(4)水産物貿易をめぐる国際情勢
ア WTOに関する動き
〈漁業補助金協定を追加するWTO協定改正議定書が採択〉
平成13(2001)年に開始された世界貿易機関(WTO)のルール交渉会合においては、漁業補助金の多数国間での適切な規制により海洋生物資源の持続可能な利用に貢献することを目的として、各国の漁業補助金に関するWTO協定の規律を策定するための議論が行われてきました。平成27(2015)年、SDGsが採択されたことを受け、議論が活発化しました。
その結果、令和4(2022)年6月に開催された第12回WTO閣僚会議において、IUU漁業*1につながる補助金の禁止、濫獲された資源の枯渇を助長する補助金の原則禁止等を内容とする漁業補助金協定を追加するWTO協定改正議定書が採択されました。同協定は、WTO加盟国の3分の2が締結した時に発効します*2。なお、同協定に盛り込まれなかった過剰な漁獲能力につながる補助金の禁止等については、引き続き議論が継続されることとなりました。
- Illegal, Unreported and Unregulated:違法・無報告・無規制。FAOは、無許可操業(Illegal)、無報告又は虚偽報告された操業(Unreported)、無国籍の漁船、地域漁業管理機関の非加盟国の漁船による違反操業(Unregulated)等、各国の国内法や国際的な操業ルールに従わない無秩序な漁業活動をIUU漁業としている。
- 令和5(2023)年6月9日に我が国国会で承認。
イ 経済連携協定に関する動き
〈CPTPPへの英国加入議定書に署名〉
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への英国の加入手続について、CPTPP参加国及び英国の間での協議が進められ、令和5(2023)年7月にCPTPPへの英国加入議定書の署名が行われました。日本側の関税に関する措置については、現行のCPTPPの範囲内で合意しました。
我が国においては、同年12月に、同議定書の効力発生のための国内手続が完了しました。
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