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水産庁公式ブログ「アワビのステーキ食べてみたいよね」2019年12月分

フェイスブック待てない思い

 

12月25日12月12日12月10日|12月3日|

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【12月25日 資源管理のすすめ➀ ~資源管理とは?~】

皆さん、「資源管理」という言葉を聞いたことはありますか。
「言葉だけはよく聞くけど・・・」という人も多いかもしれません。 

資源管理とは、私たちが魚や貝などの水産資源を今後もずっと利用していくための取組のことです。
では、なぜ、私たちは資源管理を行わなければならないのでしょうか?

私たちの毎日の食卓にあがる水産資源は、生き物です。
生き物であるということは、親が子を産み、その子が成長し親になり、さらにその親が子を産み・・・・というサイクルを、人間が水産資源を利用するようになるずっと昔から海や川などで繰り返されてきました。

しかし、私たちが漁業をはじめると、多かれ少なかれ資源は減少してしまいます。では、私たちが漁業を続ける限り、資源は減少する一方なのでしょうか?
いえ、そんなことはありません!

水産資源は、私たちが漁獲することで減りますが、このサイクルによって増えることができます。つまり、減る量(漁獲などによる)が増える量を超えないようにすれば、資源を利用し続けることが可能になります。

水産資源、つまり魚や貝は私たちの食生活にとってなくてはならない存在です。
継続して利用しようと思ったら、好き放題に、満足いくだけ漁獲できる訳ありませんよね?

そのため、私たちが継続的な形で最大限に活用し続けられるように様々な取組を行う必要があります。

この取組のことを「資源管理」といいます。

そんなこと簡単だと思いますか?
それとも、そんな難しいことできっこないと思いますか??
そもそも、水産資源はずっと利用していける状況にあるのでしょうか??
これから、日本で取り組まれている、資源管理の真実を紹介していきたいと思います。

 

【12月12日 神話とハートと国土強靱化の島  ~兵庫県南あわじ市沼島~】

国土強靱化(こくどきょうじんか)の調査を行うべく、兵庫県南あわじ市沼島に行ってきました。
※国土強靱化の調査とは、漁港や漁村を災害から守るための防波堤、防潮堤や水門の整備等の対策がどのように実施されているかを調査することです。


沼島(遠景)

沼島は、神戸から車で淡路島の土生(はぶ)港まで約1時間30分、そこから船で約10分の島で、人口約440人のうち、漁業者が約120人の島です。

沼島は、神話の中で伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の両神が創った日本の国土の中で最初の島と言われています。

その中で「上立神岩(かみたてがみいわ)」は、この両神が婚姻を行った場所と言われ、高さ約30mの高さを誇る巨岩となっています。
最近では、「上立神岩」の中央にあるくぼみがハートの形に見えることから、恋愛成就のパワースポットにもなっているそうです。由来とハートでダブルの効果!でしょうか。


上立神岩(かみたてがみいわ)

沼島では、この他、この上立神岩も含めた島内の奇岩を巡るクルーズ、島内一周ウオーキング、沼島八十八ヵ所霊場巡りや遊漁船を仕立てて島の周りで釣り等を行うことも出来ます。

また、島周辺は豊かな漁場に恵まれ、小型底びき網漁業、一本釣り等の漁業を中心とした漁船漁業が活発に営まれており、マダイやハモ等の水揚げが多く、特に一本釣りにより丁寧に漁獲されるアジは、「沼島アジ」としてブランド化され人気が高いとの事です。

そうした事から、当然島での食事(島内に食事処は3軒、宿泊施設は2軒あり)は、魚介類できまり!
昼食に食べたのはアジ定食。といってもサバの様な巨大なたっぷり太ったマアジの丸焼き。
大変おいしくいただきました。


アジの丸焼き定食


沼島では、南海トラフ地震による津波等から漁村を守る取組として、防波堤、防潮堤や水門等の整備を進めています。


沼島漁港の防波堤・水門・防潮堤位置図


水門イメージ図


防波堤(水門整備前)


そのほか、被災時に高台に逃げるための避難路の整備や避難所(沼島小・中学校)の指定、ヘリポートの整備を行うとともに、住民が参加した避難訓練を定期的に行っているとの事です。


避難路


ヘリポート


避難場所である沼島小中学校

特に、漁港の入口の水門は、津波が発生した際、自動的に閉じ漁村を守る構造となる予定で、今回、水門の下の基礎杭の施工(場所打ち杭として、地盤を掘り、地盤内にコンクリート柱を作っているところ)を見学しました。


防潮堤と水門工事


水門の下の基礎杭の施工の様子

近隣には、淡路島の大鳴門橋(「道の駅うずしお」にはタマネギのオブジェもあります)や鳴門の渦潮があり、併せて周遊しても良いかもしれません。


大鳴門橋と玉ねぎのオブジェ(淡路島)

※写真の一部について兵庫県より提供

(参考)沼島観光HP
http://nushima-yoshijin.jp/          沼島総合観光案内所 よしじんHP 

 

【12月10日 エリザベス女王に献上された国産キャビア】

世界三大珍味といえば、トリュフ、フォアグラ、そしてキャビアということは有名ですね。
キャビアはチョウザメの卵なのですが、そもそもチョウザメを知らない人に簡単に解説します。


〇チョウザメ
チョウザメはその名前からサメの仲間と思われがちですが、全く違うものです。
サメのほとんどは軟骨魚類に分類されますが、チョウザメは硬骨魚類に分類される古代魚で、遺伝学的にもチョウザメ目として独立して分類されています。

見た目がサメのような姿をしていることと、鱗(うろこ)が蝶々のような形をしていることから、チョウザメという名前が付きました。


確かにサメっぽい


確かに蝶っぽい

チョウザメは基本的には淡水魚で川や湖に住んでいます。
歯は無く、長い鼻の下に付いたヒゲで節足類や甲殻類などの餌を探して食べており、魚食性の強いサメと大きく違います。
ですので、人を襲ったりもしません。

一言でチョウザメといっても、シベリアチョウザメ、バイカルチョウザメ、ヘラチョウザメやオオチョウザメ等々30種類近く生息しています。
オオチョウザメとコチョウザメを人工的に交配させたベステルという種もいます。

ロシア、ヨーロッパ、アジア北中部や北アメリカなど世界各国に生息していますが、現在の日本には生息していません。かつては北海道などの川に遡上していたとか。


さて、チョウザメの説明が長くなってしまいましたが、
そんなチョウザメをじつは日本でも養殖している企業がいくつかあります。
その一つが、ケーブル事業やカテーテルなどの医療事業を手掛ける金子コード株式会社です。

金子コードが食品事業としてチョウザメ養殖に参入したのは平成26年で、なんとたったの5年で自社製造のキャビアをエリザベス女王に献上されるまでに至ったのだから驚きです。

キャビアの生産といえば、ロシアやアジア北中部をイメージしがちですが、日本でもキャビア生産ができた理由と、エリザベス女王に献上でき、人気を博すことができた理由について、金子コードに取材してきました。

金子コードがキャビア養殖を行っている「HARUNO CAVIAR VALLEY(春野キャビアヴァレー)」は、静岡県の浜松駅から車で1時間半ほど北東に走った春野町にありました。




山が深い

車がすれ違うのもやっとな山道を走り、本当にこんな所にあるのかなと思いましたが、チョウザメの養殖場「HARUNO CAVIAR VALLEY(春野キャビアヴァレー)」 は確かにありました。




ん?高級ホテル?

高級ホテルを思わせるようなお洒落な外観。本当に養殖場?と思いましたが、しっかり養殖場でした。





君はなかなか良いサイズだね

今回、チョウザメ養殖の責任者である食品部長の中村秀憲さんに様々な質問をしてきました。


金子コード株式会社の金子社長(右)と中村食品部長(左)


『なぜチョウザメ(キャビア)養殖を選んだのですか?』

既存のケーブル事業や医療事業のほかに、食品事業をやろうとなったときに、水産物の世界的な需要から水産業、特に養殖業のポテンシャルに気づいたんですね。
じゃ、何の魚を育てるかと話した時にウナギなども考えたのですが、世界的に見てもマーケットが小さいことがネックとなりました。

一方、キャビアは世界的に需要があり、さらに日本では、キャビアは基本的に輸入に頼っており、しかも流通のほとんどが加熱処理をされた長期保存が可能な塩蔵キャビア(塩分6%)という実態でした。

国内のチョウザメ養殖の規模も比較的小さいことから、美味しいフレッシュキャビア(塩分3%)を作ればマーケットのシェアを確保出来るのではと考え、チョウザメ養殖に乗り出すことになりました。


『魚・養殖の知識ってあったんですか?』

全然(笑)元々ケーブル事業の責任者でした。今も勉強中ですね。
チョウザメは産まれてから最短で7年で出荷できるようになるのですが、その期間で勉強して研究者と一緒に試行錯誤やっていこうと思っています。


「淡水魚は余り得意じゃないんです。でも、チョウザメは全然淡水魚っぽくなくて食べられた」と笑う中村部長


『なぜ春野町を選んだのですか?』

一番の理由は、綺麗な水と量ですね。美味しい魚を作るには大量の綺麗な水が確保できる場所である必要がありました。
浜松工場があったことや、地元漁協や住民の了解が得られたという理由もありますね。


『よく地元漁協や住民の方の了解が得られましたね』

最初は、色んな意見が出ましたね。
そもそもチョウザメがどういう魚か地元の人は知らないので、
「サメなんて持ってきて、食いつかれたらどうするんだ!」とか
「逃げてアユが食べられたらどうするんだ!」とか本当に言われましたよ。
逃げられないし、そもそもサメじゃないし(笑)

ただ、漁協の方々が協力してくれて、1年間飼育して問題がなければ地元住民に説明できるからと言って漁協の施設を貸してくれたんですね。嬉しかったですね。


『養殖・販売で気をつけていることはありますか?』

養殖については、チョウザメには認められている薬品がないので病気については気をつけて見ていますね。ただ、チョウザメは古代魚なので比較的病気に強いイメージですね。

販売に関しては、チョウザメを知っているシェフが少なく、サメ肉はアンモニア臭いのではないかと疑われる。実際はそんなことはなく、食べていただくとその美味しさにほとんどのシェフにビックリされる。


4日熟成させたチョウザメのお刺身を試食させていただきました。
しっかりとした脂の乗りに、4日熟成させたとは思えない弾力。臭みなど微塵も無く、本当に美味しい魚でした。
何の魚に近いかと言われても、何も近くありません。この味はチョウザメのみの味と言えます。
お腹いっぱい食べたかった。

キャビアに関しては、国内生産している強みを最大限活かすためにフレッシュキャビアにこだわっていますが、フレッシュキャビアは鮮度が命ですので、生産から提供まで迅速に提供するように気をつけていますね。
また、シェフ好みのキャビアを提供できるように塩分濃度や種類など要望に応じて供給できるようにしています。


キャビアの調合などをする研究室「HALLAB(ハルラボ)」 。オシャレ!

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自社ブランドのフレッシュキャビア「HALCAVIAR(ハルキャビア)」 。バターのように溶けていく食感・味わいだそうだ。
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『なぜ事業開始から数年でエリザベス女王献上できるまでになったのですか?』

金子社長が英国・チャールズ皇太子のチャリティーイベントに参加したことをきっかけに、その後も恵まれない子供達の支援など積極的にチャリティー活動に参加していました。

そんな中、昨年、王室イベントの晩餐会を担当するサービスメーカーのシェフと知り合いになり自社のHALCAIAR(ハルキャビア)を提供したところ、最高の賛辞をいただき、今年6月のエリザベス女王が主催するポロの大会であるロイヤルウィンザー ・カップの副賞に扱っていただきました。

その後も英国王室からも高い評価を頂き、王室関係のイベントにも使っていきたいと言っていただいたほか、発信力のあるシェフ達により広めていただき、たくさんのお声がけをいただくようになりました。
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エリザベス女王が主催するポロの大会であるロイヤルウィンザー・カップの副賞に選ばれた「HALCAVIAR(ハルキャビア)」 

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『今後の展望を教えてください』

まだ事業を始めたばかりなので、いきなり海外にまでといった事業展開は現時点では考えていません。
まずはここ春野町で高品質のキャビアを作ることが重要と考えています。
生産体制もしっかり確立していく予定で、5年後には今の10倍の生産を見込んでいます。
養殖事業の一番のネックである台風などの災害対策についても、養殖池を分散させるなどにより、リスクの低減を図る予定です。


部長、野望が全面に見えてますよ!

また、今は県外から4名雇い労働力を確保していますが、今後、事業拡大につれて地元での雇用拡大などの地域貢献を果たしていきたいと考えています。


中村部長に取材した際に、現在の水産業の現状と課題についても議論しました。
「これからの水産業はいかに売っていくかが重要であり、消費者が何を求めているか、そのためにどのような商品を供給していくかについて常に考えていくことが重要」と語っていただき、中村部長と話しをしてワクワクしてしまい、つい長居をしてしまいました。

ぜひとも「キャビアといったらメイドインジャパン」と世界中で言われるようになっていただきたいですね。
近い将来、「ちょっと今日はチョウザメとキャビアを食べに行くか!」という時代が来るのを楽しみにしています。

事業の成長だけでなく、水産業や地域社会の課題解決に向けた社会貢献を目指す金子コード株式会社のビジネスプランに注目です。

金子コード株式会社公式ホームページ
https://www.kaneko-cord.com/food/ 

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【12月3日 琵琶湖にのみ生息するビワマス】

今回ご紹介する「ビワマス」はサケ科の淡水魚で、琵琶湖の象徴的な魚です。
サケ科の中でも、琵琶湖にのみ生息する固有種なのです。



一般的にサケは、川で生まれ、海に出て成長し、また川に戻って産卵する魚ですが、河川で生まれて海に出ない種もいます。ビワマスも一生を琵琶湖と周辺河川の淡水で過ごします。

遺伝学的には、ビワマスはサクラマス(ヤマメ)の亜種とされており、共通の祖先が琵琶湖型のビワマスと河川から海に降るサツキマスに分化したと言われています。

先般、1111日の「鮭の日」に天然のサケ・マス類はアニサキスリスクがあるので、生食は出来ないとお話ししたかと思いますが、ビワマスは海に行かないのでアニサキスリスクが無いのです。思う存分天然の生の味を味わえるのです。
※もちろん生食ですので、一切の寄生虫のリスクが無いわけではありません。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/koho/blog/201911.html#a2

ビワマスのお勧めの食べ方は、もちろん刺身です。
トロッと溶けるように柔らかい舌触りで、脂がしっかり乗っていますが、養殖されたサケ・マスほど脂っこくありません。さすが天然魚。
また、淡水魚にありがちな魚の臭みはほとんど無く、サケ・マス特有の風味が味わえ、とても美味しいものでした。


綺麗なサーモンピンクのビワマスは刺身が一番


2016年に開催された「第4回Fish-1グランプリ」プライドフィッシュ料理コンテストにおいて、JF滋賀県漁連がビワマスを使った親子丼でグランプリを受賞し、一躍日本中にその存在を知らしめました。
http://www.pride-fish.jp/recipe/detail.php?pk=1480905082


天然ビワマスの親子丼


「ビワマスの独特の食感、強調しすぎない甘みと、ふわっと鼻から抜ける香りは『唯一無二』の存在」と語るのは、グランプリの立役者で、琵琶湖でビワマス漁師の中村清作さん。
「獲れた時のあの美しさは言葉に出来ない」と語るほど。




漁獲量が少なくかなりレアなビワマスは、滋賀県近辺のホテル・旅館や料亭に卸されることが多く、なかなか首都圏ではお目に掛かることができないのが残念ですが、滋賀県に行かれた際はぜひ食べていただきたい魚です。
1011月の禁漁期を終えて12月1日からビワマス漁が解禁となります。


琵琶湖最大の島「沖島」で活動する沖島漁業協同組合の婦人部「湖島婦貴(ことぶき)の会」の皆さんに作っていただいた琵琶湖づくし弁当(ビワマスのフライ、照り焼き、お刺身入り)も最高でした。


そんな美味しいビワマスをいつまでも食べられるよう、滋賀県では滋賀県漁連や漁師さんと一緒にビワマスを増やす取組を行っています。
ビワマスの産卵期(禁漁期1011
月)に親のビワマスを捕まえて、人工的に受精・ふ化させることによって、産卵直後から放流するまでの生存率を高め、放流し、資源を増やす増殖事業を行っています。


ビワマスを捕まえる仕掛け網「ヤナ」


滋賀県漁連の職員による採卵風景。期間中130万粒を目標に採卵。


採卵した後の親魚の体長測定と年齢査定のためにウロコを採取。ビワマスの資源量推定に利用。


滋賀県漁連のふ化場内部。ふ化槽に卵を収容。約1か月半でふ化した仔魚は、数グラムまで飼育し、3月頃に琵琶湖流入河川に放流。
順調に飼育できれば放流時点で70万尾が生き残る。


海のように大きい琵琶湖で育つ極上のビワマスを守るために、関係者の資源増殖に懸命に取り組む姿が背景にありました。


沖島漁業協同組合のHPにも沖島についての情報が多くありますので是非ご覧下さい。
http://www.biwako-okishima.com/

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