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ホーム > 水産白書 > 平成22年度 水産白書 全文 > 平成22年度 水産の動向 > 第1部 平成22年度 水産の動向 > 第1章 私たちの水産資源 ~持続的な漁業・食料供給を考える~ > 第1節 水産資源の特徴と資源管理の重要性 > (1)水産資源の特徴


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(1)水産資源の特徴


(水産資源は自然の再生産システムの産物)

海底に沈殿した生物の死骸や糞は、微生物によって、窒素、リンなどの栄養塩に分解されます。その後、この栄養塩は、海水温の変化等による海水の上下混合や海底山脈などに海流がぶつかることで生じる湧昇流などによって、海面近くに供給されます。それを養分として植物プランクトンが増殖し、動物プランクトンがこれらを捕食し、さらに、小型魚、大型魚が集まってきて、食物連鎖が繰り広げられます。私たち人間が食べる魚介類は、このような物質循環を通じた自然の再生産システムの中で生産されているのです。
 

(適正に利用することで持続的な利用が可能)

自然の再生産システムの中で産卵、成長、世代交代が行われていく水産資源は、この循環に影響を与えないよう、適切な量の漁獲を行えば永続的な利用が可能になるという性質をもっています。これは、埋蔵量があらかじめ決まっており、採掘すればその分だけ資源が減少していく石油、石炭等のエネルギー資源と大きく異なる特徴です。

図1-1-2 エネルギー資源と水産資源の特性の比較

(水産資源の有する不確実性)

水産資源は、卵がふ化し、仔稚魚へと発育・成長し、ある大きさになると資源へ加入し漁獲対象となりますが、産卵量やふ化率、仔稚魚の生残の程度は、水温、餌生物などの海洋環境の影響により大きく変化します。このため、水産資源の加入量や資源量を事前に正確に予測することは極めて困難です。また、水産資源の多くは回遊し、生息場所が常に変化しています。さらに、水中に存在する水産資源の状態は、陸上の動物を数えるのとは異なり、魚群探知機や人工衛星などの最新の技術を用いても精確な観測が困難です。水産資源の利用においては、このような水産資源がもつ不確実性という特徴を常に念頭におく必要があります。

(適切な管理が行われない場合、乱獲を招きやすい)

水産資源は、通常、海の中を泳いでいる時には誰の所有にも属しておらず、漁獲されることによって初めて人の所有下におかれるという性質(無主物性)を有しており、水産資源の漁獲に当たって何の制限も課されていない状態(いわゆるオープンアクセス)では、自分が漁獲を控えたとしても他者がそれを漁獲してしまうため、「先取り競争」が生じやすいという性質をもっています。先取り競争の結果、水産資源の資源状況からみた適正水準を超えて過剰な漁獲が行われた場合、すなわち「乱獲」が行われた場合、水産資源が自らもっている再生産力が阻害され、資源の大幅な低下を招くおそれが生じます。乱獲は、短期的には利益をもたらしても、長期的には資源の崩壊による水産業全体の衰退につながり、不利益をもたらすものとなります。このため、乱獲を防止し、資源の保全・回復につなげていくための「資源管理」が必要となるのです。

図1-1-3 先取り競争が引き起す乱獲

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

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