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ホーム > 水産白書 > 平成22年度 水産白書 全文 > 平成22年度 水産の動向 > 第1部 平成22年度 水産の動向 > 第1章 私たちの水産資源 ~持続的な漁業・食料供給を考える~ > 第2節 我が国周辺の水産資源とその管理の現状 > (1)我が国周辺の漁場と水産資源


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(1)我が国周辺の漁場と水産資源


(我が国周辺水域は世界有数の漁場)

我が国は、四方を海に囲まれ、6千以上の島しょで構成されています。このため、国土面積は世界第61位にとどまりますが、排他的経済水域等*1の面積をみると世界第6位です。

*1 ここでは、排他的経済水域及び領海(内水を含む。)を示す。

表1-2-1 各国の排他的経済水域等の面積と国土面積の順位

我が国周辺水域が含まれる太平洋北西部海域は、大西洋北東部海域、太平洋南東部海域と並び、世界の主要な漁場の一つとなっています。同海域では、世界の漁業生産量の2割を占める約2千万トンが漁獲されています。

また、我が国の排他的経済水域等は、世界の海の中でも生物の多様性が極めて高い海域であり、生息が確認されている海洋生物は、全海洋生物の約14%にあたる3万3,629種に及ぶといわれています。このため、我が国では、他の水産国と比べても、非常に多種多様な魚種が漁獲されています。


コラム:多様な水産資源を利用する我が国の漁業

北欧の漁業国であるノルウェー、アイスランドと我が国について、漁獲量の8割を何種類の魚種で占めるかを比較すると、ノルウェー、アイスランドはそれぞれ5種類、6種類であるのに対し、我が国は18種類と格段に多くなっています。また、お隣の韓国も20種類となっており、種類の多さは同レベルです。

ある地域に生息する種の多様性は、低緯度の地域ほど高く、高緯度の地域にいくにつれて低下することが知られており、この法則は「種の多様性の緯度勾配」と呼ばれています。

中・低緯度に位置する国々の漁業は、高緯度諸国と比べ漁獲物や操業形態がバラエティーに富んでいますが、このことは、各国の漁業が、種の多様性をはじめとする、その国々の自然条件に応じた形で発展してきていることを示唆しているものといえるでしょう。
 

(豊かな漁場の形成要因:海流)

図1-2-2 好漁場を形成する我が国周辺の海流
我が国周辺水域が世界有数の漁場となっている理由の一つが海流の存在です。アラスカ、ロシア等から多数の河川の流入がある海域を経て南下する千島海流(親潮)は栄養塩に富み、日射量が増加する春季には植物プランクトンが大増殖(春季ブルーム)します。また、赤道海流域から北上する日本海流(黒潮)は、栄養塩濃度は低いものの、南の海域を産卵域とする多種の魚類を我が国周辺水域へと運びます。これら親潮と黒潮が混じり合う三陸沖から北海道東方沖の海域においては、潮境(潮目)が形成されます。潮境では、黒潮に乗って北上した魚が親潮域の豊富なプランクトンや魚を食べに集まるため、好漁場が形成されるのです。日本周辺水域には、いわば、親潮と黒潮による「魚の回廊」が形成されているのです。
 

(豊かな漁場の形成要因:陸棚と堆(たい))

また、漁獲は海底地形によっても影響を受けます。北海道、東北地方及び山陰地方の沿岸には、底魚の生息に適した水深200m程度の陸棚が発達し、カレイ類、カニ類等の好漁場となっています。また、日本海には、台地状の浅海である大和堆、武蔵堆があり、底魚の好漁場となっています。また、これらの堆にぶつかった海流が引き起こす湧昇流により深海の栄養塩が豊富に供給されることで、植物・動物プランクトンが増殖し、日本海の基礎生産力を支えています。このように湧昇流が漁業生産力を増加させる機能をもつことに着目し、構造物を海底に設置することで人工的に湧昇流を発生させ、漁場造成を図る事業も行われています。

(豊かな漁場の形成要因:陸域がもたらす栄養塩)

さらに、海の漁業生産力には陸域の存在が大きな影響を与えています。例えば、浅海が広がり、陸域から豊富に栄養塩が供給される東シナ海は、年間を通じて基礎生産力が高く、底魚の好漁場となっています。また、マアジ、サバ類、ブリ、スルメイカ、サワラなど、多くの有用水産資源が東シナ海で産卵し、仔稚魚が黒潮や対馬海流に乗って、日本近海へと運ばれていきます。

日本列島の複雑な地形は、噴火湾、陸奥湾、東京湾、三河湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海、八代海など、多くの内湾を形成しています。内湾は陸域から供給される栄養塩が豊富であり、かつ水深が浅く、底層にたまった栄養塩が表層と混ざりやすいため、豊富な水産資源をはぐくみます。例えば、瀬戸内海の面積は、我が国排他的経済水域等の0.4%ですが、漁業生産量は全体の5%を占めています。

コラム:人工衛星から見た日本周辺水域の基礎生産力

人工衛星に搭載された海色センサーを用いて海を観測すると、植物プランクトンの葉緑素に含まれる色素であるクロロフィルの濃度を計測することができます。クロロフィル濃度は、その海域に存在する植物プランクトンの量を表すことから、その海域の基礎生産力を知ることができます。

以下の画像は、日本周辺水域のクロロフィル濃度を季節ごとに比較したものですが、(1)親潮海域で春季に植物プランクトンが大増殖している、(2)東シナ海の大陸棚部分は、豊富に流入する陸水の影響で年間を通じて基礎生産力が高い、(3)東京湾、三河湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海、八代海などの内湾も基礎生産力が高い、ということが見て取れます。

日本周辺水域のクロロフィル濃度の季節ごとの比較

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

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