(1)水産物需給の動向
ア 我が国の魚介類の需給構造
〈国内消費仕向量は664万t〉
令和3(2021)年度の我が国における魚介類の国内消費仕向量*1は、664万t(原魚換算ベース、概算値)となり、そのうち517万t(78%)が食用国内消費仕向量、148万t(22%)が非食用(飼肥料用)国内消費仕向量となっています。国内消費仕向量を平成23(2011)年度と比べると、国内生産量が56万t(13%)、輸入量が83万t(19%)減少し、輸出量が30万t(56%)増加したことから、需給の規模は161万t(19%)縮小しています(図表1-1)。
図表1-1 我が国の魚介類の生産・消費構造の変化

イ 食用魚介類の自給率の動向
〈食用魚介類の自給率は59%〉
我が国の食用魚介類の自給率*2は、昭和39(1964)年度の113%をピークに低下傾向で推移し、平成12(2000)~14(2002)年度の3年連続で最も低い53%となりました。その後は、微増から横ばい傾向で推移し、令和3(2021)年度における我が国の食用魚介類の自給率(概算値)は、前年度から2ポイント上昇して59%となりました(図表1-2)。これは、輸出量が増加し、自給率の分母となる国内消費仕向量が減少したためです。
食用魚介類の自給率は、近年横ばい傾向にありますが、自給率は国内消費仕向量に占める国内生産量の割合であるため、国内生産量が減少しても、国内消費仕向量がそれ以上に減少すれば上昇します。このため、自給率の増減を考える場合には、その数値だけでなく、算定の根拠となっている国内生産量や国内消費仕向量にも目を向けることが重要です。
- 国内消費仕向量=国内生産量+輸入量-輸出量±在庫の増減量。
- 自給率(%)=(国内生産量÷国内消費仕向量)×100。
図表1-2 食用魚介類の自給率の推移
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