2 漁船漁業の安全対策の強化
(1)漁船事故の防止
ア AISの普及
AIS(船舶自動識別装置)設置漁船と設置していない漁船の事故率に有意差があるか検証するとともに、関係府省庁と連携してAISの普及促進のための周知啓発活動、低利融資制度の活用により利用の促進を図ります。
イ 安全対策技術の実証
漁船事故については、揚網作業中の魚群の移動に起因する転覆事故など漁船特有のリスクへの対応が必要であり、漁船の安全対策技術の実証試験等を支援し、事故防止に向けて技術面からの支援を図ります。
ウ 気象情報等の入手
(2)労働災害の減少
ア 安全推進員の養成
漁船の災害の発生率の高さを受け、漁船の労働環境改善や安全対策を行う安全推進員を養成・確保し、同推進員を中心に「改善計画」を策定し、PDCAサイクルを回すことにより、漁業労働災害の減少を目指すとともに、遊漁船業者等への安全講習会の実施及び安全指導の実施等の取組を支援します。
イ ライフジャケットの普及促進
船舶からの海中転落者のうち、約5割を漁船からの転落者が占め、そのうちの約7割の海中転落者が死亡又は行方不明となっているにもかかわらず、漁業者の出漁時のライフジャケット着用率は約6割と高いとは言い難い状況にあります。このため、漁ろうへの影響が少なく、作業環境に適した着やすいライフジャケットの選定方法を漁業者等に提案し、着用率の向上を図ります。
また、小型船舶におけるライフジャケットの着用義務の範囲を拡大し、今後は、原則、船室の外にいる全ての乗船者にライフジャケットの着用が義務付けられることから、その着用を実施させるべく周知徹底していきます。