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はじめに


平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波は、多くの尊い命を奪うとともに、太平洋沿岸をはじめとする全国の漁業地域に甚大な被害をもたらしました。また、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、周辺海域における操業自粛等に加え、水産物の消費に関する国内外の消費者の不安を惹起しており、我が国の水産業に大きな影響を与えています。
東日本大震災からの水産業の復旧・復興は、被災地の地域経済の復興に資するだけでなく、国民への安定的な水産物供給を確保する上でも、政府にとって極めて重要な課題となっています。

このような状況を踏まえ、本年度の水産白書の第Ⅰ章特集では、「東日本大震災~復興に向けた取組の中に見いだす我が国水産業の将来~」をテーマとし、我が国の水産業にもたらされた被害の状況、復旧・復興に向けた政府及び地方自治体の対応、原発事故への対応等について記述しています。また、東日本大震災の経験をこれからの水産施策に活かしていくという観点から、被災地における復旧・復興の取組の実例を数多く紹介しています。

また、平成24(2012)年3月には、我が国の水産をとりまく諸情勢を踏まえた新しい「水産基本計画」が策定されました。この基本計画は、今後10年程度における水産施策の基本となるものです。
そこで、第2章「平成22年度以降の我が国水産の動向」では、その冒頭で新たな水産基本計画の内容を紹介しています。また、水産物の消費・需給をめぐる動き、我が国水産業をめぐる動き、我が国の水産資源と漁場環境をめぐる動き、水産業をめぐる国際情勢、活力ある漁村づくりについて記述しています。

近年、水産物の需要が世界的に増大している一方、資源状況による制約等のため、世界の漁業における増産の余地は少なくなってきています。海に囲まれた我が国は、古来より周辺の海域や河川、湖沼に産する様々な水産物を貴重な食料として利用してきましたが、このような世界の水産食料に関する情勢を踏まえ、我が国としては、「身近な自然の恵み」である周辺の水産資源を十分に活用すべく、生産と消費の両面における施策を講じていく必要があります。

東日本大震災は、国民に水産食料を供給するとともに、漁業地域の基幹産業として人々の暮らしを支える水産業の重要性を多くの国民が再認識する契機ともなりました。本報告を通じ、水産業に関する国民の理解と関心がより一層深まることとなれば幸いです。

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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