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水産業・漁村地域の活性化を目指して ―令和元(2019)年度農林水産祭受賞者事例紹介―

天皇杯受賞(水産部門)

技術・ほ場(資源管理・資源増殖)
宮城県漁業協同組合志津川しづかわ支所戸倉とくら出張所カキ部会(会長:後藤 清広ごとう きよひろ氏)

宮城県南三陸みなみさんりく町は、県北東部に位置し、眼前に広がる志津川湾では、カキやワカメ、ギンザケなどの養殖業や採介藻漁業などが盛んに行われています。昭和30(1955)年に発足した宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉出張所カキ部会では、カキの養殖生産技術の向上や品質の改善、販売促進などの方策が活発に話し合われてきました。東日本大震災の後には、震災以前に過密状態であったカキの養殖体制から脱却するため、同部会で年間100回にも及ぶ話合いを重ね、養殖施設(いかだ)の間隔を広くし、台数を削減することを決めました。その結果、養殖期間の劇的な短縮と品質の向上につながり、1経営体当たりの年間の生産量及び生産金額が向上しました。また、台数削減によって、経費の低減及び労働時間の短縮が図られ、養殖カキのより丁寧な管理が可能となり、都市部に移住していた子弟がUターンしてくるなど、後継者の確保にもつながりました。

さらに、養殖の水産エコラベルであるASC認証の取得に向けてチャレンジし、環境負荷の低下や持続可能な養殖業の姿を明確に示すことにより、平成28(2016)年に日本で初めて認証されました。

養殖施設数の削減という減収にもなり得る経営上のリスクを乗り越え、経営改善と後継者確保につなげた成果は、これからの持続可能な養殖業の姿を指し示す羅針盤になり得るものであり、同様の困難な状況にある地域に多くの示唆をもたらすモデルとなることが期待されます。

宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉出張所カキ部会の写真

内閣総理大臣賞受賞(水産部門)

産物(水産加工品)
日本遠洋旋網まきあみ漁業協同組合(代表理事組合長:加藤 久雄かとう ひさお氏)

長崎県北松浦きたまつうら半島の北東部に位置する松浦市は、北は玄界灘げんかいなだから伊万里いまり湾に面し、東は佐賀県伊万里市に接している製造業と水産業が盛んな町です。伊万里湾の内海やその周辺海域、外海では、様々な漁業が行われており、四季を通じて多くの魚が水揚げされています。

昭和35(1960)年創業の日本遠洋旋網漁業協同組合は、60年の歳月をかけて、漁獲生産、製氷・冷凍工場、原料買付け、HACCP対応の水産加工場、販売体制の一貫したバリュ-チェ-ン構築に力を注いできました。平成24(2012)年に取得した水産加工場は、「新鮮な魚を新鮮なままに・・・消費者へ届けたい。」をモットーに衛生施設の充実・温度管理・検査体制の徹底を図り、消費者に安全・安心な商品を提供しています。

受賞品である「松浦港の海鮮丼ぶりセット」は、長崎県で水揚げされた「旬さば」、「天然あじ」、「天然ぶり」を醤油ベ-スの胡麻ダレに漬け込んだものです。全国有数の水揚量を誇るあじ・さば等をもっと手軽に食べてもらうために、誰でも簡単に調理でき、おいしい商品づくりを模索していたところ、古くは漁師の賄い飯から始まった「漬け丼」をヒントに昔ながらの味付けで製造しました。平成25(2013)年からは「胡麻さば」の本格生産に取り組み、平成26(2014)年には天然あじ、天然ぶりも同様のタレに漬け込んだ製品をセットで販売するギフト展開も始めました。

今後は、業務用の商品開発が期待されています。

日本遠洋旋網漁業協同組合1の写真
日本遠洋旋網漁業協同組合2の写真

日本農林漁業振興会会長賞(水産部門)

産物(水産加工品)
JF江崎えさきフレッシュかあちゃん(代表:兒玉こだまカズヱ 氏)

山口県はぎ市江崎地区は、島根県との県境に位置し、穏やかな天然の入り江が特徴的で、定置網漁業のほか、アマダイなどのはえ縄漁業が行われています。平成17(2005)年に設立されたJF江崎フレッシュかあちゃんは、地元水産物を使用した惣菜を製造し、地元の道の駅やスーパーで自ら販売を行っています。

受賞品である「江崎のかあちゃんたちが自信をもってお送りするふっくら・ジューシー無添加減塩ソフトひもの(レンコダイ)」は、アマダイのはえ縄漁業で混獲され、身は硬くパサパサしているため商品価値が低いレンコダイを加工し、ジューシーでふっくらした干物を造りたいという思いから開発された商品です。

原料のレンコダイは、地元の漁業者が漁獲した新鮮なものに限って使用しており、オゾン殺菌機能付き冷風乾燥機を使用することで、従来に比べて短時間でふっくらジューシーなソフト干物製造が可能となっています。

レンコダイだけでなく、定置網漁業の漁獲物で市場価値の低い未利用魚を原料とした、干物製造による付加価値向上を目指した製品開発も行っており、今後の活動に当たっては、女性部以外の地元の方々に参加してもらい、漁村地域全体の活性化につながることが期待されています。

JF江崎フレッシュかあちゃん1の写真
JF江崎フレッシュかあちゃん2の写真

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097