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水産庁

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(1)水産業における復旧・復興の状況

平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災による津波は、豊かな漁場に恵まれている東北地方太平洋沿岸地域を中心に、水産業に甚大な被害をもたらしました。

同年7月に政府が策定した「東日本大震災からの復興の基本方針」において、復興期間を平成32(2020)年度までの10年間と定め、平成27(2015)年度までの5年間を「集中復興期間」と位置付けた上で復興に取り組み、平成27(2015)年6月には「平成28年度以降の復旧・復興事業について」を決定し、平成28(2016)年度から平成32(2020)年度の後期5か年を「復興・創生期間」と位置付けています。

平成30(2018)年3月で、東日本大震災の発生から7年間が経過しましたが、この間、被災地域では、漁港施設、漁船、養殖施設、漁場等の復旧が積極的に進められてきました(図2-6-1)。

図2-6-1 水産業の復旧の進捗状況(平成30(2018)年3月取りまとめ)

1 水揚げ(水揚量:平成29年2月~30年1月70%(322千トン),水揚金額:29年2月~30年1月93%(741億円)),2 漁港(陸揚げ岸壁:30年1月末100%(319漁港),被災した漁港施設:30年1月末84%(2,386施設)),3 漁船(復旧目標に対する状況:29年12月末93%(18,614隻))の進捗状況・現況を示した図。
4 養殖(ワカメ:平成28年漁期73%(25,002トン),コンブ:28年漁期39%(5,433トン),カキ:28年漁期57%(2,281トン),ホタテ:28年漁期73%(10,871トン),ギンザケ:28年漁期82%(12,159トン)),5 加工流通施設(被災3県で被害があった産地市場:30年2月末76%(26施設),被災3県で再開を希望する水産加工施設:30年2月末95%(749施設)),6 がれき(漁業活動に支障のある定置漁場:30年1月末99%(988ヶ所),漁業活動に支障のある養殖漁場:30年1月末99%(1,118ヶ所))の進捗状況・現況を示した図。

国では、引き続き、被災地の水産業の復旧・復興に取り組んでいます。

被災した漁港のうち、水産業の拠点となる漁港においては、流通・加工機能や防災機能の強化対策として、高度衛生管理型の荷さばき所や耐震強化岸壁等の整備を行うなど、新たな水産業の姿を目指した復興に取り組んでいます。このうち、高度衛生管理型の荷さばき所の整備については、流通の拠点となる8漁港(八戸はちのへ釜石かまいし大船渡おおふなと気仙沼けせんぬま女川おながわ石巻いしのまき塩釜しおがま銚子ちょうし)において実施し、平成30(2018)年3月末現在、7漁港で供用が開始されたところです。

一方、被災地域の水産加工業においては、平成29(2017)年11月~30(2018)年1月に実施した「水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第5回)の結果について」によれば、生産能力が震災前の8割以上まで回復したと回答した水産加工業者が約6割、売上げが震災前の8割以上まで回復したと回答した水産加工業者は5割弱であり、依然として売上げの回復が生産能力の回復より遅れており、売上げが震災前の8割以上まで回復した事業者の割合は前回調査(47%)とほぼ同様の状況にあります。県別にみると、生産能力、売上げとも、福島県の回復が他の4県に比べ遅れています(図2-6-2)。また、復興における問題点としては、「人材の確保」「原材料の確保」「販路の確保・風評被害」の3項目で回答の8割を占めていますが、県別にみると、青森県では「原材料の確保」、岩手県及び宮城県では「人材の確保」、福島県及び茨城県では「販路の確保・風評被害」がそれぞれ最も多く挙げられており、地域によって抱えている課題が少しずつ異なっていることが示されています(図2-6-3)。このため、国では、引き続き、加工・流通の各段階への個別指導、セミナー・商談会の開催、省力化や加工原料の多様化、販路の回復・新規開拓に必要な加工機器の整備等により、被災地における水産加工業者の復興を支援していくこととしています。

図2-6-2 水産加工業者における生産能力及び売上げの回復状況

全体,青森県,岩手県,宮城県,福島県,茨城県における生産能力の回復状況,売上げの回復状況を示した図。80%以上回復した場合に着目すると、生産能力はそれぞれ61%,100%,67%,66%,37%,68%、売上げはそれぞれ45%,66%,43%,54%,20%,44%。

図2-6-3 水産加工業者における復興の問題点

全体,青森県,岩手県,宮城県,福島県,茨城県における復興の問題点(人材の確保,原材料の確保,販路の確保・風評被害,運転資金の確保,施設の復旧,その他)を示した図。青森県では「原材料の確保」、岩手県,宮城県では「人材の確保」、福島県,茨城県では「販路の確保・風評被害」が最も多い。