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水産庁

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(1)漁業就業者をめぐる動向

ア 漁業就業者の動向

我が国の漁業就業者数は一貫して減少傾向にあり、平成29(2017)年には前年から4%減少して15万3,490人となっています(図2-2-1)。漁業就業者の総数が減少する中で、平成21(2009)年以降全国の新規漁業就業者数はおおむね2千人程度で推移しています(図2-2-2)。新規漁業就業者のうち39歳以下が7割を占めていることもあり、就業者全体に占める39歳以下の漁業就業者の割合は、近年、横ばい傾向にあります。

図2-2-1 漁業就業者数の推移

図2-2-1 漁業就業者数の推移

図2-2-2 新規漁業就業者数の推移

図2-2-2 新規漁業就業者数の推移

漁業就業者数が減少する中、我が国の漁業者1人当たりの漁業生産量及び生産漁業所得はおおむね増加傾向で推移しています(図2-2-3)。個々の漁業者の経営にとって生産量及び生産漁業所得の増加は望ましいものですが、国産の良質な水産物を消費者に対して安定的に供給していくためには、資源を持続的に利用できる範囲内において、我が国の漁業全体として十分な生産量を確保していけるよう、漁業就業者の確保を図りながら、同時に生産性を向上させていくことが重要です。

図2-2-3 我が国の漁業・養殖業の生産性の推移

図2-2-3 我が国の漁業・養殖業の生産性の推移

コラム将来の漁業就業者の見通し

水産庁では、漁業就業者数の将来の見通しについて、いくつかの条件を固定した上で試算しています。

1)漁業センサスによる平成20(2008)年の就業者数と平成25(2013)年の各階層における就業者のこの5年間の変化率を用い、2)新規就業者数については将来にわたって同数と見込み、将来の漁業就業者を試算してみると、漁業就業者は一貫して減少しますが、10年後の2028年には約10万3千人、30年後の2048年には約7万3千人、50年後の2068年には約7万人となり、収束していくイメージとなっています。

図:将来の漁業就業者の見通し

イ 漁業における海技士不足問題

20トン未満の船舶で漁業を営む場合(主に沿岸漁業)には、一級小型船舶操縦士と第二級海上特殊無線技士等の資格をもっていれば足りますが、20トン以上の場合は、漁船の航行の安全性を確保するため、それぞれの漁船の総トン数等に応じて、船長、機関長、通信長等として乗り組むために必要な海技資格の種別や人数が定められています。

海技免許を取得するためには国土交通大臣が行う海技士国家試験に合格する必要がありますが、航海期間が長期にわたる遠洋漁業においては、乗組員がより上級の海技免許を取得する機会を得にくいという実態があります。また、就業に対する意識や進路等が多様化する中で、水産高校等の卒業生が必ずしも漁業に就業するわけではなく、これまで地縁や血縁等の縁故採用が主であったことと相まって、漁業における海技士の高齢化と不足が深刻化しています。

海技士の確保と育成は我が国の沖合・遠洋漁業の喫緊の課題であり、必要な人材を確保できず、操業を見合わせるようなことがないよう、関係団体等では、漁業就業相談会や水産高校等への積極的な働きかけを通じて乗組員を募るとともに、乗船時における海技免許の取得を目指した計画的研修の取組や免許取得費用の助成を行っています。

さらに、国では、平成30(2018)年度より、水産高校卒業生を対象とした新たな四級海技士養成のための履修コースを設置する取組について支援を行い、令和元(2019)年度に6か月間の乗船実習を含む新たな履修コースが水産大学校でスタートしました。これにより、従来、水産高校卒業生が四級海技士試験を受験するのに必要な卒業後1年9か月間の乗船履歴について短縮することが可能となり、水産高校卒業生の早期の海技士資格の取得が期待されます。

コラム海技士って?

大型船舶(20トン以上の船舶、24m以上のプレジャーボート)の所有者は、有効な海技免状(海技士の免許を証明するものであり、5年ごとの更新手続が必要)を有する海技士(船舶職員)を乗り込ませる義務があります。

その船舶職員とは、船長、航海士、機関長、機関士等です。

船舶職員に必要な免許の種類は、航行する区域や船の大きさ、機関の出力等によって分かれています。

海技士の免許を受けるためには、「海技士国家試験」に合格し、かつ、海技免許の区分に応じた「海技免許講習」の課程を修了することが必要となっています。海技士国家試験は、年4回各地方運輸局において行われており、受験するには、資格に応じた乗船履歴(例えば、四級では3年、水産高校生は卒業後に1年9か月)があることが必要です。この他に、海技士(通信)及び海技士(電子通信)の資格については無線従事者免許及び船舶局無線従事者証明書を有していることが必要です。

海技士国家試験は、筆記試験、身体検査及び口述試験がありますが、国土交通大臣の登録を受けた船舶職員養成施設の課程を修了した者は、その登録を受けた養成施設の種類に応じ、それぞれの試験において筆記試験が免除されます。多くの水産高校やいくつかの水産系大学も、船舶職員養成施設として国土交通大臣の登録を受けています。

水産業では、海技士が必要な遠洋漁業や沖合漁業の漁船の多くは、499トン以下のため、三級及び四級海技士の資格を有する者の配置が必要になります。

(海技士国家試験に関することの詳細については各地方運輸局までお問い合わせください。)

図1:海技免許の取得の流れ

図1:海技免許の取得の流れ

表1:漁船における船舶職員乗組み基準(甲板部・機関部)

表1:漁船における船舶職員乗組み基準(甲板部・機関部)

表2:漁船における船舶職員乗組み基準(無線部)

表2:漁船における船舶職員乗組み基準(無線部)

図2:航行区域概略図

図2:航行区域概略図