English

このサイトの使い方

サイトマップ

ホーム > 水産白書 > 平成22年度 水産白書 全文 > 平成22年度 水産の動向 > 第1部 平成22年度 水産の動向 > 第1章 私たちの水産資源 ~持続的な漁業・食料供給を考える~ > 序節 水産食料と水産資源をめぐる世界の状況


ここから本文です。

序節 水産食料と水産資源をめぐる世界の状況


(水産資源への関心が世界的に高まっている)

近年、水産資源の持続的利用についての関心が世界的に高まっています。

国連食糧農業機関(FAO)が1995年に採択した「責任ある漁業の行動規範」においては、生態系への配慮や資源に対する過剰な漁獲の防止など水産資源を適切に保全し、有効利用するための漁業の在り方が示されています。この行動規範は、水産資源の利用方法に関するグローバルな理念として世界に定着しつつあります。2009年にローマで採択された「FAO世界食料安全保障サミット宣言」も、持続可能な食料確保の方法の一つとして責任ある漁業に言及しています。

また、2010年10月には、「第1回APEC食料安全保障担当大臣会合」が新潟市において開催されました。同会合において採択された「APECの食料安全保障に関する新潟宣言」では、効果的な資源管理により漁業資源は安定的な食料供給源となるとの見解を加盟国間で共有するとともに、海洋生物資源の枯渇といった天然資源をめぐる課題に加盟国全体で対処することが合意されました。

さらに、2010年3月にドーハで開催されたワシントン条約締約国会議では、大西洋クロマグロの国際取引禁止についての議論*1が行われました。この会議の進捗状況は、連日、大きく報じられ、水産資源への関心が我が国においても高まりました。

*1 持続的利用を図るべき漁業資源については、地域漁業管理機関が科学的資源評価に基づき的確に資源管理を行っていくべきであるとの我が国の主張が理解され、大西洋クロマグロの国際取引禁止は見送られた。

(増大する世界の水産物需要)

欧米での健康志向の高まりや、中国等の経済発展により、世界の食用水産物消費量*1は年々増加を続けており、世界の1人当たり年間水産物消費量は、約50年間で2倍に増加しています。また、国連の予測によれば2040年の世界の人口は90億人と、2010年の70億人から3割増加するとされており、世界の水産物の総需要量は、今後も増加していくことが見込まれます。

*1 国連食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization)は、国内生産量、輸入量、在庫の増減等から各国の「食用魚介類国内供給量」を算出。この値は、各国の国内消費量に近似しているため、ここでは「供給量」に変えて「消費量」という言葉を用いている。



(生産量拡大の余地のある資源の割合は減少)

一方で、この需要の増加を支えるべき、世界の水産資源の状況はかんばしいものではありません。FAOの「世界漁業・養殖業白書(2010)」によれば、2008年(平成20年)の世界の海洋水産資源は「適度または低・未利用状態」の割合が減少して15%となる一方で、「満限利用状態」が53%、「過剰利用または枯渇状態」が32%へと、それぞれ増加しています。このような傾向が継続した場合、今後増加が予想される世界の水産物需要を支えられないおそれがあります。

図-3 海洋水産資源の利用状況

(養殖業の増産にも限界の可能性)

増産の余地のある海洋生物資源が減少し、世界の海面漁業生産量が頭打ちとなるなか、世界の養殖生産量は増大を続けており、FAOは、今後の世界の水産物需要の拡大は、主に養殖業によって支えられると分析しています*1。しかし、中長期的にみると、(1)養殖適地に限りがあること、(2)養殖場に収容できる魚の密度にも限りがあること、(3)魚粉を中心とする餌の供給に限界があることなどの制限要因があることから、養殖生産量の増大にも限界がある可能性があります。

*1 FAO「世界漁業・養殖業白書(2008)」

(水産資源の持続的利用に向けた取組がますます重要に)

古来から水産物を食料として利用してきた歴史を有する我が国では、水産物が食生活上の重要な位置を占めています。世界的に水産物の需要の増加が見込まれるなか、我が国の食料戦略の一環としても、好漁場に恵まれた我が国周辺水域の水産資源を適切に管理することで持続的に利用し、将来にわたって国民への水産物の安定供給を図ることが重要です。また、我が国は世界有数の水産国として国際的な水産資源の管理に積極的に貢献していく必要があります。本特集では、我が国が水産資源を持続的に利用し、その恩恵を将来の世代に伝えていくため、私たちに何が求められているのかを考えていきます。

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

ページトップへ


アクセス・地図