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水産庁

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漁港・漁場・漁村の役割

食料・資源を供給する役割

水産物の安定供給は、水産業・漁村の持つ本来機能であり、主要な食料供給機能を担っています。
水産業・漁村が健全で、将来に亘って安定供給が維持されることは、国防やエネルギー供給と並ぶ国の重要課題であり、国民に安心を与えます。
心筋梗塞、脳梗塞、ガンなどの生活習慣病の予防に寄与する水産物の健康機能性により、国民に健康、長寿を提供しています。
魚介類が有する有効物質で多種・多様な医薬品開発が進行中です。これらの原料供給は、水産業・漁村が貢献する生物多様性の保全により支えています。

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自然環境を保全する役割

漁業は、再生産された生物を資源として陸に引き上げ再利用することにより、物質循環を補完し、再資源化することにより、海洋の環境を正常に持続させる機能を果たしています。
漁村の人々は、水質の浄化作用や稚魚の生育場となる藻場、干潟の整備・保全を図るとともに、油濁汚染の回収・除去、排水等汚染源の監視、山林・河川・沿岸域を一体の生態系とみなした魚付林植樹の活動などに取り組んでいます。これらの取り組みは、人々に快適さをもたらし、失った場合の影響が計り知れない生態系を維持する機能を果たしています。

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地域社会を形成し維持する役割

漁村は、高齢者に生きがいをもたらす漁労を含め、地域社会の雇用を創出しています。
伝統漁法、漁食文化、海にまつわる信仰などの伝統的文化を創造・継承しています。
遊漁、海上釣り堀、ダイビング、潮干狩り、水産物直販店、シーフードレストラン、体験漁業などを漁業活動に関連させ、新たな起業化を行い、人々のニーズに応えています。

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国民の生命財産を保全する役割

海難事故の大部分は漁業者を中心とするボランティア組織「日本水難救済会」により救助されています。
害時には、食料、物質の運搬や行方不明者の捜索など、漁船や漁村住民が救助活動で大きな役割を果たしています。
漁業者は赤潮などの異常海象や汚染、不法投棄などの発見と通報により、我が国周辺海域の環境モニタリングシステムの一翼を担っています。
漁業集落の活動を基に沿岸域に形成された日常的な監視ネットワークが国境侵犯や密入国の阻止などに貢献しています。

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居住や交流などの「場」を提供する役割

 

海洋性レクリエーション、タラソテラピー(海洋療法)、体験学習などで、異なる文化背景を持った人々の交流の場を提供・促進しています。
水産業・漁村が健全に存続することが国土の保全管理に貢献しています。
白砂青松の海岸美などに溶け込む漁船、定置網や天日干しなど美しい日本の漁村の風景を創出しています。
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