(大規模な出現となった平成21年)
定置網に入網した大型クラゲ
我が国周辺における大型クラゲの出現は、数十年に一度といわれていましたが、平成14年以降、ほぼ毎年確認されるようになり、平成21年は大規模な出現となりました。また出現時期が早く、広範囲にわたったことも特徴です。
平成17年に紀伊半島沖で確認された大型クラゲは太平洋を北上して運ばれたものでしたが、平成21年には、日本海を北上し、津軽海峡を経て太平洋を南下し流れ着いたものが確認されています。この理由として、夏の日本海を北上する海流の動きが速かったこと、太平洋を南へ流れる親潮が房総沖まで流れたこと、例年大型クラゲの南下を止めていた黒潮が沿岸から離れたため東に流されず日本近海にとどまったことなどが指摘されています。
大型クラゲが網に入ることにより、定置網等の網の破損、漁獲物の価値の低下、長時間の除去作業による漁業者への負担増、操業の中断、水揚げ量の減少等の被害が出ています。
(大量発生の原因は何か?)
平成21年の大型クラゲの漂流経路
大型クラゲは春に黄海及び東シナ海で発生するといわれ、成長しながら海流に乗って日本海を北上し、例年11月をピークとして次第に減少していきます。大量発生の理由としては、黄海や東シナ海での環境変化により、クラゲの発生に有利な条件が揃ったことなどが指摘されています。
(今後の対策)
このような状況を受け、水産庁では、出現状況の把握及び情報提供、改良漁具等の導入促進、クラゲカッターや大型クラゲ洋上駆除用水中ポンプ等を用いた駆除に要する経費の助成、陸上処理及び有効利用に要する経費の助成等の措置を講じています。また、大型クラゲは他国周辺の海域で大量発生することから、日中韓共同のモニタリング調査により出現予測技術の高度化を図るなど、周辺国との連携を強化しています。