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プレスリリース

令和3年(2021年)IWC/日本共同「北太平洋鯨類目視調査」を実施した調査船が帰港します

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令和3年9月30日
水産庁

我が国と国際捕鯨委員会(IWC)が共同で北太平洋海域において実施していた鯨類目視調査の調査船が、9月30日(木曜日)に帰港します。

1.背景

我が国は、国際機関と連携しながら科学的知見に基づく鯨類資源管理に貢献していくとの基本的な考えのもと、平成22年から国際捕鯨委員会(IWC(注1))と共同で「北太平洋鯨類目視調査(POWER(注2))」を実施しています。
本共同調査は、IWC科学委員会が策定する計画に基づき、北太平洋における鯨類資源の状況に関するデータを幅広く収集してきており、国際的な鯨類資源の管理に重要な役割を果たしています。本年4~5月に開催されたIWC科学委員会では、本共同調査における我が国のこれまでの協力に対して謝意が示されるとともに、調査の継続も承認されました。
継続的な目視調査等によって太平洋における鯨類の資源量等の科学的データを把握・更新していくことは、2019年7月から大型鯨類を対象として再開した捕鯨業の持続的な実施にも貢献するものです。
このため、引き続き、我が国は本共同調査の実施を通じて、国際的な鯨類資源管理に貢献するとともに、科学的根拠に基づく持続的かつ適切な捕鯨業の実施の確保を図ってまいります。

(注1) IWC: International Whaling Commission
(注2) POWER: Pacific Ocean Whale and Ecosystem Research

2.調査の目的

北太平洋海域における鯨類の資源状況等の解明

3.調査委託機関

指定鯨類科学調査法人(注3)  一般財団法人日本鯨類研究所
調査団長 村瀬弘人 (国立大学法人東京海洋大学)
その他、日本人1名、米国人1名の鯨類研究者が乗船。

(注3)鯨類の持続的な利用の確保に関する法律(平成29年法律第76号)第7条第1項に基づき、農林水産大臣が鯨類科学調査を適正かつ確実に行うことができると認めた法人。

4.調査期間

令和3年(2021年)8月2日(月曜日)から9月30日(木曜日)まで(60日間無寄港)

5.調査海域

北緯40度以北、西経155度以東、西経135度以西のうち、外国の排他的経済水域を除いた海域(青色)。



6.調査船

第二勇新丸(747トン)

7.調査内容

目視調査、バイオプシー(皮膚標本)採取(注4)、自然標識撮影(注5)等を通じて以下の情報を収集します。
・イワシクジラ、ザトウクジラ及びコククジラの資源評価に関する情報
・希少種である西太平洋のセミクジラ及びシロナガスクジラに関する情報
・資源情報が不足しているその他の鯨類資源について資源量と系群構造に関する情報

(注4)DNA等を解析するため、鯨の表皮の一部を採取するもの。
(注5)外見上の特徴(色、ひれの形状、傷跡等)により、鯨の個体識別ができるようにするため、発見された鯨を撮影するもの。

8.調査結果

・イワシクジラについては、23群37頭を発見し、4頭からバイオプシーを採取、15頭分の自然標識を撮影しました。
・ナガスクジラについては、77群113頭を発見し、9頭からバイオプシーを採取、31頭分の自然標識を撮影しました。 
・ニタリクジラについては、20群22頭を発見し、2頭からバイオプシーを採取、13頭分の自然標識を撮影しました。
・シロナガスクジラについては、6群7頭を発見し、3頭からバイオプシーを採取、7頭分の自然標識を撮影しました。 
その他、イワシクジラ3頭、ナガスクジラ2頭に潜水行動を記録するための標識を装着しました。
  
今回の調査で得られたデータは、IWCと共有され、今後、詳細な分析を行った上でIWC科学委員会における資源量の推定などに役立てられます。

9.参考

令和3年7月29日付けプレスリリース「令和3年(2021年)IWC/日本共同「北太平洋鯨類目視調査」を実施します」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/210729.html

お問合せ先

資源管理部国際課捕鯨室

担当者:飯田、澤﨑
代表:03-3502-8111(内線6762)
ダイヤルイン:03-3501-2443