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ホーム > 水産白書 > 平成22年度 水産白書 全文 > 平成22年度 水産の動向 > 第1部 平成22年度 水産の動向 > 第1章 私たちの水産資源 ~持続的な漁業・食料供給を考える~ > 第4節 国民全体で支える水産資源管理 > (1)意識・意向調査からみえるもの


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(1)意識・意向調査からみえるもの


(漁業者は資源の減少に危機感を持っている)

水産資源の状況について、漁業者の87.9%は「資源は減少している」と感じています。その理由としては、「水温上昇等の環境変化」(51.5%) 、「過剰な漁獲」(30.2%)をあげた者が多くなっています。また、資源管理に取り組む意義について、「漁場環境・生態系の維持・回復」(53.3%) 、「水産資源の回復・増大」(34.3%)等と並び、「経営の安定」(67.1%)をあげた者が多くなっており、厳しい漁業経営の背景に水産資源の減少の問題があり、漁業経営の安定のためには水産資源の回復が欠かせないとの意識が共有されていることがうかがえます。



(消費者の大半が水産資源の持続的な利用を図るべきとの考え)

消費者の水産資源の状況に対する認識をみると、「枯渇しつつある」(55.4%)と回答した者が過半数を占めるものの、「比較的安定」(24.4%)、「豊富」(7.9%)、「分からない」(12.3%)という回答も半数近くに及んでおり、消費者の間に大きな意識の差があることがみてとれます。一方で、水産資源の利用に関しては、「水産資源を食料として持続的に利用できるよう、漁業と資源保護の両立を図っていくべき」と回答した者が86.5%となっており、水産資源の状況についての認識のいかんにかかわらず、水産資源の持続的な利用を図ることが重要との考えが消費者において強いことがみてとれます。


(資源管理について消費者の理解を深めるために有効な取組は何か)

資源管理について消費者の理解を深めるための取組については、漁業者、消費者のいずれにおいても、「行政機関による情報提供の充実」や「漁業者による情報発信」をあげた者の割合が高くなっています。また、消費者では「適切な資源管理により漁獲された水産物を選択して購入できる機会の増加」をあげた者、漁業者では「消費者との交流・接触の機会の増加」をあげた者が目立っています。


コラム:まぐろはえ縄漁業の若手経営者がDVDを作成

DVD「追跡!ニッポンのマグロ~世界の海から食卓へ~」
遠洋まぐろ漁業の若手経営者のグループ「全国鰹鮪近代化促進協議会」は、平成22年3月、遠洋まぐろ漁業を紹介するDVD「追跡! ニッポンのマグロ ~世界の海から食卓へ~」を作成し、全国のまぐろ漁業基地にある小中学校や水産高校等に無料で配布しました。このDVDでは、日本から遠く離れた漁場へ出漁するまぐろはえ縄漁業の日々の操業や船上生活の様子、資源管理への取組と品質保持に対する乗組員のこだわり等が紹介されています。今回のDVD作成のきっかけは、消費者との意見交換会で「一般消費者は、まぐろはえ縄漁業の実態を知らない」、「消費者には日本漁船が漁獲したマグロに対する特別の想いはなく、店頭に並ぶ多くの水産物の一つとしてしか見ていない」との意見があったことを受け、積極的な情報発信の必要性を漁業者が痛感したことです。協議会のリーダー勝倉さん(43歳)は、「日本漁船の乗組員が、国際的な資源管理の規制を守りながら、鮮度にこだわって獲ってきた刺身マグロのことを消費者に知ってもらいたい。また、厳しくも人情味あふれる船上生活の様子を知ってもらうことで、まぐろはえ縄漁業の若手乗組員の確保にもつなげたい」と語っています。このDVDの概要は、次のURLに掲載されています。

※ 全国鰹鮪近代化促進協議会ブログ http://sokushinkai.da-te.jp/
(DVD予告編 http://sokushinkai.da-te.jp/e408166.html)
 

(水産エコラベルが商品選択に影響を与える可能性がある)

水産物の流通段階では、資源管理に対する消費者の理解の促進を図るため、生態系や資源の持続性に配慮した方法で漁獲した水産物であることを示すマークを貼付した「水産エコラベル」の取組が広がりつつあります。この取組は、消費者の水産資源管理についての関心を高め、消費者の購買行動を通じて、持続的な水産物の生産を促進することを目指し、イギリスに本部をおく海洋管理協議会(MSC)が、平成9年から認証制度を開始したもので、我が国でも京都府機船底曳網漁業連合会のずわいがに、あかがれい漁業などがこのMSC認証を受けています。また、我が国でも、平成19年、水産関係団体によって我が国の漁業生産や資源管理の特徴を反映した、我が国独自の「マリン・エコラベル・ジャパン」(MELジャパン)が創設され、平成22年には、近海・遠洋かつお一本釣り漁業の94隻が新たに認証されるなど、徐々に認証件数を増やしています。

消費者への意識・意向調査の結果によれば、水産エコラベルの「意味も中身も知っている」と回答した者は13.3%にとどまっており、「知らない」と回答した者が74.2%となっています。一方、水産エコラベルのマークが付いた水産物の購入に関しては、「多少高くても購入する」と回答した者が16.0%、「価格や鮮度が同一であれば購入する」と回答した者が69.9%となっており、水産エコラベルの普及は、資源管理に対する消費者の理解の促進や有利販売に役立つものと考えられます。しかしながら、水産エコラベルが付いた商品が小売店の店頭に並ぶ機会はまだ少なく、水産エコラベルについての消費者の認知度も低いというのが現状です。水産エコラベルの普及のためには、その意義や効果について、漁業者だけでなく、加工・流通業者の理解を促進し、水産エコラベル付きの商品の販売機会を増やすことも重要です。


事例:我が国の漁業に関する水産エコラベル


MSC認証 海のエコラベル
○MSC(Marine Stewardship Council):海洋管理協議会

京都府機船底曳網漁業連合会のずわいがに、あかがれい漁業と土佐鰹水産グループのかつお一本釣り漁業が認証(平成23年3月現在)。
 

マリン・エコラベル・ジャパン
○マリン・エコラベル・ジャパン(MELジャパン)

日本海べにずわいがに漁業、さくらえび2そう船びき網漁業、十三湖しじみ漁業、いかなご船びき網漁業等、6種類の漁業が認証(平成23年3月現在)。
 

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