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境港漁業調整事務所

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日韓漁業協定が締結されるまでの簡単な経緯

1.協定締結交渉開始までの経緯 

    新たな日韓漁業協定を締結するまでは、昭和40年(1965年)に締結された旧日韓漁業協定が日韓間の漁業関係を規定していました。
    この旧協定は、沿岸線から12海里までの水域を沿岸国が漁業に関して排他的管轄権を行使する水域と定め、これより以遠の水域は原則自由に操業することとされており、また、漁船の旗国(所属国)が当該漁船を取締まることができるという、いわゆる旗国主義が採用されていました。 
     このような枠組みの下で、日韓双方の漁業が行われてきましたが、韓国の漁獲能力の向上、韓国水域での資源の悪化や中国漁船の進出から、韓国の漁業者は次第に我が国周辺水域に進出するようになり、北海道や西日本の沿岸で我が国漁業者との間で漁場競合、漁具損傷等トラブル等を引き起こすことが多くなりました。 
     また、我が国が操業禁止区域や禁止期間の設定、栽培漁業の振興等、積極的な資源管理対策や資源増殖事業を実施する中で、そのような努力に理解を示さず、資源の乱獲を続け、また両国が合意した自主規制措置に対する違反が続いたことから、我が国漁業者間に韓国漁業者に対する不満が非常に高まっていきました。 
     一方、多くの諸国では漁業等の主権的権利を行使する水域を基線から200海里までとする、いわゆる200海里体制が世界の主流となっていました。
    我が国も昭和52年にソ連(当時)が200海里水域を設定したことに伴い、200海里水域(漁業専管水域)を設定しましたが、旧日韓漁業協定の存在から、韓国漁船については主権的権利の行使を行わないこととしていました。
    こうした中、平成6年11月に、領海、公海、排他的経済水域、深海底の開発等の海洋に関する権利義務等を網羅した、海洋に関する最も基本的な条約である国連海洋法条約が発効することとなり、韓国は平成8年1月に、我が国も同年6月に同条約の締約国となりました。
    我が国は、同条約の締約国になると同時に従来の漁業専管水域を廃止するとともに排他的経済水域を設定し、また同時に条約の義務である漁獲可能量制度を創設しましたが、漁獲可能量制度を完全に実施するためには、韓国に対しても主権的権利を行使することが求められることとなりました。
    また、韓国も国連海洋法条約に従って排他的経済水域を設定し、漁獲可能量制度も創設することとなりました(実際には平成11年1月から実施されている)。
    このように、日韓両国が国連海洋法条約に加盟し、排他的経済水域を設定するとともに、同水域内の資源管理を十全に行う義務を負うことになったことから、旗国主義の日韓漁業協定を、沿岸国が排他的経済水域内の管轄権を有し適切な資源管理を行うという沿岸国主義の協定に改める必要が生じ、このような新たな協定を締結するために交渉が行われることとなりました。 

2.協定締結交渉 

    国連海洋法条約の趣旨に沿った新たな日韓の漁業関係を構築するため、平成8年5月から日韓漁業実務者協議が開始されました。
    この実務者協議では、まず、国連海洋法条約の趣旨に沿った新たな協定を締結することについては意見の一致を見ましたが、韓国側は、従来の操業秩序を急激に変えることは望まず、また、両国間における排他的経済水域の境界画定を行ってから漁業協定を締結すべきであると主張し、日本側が、境界画定には時間を要する一方、漁業の問題は急を要すとの考えから、漁業協定は境界画定と分離して早期に解決すべきと主張したものの、議論は実質的進展を見ませんでした。
    この間、日中関係については、国連海洋法条約の趣旨に沿った基本的に沿岸国主義に基づく新たな協定づくりが進み、平成9年の9月には実質合意に達しました(その後、11月に署名を行い、翌年5月に国会の承認が得られた)。
    国連海洋法条約批准案件の国会提出に当たり、与党から平成8年3月に、早期に新しい日韓漁業協定及び日中漁業協定を締結するよう政府に対して申し入れがなされていましたが、このような状況から、平成9年9月には再度、与党から交渉の期限を定めることにより交渉を促進することを目的として、旧協定の終了通告を行うよう求められました。
    前後して、実務者協議を始め、首脳間、外相間等の他数回にわたる交渉が行われ、境界画定交渉とは切り離し、暫定水域を設けることにより漁業協定の締結を目指すということでは一致したものの、暫定水域の範囲、漁獲実績の保証の是非等をめぐって日韓間の溝は埋まらず、我が国は平成10年1月23日に協定の規定に基づき終了通告を行いました。
    終了通告に対して韓国側は強く反発し、従来から行っていた北海道沖での自主規制措置を停止して、自主規制ライン内で操業を開始し、日本側もこれに反発したことから、交渉は事実上中断することとなりました。しかし、4月に入って行われた日韓首脳会議で、交渉の早期再開について合意が得られ、4月末に終了通告以降第1回目の交渉が行われました。 
    交渉では、まず暫定水域の資源管理のあり方等を中心として議論を進めることとなりました。交渉回数を重ねても容易に合意を見ることができませんでしたが、金大中韓国大統領の訪日を間近に控え、日韓双方で精力的な交渉を行い最終的に平成10年9月25日未明、小渕総理の決断により、日本海及び済州南部水域での暫定水域の設定、スケソウダラ、ズワイガニ、その他の漁獲量の取扱い等に関して基本合意に達しました。 
    その際、暫定水域の範囲等をめぐって国内の漁業者が強く反発したことから、暫定水域の設定等に伴い影響が生じた場合に、経営安定資金の融資等の種々の支援を行うための新日韓漁業協定関連対策特別基金が補正予算(総額250億円)で設立されることとなりました。
    その後、協定条文の確定のための作業が進められ、平成10年11月28日に鹿児島で署名が、同年12月11日に我が国の国会で、翌年1月6日に韓国の国会で協定が承認されました。
    他方、基本合意に達した以降、具体的な双方の排他的経済水域における操業条件、漁獲割当量や暫定水域での資源管理等については、協議が続けられたものの、特に韓国のズワイガニを目的とする底刺し網漁業、かご漁業の扱いを巡って韓国側と日本側との意見が対立し、平成11年1月23日、協定は発効したものの、双方の排他的経済水域での相手国漁船の操業は行えない状況となりました。このような状況を打開するため、水産庁長官-韓国海洋水産部次官補間でギリギリの交渉が行われ、同年2月5日、ようやく日韓双方の相手国水域での操業条件についての合意が得られました。
    このような合意を得て、操業条件の通報等を行い、平成11年2月22日から相手国水域での操業が可能な状態となりました。

お問合せ先

水産庁漁業取締本部境港支部(境港漁業調整事務所漁業監督課)

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