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水産庁

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1 東日本大震災からの復興

3章6節

(1)漁港

被災した漁港や海岸の早期復旧とともに、必要な機能を早期に確保するため、被災した拠点漁港等の流通・防災機能の強化、かさ上げ等の地盤沈下対策等を推進しました。

(2)漁場・資源

本格的な漁業の復興に向けて、専門業者が行うがれきの撤去や漁業者が操業中に回収したがれきの処理への支援を行うとともに、魚礁、藻場・干潟等の整備を推進しました。

(3)漁船

漁船・船団等の再建に当たっては、適切な資源管理と漁業経営の中長期的な安定の実現を図る観点から、震災前以上の収益性の確保を目指し、省エネルギー化及び事業コストの削減に資する漁船の導入等による収益性の高い操業体制への転換を図るために必要な経費を支援するとともに、共同利用漁船等の復旧について支援しました。

また、迅速かつ効率的な漁業の再建を実現すべく、省エネルギー性能に優れた漁業用機器の導入について支援しました。

(4)養殖・栽培漁業

養殖業の復興に当たり、被災地域が我が国の養殖生産の主要な拠点であることを踏まえ、他地域のモデルとなる養殖生産地域の構築を推進しました。

また、被災した養殖施設の整備、被災海域における放流種苗の確保、震災によるサケの来遊数減少に対応した採卵用サケ親魚の確保等について支援しました。

(5)水産加工・水産流通

1) 被災した漁港の機能の回復を図るための施設等の整備について支援するとともに、荷さばき施設等の共同利用施設について、規模の適正化や高度化等を図るための支援を行いました。

2) 水産物の生産・流通拠点となる漁港の産地市場について、品質・衛生管理の向上等による流通機能の強化・高度化を推進しました。

3) 漁業者・漁業者団体が自ら取り組む6次産業化や、漁業者が水産加工・流通業者等と連携して行う農商工連携等の取組について支援しました。

4) 水産加工業の復興に向け、販路回復のための個別指導、セミナー及び商談会の開催や、省力化や新商品開発等によって、販路回復を図るために必要な加工機器の整備等を支援しました。

(6)漁業経営

1) 被災地域における次世代の担い手の定着・確保を推進するため、漁ろう技術の向上のための研修等、漁業への新規就業に対する支援を行いました。

2) 共同利用漁船・共同利用施設の新規導入を契機とする協業化や加工・流通業との連携等を促進しました。また、省エネルギー化、事業コストの削減、協業化等の取組の実証成果を踏まえて漁船・船団の合理化を促進しました。

3) 被災した漁業者、水産加工業者、漁協等を対象とした災害復旧・復興関係資金について、実質無利子化、実質無担保・無保証人化等に必要な経費について助成しました。

4)「東日本大震災復興特別区域法」(平成23(2011)年法律第122号)第14条の規定に基づき、「漁業法」の特例措置を適切に運用しました。

(7)漁業協同組合

漁協系統組織が、引き続き地域の漁業を支える役割を果たせるよう、被害を受けた漁協等を対象として、経営再建のために借り入れる資金について負担軽減のための利子助成を実施しました。

(8)漁村

地方公共団体による土地利用の方針等を踏まえ、災害に強い漁村づくりを推進しました。具体的には、海岸保全施設や避難施設の整備、漁港や漁村における地震や津波による災害の未然防止及びその被害の拡大防止並びに被災時の応急対策を図る際に必要となる施設整備の推進や、東日本大震災を踏まえて平成24(2012)年4月に改訂を行った「災害に強い漁業地域づくりガイドライン」等の普及・啓発を図り、漁村の様態や復興状況に応じた最善の防災力の確保を促進しました。

(9)原発事故の影響の克服

3章6節(2)

ア 安全な水産物の供給と操業再開に向けた支援

1) 安全な水産物を供給していくため、関係府省庁、関係都道県及び関係団体と連携して、東京電力福島第一原子力発電所(以下「東電福島第一原発」という。)周辺海域において水揚げされた水産物の放射性物質濃度調査を引き続き実施するとともに、現在操業が自粛されている海域においても、水産物について放射性物質濃度の測定調査を集中的に実施しました。

また、水産物への放射性物質の移行過程等生態系における挙動を明らかにするための科学的な調査等を実施するとともに、原子力事故災害に由来する放射性物質に関連する研究や水産業の復興に資する研究を行うため、福島県が設置する研究施設等の整備を支援しました。

2) 放射性物質濃度調査結果等に基づき、関係府省庁、関係都道県や関係団体と十分に検討を行い、必要に応じて操業の自粛や出荷制限の設定・解除の調整を行いました。

3) 操業の再開に向けて、漁業者や養殖業者の経営の合理化や再建を支援するとともに、専門業者が行うがれきの撤去、漁業者が操業中に回収したがれきの処理への支援を行いました。

イ 風評被害の払拭

1) 国内外で生じている水産物の安全性に係る風評被害の払拭が水産業復興に当たっての重要な課題であることから、水産物の放射性物質に関する調査結果及びQ&Aについては、引き続き水産庁webサイト等に掲載することにより、正確かつ迅速な情報提供に努めました。

また、被災地産水産物の安全性をPRするためのセミナー等の開催を支援するとともに、東京都、埼玉県及び宮城県の小売店舗における福島県産水産物の常設販売と専門の販売スタッフによる安全安心と美味しさをPRする取組を支援しました。

2) 東電福島第一原発事故により漁業者等が受けた被害については、東京電力ホールディングス株式会社から適切かつ速やかな賠償が行われるよう、引き続き関係府省庁、関係都道府県、関係団体、東京電力ホールディングス株式会社等との連絡を密にし、必要な情報提供や働きかけを実施しました。

ウ 原発事故による諸外国・地域の輸入規制の撤廃・緩和

日本産農林水産物・食品に対する輸入規制を実施している諸外国・地域に対して、輸入規制の撤廃・緩和に向けた働きかけを継続して実施するとともに、相手国・地域が求める産地証明書等を円滑に発行しました。

お問合せ先

漁政部企画課

    

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX:03-3501-5097