このページの本文へ移動

水産庁

メニュー

プレスリリース

国際原子力機関(IAEA)の枠組みの下で実施する水産物試料採取について

  • 印刷
令和7年8月28日
水産庁

国際原子力機関(IAEA)は、2025年9月10日(水曜日)及び12日(金曜日)に、福島県沖水産物の試料採取、前処理や分析の状況確認を行います。
今回は、IAEAの海洋環境研究所、同位体水文学研究所に加え、更なる信頼性や透明性の確保を行うため、IAEAから指名された韓国、スイス、フランス、中国、ニュージーランド及びロシアの分析機関が参加します。

1.概要

国際原子力機関(IAEA)では、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)事故後における我が国の海域モニタリングデータの信頼性、透明性の確保について日本政府を支援するため、日本政府の要請に基づき、分析機関間比較(ILC:Interlaboratory Comparison。注1。)を実施するとともに国際社会に対して更に透明性の高い情報提供を行っていくため、追加的モニタリングを実施しています。

(注1)ILC:Interlaboratory Comparison
放射性物質を分析する機関が、試料の採取から分析までの過程において同一の試料を用いて放射能の測定及び分析結果の比較を行い、放射能測定方法の適切さを確認するもの。

(1)福島第一原発事故に係る海域モニタリングを対象としたILC
2014年9月から実施しています。本ILCは、福島第一原発の廃炉について、2014年2月にIAEAがとりまとめた報告書(注2)に記載された海洋モニタリングに関する助言のフォローアップとして開始されたプロジェクトの一環です。本ILCでは、福島第一原発周辺の海洋試料をIAEAと共同で採取、分割し、IAEA及び日本の各分析機関が個別に分析を行い、IAEAが分析結果の比較評価を行っており、水産庁は、2015年11月から水産物の試料採取等を担当しています。
具体的には、我が国とIAEAが共同で福島県産水産物を入手し、IAEAが我が国の分析機関による前処理から分析までの状況を確認した後に、同じ試料を参加各国の分析機関がそれぞれ分析し、その結果をIAEAが比較評価するものです。

(注2)IAEA INTERNATIONAL PEER REVIEW MISSION ON MID-AND-LONG-TERM ROADMAP TOWARDS THE DECOMMISSIONING OF TEPCO’S FUKUSHIMA DAIICHI NUCLEAR POWER STATION UNITS 1-4 (Second Mission) 

(2)ALPS処理水に係る海域モニタリングを対象としたILC
2022年11月から、ALPS処理水に係るトリチウム等の分析結果を放射性セシウムの分析結果と同様の手法で比較評価することとなっています。

(3)IAEA及び各国分析機関の専門家による追加的モニタリング
2024年9月に我が国とIAEA の間で、IAEA の枠組みの下での従来のモニタリングを拡充することで一致(注3)したことを受け実施するものです。水産庁は2025年2月に行われた追加的モニタリングに続き(注4)、水産物の試料採取等を担当します。IAEAに加え、各国分析機関の専門家も、水揚げされた水産物試料の選定を行います。

これら事業の結果は(1)で過去8回、(2)で過去2回報告されており、直近の2023年度実施分の報告書(注5)においても、それ以前の報告と同様に、「引き続き、放射能の分析に参加した日本の分析機関の試料採取方法は適切であり、かつ、ILCの結果から、参加した日本の分析機関が高い正確性と能力を有している」とされています。

(注3)令和6年9月20日付 外務省報道発表
岸田総理大臣とグロッシー国際原子力機関事務局長との電話会談(外部リンク:外務省ホームページ)

(注4)令和7年2月21日付 外務省報道発表
ALPS処理水の海洋放出に関する国際原子力機関の枠組みの下での追加的モニタリングの実施(結果)(外部リンク:外務省ホームページ)

(注5)2023年度実施分の報告書

(1)の報告書Interlaboratory comparison 2023 Determination of radionuclides in seawater, sediment and fish(PDF : 720KB)
(2)の報告書IAEA Review of Safety Related Aspects of Handling ALPS Treated Water at TEPCO’s Fukushima Daiichi Nuclear Power Station(PDF : 1,684KB)

2.日程

2025年9月10日(水曜日)及び12日(金曜日)

3.実施体制について

上記1.(1)のILC
【実施者】IAEA(海洋環境研究所)、第三国研究機関(韓国、スイス、フランス)及び我が国の分析機関(公益財団法人海洋生物環境研究所ほか5機関)
【試料採取及び分析に供する水産物】福島県で漁獲される水産物のうち、6種程度を予定

上記1.(2)のILC
【実施者】IAEA(海洋環境研究所、同位体水文学研究所)、第三国研究機関(韓国、スイス、フランス)及び我が国の分析機関(公益財団法人海洋生物環境研究所ほか5機関)
【試料採取及び分析に供する水産物】(1)のILCと同様

上記1.(3)の追加的モニタリング
【実施者】IAEA(海洋環境研究所)、第三国研究機関(韓国、スイス、中国、ニュージーランド、ロシア)及び我が国の分析機関(公益財団法人海洋生物環境研究所)
【試料採取及び分析に供する水産物】福島県で漁獲される水産物のうち、1種程度を予定

4.報道機関の皆様へ

現地での取材を希望される方は、事前登録が必要です。事前登録に当たっては、9月9日(火曜日)15時までに次の現地取材申込フォームへご登録願います。
ご登録いただいた方に、集合時間等の御案内をメールでお送りします。
https://www.contactus.maff.go.jp/jfa/form/kenkyu/ILC2025_syuzaitouroku.html

取材可能な日程は次のとおりです。

  • 水産物の採取
    日時:9月10日(水曜日)8時メド(予定)
    場所:福島県いわき市
  • 水産物の前処理及び分析の状況確認
    日時:9月12日(金曜日)9時メド(予定)
    場所:千葉県夷隅郡御宿町

    天候等により、予定が変更されることがあります。
    現地での取材に当たっては、現地担当者の指示に従ってください。
    IAEA及び韓国、スイス、フランス、中国、ニュージーランド、ロシアの分析機関の専門家への取材はできませんので、あらかじめ御了承ください。

お問合せ先

増殖推進部研究指導課

担当者:中山、帰山、髙野、野村
代表:03-3502-8111(内線6782)
ダイヤルイン:03-6744-2030