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(5)福島県における漁業・養殖業の再開に向けた動き


(福島県地域漁業復興協議会の取組)

福島県漁業協同組合連合会は、福島県水産業の復興と漁業の再開を目指し、漁業関係者、水産加工・流通関係者、金融機関、学識経験者、福島県庁等で構成される「福島県地域漁業復興協議会」を立ち上げ、福島県水産物への信頼確保に向け、魚介類のサンプリング調査や検査体制の拡充などに取り組んでいます。

(出荷を伴う試験操業の実施)

福島県地域漁業復興協議会では、基準値を超える放射性物質を含む水産物が東電福島第一原発の事故の被害者である福島県の漁業者の手によって消費者に提供されるといった状況を防ぎたいとの立場から、原発事故後の操業再開については極めて慎重に対応してきました。

一方、これまでのサンプリング調査の結果、タコ類やイカ類などでは放射性物質による影響が極めて少ないことが確認されています。

これを踏まえ、福島県地域漁業復興協議会及び県下漁業協同組合長会における2か月以上に及ぶ協議を経て、平成24(2012)年6月22日から、相馬双葉漁業協同組合所属の沖合底びき網漁船により、これまでの放射性物質調査の結果、安全性が確保できることが確認された一部の海域、魚種に絞った試験操業が開始されました。この試験操業は、当初、3魚種(ミズダコ、ヤナギダコ、シライトマキバイ)を対象としていましたが、放射性物質調査の結果を踏まえて対象魚種が徐々に拡大されており、平成25(2013)年5月末現在で15魚種(ミズダコ、ヤナギダコ、スルメイカ、ヤリイカ、ケガニ、ズワイガニ、沖合性ツブ貝(シライトマキバイ、チヂミエゾボラ、エゾボラモドキ及びナガバイ)、キチジ、アオメエソ(メヒカリ)、ミギガレイ(ニクモチ)、ユメカサゴ及びヤナギムシガレイ)を対象とした試験操業が行われています。なお、この試験操業で漁獲された水産物については、相馬双葉漁業協同組合に整備された検査施設において、水揚げごとに毎回放射性セシウム測定を行った上で出荷されています。また、加工品についても生鮮品の検査と同様に、同漁協が検査し、安全性を確認した上で出荷されています。

この試験操業で漁獲された水産物は、福島県内に加え、仙台、東京、名古屋等の中央市場に出荷され、全て完売し、各地の消費者に届けられました。

また、平成25(2013)年3月からは、相双地区において、船びき網漁船によるコウナゴ(イカナゴの稚魚)の出荷に向け、重点的な放射性物質調査が実施されました。その結果、コウナゴの安全性が確認されたことを踏まえ、平成25(2013)年3月29日から5月1日にかけてコウナゴの試験操業及び販売が行われました。

以上のとおり、平成24(2012)年6月22日から平成25(2013)年5月末までの間において、相双地区では、沖合底びき網漁業、タコかご漁業、船びき網漁業により、合計16種を対象とした試験操業及び販売が行われ、福島県の漁業再開に向けた様々な情報が収集されています(*1)。

*1 試験操業及び販売は、平成25(2013)年6月1日以降も継続して実施されている。

表2-2-4 福島県におけるこれまでの試験操業・販売の取組(平成25(2013)年5月末現在)

図2-2-7 試験操業海域
相馬双葉漁協の検査施設。放射性物質の簡易検査機器を導入し、水産物の検査を継続的に実施。
相馬双葉漁協の検査施設。
放射性物質の簡易検査機器を導入し、
水産物の検査を継続的に実施。
 

事例:小名浜港における取組


小名浜港に水揚げされるカツオ
小名浜港に水揚げされるカツオ

首都圏の小売店における販売の様子
首都圏の小売店における販売の様子
福島県小名浜市
福島県小名浜港は、従来から遠洋かつお漁船や大中型まき網漁船、さんま棒受網漁船等の拠点港として、水産加工業、製氷業、冷凍・冷蔵庫業といった関連産業とともに発展してきました。

しかし、東日本大震災の地震・津波による被害に加え、東電福島第一原発の事故の直後から福島県沖における漁業が全面的な操業自粛を余儀なくされ、また、従来、小名浜港に水揚げしていた県外漁船も福島県の港での水揚げを敬遠する状況となり、平成23(2011)年における小名浜港への水揚げは、さんま棒受網漁船といわしまき網漁船によるもののみとなっていました。

こうした中、小名浜港に水揚げされるカツオを大手流通業者のイオンリテール(株)が買い取り、同社の小売店で販売する取組が始まりました。取組初日の平成24(2012)年6月27日には、千葉県の南東沖約360㎞の漁場でまき網漁船によって漁獲されたカツオが小名浜港に水揚げされ、同28日には、同社の関東地方を中心とする小売店舗で販売されました。このルートによるカツオの水揚げ、販売は、同年の漁期終了となる9月まで継続されました。

また、小名浜港の水産物を消費者にアピールするため、小名浜港に水揚げされたカツオを原料とするフレーク缶詰10万缶が製造され、平成25(2013)年1月より福島県漁連のブランドで販売されています。

このような取組が進むことにより、小名浜の水産業関係者に活気が戻ることが期待されています。
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班:大橋・太田
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-3502-8415
FAX:03-3501-5097

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