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水産庁

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(3)世界の水産物貿易

(拡大する世界の水産物貿易)

現代では様々な食料品が国際的に取引されており、多くの国で食料品の輸出入なしには人々の生活は成り立ちません。中でも水産物は特に国際取引に仕向けられる割合の高い国際商材であり、世界の漁業・養殖業生産量の3割以上が輸出に仕向けられています。また、輸送費の低下と流通技術の向上、人件費の安い国への加工場の移転、貿易自由化の進展等を背景として、水産物貿易は、量・額ともに総じて増加傾向にあります(図2-3-8)。

図2-3-8 世界の水産物輸出入量の推移

水産物の輸出(EU(28か国),中国,ノルウェー,ロシア,米国,ベトナム,タイ,ペルー,チリ,日本,その他),輸入(EU(28か国)中国,米国,日本,タイ,韓国,ナイジェリア,ノルウェー,ロシア,その他)量の年次推移を示した図。いずれの国・地域でも増加傾向にある。輸出量ではEU,中国,ノルウェー,ロシア、輸入量ではEU,中国,米国,日本が上位を占めている。

世界のほぼ全ての国が水産物の輸出入に関わっています。このうち輸出量では、EU、中国、ノルウェー、ロシア等が上位を占めており、輸入量ではEU、中国、米国、日本等が上位となっています。特に中国による水産物の輸出入量は大きく増加しており、2000年代半ば以降、単独の国としては世界最大の輸出国かつ輸入国となっています。ただし、輸出入金額の面では中国は世界最大の純輸出国であり、EU、米国、日本等が主な純輸入国・地域となっています(図2-3-9)。

図2-3-9 主要国・地域の水産物輸出入額及び純輸出入額

主要国・地域(EU(28か国),米国,日本,香港,韓国,カナダ,タイ,インドネシア,チリ,インド,ベトナム,ノルウェー,中国)の輸出入額,純輸出入額を示した図。純輸出入額では、中国,ノルウェー,ベトナム等の輸出額が多く、EU,米国,日本等の輸入額が多い。

(水産物の国際価格の動向)

食用水産物の国際取引価格は、国際的な需要の高まりを背景にリーマンショック後の平成21(2009)年等を除けば上昇基調にあります。経済協力開発機構(OECD)及びFAOは、今後10年間の水産物価格について、若干低下する年もあるものの、総じて高値で推移すると予測しています(図2-3-10)。

図2-3-10 世界の水産物価格の推移

食用水産物国際取引価格,養殖生産物価格,漁業生産物価格の年次推移と将来予測を示した図。いずれも上昇傾向にあり、将来予測でも高値で推移すると予測されている。