このページの本文へ移動

水産庁

メニュー

クロマグロ遊漁への規制措置に関するQ&A

Q1:なぜ遊漁でのクロマグロ採捕を規制する必要があるのか?

(答)
  クロマグロについては、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)で決定した国際的な資源管理措置(2002-04年平均漁獲量より小型魚は半減、大型魚は増加させない)に基づき、漁業者に対し厳格な数量管理を実施しています。このため、遊漁者についても、漁業者の取組に準じた協力をこれまでも求めてきましたが、資源管理の実効性を確保するため、遊漁についても一定の管理を行う必要性が生じてきたことから、令和3年6月から、広域漁業調整委員会指示による規制が導入されました。


Q2:昨年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)の規制との違いは?

(答)今回変わった内容は、以下の3つです。
(ア)時期別の数量の内約
(イ)報告期限(5日以内から3日以内へ)
(ウ)委員会指示の違反者への対応
委員会指示の違反者に対して、これまでは1回目の違反に対しては委員会会長名の文書を発出し、2回目の違反で農林水産大臣が指示に従うよう命令(裏付け命令)を行い、命令に従わなかった場合は、罰則(1年以下の懲役、50万円以下の罰金等)が適用されることになっていました。本委員会指示による規制については3年が経過し、一定の周知・定着が図られていること、より厳格なクロマグロ管理を行っていく観点から、1回目の違反で、直ちに裏付け命令を行うこととしました(命令に従わなかった場合は、罰則がが適用)。

Q3:「採捕」とはどのような行為を指すのか?

(答)
 漁業関係法令における「採捕」とは、自然に生育する状態にある水産動植物を人の所持その他事実上の支配下に移す行為をいいます。その行為の結果として水産動植物を必ずしも所持する必要はありません。

Q4:キャッチ&リリースは認められるのか

(答)
小型魚(30kg未満)については、キャッチ&リリースを前提とした場合であっても遊漁は禁止の対象となります。大型魚(30kg以上)については、採捕可能な期間のキャッチ&リリースは問題はありませんが、採捕禁止期間中はキャッチ&リリースを前提とした場合であってもクロマグロを対象とした遊漁は禁止の対象となります。一方、他の魚種を対象とした遊漁において意図せずに釣れたクロマグロについては、直ちに海中にリリースすれば委員会指示の違反とはなりません。

Q5:意図せず釣れた際にクロマグロが死んだ場合でも、海中にリリースする必要があるのか?

(答)
釣れた時の状態に関わらず、直ちに海中にリリースしてください。

Q6:キャッチ&リリースした場合、報告する必要はあるのか?

(答)
委員会指示において、採捕したくろまぐろ(大型魚)の尾数及び重量を報告する必要がありますが、リリースした個体について報告義務はありません。くろまぐろを1尾保持した後に再度釣りあげた場合は速やかにリリースしなければなりませんが、これらの数量はクロマグロ遊漁の実態を把握する上で重要な情報になります。採捕報告用ウェブサイトでは、リリースした個体を含めて報告できる形式(採捕尾数○匹、内リリースした尾数○匹)になっており、可能な範囲で報告の協力をお願いします。

Q7:なぜ時期ごとに数量を管理するのか?具体例は?

(答)
クロマグロは回遊するため、日本国内の各地域で採捕できる時期が異なり、早期に採捕可能な数量に達し採捕禁止となった場合、地域的な不公平が生じることから、時期ごとに数量を管理することとなりました。
  例えば令和6年6月は7トンですが、月内に7トンに達するおそれがある場合、月末まで採捕禁止となり、7月1日から採捕可能となります。

Q8:船に秤がないが、体長100cm以上のクロマグロであれば採捕してもよいか?

(答)
体長100cm以上で30kg以上というのは平均的な数値であり、目安です。クロマグロの個体差により、100cm以上であっても30kg未満の場合があります。秤がないなど重量が判明せず、30kg未満のおそれがある場合は、リリースするようにしてください。

Q9:資源保護の観点からは、まき網漁業による産卵親魚の採捕を禁止すべきではないか?

(答)
 太平洋クロマグロについては、産卵親魚量と子供の加入量には明確な相関関係(親が多ければ子供が増える)が見られません。このため、国際的な科学機関であるISC(北太平洋まぐろ類国際科学小委員会)では、産卵期の漁獲を特別に区別せずに資源評価を実施し、これに基づくWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)の資源管理措置も産卵期の漁獲を区別していません。

Q10:今後はどのような取組を行っていく予定なのか?

(答)
遊漁に対する規制は、不特定多数の者が対象となることを踏まえ、試行的取組を段階的に進めていくことが妥当との考えから、令和3年6月より広域漁業調整委員会指示による規制が導入され、今般、令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間を有効期間とする新たな広域漁業調整委員会指示が発出されたところです。
  将来的には、広域漁業調整委員会指示による運用と周知を図った上で、実施状況を踏まえつつ、本格的な資源管理制度に移行していく予定です。