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水産庁公式ブログ「アワビのステーキ食べてみたいよね」2019年11月分

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【11月29日 今日は何の日?】

今日は11月29日です。

何の日か分かりますよね。
実に読みやすいあの日ですよね。

そうです。
「良いフグの日です」



昔からフグの旬は「秋のお彼岸から春のお彼岸(9月20日くらいから3月20日くらい)」と言われていますが、天然のトラフグが最もおいしいのは真冬である12~2月ごろです。



フグで有名な山口県下関市では、フグを「ふく(福)」と呼び、縁起が良い魚とされています。
全国で唯一フグを専門に取り扱う市場である「南風泊市場(はえどまりしじょう)」では、「袋競り」と呼ばれる布袋の中に手を入れて指先で値段を決める特殊な競りが行われています。
http://haedomari.com/page-381/

多くのフグにはテトロドトキシンと呼ばれる強い神経毒が含まれているため、フグをさばくにはフグ調理師免許が必要です。
この神経毒は、たんぱく毒とは構造が全く異なるので、熱を加えても毒が無くなることはありません。
厚生労働省のHPによると、日本の食中毒死亡者の過半をフグ中毒が占めるとか。。。
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_01.html

必ずプロがさばいたフグを美味しくいただきましょう!




 

【11月22日 魚を使った慣用句「ゴリ押し」】

慣用句の中には魚を使ったものが数多くありますが、例えば有名なものでいうと、「とどのつまり」は、ボラが成長に伴い、最後には「トド」という呼び名に変わることから、「結局は」「要するに」といった意味を持つものになったという説があります。

その他にも、大量に獲れるサバを目分量でざっと計測した「サバ読み」や、
すぐれたものは多少悪い状態になっても本来の価値を失わないという例えの「腐ってもタイ」などがあります。

今回紹介する「ゴリ押し」も、魚を使った慣用句です。
ゴリは、川にいるハゼ類の形をした小さな魚を総称し、このゴリを川の下流から上流に設置している網まで強引に追い込むのがゴリ押し漁です。
このことから、強引に物事を進めることを「ゴリ押し」というようになったと言われています。(諸説あり)




ところで、ゴリは石川県、京都府、高知県等で漁獲されていますが、石川県は、ハゼ類のほかに、「カジカ」の仲間(北日本ではおなじみですね)もゴリと呼んでいます。
石川県ではハゼ類の方のゴリは佃煮等で利用され、カジカの方のゴリは唐揚げや洗いで利用されます。

どちらのゴリも小さい魚ですが、うまみが全身にある素晴らしい魚です。


 

【11月11日 11月11日はサケの日】

先般紹介しましたが、1111日は「サケ(鮭)の日」です。





「鮭」という漢字のつくりの部分「圭」が「十一十一」に分解できることにちなみます。

今や、日本人が最も食べている水産物は「サケ(サーモン)」※1となっており、回転寿司での人気ネタランキングでも「サーモン」が8年連続の1位※2となっているようです。

※1水産庁調べ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/30hakusyo_info/index.html
※2マルハニチロ調べ
https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/news_center/research/pdf/20190327_kaiten_sushi_cyousa.pdf

そんな、皆さんが大好きなサケですが、普段食べているサケはどんなサケなのかご存じですか?
そのサケは国産でしょうか、海外産でしょうか。あるいは天然物でしょうか、養殖物でしょうか。
そもそも、「サケ(鮭)」、「サーモン」と「マス(鱒)」、「トラウト」の違いはご存じでしょうか。
あまり気にせず購入している方も、こだわっているという方もいらっしゃるかと思います。


君の名は?

結論から言うと、我々は実に様々なサケ・マスを食べているのです。
そして、「サケ(鮭)」、「サーモン」と「マス(鱒)」、「トラウト」という呼び名には実はあまり違いが無いのです。

え!?よく分からない?
そうです。サケは奥が深いのです。

詳しく解説していきましょう。
まず、サケ・マスを大きく分類すると以下の図のようになります。
この他にも先般紹介した琵琶湖のビワマスや、サツキマス(アマゴ)などのほか、近年は品種改良によってこれらのサケ・マスを掛け合わせたハイブリッドサケ・マスもいます。


日本のサケ科魚類の分類系統(北海道区水産研究所HP)

この中で、我々がよく食べているのは、サケ属のサケ・マスとサルモ属のアトランティックサーモンです。
※日本最大の淡水魚イトウやオショロコマはほぼ食べることはありません。
イワナは産地で塩焼きで食べることがある程度かと思います。

「こんなにも食べてるの!?」

お刺身やお寿司で食べているサケ・マスは、そのほとんどがノルウェーやチリ、カナダなどで養殖されたアトランティックサーモンやニジマスです。
※国内で養殖されたニジマスやギンザケなどのご当地サーモンも生食で食べています。

一方、北海道や東北で獲れる天然のサケ(シロザケ)や、オホーツク海やロシア海域で獲れるカラフトマス、ベニザケやマスノスケ(キングサーモン)などは主に加熱向けで、焼き鮭、鮭フレークや缶詰などでたべています。
コンビニおにぎりやお弁当の「シャケ」というとピンとくるかもしれません。最近ではシャケおにぎりの差別化のためにサケ(シロザケ)以外のおにぎりをベニザケ、ギンザケ、アトランティックサーモンと高級感を出して販売している事例もありますね。


飲み会の締めに、塩が効いた焼き鮭のお茶漬けを食べている瞬間が一番のハイライト

「生食できるサケ・マスと加熱向けのサケ・マスの違いは?」

基本的には天然の魚は全てアニサキス等の寄生虫がいる可能性があるのですが、特に天然のサケ・マスはその傾向が多いため、基本的には生食は出来ません。その代わり一度冷凍してから刺身で食べる「ルイベ」という方法があります。昔の人は工夫して食べたのですね。

一方、養殖で育てられたサケ・マス(特にアトランティックサーモン、ニジマス、ギンザケ)はしっかり餌が管理されているので、アニサキス等の寄生虫のリスクが無いので、生食が出来るのです。

ですので、お寿司屋さんやスーパーで刺身用で売られているサケ・マスは、ほとんどが養殖されたアトランティックサーモン、ニジマスやギンザケになります。


君はきっとアトランティックサーモン

「ところで、サケ、マス、サーモン、トラウトに違いは無いと言ってたけど、どういうこと?」

サケ(鮭)を英語で言うとサーモン(salmon)で、マス(鱒)を英語で言うとトラウト(trout)ですよね。
でも、カラフトマスを英語でいうと「Pink salmon(ピンクサーモン)」と言いますし、
サクラマスを英語でいうと「Masu salmon(マスサーモン)」と言いますし、
ニジマスは「Trout salmon(トラウトサーモン)なんて呼ばれたりします。

「・・・マスなんだかサケなんだか(笑)」

ややこしいことに、時代の流れとともに漁獲していくサケマスが増えてきたことや、
養殖でご当地サーモンが増えてきたことから、その都度呼び名が変わっていったと言われています。

つまりサケ、サーモン、マス、トラウトという呼び名にあまり違いは無いのです。
強いて言うと、一般的には養殖物(生食向け)は「サーモン」、天然物(加熱向け)は「サケ」や「マス」と言う傾向が強い感じがします。

魚だけでなく生き物を分類する時は、上述の図のように種類(遺伝学上の「種」)で分類しているのです。

「この時期お店に並んでいる「秋サケ」はどんなサケ?」

秋から冬にかけて、スーパーに並ぶ「秋サケ」は、主に北海道と東北で獲られているサケの事です。サケ科サケ属サケ(シロザケ)です。
これは、毎年3月~5月に稚魚(子ども)が川から海に下り、初夏に沿岸から遠い北の海へ旅立ち、成熟する4歳くらいの成魚(おとな)になると子孫を残す産卵のために生まれ故郷の川をめざし、秋の9月くらいに、子ども時代を過ごした海や川に戻ってくることに由来します。


日本系サケの主要な回遊経路の想定図(浦和 2000)を改変


また、同じサケ(シロザケ)でも、「秋サケ」という呼び名の他に、成熟の度合いによって「ケイジ」「メジカ」「トキシラズ」という呼び方があり、旨味を感じる脂が多いことから高級魚として売られています。
特に「トキシラズ」は、ロシアのアムール川で孵化し、太平洋(三陸沖、北海道東沖など)を回遊中に春から初夏にかけて日本で漁獲された未成熟なサケのことをいい、秋サケに比べて豊富な脂肪を含むとして高い人気があります。

「サケって秋のイメージだったけど、春に獲れるサケもいるんですね。」


サケ・マスに興味が出てきましたね?
お寿司屋さんや魚屋さんに行きたくなってきたんじゃないですか?
コンビニおにぎりが食べたくなってきたんじゃないですか?

一言で「サケ・マス」と言ってしまえばそれまでですが、じつは私たちはたくさんのサケ・マスを食べていて、それぞれ全く違う味わいがあります。
お酒にも「利き酒」があるように、サケも「利き鮭」をして、サケ・マスを味わってみませんか?


全日本サーモン協会の人気イベント「利き鮭」

まだまだ奥深いサケ・マスの世界を語りたいところですが、それはまた追って。

今週一週間は、農水省の消費者の部屋(北別館1階)で、秋サケに関する展示をしています(入場無料です)。
https://www.maff.go.jp/j/heya/index.html
また、消費者の部屋の向かいの食堂(手しごと屋咲くら)では、コラボメニューとして「はらこ飯」を提供いただいています。

皆さまのご来場をお待ちしています。

 

 【11月8日 記憶に残る一匹を】

魚が釣れたら写真を撮りたくなるもの。
せっかくなら、できるだけ大きく、迫力ある写真として残したいですよね。
そこで、水産庁職員が、魚を持った写真を撮る際の初心者向け基本ポイントをまとめましたので、参考にしてみてください!

まず、この写真をご覧ください。
この写真は残念ポイントの欲張りセットです。



それでは、1つずつ確認してみましょう。

1)まずは、魚と人の距離です。近いと実際のサイズで比較ができてしまうので、魚が小さく見えてしまいます。大きく見せるために、魚を自分の前へ突き出し、なるべく体から離しましょう。

2)次に、魚の向きです。一般的に魚は頭を左に置きます。自分で持つときには、自分から見て左に持ちがちなので、ポーズを取る際には、頭を右側にして持ちましょう。

この2点を抑えるだけで、かなり見た目が良くなります。

3)右手をエラ蓋の中(リリースする魚にはしないように)へ、左手を魚体の後ろに隠し、自分の手がなるべく写らないようにします。(1)と同じ理由で、魚が小さく見えてしまいます。

以上3点に気をつけて撮影したものがこちらです。



どうでしょうか!
同じ魚なのに、この3点に気をつけるだけで迫力が出ました!!

釣り人は無意識にやってしまうこの詐欺・・・写真映えのテクニック!!
ご参考になれば幸いです。


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