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水産庁

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5 加工・流通・消費・輸出に関する施策の展開

(1)加工・流通・消費に関する施策の展開

ア 多様な消費者ニーズを捉えた新商品開発を含む商品供給の取組

簡便化志向など最近の消費者ニーズに対応した商品供給等を促進するため、水産加工・流通を担う事業者向けの個別指導やセミナー等の開催、新商品開発や学校給食での水産物の利用促進に必要な加工機器等の導入等を支援します。

このほか、生産者、水産関係団体、流通業者や行政等、官民の関係者が一体となって消費拡大に取り組む「魚の国のしあわせ」プロジェクトを引き続き推進するとともに、地産地消など各地域のニーズに応じた水産物の供給のため、地域の学校、観光(郷土料理、漁業体験、漁家民宿など)等とも連携を図ります。

イ 消費者等に対する魚食普及と産地情報提供

<1>食育に関連する取組を実施している民間団体や関係府省庁との情報の共有や活動の連携を促進するとともに、水産物の特性(味覚や健康面に加え、地域性・季節性、資源状況等)や魚食文化についての理解を促します。

また、国産水産物の消費拡大に当たっては、米など農産物・林産物とのセットでの普及にも取り組みます。

さらに、有効な資源管理・漁場改善の証明とトレーサビリティ確保の観点から、水産エコラベルの普及を引き続き促進します。

<2>水産物の栄養特性や安全性に関する情報を分かりやすく紹介したウェブサイトの運営や水産物を含む食品の安全に関する情報をメールマガジンで配信するなど、インターネットを活用した情報提供の充実を図ります。

<3>食品表示に関する規定を一元化した食品表示法(平成25(2013)年法律第70号)の下、関係府省庁の連携を強化して立入検査等の執行業務を実施するとともに、産地判別等への科学的な分析手法の活用等により、効果的・効率的な監視を実施します。また、平成29(2017)年9月に施行された新たな加工食品の原料原産地表示については、引き続き、消費者、事業者等への普及啓発を行い、理解促進を図ります。

<4>農林水産省本省や地方農政局等における「消費者の部屋」において、消費者からの農林水産業や食生活に関する相談を受けるとともに、消費者への情報提供を通じて、水産行政に対する消費者の理解を促進します。

ウ 産地卸売市場を含めた加工・流通構造の改革

<1>水産加工・流通業者等の創意工夫を発揮した取組を進めるため、新商品開発や学校給食での水産物の利用促進に必要な加工機器等の導入等を支援します。また、漁業者団体・流通業者・加工業者等が連携して国産加工原料の確保等の課題に取り組む場合には、連携体制の構築や取組の実証を支援します。

さらに、漁業者においても漁獲「量」から販売「額」へ意識を転換するとともに、浜全体でマーケットインの発想に基づく取組を行うこと等により、漁獲物の付加価値向上と所得向上を図ります。

<2>水産加工業施設改良資金融通臨時措置法(昭和52(1977)年法律第93号)に基づき、水産加工業者が行う新製品の開発や新技術の導入に向けた施設の改良等に必要な資金を融通する措置を講じます。

<3>漁業生産の安定・拡大、冷凍・冷蔵施設の整備、水揚げ集中時の調整保管による供給平準化等を通じ、加工原料の安定供給を図ります。

<4>全国の主要漁港における主要品目の水揚量、卸売価格、用途別出荷量や、水産物の在庫量等の動向に関する情報の収集・発信を行うとともに、水産物流通について調査・検討を行います。

<5>また、品質・衛生管理の強化、情報通信技術等の活用、産地市場の統合・重点化、新たな販路の拡大、トレーサビリティの充実などを推進します。

(2)我が国水産物の輸出促進施策の展開

ア 国内生産体制の整備の取組

安定した養殖生産の確保や適切な資源管理等により国内生産体制の整備を行います。

イ 海外市場の拡大のための取組

海外市場の拡大を図るため、平成27(2015)年に発足した「水産物・水産加工品輸出拡大協議会」によるオールジャパンでのプロモーション活動や商談会の開催等の輸出促進の取組を支援します。

前年度に引き続き、農林水産物・食品のブランディングやプロモーション等を行う組織として平成29(2017)年度に創設された「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」とも連携した取組を行います。

ウ 輸出先国・地域の規則・ニーズに応じた輸出環境の整備に向けた取組

<1>対EU・対米国輸出施設の認定等を促進するため、研修会の開催や専門家による現地指導への支援、生産海域等のモニタリングへの支援を行います。また、水産庁による水産加工施設等の対EU輸出施設の認定により、認定施設数の増加を図ります。水産物の輸出促進に資するトレーサビリティの普及に向けて、水産物の水揚げから輸出に至る履歴情報をIT等の活用により管理する取組の実証を支援します。

<2>輸出拡大が見込まれる大規模な拠点漁港において、一貫した衛生管理の下、集出荷に必要な岸壁、荷さばき所、冷凍・冷蔵施設、製氷施設等の一体的な整備を推進するとともに、輸出先国・地域の基準に対応するための水産加工・流通施設の改修等の支援や、輸出先国・地域の品質・衛生条件への適合に必要な機器整備の支援に取り組みます。

また、輸出先国・地域に対し、1)検疫や通関等に際し輸出の阻害要因となっている事項について必要な改善を要請・折衝するほか、2)EPA(経済連携協定)交渉等の場において輸出拡大が期待される品目の市場アクセスの改善を求めていくとともに、3)模倣品等知的財産侵害への対策の強化を求め、日本産水産物のブランド力の保護を図ることにより、我が国の事業者が積極的に輸出に取り組める環境を整備します。