水産庁公式ブログ「アワビのステーキ食べてみたいよね」2023年10月

【10月31日 漁業取締船「ながと」を取材してきました!】
10月13日(金曜日)、水産庁の漁業取締船「ながと」乗組員と取締航海に関する意見交換を行いました。
また、この機会を利用して取材も行ってきました。
取材当日は見事な快晴で、「ながと」の白い船体がとても綺麗ですね。
停泊中の「ながと」
それでは「ながと」の船長にお聞きした内容を紹介します。
Q.「ながと」の乗組員の方々はどのような方が多いのでしょうか?
A.水産系の学校の出身者が多いと思われがちですが、実はそうでもありません。意外に思われるかもしれませんが、法律学や経済学等の一般大学の出身者が多く乗船しています。
「ながと」の設備・装備類(写真左上から時計回りに無線室、取締艇、クレーン類、放水銃)
Q.「ながと」に女性乗組員はいますか?
A.1名います。このため、船内の浴室やトイレは男女別となっています。また、男性乗組員に船内で裸のまま歩かないように注意するよう呼び掛けています。
Q.職場と生活の場が同じ中で、乗組員の気持ちの切り替え方は?
A.船室は全て個室のため、プライバシーが保てるようになっています。また、下船後は基本的に自由行動としており、乗組員はオン・オフを切り替えていると思います。加えて船内にストレッチ用の器具を設置していますので、皆さんにはこれを使ってリフレッシュしてほしいとも思います。でも、全然使っていませんが・・・。
「ながと」の個室の様子(写真は監督官室)
Q.船長が漁業取締活動で注意していることは何でしょうか?
A.乗組員に怪我が無いように細心の注意を払っています。洋上で違法設置漁具の押収を行っている最中は、特に注意しています。また、最近は漁船乗りからの転職者が少なくなってきているので、この点についても注意を払っています。航海中に怪我人を出したら失敗だと思っています。
Q.最後に今まで漁業取締活動を行ってきた中で大きな出来事は何ですか?
A.10年以上前の話になりますが、小笠原海域にて用船(※)だけで外国漁船の拿捕を初めて行ったことです。その時は、同じく用船である取締船「たつまい」と共同で拿捕を行いました。
急なお願いにもかかわらず取材を受けてくださり、誠にありがとうございました。乗組員の皆様、くれぐれもご安全に!
航行中の「ながと」
~番外編「ながと」の船内食~
恒例となりつつある取締船の船内食のコーナーがやって参りました。
Q.船内ではどのような食事が出ますか?
A.和洋中バラエティに富んだ食事が提供されております。また、入港日の前日はカレーライスとなっています。
以前に取材した「天神」に続き、「ながと」も入港日の前日はカレーライスなのですね。写真が無いのがちょっと残念ですが、きっと美味しいでしょうね。
~漁業取締船豆知識~
※用船:水産庁が民間船を民間乗組員付きで借り上げている船舶を用船といいます。用船には漁業監督官(水産庁職員:1から2人)が乗船しており、用船乗組員は漁業監督官による取締りに関する法執行を支援しています。
※官船:全乗組員が漁業監督官です。
【10月30日 漁業取締船「洸星」を取材してきました!(前編)】
10月13日(金曜日)、水産庁の漁業取締船「洸星(こうせい)」へインドネシア国海洋水産省海洋漁業監視局の視察が行われました。
今回、この機会を利用して船長へ取材を行うことができましたので、ご紹介します。
停泊中の「洸星」
Q.「洸星」はどのような船ですか?
A.船体は1,247トンの大型船で安定性が高く、最新の取締設備を搭載した船舶です。又、ディーゼルエンジンのトラブル等で航行不能になっても電気の力で航行出来る「電動推進機」を備えています。乗組員は経験豊富で、明るく元気な若手船員が多く乗船しています。
機関部のメンテナンスの様子
Q.乗組員はどのような方が多いのでしょうか?
A.乗組員23名中、水産系学校卒業者14名・漁船員経験者4名・普通高校卒業者5名で、水産関係者が多いです。
Q.女性乗組員はいますか?
A.残念ながら女性乗組員はいませんが、女性の外国語通訳さんは乗船します。その際は、女性専用トイレを使用してもらいます。また、普段は開けてある男性トイレの出入口ドアを閉めます。さらに、乗組員が入浴のため通路を移動する際に、パンツ1枚(裸)での移動は禁止にしています。
Q.船室は個室でしょうか?
A.全室個室です。乗組員用25室、監督官・通訳用5室の30室あります。その内1室は女性専用で寝室と浴室がつながっている部屋です。
Q.勤務は交代制ですか?
A.3当直制の交代勤務です。
Q.船内生活で気をつけていることはありますか?
A.船内美化の為に毎日行う船内清掃や挨拶、各自の体調管理等に気を付けています。
Q.職場と生活の場が同じ中で、気持ちの切り替え方は?
A.各部屋に備え付けのテレビ、DVD鑑賞、読書、ゲーム、ギター、模型作り、健康器具による体力作り等、個人の趣味でリフレッシュしています。
(後編へ続きます)
【10月30日 漁業取締船「洸星」を取材してきました!(後編)】
Q.船内に福利厚生施設(トレーニングルーム、卓球台など)はありますか?
A.専用のトレーニングルームはありませんが、船内が広いので空いている倉庫を利用してエアロバイク、ウォーキングマシン、腹筋マシン(ワンダーコア)、足踏みステッパー等の健康器具を使える様にしています。
Q.船長がこれまで乗船した取締船で印象に残っている船は?
A.自分は「洸星丸」(※)と「洸星」にしか乗船していないのですが、今の「洸星」が一番だと思っています。
※「洸星丸」:平成29年に退役した漁業取締船。現「洸星」の先代の船にあたり、同じ民間会社が所有する船舶。どちらの船舶も「用船」である。
Q.漁業取締りに対する船長のモットーは?
A.日本漁船の安全操業を確保すること、外国漁船の違法操業を許さないため不審船の早期発見に努めること、規制ラインの巡視及び警戒監視の徹底等です。
Q.船長が取締活動中に気を遣っていることはありますか?
A.船体及び乗組員の安全第一を最優先に考え、効果的な取締行動することです。
Q.今まで取締活動を行ってきた中で一番大きな出来事は何ですが?
A.令和元年に北朝鮮の木造いか釣り漁船が違法操業のために日本側のEEZに侵入してきた際、レーダーレンジ(※)半径12海里のレーダー画面の中に280隻以上の船が写っており、その船に対し数日間、日の出から真夜中まで退去警告を実施したことが一番大きな出来事だったと考えています。
※レーダーレンジ:レーダーの届く範囲のこと。
Q.最後に漁業取締船に乗っていてよかったなと思うことは何ですか?
A.商船や漁船に比べると規律は厳しいですが、日本各地の港に入港できて余暇があるときは観光もできます。1年を通して決められた休みが取れるので予定を立てやすいです。
「洸星」の船長さん、大変お忙しい中、本取材を受けてくださり、誠にありがとうございました。乗組員の皆様、ご安全な航海を!
~番外編「洸星」の船内食~
今回、「洸星」の厨房室の様子も取材してきましたよ。
「洸星」の厨房室の様子
Q.船内ではどのような食事が出ますか?
A.「洸星」では毎日、和洋中のバラエティ豊富で美味しい食事が提供されており、乗船する漁業監督官からも大変評判がいいです。また入港日の前日の昼食はラーメン、入港日の昼はカレーやカレーうどん、もしくはハヤシライスとなっています。
何と!「洸星」では入港日の前日はラーメンで、カレーは入港日の前日ではなく当日に出るのですね。
船ごとに違いがある、取締船の船内食はとても奥が深いです・・・。
~漁業取締船豆知識~
※用船:水産庁が民間船を民間乗組員付きで借り上げている船舶を用船といいます。用船には漁業監督官(水産庁職員:1から2人)が乗船しており、用船乗組員は漁業監督官による取締りに関する法執行を支援しています。
※官船:全乗組員が漁業監督官です。
【10月25日 インドネシア国海洋水産省の8名が、水産庁漁業取締船「洸星」を視察】
インドネシア国海洋水産省海洋漁業監視局の8名が、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策」に関する研修の一環として、10月13日に水産庁漁業取締船「洸星」(1,200トン級)を視察しました。
視察当日は出港前日で、「洸星」乗組員が随所に配置された状態で、臨場感のある視察になりました。
漁業取締船「洸星」の前で写真撮影
乗船前に漁業取締課職員より取締りについての説明を行いました。
インドネシア語通訳を通じて、説明を熱心に聞いていました。
天候にも恵まれ、雲がない青空で、白い漁業取締船が映えますね!!
船内の説明は「洸星」船長が丁寧に行い、インドネシア国研修生から多くの質問があり、予定時間を大幅に超えてしまいました…。
「洸星」の船長他乗組員は翌日の出港に備え各種準備が必要なことから、質問途中はありましたが、船内研修を切り上げざるを得ませんでした。
同研修生にとって有意義な視察であったのではないかと思います。
なお、質問できなかったものは後日改めて質問頂ければ回答する旨研修生にお伝えし、ご理解いただきました。
船橋での説明を熱心に聞く様子
熱心に質問する様子
漁業取締船「洸星」船長はじめ乗組員の皆様、出港前お忙しいところ、ご対応・ご協力ありがとうございました!
(取締船好きな皆様へ、オモテ(前方)からの全景写真がなくてすみません…汗)
お問合せ先
漁政部漁政課広報班
代表:03-3502-8111(内線6505)
ダイヤルイン:03-3502-7987