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(1)漁業・養殖業の国内生産の動向

 

特集第1節(1)

(漁業・養殖業生産量は増加、生産額は減少)

平成30(2018)年の我が国の漁業・養殖業生産量は、前年から12万トン(3%)増加し、442万トンとなりました(表2-1)。

このうち、海面漁業の漁獲量は、前年から10万トン増加し、336万トンでした。魚種別には、ホタテガイ、サンマ及びカツオ類が増加し、カタクチイワシ及びアジ類が減少しました。一方、海面養殖業の収獲量は100万トンで、前年から2万トン(2%)増加しました。これは、ホタテガイの収獲量が増加したこと等によります。

また、内水面漁業・養殖業の生産量は5万7千トンで、前年から5千トン(8%)減少しました。

平成30(2018)年の我が国の漁業・養殖業の生産額は、前年から482億円(3%)減少し、1兆5,579億円となりました。

このうち、海面漁業の生産額は、9,379億円で、前年から235億円(2%)減少しました。この要因としては、平成30(2018)年春以降、カツオ類においてアニサキスによる食中毒が発生し価格が大幅に低下したこと、スルメイカの漁獲量が5年連続で減少したこと等が影響したと考えられます。

海面養殖業の生産額は、5,060億円で、前年から191億円(4%)減少しました。この要因としては、前年に引き続きクロマグロやギンザケの生産が拡大しているものの、ノリ類において海水温の上昇から収獲量が減少するとともに、色落ちの発生による品質低下も見られたこと等が影響したためです。

内水面漁業・養殖業の生産額は、1,141億円で、前年から56億円(5%)の減少となりました。

表2-1 平成30(2018)年の漁業・養殖業の生産量・生産額

表2-1 平成30(2018)年の漁業・養殖業の生産量
表2-1 平成30(2018)年の漁業・養殖業の生産額

コラムサケ、サンマ、スルメイカの不漁

一般に、特定の魚種の漁獲が減少すると、その魚種の資源状況への関心も高まります。しかしながら、不漁が発生したとしても、資源状況の悪化のみが原因というわけではなく、海水温や海流等の海洋環境の変化、外国漁船による漁獲の影響を含む様々な要因が考えられます。

令和元(2019)年には、サケは約5.5万トン、サンマは約4.1万トン、スルメイカは約3.3万トン(水産庁調べ)と、いずれも漁獲量は過去最低レベルとなりました。サケについては、稚魚が海に降る時期に、生き残りに適した水温の期間が短かったことが原因との指摘がなされています。サンマについては、仔稚魚の生き残りの悪化により資源量が減少したことや、我が国沿岸の水温が高く漁場が沖合に形成されたことが、スルメイカについては、産卵海域である東シナ海の水温が産卵や生育に適さなかったことが、それぞれの主な不漁の原因と考えられ、さらに、両魚種とも外国漁船による漁獲が影響した可能性もあります。

漁獲の変化の原因を解明するためには、複数年にわたる様々なデータに基づき、資源状況や海洋環境の変化等の要因を科学的に分析する必要があることから、これらのデータを継続的に収集する体制を構築していくことが極めて重要です。

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097