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ホーム > 水産白書 > 平成23年度 水産白書 全文 > 平成23年度 水産の動向 > 第1部 平成23年度 水産の動向 > 第1章 特集 東日本大震災 〜復興に向けた取組の中に見いだす我が国水産業の将来〜 > 第4節 原発事故による水産業への影響と対応 > (2)海や河川・湖沼における放射性物質の状況


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(2)海や河川・湖沼における放射性物質の状況


東電福島第一原発の事故により海や河川・湖沼に拡散した放射性物質は、海水や淡水中を様々な経路で移動し、時間をかけて次第に海底・河床等に沈殿していきます。このため、海水・淡水や底土等に含まれる放射性物質の濃度について動向を注視し、水産物に及ぼす影響を見極めていくことが重要であり、このような水産物への影響等に関する様々な課題について、適切に調査を進めていくこととしています。

(海域に係るモニタリングの実施状況)

海域を対象とする放射性物質のモニタリングについては、文部科学省を中心に関係機関の連携の下、「総合モニタリング計画」(平成23(2011)年8月2日決定、平成24(2012)年3月15日及び4月1日改定)に基づき、青森県(一部)、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県(一部)沖にかけて海水、海底土及び水産物を対象に実施されています。

最近では、海水の放射能濃度については、東電福島第一原発の事故から間もない時期と比べて低い値が続いています。一方、海底土の放射能濃度については、事故以前の水準に比べ、全般的に、いまだに高い値となっており、また、距離、時間によるばらつきや広域にわたる拡散がみられています。

こうした状況を踏まえ、平成24(2012)年4月以降においては、「総合モニタリング計画」等に沿って、海水についてはセシウムを中心に分析精度を向上させた濃度の把握、海底土については時間的・距離的なばらつきや性状の把握、海洋生物については水産物の放射性物質の濃度の経時変化の把握等の観点から、測定を実施することとしています。さらに、東電福島第一原発から海へ流出した放射性物質だけでなく、陸地から河川を通じて海へ流出した放射性物質の経路も考慮し、モニタリングの充実・強化等を行うこととしています。

(河川、湖沼等に係るモニタリングの実施状況)

河川、湖沼等の放射性物質に係る水質、底質等のモニタリングについては、「総合モニタリング計画」に基づき、環境省が中心となり、福島県、宮城県、山形県(一部)、茨城県、栃木県、群馬県及び千葉県(一部)において実施されています。

最近では、水質については、不検出または低い値の観測点がほとんどとなっています。一方、底質の放射能濃度については、数値のばらつきが大きく、比較的高い値の観測点もみられます。

(水産物に係るモニタリングの実施状況)

水産庁では、平成23(2011)年5月2日に公表した「水産物の放射性物質検査に関する基本方針」及び原子力災害対策本部が策定した「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」(平成24(2012)年3月12日改定)に基づき、関係都道府県や漁業者団体と連携して、計画的な水産物の放射性物質の調査を推進しています。具体的には、主要な沿岸性種や回遊性魚種等について、東電福島第一原発の事故による影響に留意しつつ漁期開始前に調査を実施し、安全を確認した後に操業を開始することとしており、その後も、表層、中層、底層等の生息域や漁期を考慮し、主要水揚港等において定期的な調査(原則週1回程度)が行われています。

特に、福島・宮城・茨城・岩手・千葉の5県においては、過去に50ベクレル/kgを超えたことのある水産物を対象に、主な食性、生息水深等を考慮した品目群ごとに調査を実施するなど、平成24(2012)年4月からの放射性物質の新たな基準値(放射性セシウムとして100ベクレル/kg)の施行を踏まえ、調査の充実を図っています。

調査の結果、基準値を上回るものが出た品目等については、関連する漁業の操業自粛や出荷制限等の措置がとられています。なお、平成24(2012)年4月現在、福島県沖ではすべての沿岸漁業及び底びき網漁業の操業が自粛されており、東電福島第一原発周辺で漁獲された水産物は市場に出回っていません。

図1-4-2 水産物に係る放射性物質調査の実施状況

水産物に対する国民の不安を払拭するためには、計画的な放射性物質調査を適切に実施し、その結果を速やかに、かつ、わかりやすく提供していくことが重要です。このため、関係都道府県や漁業者団体等とも連携して、水産物に含まれる放射性物質のレベルが十分低下するまでの間、引き続き調査を推進していくこととしています。さらに、食物連鎖を通じた放射性物質の濃縮の過程等、水生生物における放射性物質の挙動等を明らかにしていくための科学的な調査等も実施することとしています。

《水産物中の放射性物質の測定方法》


魚介類は表層、中層、底層と様々な環境に生息しており、また、生活史の各段階で様々な回遊を行っています。さらに、魚介類の食べ方についても丸ごと食べるものや切り身で食べるもの等、魚種による違いがあります。

水産物中の放射性物質の測定に当たっては、このような点を考慮して、各海域や生息環境を代表する魚介類をまんべんなく選んで検体をサンプリングするとともに、魚の可食部(例えば、丸ごと食べる小魚は魚体全体)を試料として測定します。また、通常水戻しをして食べる干ワカメ等は水戻しした状態に換算して測定します。

以下の手順は、(独)水産総合研究センターが、厚生労働省のマニュアル※に基づき、都道府県等の測定担当者のため、具体的な作業工程を示した資料を抜粋したものです。この資料は、可能な限り迅速かつ正確な測定が可能となるよう配慮して作成されています。

水産物の放射性物質モニタリングの作業工程(例)
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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