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水産庁

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(4)水産物貿易の動向


(水産物輸入の動向)

我が国の水産物輸入量(製品重量ベース)は、平成13(2001)年に382万トンでピークとなった後、国際的な水産物需要の高まりや国内消費の減少等に伴って減少傾向で推移しており、平成28(2016)年には前年から4%減の238万トンとなりました(図2−3−11)。また、水産物輸入金額は、リーマンショックの影響を受けた平成21(2009)年以降増加してきましたが、平成28(2016)年には、前年から7%減の1兆5,979億円となりました。

輸入品目の上位を占めるのは、エビ、マグロ・カジキ類、サケ・マス類等の品目です(図2−3−12)。輸入相手国は品目に応じて様々ですが、エビはベトナム、インド、インドネシア等、マグロ・カジキ類は台湾、中国、韓国等、サケ・マス類はチリ、ノルウェー等から多く輸入されています(図2−3−13)。



図2-3-12 我が国の水産物輸入相手国・地域及び品目内訳

図2-3-13 我が国の主な輸入水産物の輸入相手国・地域及び品目内訳

(水産物輸出の動向)

我が国の水産物輸出額は、平成20(2008)年のリーマンショックや平成23(2011)年の東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「東電福島第一原発」といいます。)の事故による諸外国の輸入規制の影響等により落ち込んだ後、平成25(2013)年以降は増加傾向で推移してきました。しかしながら、平成28(2016)年には再び減少に転じ、輸出量は前年から3%減の54万トン、輸出金額は4%減の2,640億円となりました(図2−3−14)。これは、主に、平成26(2014)年と27(2015)年に2年連続でオホーツク海沿岸に来襲した爆弾低気圧の影響等により、輸出の主力品目であるホタテガイの漁獲量が大幅に減少したことによるものです。また、平成28(2016)年の年初から為替相場が円高方向へ動いたことも、水産物輸出の拡大にとっては逆風となった可能性があります。

主な輸出相手国・地域は香港、中国、米国で、これら3か国・地域で輸出金額の約6割を占めています(図2−3−15)。品目別には、中国等向けに輸出されるホタテガイ、主に香港向けに輸出される真珠等が上位となっています(図2−3−16)。



図2-3-15 我が国の水産物輸出相手国・地域及び品目内訳

図2-3-16 我が国の主な輸出水産物の輸出相手国・地域及び品目内訳

(水産物輸出の拡大に向けた取組)

国内の水産物市場が縮小する一方で、世界の水産物市場はアジアを中心に拡大しています。世界市場に向けて我が国の高品質で安全な水産物を輸出していくことは、販路拡大や漁業者等の所得向上にもつながる重要な手段であり、我が国の水産業の体質強化を図る上で欠かせない視点です。国では、平成28(2016)年5月に「農林水産業の輸出力強化戦略」を取りまとめました。輸出の取組の主役である農林漁業者等のチャレンジや創意工夫が一層引き出され、意欲的な取組が行われるよう側面から支援していくとともに、外国の規制等に対しては政府として全力で対応することとしています。この中で、水産物の輸出力強化に関しては、適切な資源管理により資源を増大しつつ、高品質な冷凍水産物の生産のための新技術の導入等を支援することや、自然災害等があっても養殖品の輸出が落ち込むことのないよう、養殖生産の一層の拡大と安定した生産体制の構築を図り、輸出の拡大に向けた国内の生産体制を整備していくこととしています。

また、海外市場の拡大を図るため、平成27(2015)年に発足した「水産物・水産加工品輸出拡大協議会」によるオールジャパンでの輸出促進の取組を支援しています。平成28(2016)年度からは新たに、輸出先国・地域の事情に精通した現地の海外コンサルタントを活用して現地のニーズに即したプロモーション活動を行ったり、米、日本酒等の消費の相乗効果が期待できる産品と連携して我が国の水産物の魅力をアピールしたりする取組を開始しました。

さらに、輸出先国・地域の衛生基準等に適合した輸出環境を整備することも重要です。このため、国では、欧米への輸出時に必要とされる水産加工施設のHACCP対応や、輸出拠点となる漁港における高度な品質・衛生管理体制の構築等を支援しています。また、東電福島第一原発事故に伴う輸入規制を維持している国・地域に対しては、規制の撤廃・緩和を粘り強く働きかけるとともに、輸出先国・地域によって必要とされる衛生証明書や漁獲証明書等の輸出に関する証明書類の発行手続の簡素化・迅速化にも取り組んでいます。

平成28(2016)年8月に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」では、平成31(2019)年に農林水産物・食品輸出額1兆円を達成することを目指すこととされており、水産物についても、平成31(2019)年に輸出額を3,500億円とすることを目指しています。


コラム:世界で愛される錦鯉(にしきごい)

紅、白、黄、金などの鮮やかな色に彩られた錦鯉は、200年ほど前に新潟県の山間部で生まれ、それ以降様々な品種がつくられてきました。高価なものでは1尾2千万円もの値が付くといわれる「泳ぐ宝石」です。

近年、アジアやヨーロッパなど海外での錦鯉の人気が高まっており、それに伴って輸出額が増加しています(図)。平成28(2016)年の輸出額は、前年から若干減少しましたが、35億円となりました。また、平成15(2003)年にコイヘルペスウイルス病が発生して以降、我が国から中国への錦鯉の輸出は停止されていましたが、平成28(2016)年4月、我が国の6か所の養鯉場が輸出可能施設として中国当局に登録され、同年12月にはこのうちの1か所から輸出が再開されました。中国の富裕層の間でも我が国の錦鯉は高い人気を誇っており、今後、中国向けの輸出の増加も期待されます。

新潟県等の産地では、アジア諸国からの富裕層を中心とした錦鯉の買い付けツアーの一行が高価な錦鯉を購入する姿がみられます。また、外国人が購入した錦鯉の飼育をそのまま日本の養鯉場に委託する場合も多く、海外での人気は輸出額の増加以上に高まっているともいえそうです。

世界で愛される錦鯉

いまや、錦鯉に対する需要の7~8割が海外の愛好者によるものといわれていますが、我が国国内での人気復活を目指す動きもみられます。錦鯉は、池のある庭園がなければ飼えないと思われがちですが、飼育される空間の広さに応じて成長が抑制されるため、室内の水槽でも小さいまま飼うことが可能です。こうした現代の住宅事情にマッチした新しい錦鯉の飼い方を提案することにより、新たな国内需要を喚起していこうとする取組も行われています。

我が国で育まれてきた錦鯉。世界中で末長く愛されてほしいものです。

 

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