このページの本文へ移動

水産庁

メニュー

(3)実効ある資源管理のための取組

(我が国の沿岸等における密漁防止・漁業取締り)

水産庁が各都道府県を通じて取りまとめた調査結果によると、平成28(2016)年の全国の海上保安部、都道府県警察及び都道府県における漁業関係法令違反の検挙件数は、1,630件(うち海面1,531件、内水面99件)となりました。近年では、漁業者による違反操業が減少している一方、漁業者以外による密漁が増加傾向にあります(図2-1-7)。

図2-1-7 我が国の海面における密漁件数の推移

密漁件数について、漁業者によるもの,漁業者以外によるものに分けて年次推移を示した図。近年は漁業者以外による密漁が増えている。

アワビ、サザエ等のいわゆる磯根資源は、多くの地域で共同漁業権の対象となっており、関係漁業者は、種苗放流、禁漁期間・区域の設定、漁獲サイズの制限等、資源の保全と管理のために多大な努力を払っています。一方、こうした磯根資源は、容易に採捕できることから、密漁の対象とされやすく、反社会的勢力による資金獲得を目的とした組織的な密漁も横行しています。また、資源管理のルールを十分に認識していない一般市民による個人的な消費を目的とした密漁も各地で発生しています。このため、一般市民に対するルールの普及啓発を通じ、密漁の防止を図るとともに、関係機関が緊密に連携して取締りを強化していくことが重要です。

我が国では、海上保安官及び警察官とともに、水産庁等の職員から任命される漁業監督官や都道府県職員から任命される漁業監督吏員が取締任務に当たるとともに、各地の漁業者も、漁業協同組合を中心として、資源管理のルールの啓発、夜間や休漁中の漁場の監視や通報等の密漁防止活動に取り組んでいます。

さらに、密漁の抑止や密漁品の流通の防止のため、多くの都道府県において体長制限等の資源管理のルールに従わずに採捕されたアワビやナマコ等の所持・販売が禁止されており、一部の都道府県では、漁業者と流通業者が連携し、漁業協同組合等が発行した証明書のないものは市場で取り扱わないとするなどの流通対策も行われています。

(外国漁船の監視・取締り)

我が国のEEZにおいては、ロシア漁船及び中国漁船が操業しているほか、多数の外国漁船がEEZ境界線の外側付近で操業しており、水産庁としては、これらの漁船が違法操業を行うことのないよう漁業取締りを行っています。

水産庁による平成29(2017)年の外国漁船への立入検査数は24件、拿捕だほ件数は5件(うち無許可操業2件、操業日誌不実記載3件)であり、我が国EEZで発見された外国漁船によるものとみられる違法設置漁具の押収件数は24件でした(図2-1-8)。また、海上保安庁による検挙隻数は無許可操業1隻でした。立入検査数が減少した理由としては、韓国との漁業交渉が合意していないため、平成28(2016)年7月から、我が国EEZでの二国間協定に基づく韓国漁船の操業ができなくなっているためです。

図2-1-8 水産庁による外国漁船の拿捕・立入検査等の件数の推移

立入検査件数,漁具押収件数,拿捕件数(台湾漁船,中国漁船,韓国漁船)の年次推移を示した図。近年は拿捕件数が減っている。EEZでの二国間協定に基づく韓国漁船の操業ができないため、平成29年の立入検査数が減っている。

また、日本海の大和堆やまとたい周辺水域では、北朝鮮籍漁船等による違法操業が増加傾向にあることから、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、漁業取締船を重点的に配備し、放水等の厳しい対応により退去させています。このように、外国漁船に対して、平成29(2017)年には延べ5,191件の退去警告等を実施しました。

さらに、近年、我が国周辺水域における外国漁船の違法操業は悪質化・巧妙化・広域化が進んでおり、水産庁の漁業取締体制の強化を図ることが喫緊の課題となっています。このような課題に適切に対処するため、水産庁長官を本部長とする水産庁「漁業取締本部」を平成30(2018)年1月に設置しました。

水産庁では、引き続き、違法操業が多発する水域・時期における重点的な取締りの実施や海上保安庁との連携等を通じて、我が国の漁業秩序を脅かす外国漁船の違法操業に厳正に対応することとしています。

水産庁漁業取締船「照洋丸」が放水銃を使用して北朝鮮籍とみられる漁船を我が国EEZから退去させている写真