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(1)世界の漁業・養殖業生産

ア 世界の漁業・養殖業生産量の推移

(世界の漁業・養殖業生産量は2億1,209万トン)

世界の漁業・養殖業を合わせた生産量は増加し続けています。平成30(2018)年の漁業・養殖業生産量は前年より3%増加して2億1,209万トンとなりました(図3-1)。このうち漁船漁業生産量は、1980年代後半以降は横ばい傾向となっている一方、養殖業生産量は急激に伸びています。

図3-1 世界の漁業・養殖業生産量の推移

図3-1 世界の漁業・養殖業生産量の推移

漁船漁業生産量を主要漁業国・地域別に見ると、EU、米国、我が国等の先進国・地域の漁獲量は、過去20年ほどの間、おおむね横ばいから減少傾向で推移してきているのに対し、中国、インドネシア、ベトナムといったアジアの新興国を始めとする開発途上国による漁獲量の増大が続いており、中国が1,483万トンと世界の15%を占めています(図3-2)。

また、魚種別に見ると、ニシン・イワシ類が1,982万トンと最も多く、全体の20%を占めていますが、多獲性浮魚類は環境変動により資源水準が大幅な変動を繰り返すことから、ニシン・イワシ類の漁獲量も増減を繰り返しています。タラ類は、1980年代後半以降から減少傾向が続いていましたが、2000年代後半以降から増加傾向に転じています。マグロ・カツオ・カジキ類及びエビ類は、長期的に見ると増加傾向で推移しています。

図3-2 世界の漁船漁業の国別及び魚種別漁獲量の推移

図3-2 世界の漁船漁業の国別及び魚種別漁獲量の推移

一方、養殖業生産量を国別に見ると、中国及びインドネシアの増加が顕著であり、中国が6,614万トンと世界の58%、インドネシアが1,477万トンと世界の13%を占めています(図3-3)。

また、魚種別に見ると、コイ・フナ類が2,922万トンと最も多く、全体の26%を占め、次いで紅藻類が1,759万トン、褐藻類が1,484万トンとなっており、近年、これらの種の増加が顕著となっています。

図3-3 世界の養殖業の国別及び魚種別生産量の推移

図3-3 世界の養殖業の国別及び魚種別生産量の推移

イ 世界の水産資源の状況

(生物学的に持続可能なレベルにある資源は67%)

国際連合食糧農業機関(FAO)は、世界中の資源評価の結果に基づき、世界の海洋水産資源の状況をまとめています。これによれば、持続可能なレベルで漁獲されている状態の資源の割合は、漸減傾向にあります(図3-4)。昭和49(1974)年には90%の水産資源が適正レベル又はそれ以下のレベルで利用されていましたが、平成27(2015)年にはその割合は67%まで下がってきています。これにより、過剰に漁獲されている状態の資源の割合は、10%から33%まで増加しています。また、世界の資源のうち、適正レベルの上限まで漁獲されている状態の資源は60%、適正レベルまで漁獲されておらず生産量を増大させる余地のある資源は7%に留まっています。

図3-4 世界の資源状況

図3-4 世界の資源状況

ウ 世界の漁業生産構造

(世界の漁業・養殖業従事者は約6千万人)

FAOによれば、平成28(2016)年には、世界の漁業・養殖業の従事者は約6千万人でした。このうち、3分の2に当たる約4千万人が漁船漁業の従事者、約1,900万人が養殖業の従事者です(図3-5)。過去、漁業・養殖業従事者は増加してきましたが、近年は横ばい傾向で推移しています。

図3-5 世界の漁業・養殖業従事者数の推移

図3-5 世界の漁業・養殖業従事者数の推移

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担当者:動向分析班
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