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水産庁

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(3)実効ある資源管理のための取組


(我が国の沿岸等における漁業取締り)

資源管理措置が効果を上げるためには、決められたルールが確実に遵守されることが必要です。特に、ウニ、アワビ、サザエ、ナマコ等のいわゆる磯根資源は、高価である上、容易に採捕できることから、密漁の対象とされやすい側面があります。これらの資源は、多くの地域で漁業権の対象となっており、関係漁業者は、種苗放流をはじめ、禁漁期間・区域の設定、漁獲サイズの制限等、資源の保全と管理のために多大な努力を払っていますが、密漁はこうした漁業者の努力を踏みにじり、水産資源と漁業経営に大きな損害を与えます。

水産庁が各都道府県を通じて取りまとめた調査結果によると、平成27(2015)年の全国の海上保安部、都道府県警察及び都道府県における漁業関係法令違反の検挙件数は、1,856件(うち海面1,703件、内水面153件)となりました。近年では、漁業者による違反操業は減少していますが、漁業者以外による密漁が増加傾向にあります(図2−1−7)。特に、北海道や東北地方、瀬戸内海の沿岸域においては、反社会的勢力が資金獲得を目的として組織的に行う悪質かつ巧妙な磯根資源の密漁が問題となっています。また、資源管理のルールを十分に認識しない一般市民による個人的な消費を目的とした密漁も各地で発生しています。このため、関係機関が緊密に連携して取締りを強化していくとともに、一般市民に対するルールの普及啓発を通じ、密漁の未然防止を図っていくことが重要です。

我が国では、海上保安官及び警察官とともに、水産庁等の職員から任命される漁業監督官や都道府県職員から任命される漁業監督吏員が取締任務に当たっています。また、これと並行して、各地の漁業者も、漁業協同組合を中心として、資源管理のルールの啓発、夜間や休漁中の漁場の監視や通報等の密漁防止活動に取り組んでいます。

さらに、密漁の抑止や密漁品の流通の防止のため、多くの都道府県において体長制限等の資源管理のルールに従わずに採捕されたアワビやナマコ等の所持・販売を禁止するとともに、漁業者と流通業者が連携し、漁業協同組合等が発行した証明書のないものは市場で取扱わないとするなどの流通対策も行われています。



(外国漁船の監視・取締り)

我が国のEEZには、ロシア、韓国及び中国との二国間協定に基づき、約1千隻の外国漁船が入漁しています。

水産庁では、我が国EEZに入漁している外国漁船の許可条件の遵守状況を確認するため、立入検査を実施し、魚倉内の漁獲物、操業日誌、漁具等を確認するとともに、外国漁船が我が国の許可なく我が国EEZ内で操業することのないよう、EEZ境界線付近で監視するなど漁業取締りを行っています。

平成28(2016)年の水産庁による外国漁船の取締実績は、立入検査数86件、拿捕(だほ)件数6件(うち無許可操業3件、操業日誌不実記載2件、操業日誌不記載1件)、違法設置漁具等の押収件数14件でした(図2−1−8)。海上保安庁による検挙件数は、7件(うち無許可操業4件、立入検査忌避1件、領海侵犯操業1件、無許可寄港1件)となっています。

また、近年、中国漁船が我が国EEZの境界線付近で操業を活発化させています。東シナ海では、以前からの底びき網漁法に加え、新型のまき網漁法(*1)の操業が活発になっています。さらに、平成27(2015)年から大型の虎網漁船等が道東・三陸沖の我が国EEZ境界線付近で急増していましたが、平成28(2016)年には更に増加して288隻(前年194隻)となり、このうち、北太平洋漁業委員会(NPFC)への未登録が疑われるものが67隻に及んでいます。取締活動によるこのような情報は、NPFCをはじめとする国際的な資源管理に活用しており、水産庁の漁業取締りの特色ともなっています。

水産庁では、我が国周辺の水産資源の適切な管理を脅かす外国漁船の違法操業を根絶するため、外国漁船による違法操業の発生状況等に応じ、特定の海域・時期に重点的に漁業取締船を配置し対処するなど、効率的かつ効果的に徹底した取締りを実施しています。


*1  22ページの脚注参照。

図2-1-8 水産庁による外国漁船の拿捕・立入検査等の件数の推移

中国底びき網漁船の漁具検査をする漁業監督官(網目の計測)
中国底びき網漁船の
漁具検査をする漁業監督官
(網目の計測)
三陸沖でロシア大型冷凍トロール漁船へ立入検査に向かう漁業監督官
三陸沖でロシア大型冷凍
トロール漁船へ立入検査に
向かう漁業監督官
東シナ海で韓国はえ縄漁船へ立入検査に向かう漁業監督官(奥は漁業取締船)
東シナ海で韓国はえ縄漁船へ
立入検査に向かう漁業監督官
(奥は漁業取締船)
 

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