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4 鯨類資源の持続的な利用に向けて

(商業捕鯨の再開に向けて引き続き努力)

我が国では、古来より鯨類が食料として利用されてきました。終戦直後の食料不足の時期には、我が国捕鯨船団が南極海から持ち帰った鯨肉が国民の貴重なたんぱく源となり、食料事情の改善に大きく貢献しました。鯨肉は、現在も全国各地で様々な調理法で食され、我が国の食文化を支えています。生物資源について、その持続的な利用と保全の両立を図ることは、国連環境開発会議(UNCED)で合意された原則です。我が国は、この原則に基づき、鯨類資源は重要な食料資源であり、他の生物資源と同様、最良の科学的事実に基づき持続的に利用すべきとの基本認識を有しています。また、このような考え方を国際社会に訴えていくことが極めて重要です。

国際捕鯨委員会(IWC)では、鯨類の利用をめぐる根本的な立場の相違から、持続的利用支持国*1と反捕鯨国*2が対立し、鯨類資源の保存管理に関し意思決定ができない「機能不全」の状況に陥っています。この状況を打開するため、IWCの将来に関する包括的合意を目指す「IWCの将来」プロセスが2008年に開始されました。しかしながら、2009年6月に開催された第61回IWC年次会合(マデイラ島:ポルトガル)、さらに2010年6月に開催された第62回IWC年次会合(アガディール:モロッコ)では合意が得られず、2011年7月の第63回年次会合(ジャージー島:英領)までの間、1年間の「熟考期間」が設定されました。我が国としては、1982年にIWCが採択した「商業捕鯨モラトリアム」のもとで一時停止している商業捕鯨が再開できるよう引き続き努力していくこととしています。

*1 我が国と同様、鯨類は重要な食料資源であり、科学的根拠に基づき持続的に利用されるべきとの立場の国。
*2 鯨類を完全な保護の対象とし、鯨類の食料としての利用に反対する国。

(調査捕鯨の意義)

商業捕鯨モラトリアムは、鯨類資源に関する科学的知見が不十分であることを理由に導入されました。そこで、我が国は、商業捕鯨の再開に向けて科学的データを蓄積することを目的に国際捕鯨取締条約第8条に基づく鯨類の捕獲調査を実施しています。

鯨類の調査には、船上から見える鯨を数える目視調査など、捕殺を伴わない調査もありますが、これでは、鯨類の年齢、性別、生殖率、あるいは、鯨類がどのような魚をどれだけ食べているかといった情報を把握することができません。このため、我が国の調査では、目視などによる調査と捕獲調査を組み合わせることで、鯨類資源の状況をより正確に把握できる科学的なデータ収集を行っています。調査によって得られたデータは公開され、各国の鯨類学者によって活用されており、IWC科学委員会もその意義を高く評価しています。

(不当な妨害活動により南極海の鯨類捕獲調査を切り上げ)

妨害船から投てきされ発火する発酵弾
近年、南極海において鯨類捕獲調査に従事している我が国の調査船団に対し、反捕鯨団体が行う危険な妨害活動が問題となっています。

平成22年/23年の調査時においては、米国でNGOとして登録されている反捕鯨団体シーシェパード所属の3隻の妨害船により、酪酸や着色料入りのビン、発煙筒、発光弾の投てきや調査船のスクリューをねらったロープの投入などの妨害が行われました。再三の妨害行為によって、調査船団の安全確保が困難な状況となったことから、平成23年2月、やむを得ず今期の調査は切り上げられました。

国際捕鯨取締条約に基づいて実施されている我が国の鯨類捕獲調査に対し行われる一連の妨害行為は、いわれのない暴力であり、断じて許されるものではありません。これまで政府は、調査船団の自衛措置の強化に対する支援を行うとともに、反捕鯨団体の船籍国等に対し実効的な措置をとることを累次にわたり求めるなどの対策を講じてきました。また、IWCの場においても、このような妨害行為を批判する決議の採択などを行ってきました。今後とも、内閣官房を中心に関係省庁が連携し、これまでの妨害事例を検証のうえ、必要な対策を検討していくこととしています。
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

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