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5 クニマスから生物多様性を考える

(絶滅種「クニマス」の発見)

西湖のクニマス発見者の一人さかなクンによるイラスト
平成22年12月、山梨県の西湖でクニマスが発見され、大きなニュースとなりました。この魚は、元々秋田県の田沢湖だけに生息していた固有種で、献上品、贈答品として珍重された魚でしたが、昭和15年、増大する電力需要等に対応するため田沢湖に強酸性の川の水を引き入れたために田沢湖の酸性化が進み、絶滅したものと考えられていました。しかし、その前に、他県の湖に田沢湖からクニマスの受精卵が送られたとの記録があり、西湖でクニマスと思われる魚が発見されました。田沢湖のクニマスは当時の電力需要等の代償として絶滅したともいえますが、それから70年を経るなかで、生物多様性や種の保存に関する社会情勢は大きく変化しました。
 

(生物多様性条約締約国会議が名古屋で開催)

平成22年10月には、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催され、世界中の締約国、国際機関、NGO等が生物多様性を守り自然と共生する世界を実現するための方策などについて議論を深めました。海洋生物の関係では、「戦略計画2011-2020(愛知目標)」に、2020年までに海洋保護区の面積を沿岸域及び海域の10%とすることなどが盛り込まれました。また、締約国が持続的な漁業に取り組む必要性等に言及した「海洋・沿岸生物多様性に係る決定」が採択されました。さらに、COP10の場外では、漁業者による自主的な資源管理や「里海」をテーマとするサイドイベントが開催され、人手をかけることで生物多様性を保持し持続的な漁業生産を行うという、我が国古来からの人と海とのつきあい方について、多くの出席者が理解を深めました。

(明らかになった我が国周辺水域の海洋生物多様性)

平成22年8月には、我が国周辺水域*1に、世界の全海洋生物種(約23万種)の約14.6%にあたる3万3,629種が出現するとの研究結果*2が発表されました。我が国周辺水域の容積は、世界の海洋の0.9%にすぎないことから、我が国周辺水域は、世界的にみても多様な生物が集中するホットスポットというべき海であることが具体的な数値で示されました。

人為的な要因でクニマスが田沢湖から姿を消した時代とは違い、現代では、生物多様性は人類の生存を支える極めて重要なものとして認識されています。世界的にも極めて恵まれた海を有する我が国としては、その海洋生物資源の保全と持続可能な利用に努め、その恩恵を将来の世代に引き継いでいくことが重要です。

*1 領海及び排他的経済水域。
*2 国際プロジェクト「海のセンサス」の一環として、(独)海洋研究開発機構、京都大学フィールド科学教育研究センター、東京大学大気海洋研究所が共同で、我が国周辺水域に出現する生物についての文献データを精査。

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

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