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水産庁公式ブログ「アワビのステーキ食べてみたいよね」2020年12月

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【12月26日 年越しそばに!身欠きニシンの甘辛煮を作る!おせちの一品に!】

母親や祖母が作った甘辛く煮た身欠きニシンは、私の子供の頃の懐かしい味です。
当時はそんなに意識していませんでしたが、最近はこういう昔ながらのお惣菜(主に茶色系)の方が好ましくなってきたのは、寄る年波のせいでしょうか。 

そもそもニシンという魚には、近世以降の日本を支えてきたという大きな功績があります。

江戸時代、そもそもは食料として蝦夷地(北海道)から北前船に積んで運ばれたニシン(身欠きニシンや数の子)ですが、
西日本での綿花栽培が盛んになるに従い、綿花畑の肥料としてのニシン(〆粕)の価値が大きく上がり、ニシン肥料の取引量は爆発的に増え、北前船の全盛期を迎えます。


【左】北前船(模型)【右】荷積みの様子(模型)《国立歴史民俗博物館にて撮影》

農作物や加工食品、衣類、陶器などを積み込んで、大阪~瀬戸内~関門海峡~本州日本海沿岸の都市や島(隠岐、佐渡など)~蝦夷地(最遠は礼文島まで)まで品物を売買しながら赴き、
蝦夷地からは主に〆粕などの海産物を仕入れ、帰りも各港で売買する北前船は、当時の人や物、経済の流れを担っていました。
酒田(山形県)や小浜(福井県)など北前船の寄港地は大いに栄えたそうです。


【左】ニシンから絞った魚油は灯し油として利用され、(模型)
【右】絞ったあとの「〆粕」は肥料として取引された(模型)《国立歴史民俗博物館にて撮影》

肥料としてのニシンに比べればずっと少ない取引量でしたが、身欠きニシンも北前船の往来のおかげで本州に広がった様子は、各地に残る郷土料理に見ることができます。

京都府の「にしんそば」、岐阜県「身欠きニシンと昆布のうま煮」、福島県「身欠きニシンの酢漬け」、山形県「ささげと身欠きニシンの味噌煮」、そのほかにも栃木県、茨城県、群馬県、東京都、石川県、福井県、山梨県、滋賀県など多くの都府県の郷土料理として、ニシンは現在でもその存在感を示しています。

そこで今回は、身欠きニシンの甘辛煮作りに初挑戦しました!

最近は調理しやすいソフトタイプも売っていますが、今回は昔ながらの「完全乾燥タイプ」を用意しました。


北海道余市産。 完全乾燥なので、ガチガチです。

米の研ぎ汁に、身欠きニシンと昆布1片を入れ、24時間かけて戻します。


やわらかくなりました。

ぬるま湯でニシンをやさしく洗い、エラと背びれを切り落とした後、
食べやすい大きさに切って「だし汁2カップ・酒1/2カップ・鷹の爪1本・生姜薄切り適宜」で汁気がなくなるまで煮ます。

「醤油大さじ2・砂糖大さじ2」を投入して味を含ませ、最後にみりん大さじ1でツヤを出したら完成。


出来たての甘辛煮に菜の花のおひたしを添えました。

白帆を高々と揚げ、波をけたてて日本海を進む北前船に思いをはせながら、かつて北前船の寄港地があった福井県の地酒と一緒にいただきました。

郷愁を感じて挑戦した「身欠きニシン」料理でしたが、歴史を感じることもできた楽しい時間でした。
 

おしまい



【12月16日 冬の味覚、鍋料理の定番! ~水産庁×魚がしコンシェルジュ~】

寒くなってくると、やはり温かいお鍋が良いですね。
アンコウ鍋、冬の定番です!

先ずは解体から。
アンコウはうろこが無く、つるつる、ぬめりが強く身が柔らかい為、まな板で捌くことが困難。
巨大化したアンコウは尚更なので、吊るした状態で解体します。解体の後は口と背骨だけの状態に。

捨てる所が無い というアンコウは、身の他に、「七つ道具」と呼ばれる皮、ヒレ、卵、エラ、肝、胃、内臓もきれいにして頂きます。
上身よりも皮、肝などの内臓の方が味がよいとされ、部位ごとに食感の違いもありますが、味わいも違い、食する楽しみとなっています。

餌の取り方
海底に住むアンコウは食事の仕方がとてもユニーク。
ヒレが進化した細い枝のような部分があり、その先端には疑似餌のよう皮弁を持っています。
海底で砂に潜り身を置き、まるで釣りをするかのように、その皮弁をヒラヒラと。
小魚が寄ってくると大きな口でガブっと丸飲みします。

あん肝 が美味しい理由
そうそう!アンコウと言えば、あん肝!ですね。
餌の少ない深海では脂肪を蓄え、少しずつその脂肪を使いながら生活しています。
なので、アンコウの肝は他の魚のそれと比べ濃厚で脂が多いとか。
「海のフォアグラ」とも呼ばれています。

食べておいしい旬は冬です。
身体が温かい方が免疫力もアップすると言われています。
寒く感じたらアンコウ鍋で温まってはいかがでしょうか。

水産庁suisan× 魚がしコンシェルジュ


【12月11日 すいさんぽ ~アンテナショップ編(第8回)~】


ここ東京に点在する各都道府県アンテナショップの水産品人気ランキングベスト5を紹介する
「すいさんぽ~アンテナショップ編~」。

8回となる今回は、

「和歌山県」!


和歌山県は、海域が瀬戸内海と太平洋に二分されており、様々な沿岸漁業が営まれています。イルカなどの海産哺乳類の水揚げが全国2位のほか、クロマグロの養殖などが行われており、内水面漁業では、養殖アユの生産も盛んで全国2位の水揚げがあります。

というわけで、今回も有楽町にあるアンテナショップの聖地「東京交通会館」にある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」にお邪魔してきました。


各種野菜や紀州梅などたくさんの品ぞろえで出迎えてくれました。

私がまだお邪魔したことのない和歌山県はどんな特産品があるのでしょうか。 

それでは参ります。水産物の人気商品5選!


第5位「まぐろハム」(有)紀南水産

和歌山県太地町に本社を置く(有)紀南水産さんが製造する「まぐろハム」です。
酒のつまみとして、ビールはもちろんのこと、ワインにも良く合います。
そのままでもおいしくお召し上がりいただけますが、細かく刻んで野菜サラダに入れたり、サンドイッチやピザに入れてもお楽しみいただけます。
マヨネーズと一緒にお召し上がりいただいても絶妙な味わい。


第4位「うつぼ小明石煮」(株)マルサ


和歌山県田辺市に本社を置く(株)マルサさんが製造する「うつぼ小明石煮」です。
見た目が怖いウツボですが、魚肉はきれいな白身でカルシウムやコラーゲンなどの栄養価も豊富。
食べやすく、あっさりした塩味に仕上げられています。
http://www.tanabe-marusa.jp/


第3位「あゆ一夜干し」日高川漁業協同組合


和歌山県日高川町にある日高川漁業協同組合さんが製造する「あゆ一夜干し」です。
全国生産量2位の鮎がここで登場してきました。
絶妙な塩加減と紀州南高梅の梅酢で漬けこみ、冷風にて干しあげた逸品。
香ばしい皮の食感と、ふっくらした身の味わいが感じられます。
http://www.zb.ztv.ne.jp/hidagyo/


第2位「うるめいわし丸干し」おざきのひもの


和歌山県串本町に本社を置く、おざきのひものさんが製造する「うるめいわし丸干し」です。
地元で獲れた新鮮なウルメイワシを丸干しにした商品。
フライパンで軽く炙ればおかずやお酒のアテに最適な逸品。
https://ozakinohimono.bsj.jp/


第1位「くじらのテッパ」重大屋由谷商店


和歌山県太地町に本社を置く重大屋由谷商店さんが製造する「くじらのテッパ」です。
ハナゴンドウクジラの手羽(テッパ)を湯通しした商品で、柔らかい食感と程よい脂がクセになる逸品。
https://jyutaya.com/


おまけ:店員さんのお薦め商品

「鰹焼節」(株)髙岡商店

和歌山県新宮市に工場を置く株式会社髙岡商店さんが製造する「鰹焼節」です。
100年以上も前から工夫し改良してきた独自の製造法で燻蒸加工した商品。
スライスしてそのままはもちろん、大根おろし、ポン酢、一味マヨネーズやしょうが醤油などもよく合う逸品。
https://kisyu-yamaka.co.jp/  

どうでしたでしょうか。
和歌山の漁業の特徴が表れていて、どれも美味しそうな商品ばかりでしたね。

水産庁職員にとって、那智勝浦町や太地町は一度は訪れてみたい町です。
アンテナショップ「わかやま紀州館」で、しっかり予習が出来ました! 

面白い商品がたくさんあり、地域の文化も発見できるアンテナショップに出かけてみませんか? 

取材先:和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1東京交通会館地下1
Webhttp://www.kishukan.com/ 



【12月9日 フグの女王マフグ ~水産庁×魚がしコンシェルジュ~】


世界では約180種、日本は約53種が分布しているフグ、「河豚」と書きます。
これは中国では河に生息していた事、膨らんだ姿が豚に似ていて、釣った時に豚のような鳴き声を出す事から豚が使われるようになったとか。
今回ご紹介するマフグ、つるつるとした滑らかな皮から「ナメタ」とも呼ばれます。

旬は冬!日本全国で獲れ、産卵(3月中旬~7月)の前が最もおいしくなる時季。
漁獲の多くは山口県

身(身欠き:有毒部位の除去処理が終わった状態)と、白子を食用部位として全国へ流通していきます。

トラフグは皮を漉いて頂きますが、マフグの皮は毒性ある個体もある為食べません。
解体はフグ扱い専門の仲卸に頼むべし!です。

トラフグがフグの王様と呼ばれるのに対し、女王と称されるマフグ。その理由は身!
トラフグよりも甘み成分であるアミノ酸含有が高く、噛むほどに奥深い旨味が広がってきます。
その優しい味わい深い事からフグの女王と言われています。
女王=メス?ですが、実際は雄の割合が高く、大きな白子を抱えています。


この白子が美味!鍋や汁物に浮かせてフワっと、つるっと頂きます。

高タンパク、低カロリー、「福」呼ぶ縁起担ぎにも!
これからの季節、是非味わってください!

水産庁suisan× 魚がしコンシェルジュ


【12月1日 持続的な水産業に向けて~改正漁業法施行~


本日(令和2年12月1日)、70年ぶりに改正された漁業法が施行されました。
この改正漁業法は、新たな資源管理システムの構築、漁業許可制度の見直し、海面利用制度の見直しといった多岐にわたる内容を含んでいます。

本日の施行により、これまで準備してきた水産政策の改革は実行の段階に入ります。

今回の水産政策の改革の目的は、数量管理を基本とした資源管理を進めながら、浜で頑張る漁業者の所得向上と浜の活性化を目指し、水産業を現役の漁業者や未来の漁業を担う若者にとってやりがいのある魅力的な産業にすることにあり、これこそが水産業の成長産業化であると考えています。

この水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させるという目的を実現するための取組を本格化させていきます。

◯「水産政策の改革について」のポイント
新たな資源管理システムの構築
漁業者の所得向上に資する流通構造の改革
生産性の向上に資する漁業許可制度の見直し
養殖・沿岸漁業の発展に資する海面利用制度の見直し
水産政策の改革の方向性に合わせた漁協制度の見直し
漁村の活性化と国境監視機能を始めとする多面的機能の発揮

改革の実行に当たっては、漁業者をはじめとする水産関係者の皆さんの御理解と御協力を得ることが必要と考えています。

水産庁は、これまで全国各地で300回以上説明会を開催し、改正漁業法の内容を丁寧に説明してきましたが、今後も皆さんに御理解、御協力いただける改革となるよう、引き続き説明に努めるとともに、水産業が魅力ある産業となるよう、一つ一つ着実に改革を進めていきたいと考えています。

改革を進める上で、消費者の皆さんにも「魚っておいしい」と再認識していただくことが重要となります。
魚離れがささやかれる昨今ですが、おいしく、健康に良い食材の代表格である魚の価値を知っていただき、それに関わる漁業者や水産関係者の皆さんのこれからの自ら改革するという姿勢や取組に注視いただきたいと思います。

明るく魅力的な水産業始まります!

◯水産政策の改革についてはこちらから
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/kaikaku/suisankaikaku.html



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