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ホーム > 水産白書 > 平成25年度 水産白書 全文 > 平成25年度 水産の動向 > 第1部 平成25年度 水産の動向 > 第Ⅰ章 特集 養殖業の持続的発展〜 > 第1節 これまでの養殖業の展開 > (3)様々な養殖の方法


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(3)様々な養殖の方法


(魚種・漁場に応じた多様な養殖方法)

我が国では多種多様な水産動植物を養殖しており、それぞれの特性に対応した養殖方法がとられています(図Ⅰ−1−6、図Ⅰ−1−7)。


図1-1-7 主要養殖種類別の養殖方法概念図

(給餌(きゅうじ)養殖と無給餌(きゅうじ)養殖)

養殖は、人間が積極的に餌を与える給餌(きゅうじ)養殖と、自然界に存在するプランクトンや栄養塩を餌として活用する無給餌(きゅうじ)養殖の2つに大きく分けられます。一般に魚類養殖は給餌(きゅうじ)養殖、貝類や藻類養殖は無給餌(きゅうじ)養殖に分類されます。

(魚類の養殖生産施設)

魚類養殖の養殖生産施設は、生簀(いけす)で育てる方法と養殖池で育てる方法に分けられます。このほか、海を網や土手で仕切る方法(網仕切式養殖、築堤(ちくてい)式養殖)がありますが、施設の造成費用が高いので、現在ではそれほど実施されていません。

生簀(いけす)とは網でできた囲いのことで、これを海中にぶら下げ、その中で魚を成長させます(小割り式養殖)。魚は生簀(いけす)の中に閉じ込められた状態なので、餌やり、種苗の活け込み、収穫等の作業のため漁船を用いることになります。この方式は、大規模な土木工事も必要なく、自然の潮通しがあるため水質管理もしやすいという利点があることから、海面魚類養殖業での主流となっています。

内水面養殖では、河川を養殖用に囲うことが困難なので、養殖池を用います。また、砂に潜る性質があるクルマエビや、水温の管理が重要でかつ単価が高いヒラメ等では陸上水槽等を用いた陸上養殖(流水式)による養殖方法が主流となっています。

アユやニジマス等のきれいな水を好む魚や海産魚の養殖では、水を恒常的に交換する「掛け流し式」と呼ばれる方式が採用されている一方、ウナギ等ある程度濁った水を好む魚の養殖では、あえて養殖池の水の交換を行わずに養殖を行っています。

最近脚光を浴びている閉鎖循環式陸上養殖は、閉鎖環境の中で水を濾過(ろか)循環しつつ養殖を行うものです。海から離れた地域でも海産生物を養殖できること、水の使用量が少ないこと、周囲の環境から完全に隔離されるのでその影響を受けないこと等から注目を集めています。しかし、設備建設の費用や運転コストが高いほか、複数の機械機器を使うため故障が発生する可能性が高いこと、魚病や停電が発生した場合は大きな被害が発生する可能性が高いこと等から、現在はトラフグ、アワビ等単価の高い魚種の養殖でのみ実施され、その事業規模も限られたものとなっています。

(藻類の養殖方法)

藻類は動かないので、種苗を何かに付着させれば海水から栄養分を吸収し、そのまま成長していきます。付着させる場所としては、収穫時の作業性を考慮し、ロープを用いたはえ縄や網のようなものを用います。コンブやワカメは大きく成長するので主にはえ縄を用い、ノリは一つ一つの個体が薄く軟弱なため、作業性や効率性を重視し網を用います。

(貝類の養殖方法)

貝類もそれほど活発に運動しないので、いかだから貝がついたロープやワイヤを垂らして養殖する垂下式と呼ばれる方法が主流となっています。ロープ等に貝を付ける方法としては、貝を直接ぶら下げる耳づり(*1)式養殖や、ロープ等からぶら下げたネットの中に貝を入れるネット式養殖、貝が自ら何かに付着する性質を利用してぶら下げた貝殻等に付着させる方式等があり、貝の種類や大きさに合わせて適切な方法が利用されています。カキ養殖では付着させる方式が主流です。ホタテガイ養殖では、稚貝の時はネット式、成長すると耳づり式と方法を組み合わせて養殖しています。近年注目されているアサリ養殖ではアサリをコンテナに入れて垂下する方法が開発されています。貝類は微小なプランクトンを餌としており、潮流に乗ってやってくる天然のプランクトンがそのまま餌となります。

また、沿岸域に稚貝を放流し、収穫時期が来たら収穫する地まき式による養殖方法があります。これは、稚貝を海に放流し自然に近い状況で成長させるもので、天然と養殖の境界線上に位置しているとも考えられます。

*1 ホタテガイ等を海中にぶら下げるため、殻のちょうつがいに当たる部分(耳)に穴を開けて糸を通し、ぶら下げること。

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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