English

このサイトの使い方

サイトマップ

ホーム > 水産白書 > 平成24年度 水産白書 全文 > 平成24年度 水産の動向 > 第1部 平成24年度 水産の動向 > 第1章 特集 海の恵みを食卓に〜魚食の復権〜 > 第3節 消費者の様々な要望に対応する関係者の取組 > (1)魚食普及活動、食育活動の事例


ここから本文です。

(1)魚食普及活動、食育活動の事例


(魚のおいしい食べ方、調理法を普及する取組)

水産物の消費拡大を図るため、家庭で魚の調理を楽しみ、おいしく経済的に食べる消費者を増やす活動が重要です。魚の調理方法や旬に関する知識を消費者に伝えるための料理教室の開催等、漁業団体や市場関係者等による様々な取組が行われています。

事例:おもてなし料理の講座で人気の料理教室(兵庫県漁連「SEAT CLUB」)


イタリア料理のシェフによる魚料理教室
イタリア料理のシェフによる
魚料理教室
兵庫県明石市
兵庫県漁業協同組合連合会では、県内に水揚げされる多彩な水産物の消費を県内で拡大することを目的として、平成21(2009)年度からSEAT CLUB(*1)(シートクラブ)を立ち上げ、兵庫県の水産会館を拠点とした料理教室や料理体験等の魚食普及活動を展開しています。

このSEAT CLUBでは、初歩的な魚の捌き方教室を始め、プロの料理人による県産の旬の魚を利用した本格的なイタリア料理や韓国料理の教室、フードコーディネーターが料理の美しい盛りつけ方を教えるおもてなし料理教室といった多彩なプログラムを用意し、一般の方々の「新鮮な旬の魚を味わいたい」、「魚をおろせるようになりたい」、「切り身魚のレパートリーを広げたい」、「魚のプロを目指したい」、といった多様な要望に応える講座を毎日開催しています。これらは基本的に一回で完結するものとなっており、消費者が色々なプログラムの中から興味ある講座を選んで参加できるようになっています。このような点が人気を呼び、多くのリピーターを集めています。

また、SEAT CLUBでは、県内公立小中学校に出向いて魚捌(さば)き体験等を行う出前教室や、干しダコ作り等の親子体験教室等、食育活動にも取り組んでいます。

*1 SEATとはSEA(海)+EAT(食べる)を組み合わせた造語
 

(子供達に魚の良さ、おいしさを伝える活動)

家庭で魚食に親しむことが少なくなっている子供達が魚食への興味を持つきっかけを提供するものとして、教育現場等における食育活動の重要性が増しています。子供が魚食を嫌う原因となっている骨に焦点を当てたプログラムや魚の栄養成分を学ぶ授業等、様々な切り口の活動がみられます。

事例:「骨がある魚を丸ごと知って食べる」をテーマに出前授業(一般財団法人水産物市場改善協会/日本おさかなマイスター協会)


都内小学校における出前授業の様子
都内小学校における出前授業の様子

出前授業の後の給食で骨に気をつけながら魚を食べる小学生
出前授業の後の給食で
骨に気をつけながら魚を食べる小学生
「日本おさかなマイスター協会」(*1)は魚に関する知識を身につけ、その魅力について情報発信できる人を「おさかなマイスター」として認定しており、その活動の一環として、平成21(2009)年より、都内の小中学校で「おさかなマイスター」による出前授業「魚には骨がある〜魚を丸ごと知って食べよう〜」を実施しています。

子供達が魚を敬遠する理由を聞いたアンケート調査では、「骨があるから」という点が上位に挙げられていますが、この出前授業では、魚の骨を排除するのではなく、逆に魚にどのような骨があるのか、子供達がしっかりと勉強し、知識を持った上で魚を上手においしく食べてもらうことを狙いとしています。授業では、魚の胸びれや腹びれが人間の腕や足に相当すること等、子供達にとって目から鱗の知識が次々と披露されます。また、マアジの骨が印刷されたプリントを見ながら、食べる時に邪魔になる骨を探して色を塗り、気を付けたい骨を確認します。

このような授業は、魚を食べる時、骨がどこから出てくるか分からないという理由で子供達が骨のある魚を敬遠してしまうことを防止する効果があるものと考えられます。東京都練馬区の小学5年生に対して行った出前授業の半年後(平成25(2013)年1月)に実施したアンケートでは、「丸ごとの魚を食べる機会が増えた」「骨に気を付けて食べるようになった」といった子供達の声が聞かれています。

*1 「日本おさかなマイスター協会」は、(一財)水産物市場改善協会、(一社)大日本水産会、全国漁業協同組合連合会の3団体で運営。
 

事例:魚に含まれるEPAやDHAをテーマとした出前授業(日本水産株式会社、株式会社美濃忠)


パネルを使って魚の「ひみつの力」を分かりやすく説明
パネルを使って
魚の「ひみつの力」を分かりやすく説明
日本水産(株)と(株)美濃忠は、平成24(2012)年11月に千葉県内の小学校で魚の脂に含まれる機能性成分をテーマにした出前授業を実施しました。この小学校では、食育のための特別授業等を毎年実施しており、出前授業は、「魚」をテーマとした平成24(2012)年の食育活動の一環として行われました。「おさかな教室−さかなにはどんなひみつの力があるのかな」と銘打った授業では、日頃、研究開発を担当している社員が専門的見地から青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)の効能や肉の脂との違い、魚の調理法等を説明し、子供達は用意された実物の魚(一匹丸ごとのサケ)を見たり、触ったりしながら理解を深めました。授業を受けた子供達からは、「一匹そのままのサケに触れる貴重な体験ができ面白かった」、「DHAやEPAの話を聞いてもっと魚を食べたいと思った」等の感想が聞かれました。
 

(学校給食で子供が魚を食べる機会を提供)

学校給食は、子供達にその食材の味を実体験し、産地や生産者について学ぶ機会を与える生きた教材です。近年、学校給食を通じて食育を推進する動きが各地で盛んになっており、地場で獲れた水産物を食材として提供する取組や、学校給食に適した水産食品を開発・販売する取組がみられます。

事例:食材提供を通じてニーズを把握し事業化を検討(石川県、JFいしかわ)


「おさかな給食」の様子(能登町立松波小学校)
「おさかな給食」の様子
(能登町立松波小学校)
石川県及び同県漁業協同組合(JFいしかわ)では、平成23(2011)年度から「石川のおさかな給食モデル事業」を実施しています。

これまで、石川県では、学校と県漁協の双方に地産地消の推進や魚食普及を積極的に推進したいとの意向があるにもかかわらず、両者の間にパイプがないことや価格が合わない、あるいは県産魚の計画的な利用が難しいといった理由から、学校給食で利用される水産物の多くが県外産や外国産に依存しており、県産魚の利用が進まない状況にありました。このモデル事業では、学校給食における県産魚の安定的な利用を図ることを目的とし、初年度は志賀町と珠洲市において、県漁協と市町教育委員会、学校栄養職員、地元加工業者などの関係者を参集した「おさかな給食検討会」を設置し、学校給食で利用する魚種やメニューを学校側のニーズと漁協側の事情(水揚げ状況)を考慮して検討・選定しました。また、提供当日は、県漁協職員による出前講座を併せて行うことで、その食材の生産や流通の背景を子供達に教える食育を行いました。2年目の平成24(2012)年度は、モデル市町に金沢市を加え、3市町で事業を実施し、学校給食での県産魚の継続的な利用に向けた足がかりを構築するとともに、県産魚を安定的に学校給食に供給するための具体的留意点等の知見を収集しました。この事業は、3年目となる平成25(2013)年度も引き続き実施されており、これまでに蓄積した様々なノウハウを活かし、他市町に取組を拡げていくこととしています。
 

事例:給食用のフライ製品の開発・普及(北海道機船漁業協同組合連合会)


稚内港における沖合底びき網漁船のホッケ水揚げの様子
稚内港における沖合底びき網漁船の
ホッケ水揚げの様子
北海道の沖合底びき網漁船41隻が所属する北海道機船漁業協同組合連合会(通称「きせんれん」)による水揚量は年間で20万トン強であり、その主な魚種であるスケトウダラとホッケは、9割以上がすり身原料として出荷されています。同連合会では、これらの魚種の付加価値向上及び販路拡大のため、フライ、ザンギ(唐揚げ)等の冷凍食品を委託加工し学校給食向けに販売することとしました。平成17(2005)年度にホッケを原料にした「メンチカツ」を製造し、道内の小中学校に販売したところ、道内産の原料を使用しているといった点から好評を博し、販売の拡大に成功、平成24(2012)年には年間約90万食を販売しています。また、販売先も道内に限らず関東圏や東北地方に拡大しており、学校給食用の加工食品に向けたスケトウダラ、ホッケの出荷は、今や同連合会の販路の中で重要な位置を占めており、魚価の安定にも貢献するものとなっています。
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班:大橋・太田
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

ページトップへ


アクセス・地図