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水産庁

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(5)漁業協同組合の動向

(漁業協同組合の役割)

漁業協同組合は、各地の漁業者による協同組織として、組合員のために販売、購買、信用、共済等の事業を実施しています。また、漁業権の管理や組合員に対する指導を通じて水産資源の適切な利用と管理に主体的な役割を果たしているだけでなく、浜の清掃活動、河川の上流域での植樹活動、海難防止活動等にも積極的に取り組んでおり、漁村の地域経済や社会活動を支える中核的な組織としての役割を担っています。さらに、漁業者が所得向上に向けて主体的に取り組む「浜の活力再生プラン」等の取組をサポートし、地域の水産物の加工や販売を通じて付加価値の向上を図ったり、輸出先の販路開拓を行ったりするなど、漁業経営の改善と地域の活性化に様々な形で貢献しています。

(漁業協同組合の経営と組織再編の状況)

漁業協同組合の経営は、漁業者数や漁業産出額が減少傾向にある中で厳しい状況に置かれており、国では、経営改善計画に取り組む漁業協同組合に対し、経営改善や経営基盤等の強化のために借り入れる借換資金への利子の助成等を行い、自主的な再建を支援してきました。その結果、平成27(2015)年度においては、沿海地区漁業協同組合全体での事業利益の総額は55億円となりました(図2-2-21)。

図2-2-21 沿海地区漁業協同組合の経営状況の推移

事業総利益,事業管理費,事業利益の年次推移を示した図。事業総利益,事業管理費とも減少しているが、近年は持ち直している。事業利益は赤字が続いていたが、平成26年以降は黒字に転じている。

今後とも漁業協同組合が漁業・漁村の中核的組織としての役割を果たしていくためには、組織及び基盤を強化し、事業を効率的かつ効果的に運営していく必要がありますが、漁業者数の減少に伴って組合員数の減少が進んでおり、なお多くの組合が厳しい経営状況にあります。そのため、漁業協同組合の合併を引き続き推進していく必要があります。平成28(2016)年には2組合の沿海地区漁業協同組合が合併に参加して、平成29(2017)年3月末現在の組合数は960組合となりました(図2-2-22)。

図2-2-22 沿海地区漁業協同組合数及び合併参加組合数の推移

沿岸地区漁協数,合併参加漁協数の年次推移を示した図。漁協数は平成元年で2,134組合、平成28年で960組合となり、合併が進んでいる。