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ホーム > 水産白書 > 平成25年度 水産白書 全文 > 平成25年度 水産の動向 > 第1部 平成25年度 水産の動向 > 第Ⅱ章 平成24年度以降の我が国水産の動向 > 第4節 水産物の消費・需給をめぐる動き > (3)水産物消費の状況


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(3)水産物消費の状況


(水産物消費の傾向)

食用魚介類の1人当たり年間消費量(*1)は、我が国で牛海綿状脳症(BSE)が発生した平成13(2001)年度の40.2㎏/人をピークに減少を続けてきましたが、平成24(2012)年度は前年度比0.1㎏/人減の28.4㎏/人にとどまり、下げ止まりの兆しがみられます(図Ⅱ−4−11)。

平成25(2013)年の1世帯当たりの生鮮魚介の購入金額においても、3月以降、前年同月を上回る月が続いています。ただし、数量面では平成25(2013)年秋に多数来襲した台風により鮮魚の水揚げが減少し単価が高騰した影響で購入数量が減少し、前年同月比で9月は9%減、10月は7%減となっています(図Ⅱ−4−12)。

*1 農林水産省では、国内生産量、輸出入量、在庫の増減等から「食用魚介類の1人・1年当たり供給純食料」を算出。この数字は、「食用魚介類の1人当たり年間消費量」とほぼ同等と考えられるため、ここでは「供給純食料」に代えて「消費量」という言葉を用いる。


(水産物に対する消費者の意識)

魚介類の消費量が大きく減少し、消費者の「魚離れ」が指摘されていますが、「魚離れ」という言葉のイメージ調査によると「魚の調理が面倒なイメージ」が1位になりました(図Ⅱ−4−13)。また、「魚が食べにくい」とするイメージも高く、魚料理は調理したり食べたりすることが「面倒なもの」とするイメージが高いものとなっています。逆に、「食習慣の変化」とするイメージはこれらと比べると低いことから、「魚離れ」は我が国の消費者の食習慣が変わったためではないことが示されています。

既婚女性の魚料理に関する意識調査においても、魚料理を増やしたいとする意見は若い世代を中心に過半数を超えており(図Ⅱ−4−14)、水産物への潜在的需要の高さを示しています。一方、家庭で魚料理をもっと取り入れるためにあったらよいと思う商品としては、やはり若い世代を中心に「うろこや内臓が処理されている」「骨が抜かれている」商品を望む声が高くなっており、骨や内臓の処理を始めとする魚料理の面倒なイメージが水産物の消費拡大を図る上での課題となっている状況が伺えます(図Ⅱ−4−15)。

図2-4-13 「魚ばなれ」という言葉のイメージ
図2-4-14 魚介料理に対する意向

 

図2-4-15 家庭で魚介料理をもっと取り入れるために、あったら良いと思う商品

事例:モニター試食会による魚食普及の取組(山梨県 甲府中央魚市(株))


山梨県の甲府市地方卸売市場で水産物卸売業を営む甲府中央魚市(株)は、一般消費者への魚食普及を推進するため、平成22(2010)年から、「モニター試食会」を実施しています。年3回開催される試食会では、毎回旬や季節に沿ったテーマを設定し、簡単な調理法とともに旬の魚を使った料理を10品近く並べ、食べ方の提案等を行っています。平成24(2012)年からは、野菜料理研究家と協力し、野菜を取り入れた新しい魚料理を提案したり、ファストフィッシュ商品を使用した、見た目にもおもしろい商品の提案を行ったりと、様々な新しい取組を実施しています。家でも簡単に取り組める調理法を採用していることもあり、試食会で実際に魚を見て味わった参加者の多くが家庭にその料理を取り入れています。


事例:顧客の魚への親しみを喚起する大朝市((株)マルエツ)


(株)マルエツは、昭和20(1945)年に魚屋として創業し、現在では首都圏に約270店舗のスーパーマーケットを展開しています。同社では、子供を含めた顧客に魚に親しんでもらうことをコンセプトとして、年に7回開催される「市場祭り」にて、「お魚シャトル」(水槽を設置したバス)をシンボルとして、「お魚クイズ」や「つかみ取り」等を実施しています。また、平成9(1997)年から限定店舗にて開催される「大朝市」には役員を含めた従業員総出で臨み、鮮魚コーナーにおいて試食を交えた対面販売やマグロの解体ショー等を行うほか、顧客の要望に応えるため、普段よりバラエティに富んだ形態の商品を市場さながらの元気な雰囲気の中で販売しています。これらの取組の成果として、イベント当日の鮮魚の売り上げが好調であるだけでなく、この取組により魚のおいしい食べ方を知った消費者のイベント開催日以外での水産物購入量も増えてきています。同社は、魚屋というルーツに基づく「魚への思い入れ」の精神を大事にし、今後も水産物の消費拡大に努めていくこととしています。


事例:魚食普及を目指していち早く条例を制定(兵庫県美方(みかた)郡香美(かみ)町)


香美(かみ)町はスルメイカやカレイ等豊富な水産物が水揚げされる香住(かすみ)漁港等が位置する、山陰地方でも有数の漁業の町です。特に松葉ガニ(雄のズワイガニ)は有名で、漁期には大阪から臨時特急が運行されるほどです。

香美(かみ)町では、地域経済の活性化のためには町の重要産業である漁業の活性化が必要であり、それにはまず町全体の魚食普及を徹底しようとの考えから、平成26(2014)年2月28日の町議会において、毎月20日を「魚(とと)の日」と定める条例を可決しました。香美(かみ)町役場によると「この条例は県内では初、全国的にも他にはないのではないか。」とのことです。

「魚(とと)の日」には、関係する各店舗にのぼり旗を立てたりイベントを開催するなどにより、町の魚食普及を盛り上げることとしています。また、同条例は町・漁業者・加工業者・住民の役割や努力目標についても掲げており、漁業者・加工業者は高い安全性と品質の確保に、住民は魚の消費に努めることが盛り込まれています。


事例:女性ならではの魚食普及の取組(長崎県 魚のまち長崎応援女子会)


長崎県長崎市は、地元水産物の消費拡大のため、「長崎お魚食べようプロジェクト事業」を実施しています。この事業の中で、地元の魚のアピールと消費拡大を達成するためには女性の知恵やアイディアを活かすことが重要との考えの下、水産加工、観光、料理、メディア、行政等の各分野で活躍する女性が集まり、平成23(2011)年に魚のまち長崎応援女子会(以下「女子会」といいます。)が設立されました。

女子会の活動は、漁業者、水産団体、一般市民を巻き込んだ「おさかな食べようミーティング」への参加、お手軽でエコな魚料理レシピの地元紙での連載、市内のイベントにおける魚の食べ方・だしの取り方教室等の開催等多岐にわたります。女子会が協力した小学校における「魚さばき教室」には、平成24(2012)年と平成25(2013)年で合わせて約800人の児童が参加し、もともと魚が嫌いだった児童からは、自分で捌(さば)いた魚はおいしかったという声が聞かれました。

今後は、女子会が提案する離乳食用の魚レシピを乳児の健診時に配布したり、魚を利用した旅行プランや新たな魚の土産商品の開発等を通した観光分野での活動を検討しており、女子会を中心に関係団体が連携して、ますます活動を活発化させていく方針です。


(消費者の意識や社会情勢の変化を踏まえた販売戦略の必要性)

消費者の多くが魚介料理を調理して食べることが面倒と感じている中、従来のようなラウンドやフィレでの販売ではなかなか消費に結びつかないのが実態です。また、社会の高齢化が進む中、高齢者のみの世帯や介護が必要な者の意向も汲み取ることが求められています。

このため、水産物の消費拡大を図るために、購入後レンジ等で温めるだけで完成する状態まで加工したり、骨を完全に抜いたり、消費者の注文に応じ店頭で刺身まで加工するなど、かつては家庭の台所で行ってきた調理を販売の段階で代行する販売方法が一般化しています。また、魚介類を誰にでも食べやすい形態に加工することは、病院や介護施設における食事を豊かにすることにもつながる取組であり、この方面への販路を拡大する上でも重要と考えられます。

さらに、食の洋風化に対応し、ムニエルやブイヤベース等の洋風の魚介料理を手軽に作るための合わせ調味料等、和食や酒肴中心になりがちだった魚介料理のレパートリーから脱却した新商品開発も活発化しています。米の消費が低下し、パンへの支出が米への支出と拮抗するようになった現在、パンにも合う魚介料理の普及や新しい料理法の開発も重要です。

(学校給食等での食育の重要性)

義務教育年限にある子供達がどれだけ骨のある魚料理を食べられるかを調査した結果では、骨のある魚料理を上手に食べられる子供は半数以下となっています(図Ⅱ−4−16)。このため、子供に魚の食べ方や魚食文化を伝えることは大切だと考える親が9割以上となっており、多くの親が魚の食べ方を教える必要性を感じていることがみてとれます(図Ⅱ−4−17)。

このような状況の中、親は学校給食に対し食べやすい魚料理の提供を期待していると同時に、骨のある魚を上手に食べられるようになることを期待していることから(図Ⅱ−4−18)、まず食べやすい魚料理によって子供達に水産物のおいしさを伝えるとともに、骨のある魚の食べ方の適切な指導も行うことが望ましいと考えられます。

学校給食では、水産物のおいしさを伝えるだけでなく、我が国・地域の水産業を理解するという観点から、給食用に供給される水産物はできるだけ国産・地元産水産物が利用できるよう、地元産水産物の安定供給体制を構築したり、漁業者と学校給食会が共同で学校給食向け商品を開発するなどの活動が進んでいます(図Ⅱ−4−19)。学校給食では食材の安定供給の確保が大きな課題であるため、定量・定時性の確保が求められるほか、主に子供が食べることからより厳しい安全性の確保や、短時間に大量の調理が必要であることから、ある程度の簡便性の確保等が求められています。

また、給食だけでなく、水産物に知見を有する者から水産物に関する話を聞いたり、子供が実際に魚を捌(さば)いてみるといった実習を行うなどにより、水産物に関する食育への取組が進められています。国ではこのような出張授業や実習等を通じて水産物消費拡大を後押しする担い手として「お魚かたりべ」を任命しており、平成26(2014)年3月現在で58名が任命されています。「お魚かたりべ」は食育の出張授業や実習だけでなく、イベントでの講演等も通じて魚食に関する情報発信活動を進めています。

図2-4-16 骨のある魚料理を上手に食べることができる子供の割合
図2-4-17 子供に魚の食べ方や魚食文化を伝えることについての親の意識

 

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図2-4-18 親が給食での水産物利用に期待すること(複数回答)

図2-4-19 学校給食への水産物供給に関する取組例

事例:「お魚かたりべ」の活動


水産物の消費拡大を図るためには、家庭で魚の調理を楽しみ、おいしく経済的に食べる消費者を増やす活動が重要です。国では、水産物の消費の拡大を推進するため、様々な分野で多様な魚食文化の普及・伝承に努めている方々を「お魚かたりべ」として任命しています。「お魚かたりべ」の皆さんは、現役漁師、漁業協同組合女性部員、水産物流通業者及び水産関係会社員等のみならず、大手流通企業社員や元教職員、PTA役員、NPO法人代表、ジャーナリスト等その属性は幅広く、それぞれの持つ知見や経験を活かし、広く国民の皆さんへの魚食に関する情報発信に取り組んでいます。

活動の柱としては、「子供やその家族に対する魚のおいしさの伝達」、「一般消費者等への日常的な魚食の普及」、「イベント等を活用し、国民への魚食への関心を喚起」及び「魚食に関する研究推進や講演活動」が挙げられ、具体的には学校等での出前料理教室の開催、地元の魚を使った商品の開発等、全国各地で様々な活動を展開しています。


(官民協働での魚食普及に向けた活動の展開)

官民協働で水産物の消費拡大に取り組む「魚の国のしあわせ」プロジェクトが平成24(2012)年8月にスタートしました(図Ⅱ−4−20)。このプロジェクトは生産者から消費者までの各代表で構成される「魚の国のしあわせ」推進会議で方向性が決定され、イベント等水産物の消費拡大に資する取組を紹介する「魚の国のしあわせ」実証事業、手軽・気軽においしく水産物を食べることを目指した商品や食べ方を選定するファストフィッシュ、各分野での多様な魚食文化の普及・伝承を後押しする「お魚かたりべ」の任命、学校と地域・社会・産業界等が連携し学校教育を通じた魚食普及の支援といった取組を展開してきました。

「魚の国のしあわせ」実証事業は、平成26(2014)年3月現在で108事業の取組が登録され、各地で活動しています。平成24(2012)年度の取組の中で特に優秀な活動に対して、平成25(2013)年5月31日に開催された「魚の国のしあわせ」推進会議において魚の国のしあわせ大賞を決定しました。

ファストフィッシュについては、メディア等でも大きく取り上げられ、平成26(2014)年3月現在でのべ508社の2,914商品が選定されています。

また、水産物の消費を更に推進していくためには、生産地から消費地にいたる流通にも目を向ける必要があります。「水揚量の変動が大きい」、「多種類で大小の魚が水揚げされる」、「鮮度劣化が激しい」といった水産物は、実需者ニーズに合わず流通に乗らない、流通しても十分に消費されないといった課題を抱えています。このような産地(川上)から消費地(川下)までの流通過程の目詰まりをいかに解消していくかが重要です。国では、このような流通過程の目詰まりを解消するため、販売ニーズや産地情報等の共有化、加工機器の整備等を支援する国産水産物流通促進事業を実施しています(図Ⅱ−4−21)。



事例:魚の国のしあわせFish-1グランプリ


オスのタラの白子・ガラ・内臓を使った、山形県庄内地方に伝わる「鱈のどんがら汁」
オスのタラの白子・ガラ・内臓を使った、
山形県庄内地方に伝わる「鱈のどんがら汁」

奄美大島産本マグロの胃袋を使用した「本鮪ほるもん」
奄美大島産本マグロの胃袋を使用した
「本鮪ほるもん」
まだ知られていない日本の水産物に光を当て、国産水産物の消費拡大と地域の観光や産業の活性化につなげていこうとする初めての催しである「魚の国のしあわせFish-1グランプリ」が、(一社)大日本水産会等の主催により開催されました。

「魚の国のしあわせFish-1グランプリ」は、2つのコンテストで構成されています。1つはご当地ならではの水産物を使った「“ご当地魚”グルメコンテスト」で、これは、全国的には知名度が低いが地元ではよく知られている、あるいは漁師や漁港で働く人たちは知っているが地元の家庭では食べられていない水産物を使用した料理のコンテストで、「ご当地魚」を全国の人に知ってもらい、地域に人を呼び込もうとするのが狙いです。もう1つは、最近、話題となっている「ファストフィッシュ」を扱う企業・団体を対象とした「“国産魚ファストフィッシュ”商品コンテスト」で、地域特有の魚を加工し、地域の発展に寄与する可能性を秘めたファストフィッシュ選定商品のコンテストとなっており、地域を元気にしようとするものです。

試食した来場者の投票によりグランプリは決定され、平成25(2013)年11月に下関で開催された「魚の国のしあわせFish-1グランプリin下関」と、平成26(2014)年1月に東京で開催された「魚の国のしあわせFish-1グランプリFINAL」での投票により、「“ご当地魚”グルメコンテスト」では山形県の「鱈のどんがら汁」が、「“国産魚ファストフィッシュ”商品コンテスト」では、鹿児島県の「本鮪ほるもん」がグランプリを獲得しました。
 

(和食と水産物)

和食は、食材を単なる食物としてではなく、素材の持ち味を活用するとともに、季節の食材を取り入れ自然の美しさや四季の移ろいを表現するように発達してきました。また、和食は年中行事と密接に関わって育まれてきており、自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきたとの特徴も有しています。

我が国では古来から水産業が盛んであったことから、水産物は和食の食材として大きな位置を占めています。とりわけ、天然水産物は回遊時期や産卵期との関係で季節により旬や栄養状態が大きく異なります。このため、水産物は和食の単なる食材としてだけでなく、技術が発達した現在でも季節感(旬)を大きく感じさせる食材として、重要なものとなっています(図Ⅱ−4−22)。

図2-4-22 主な魚種の「旬」の一覧

コラム:水産物と日本食のユネスコ無形文化遺産「和食」

水産物は、和食を支えるだしに不可欠
水産物は、和食を支えるだしに不可欠
「和食;日本人の伝統的な食文化」が平成25(2013)年12月に、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。我が国には多様で豊富な旬の食材や食品、栄養バランスの取れた食事構成、食事と年中行事や人生儀礼との密接な結びつき等の特徴を持つ和食文化があり、諸外国からも高い評価を受けています。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の特徴の一つに「新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重」があげられています。豊かな漁場である海に囲まれ、四季が明瞭で雨が多い我が国では、古くから全国各地で様々な魚介類や野菜が豊富に手に入ることから、これらの野菜や魚介類が和食の中心となっています。年中行事や人生儀礼の中にも、ひな祭り(ハマグリの吸い物)や土用の丑の日(ウナギ)、お食い初め(尾頭付きの魚)のように、水産物と関わりが深いものが多くみられ、内陸の山間部であっても、コイやアユといった淡水魚が伝統的に利用されており、更に海藻類を含め水産物が和食にとって欠かせない食材となっています。特に水産物は和食の味わいに欠かせないだしとして重要な役割を果たしており、和食の味を決める要素として利用されています。

このように、魚介類との関係が非常に深い日本人の伝統的な食文化がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは、国内外で水産物の良さを再認識する良いきっかけとなります。
 

(水産物と健康)

水産物の摂取が健康に良い影響を与えることが、数々の研究から明らかになっています(図Ⅱ−4−23)。特に、魚介類由来の脂肪酸が心疾患や脳血管疾患等の循環器疾患のリスクを低下させることが最近の研究結果で示されています。なお、心疾患は日本人男女の死因の2位、脳血管疾患は日本人男性の3位、日本人女性の4位を占めています。

また、カゼイン(乳タンパク質)との比較で、特に白身魚のタンパク質には筋肉量を増やす効果があり、筋肉への糖の取り込みを促して血糖の上昇を抑制したり脂質の蓄積を抑制することで、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)対策につながる効果が期待されるとの研究結果も出されています。

一般に、魚介類は、良質なタンパク質のほか各種ビタミンや必須ミネラルを含む一方、カロリーは総じて低く、肥満につながりにくい食材といえます(表Ⅱ−4−3)。また、小魚は骨ごと食べることができ、日本人に不足しているとされるカルシウムの摂取にも効果があります。また、藻類はビタミンや必須ミネラルに加え、日本人に不足しているといわれている食物繊維に富んでいます。このように、水産物は国民の健康を維持する上でも重要な役割を果たしています。

図2-4-23 水産物摂取による健康面の効能に関する研究結果の例

表2-4-3 食品群別栄養素等摂取量(1人1日当たり)

コラム:どれぐらいの量の魚を食べると「健康に良い」のか

「日本人の食事摂取基準(*1)」は、健康な個人又は集団を対象に国民の健康の維持・増進及び生活習慣病を予防するため、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものです。平成21(2009)年5月に取りまとめられた現行基準の報告書(*2)では、最新の学術論文等の知見を踏まえて前基準の見直しが行われた結果、魚介類由来のn-3系多価不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)及びDHA(ドコサヘキサエン酸)の摂取によって、冠動脈疾患、脳梗塞、加齢黄斑変性症(*3)に対する予防効果が得られる可能性が高いことが認められ、日本人の成人男女によるEPA及びDHAの摂取目標量(下限)を1人1日当たり1gと設定しました。EPA及びDHAは、魚の脂肪に多く含まれており、この摂取目標量は、具体的には、アジの開きで0.7枚分、サンマの塩焼きで0.4尾分、ブリ(ハマチ)の刺身で4.7切に当たります。

*1 健康増進法(平成14(2002)年法律第103号)に基づき厚生労働大臣が策定。5年ごとに改訂されている。
*2 現行基準の使用期間は、平成22(2010)年度から26(2014)年度の5年間。
*3 60歳以上の高齢者に多く見られる疾患。視力低下をきたす。

EPA及びDHA を1g 摂取するために必要な魚介類
 

お問い合わせ先

漁政部企画課
担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097

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