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ホーム > 水産白書 > 平成22年度 水産白書 全文 > 平成22年度 水産の動向 > 第1部 平成22年度 水産の動向 > 第1章 私たちの水産資源 ~持続的な漁業・食料供給を考える~ > 第3節 水産資源の持続的利用をめぐる課題 > (1)環境や資源の変動への適切な対応


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(1)環境や資源の変動への適切な対応


(地球温暖化による漁業への影響)

近年、地球温暖化によると思われる海流の変化、海水温の上昇が観測されています。日本近海の2010年までのおよそ100年間の年平均海水温の変化をみると、全海洋の平均である0.5℃/100年の1.4~3.4倍に当たる0.7~1.7℃/100年の上昇が確認されている海域がみられます。このような海水温の上昇が今後とも続いた場合、回遊性の魚種の漁場に変化をもたらす可能性が指摘されています。

例えば、海水温の上昇によりサンマの漁場が北に移動し、2095年には我が国周辺の漁場が大幅に縮少すると予想する研究成果もあります。今後、地球温暖化が漁業に与える影響について、動向を注視する必要があります。

図1-3-1 日本近海の海域平均海面水温(年平均)の長期変化傾向(℃/100年)とサンマ漁場

コラム:日本海で漁獲が増えているサワラ

過去、サワラは主に東シナ海や瀬戸内海等で多く水揚げされ、日本海側ではあまり獲れませんでしたが、10年程前から日本海での漁獲量が急増しています。平成20年には我が国の全漁獲量の半分にあたる約8,400トンが日本海で漁獲され、平成21年、平成22年にも日本海沿岸の主な漁港でサワラの豊漁が続いています。この原因としては、中期的な水温上昇によってサワラの産卵海域や回遊海域が拡大している可能性が指摘されています。
 

(豊かな水産資源を支える藻場の減少が進行している)

沿岸の水産資源の生育環境は、陸域、河川域、沿岸域における人間の活動によって大きな影響を受けます。水産動物にとって産卵や稚魚の生育の場であり、生物多様性にとっても重要な役割を果たしている藻場は、沿岸域の開発等によりこの30年間で4割減少しました。また、近年では、水温の上昇によって、アマモ、コンブ等の藻場を構成する海草・海藻が減少し、さらに、ウニ等の海藻を食べる動物が増殖することで藻場が消滅する「磯焼け」が進行しています。

このため、国では磯焼けへの対応策をまとめた「磯焼け対策ガイドライン」を作成し、その普及を図るとともに、環境・生態系保全対策を実施し、漁業者や地域の住民等が行う藻場・干潟等の保全活動に対する支援を実施しています。こうしたなか、各地では、漁業者のみならず、研究機関や都市住民と連携して、藻場の再生に取り組む動きが現れており、水産資源や環境に関する市民の学習の場ともなっています。

図1-3-2 藻場・干潟の面積の変化

図1-3-3 漁業者が中心となった取組で磯焼けから回復した藻場

(栽培漁業による資源の積極的増大が重要)

栽培漁業は、有用水産資源の種苗を生産、放流し、その育成管理を行うことにより、水産資源を積極的に増大させるものです。栽培漁業は、水産資源の回復と沿岸漁業者の経営の安定の双方に直接的に寄与します。

現在行われている種苗放流の対象魚種は約80種あり、シロザケ、マダイ、ヒラメ、クルマエビ等については、年間1千万尾を超える種苗が放流されています。
 

このようななか、平成22年12月には、沿岸漁場整備開発法に基づき策定されている「水産動物の種苗の生産及び放流並びに水産動物の育成に関する基本方針」(栽培漁業基本方針)の見直しが行われました。新たな方針においては、(1)種苗放流した魚のうち親魚を獲り残して、再生産を確保する「資源造成型栽培漁業」の推進、(2)漁獲量に有意な変化を与える規模での放流及び対象種の重点化、(3)広域種放流にかかる関係都道府県の連携・共同体制の構築等を推進していくこととしています。また、新しい栽培漁業の推進体制として、全国の6つの海域に道府県、道府県所管の栽培漁業を推進する法人及び漁業関係団体等が構成員となる「海域栽培漁業推進協議会」が設立され、広域種についての資源造成型栽培漁業の推進や関係都道府県が連携・共同した種苗の生産・放流体制の構築などが進められることになっています。
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

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