五島列島などの好漁場に恵まれた長崎県佐世保市では、多種多様な魚種が水揚げされますが、規格外品も多く発生します。そこで、佐世保の魚市場では、未利用魚を有効活用するため、「魚市場もったいない食堂」を開設し、利用者から好評を得ています。さらに、「もったいないセット」としてインターネット販売も行っています。調理しやすいように下処理を施し、真空パックで包装するとともに、消費者に届くまでの温度管理を徹底し鮮度を保つことで、普段なじみのない魚でもおいしく、手間をかけずに食べられるように工夫されています。

 

(未利用魚で手取り向上)

スーパーマーケットに並ぶ港から直送された漁獲物
スーパーマーケットに並ぶ港から直送された漁獲物
静岡県のいとう漁業協同組合は、自営の定置網漁業の漁獲物の一部を県内で店舗を展開するスーパーマーケットS社に買い取ってもらい、手取りを向上させています。これまで一般に食用として販売されない小型のサバも、水揚げ当日の早い時間に店頭に並び、消費者からも「鮮度が抜群の食べきりサイズの地魚を購入できる」と好評を得ています。

 

(加工技術で未利用魚を活用)

飽和蒸気調理器
飽和蒸気調理器
茨城県波崎地区は、イワシ、サバを主体とするまき網漁業の拠点ですが、燃油価格の高騰や魚価安により厳しい経営環境に置かれ、漁獲物の付加価値の向上が課題となっていました。そこで、同地区の水産加工会社Tでは、まき網漁業者と連携し、これまで養殖用飼料向けに低価格で取引されていた小型のイワシ・サバを原料として、飽和蒸気調理器を使用して骨まで食べられる加工品を開発し、学校給食や大手外食チェーン等への販売を開始しました。

この取組により、小型サイズのサバの平均単価は2倍、イワシは1.5倍となり手取りの向上につながるとともに、水産加工会社でも新たな雇用が生まれました。

 
飽和蒸気調理器により骨まで柔らかくしたサバ
飽和蒸気調理器により骨まで柔らかくしたサバ

 

(未利用部位で商品開発)

中落ち肉をとるための中骨
中落ち肉をとるための中骨
ブリ・カンパチの養殖が盛んな鹿児島県では、これらを活用したフィレー※1 製品等の加工品の製造も行われていますが、加工の過程で生じる中骨等の端材は廃棄物として処理されたり、肥料原料として低価格で取引されていました。

鹿児島県漁連等では、端材の有効活用を検討した結果、中落ち肉を集めれば加工原料として有効活用できると考え、株式会社Kを設立し、県内の加工場からチルドで端材を回収するルートを構築し、ハンバーグ、そぼろ、つみれ等の商品を開発しました。これらの商品はコンビニエンスストアの弁当の原料のほか、学校給食や病院食等としても提供され、鹿児島県の養殖ブリ・カンパチの知名度の向上にも貢献しています。

※1   フィレー:内臓、頭、尾、中骨等を除いて「三枚おろし」にした魚体。

 
中落ち肉から商品化されたブリそぼろ
中落ち肉から商品化されたブリそぼろ
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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