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水産庁

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はじめに

四面を海で囲まれている我が国では、古くから水産物は毎日の食卓に並ぶ日常食として広く国民に消費され、また、たんぱく質をはじめとする様々な栄養素の供給源として国民の健康的な生活を支えてきました。近年、国内の水産物消費量は減少傾向にあるものの、現在も我が国は世界有数の水産物消費大国です。

世界に目を転じると、継続的な人口増加に加え、新興国を中心に魚介類の消費量は増加傾向にあり、今後も世界的な水産物需要は高まることが見込まれます。水産物の生産の増大には、資源量が減少傾向にある魚種も少なくないこと等一定の制約があり、世界的に需給が逼迫ひっぱくすることも懸念され、多くの水産物を輸入している我が国にとって、将来にわたりいかに必要な水産物を確保し、食料の安定供給を図っていくかが重要な課題となっています。

食料の安定供給の確保を図るためには、国内生産を維持・発展させることが基本です。我が国水産業は、主要魚種の不漁、漁業者の減少、気候変動による海洋環境の変化等多くの課題に直面していますが、これらに対応し、水産業の成長産業化を図るため、新たな水産基本計画に沿って、科学的知見に基づく新たな資源管理の実施、新規就業者等担い手の就業・定着促進、海業うみぎょうの推進等漁村の活性化に向けた取組を進めているところです。

一方、このような中、ロシアによるウクライナ侵略が令和4(2022)年2月に勃発し、輸入水産物の価格や漁業生産資材である燃油、配合飼料等の価格が高騰するなど我が国の水産業に大きな影響が生じるとともに、水産物の安定供給の観点から食料安全保障の重要性が再認識されました。

このような情勢を踏まえ、本書では、「我が国の水産業における食料安全保障」を特集のテーマとして、ロシア・ウクライナ情勢下での我が国の水産業の状況や水産物の食料安全保障に向けた新たな動きを記述しています。

特集に続いては、「我が国の水産物の需給・消費をめぐる動き」、「我が国の水産業をめぐる動き」、「水産資源及び漁場環境をめぐる動き」、「水産業をめぐる国際情勢」、「安全で活力ある漁村づくり」、「東日本大震災からの復興」の章を設けています。

本書を通じて、水産業についての国民の関心がより高まるとともに、我が国の水産業への理解が一層深まることとなれば幸いです。

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344