このページの本文へ移動

水産庁

メニュー

(4)水産政策の指針となる条約の締結及び法律の制定

 

(今日の海洋秩序の礎を成す「国連海洋法条約」を締結)

今日の国際的な海洋秩序の礎を成しているのは、昭和57(1982)年に採択され、平成6(1994)年に発効した「国連海洋法条約」です。我が国は、平成8(1996)年にこの条約を批准しました。「国連海洋法条約」は海の憲法とも呼ばれ、領海から公海、深海底に至る海洋のあらゆる領域における航行、海底資源開発、科学調査、漁業等の様々な人間活動について規定する、極めて包括的なものです。

漁業に関しても、「国連海洋法条約」が基本的なルールを提供しています。沿岸国はEEZ内の水産資源の探査、開発、保存及び管理について主権的権利を有しており、入手可能な最良の科学的証拠を考慮して、適当な保存措置及び管理措置を通じ、自国のEEZ内の資源が過度の漁獲によって危険にさらされないことを確保します。また、二つ以上の国のEEZ又はある国のEEZと公海水域にまたがって分布する資源については、関係国がその保存等のための措置について合意するよう努力することとされています。マグロ類等の高度回遊性魚類の資源については、EEZの内外を問わず、関係国が保存・利用のため国際機関等を通じて協力することとされています。公海では全ての国が漁獲の自由を享受しますが、公海における資源の保存・管理に協力すること等が条件として付されています。また、公海上の漁船に対し管轄権を行使するのは、その漁船の船籍国(旗国)です。

平成期においては、「国連海洋法条約」のルールに基づき、平成8(1996)年の「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律*1」(以下「TAC法」といいます。)の制定を契機として、国内外における水産資源の管理のための取組が行われてきました。

また、「国連海洋法条約」の批准に際しては、韓国及び中国の国民による漁業等について我が国の規制が及ぶようにすることを念頭に、EEZを設定する「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律*2」及びEEZ内における外国人の漁業を制限する「排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律*3」などの関連法も成立しました。

  1. 平成8(1996)年法律第77号
  2. 平成8(1996)年法律第74号
  3. 平成8(1996)年法律第76号

(新たな水産政策の指針として水産基本法が制定)

昭和30年代、第2次産業を中心とした発展により、我が国の経済がいわゆる高度経済成長期を迎える中、漁業部門内部の格差が甚だしく、所得と生活水準の低い多数の沿岸漁業の漁民層や経営の不安定・不振な中小漁業を抱えているという問題を踏まえ、昭和38(1963)年に「沿岸漁業等振興法*1」(以下「沿振法」といいます。)が制定され、水産資源の維持増大、生産性の向上と経営の近代化、水産物の流通の合理化、従事者の福祉の増進等が進められることとなりました。

沿振法制定後、漁業生産量は増大し、漁船の性能の向上や漁労技術の高度化により生産性は向上し、さらには漁業者の所得も向上しましたが、昭和後期から平成期にかけて、「国連海洋法条約」の発効による本格的な200海里体制への移行、我が国漁業生産の減少と水産物自給率の低下など、水産をめぐる状況は大きく変化しました。

このような変化に対応するため、沿振法に代わる新たな水産政策の指針として、加工・流通も含めた水産業全体を包括的に対象とする「水産基本法*2」が平成13(2001)年に制定され、 「水産物の安定供給」と「水産業の健全な発展」を基本理念として掲げました。また、水産物の安定供給の確保、水産資源の適切な保存及び管理、水産資源に関する調査及び研究などの施策を政府と漁業者とで実施していくことが定められました。

「水産基本法」の制定に伴い、「漁業法*3」、TAC法、「漁港法*4」など、主要な水産関係法についても、「水産基本法」の理念や施策の方向に即した改正が行われました。また、「水産基本法」に基づき、水産施策の中期的指針となる「水産基本計画」が約5年ごとに策定され、策定時から10年程度を見通して必要と考えられる水産施策や水産物の自給率目標が明記されてきました。さらに、「水産基本法」に基づき、毎年、政府が国会に報告するための水産の動向、水産に関して講じた施策及び水産に関して講じようとする施策(いわゆる「水産白書」)が作成されています。

  1. 昭和38(1963)年法律第165号
  2. 平成13(2001)年法律第89号
  3. 昭和24(1949)年法律第267号
  4. 昭和25(1950)年法律第137号

コラム水産白書を振り返って

水産白書は、「水産基本法」に基づいて平成13(2001)年度から作成されている水産業に関する国会への年次報告を刊行したものであり、その前身は昭和38(1963)年度から沿振法に基づいて作成された漁業白書です。

水産白書には前年度の水産の動向、前年度に講じた施策及び当該年度に講じようとする施策がまとめられており、水産白書を読めば、毎年度の水産業の主な出来事や動きがわかるようになっています。特に平成13(2001)年度以降は特集が掲載されるようになり、水産業の歴史を振り返る重要な資料の1つとなっています。過去の特集テーマでは主に、資源管理や魚食文化、漁村の振興等について取り上げられています。

過去の水産白書は水産庁Webサイトや国会図書館などで公開されています。

表:水産白書の過去の特集テーマ

表:水産白書の過去の特集テーマ

(内水面漁業の振興に関する法律が制定)

内水面漁業については、水産物の安定的な供給の機能や釣りなど自然に親しむ場の提供等の多面的機能を有しており、豊かで潤いのある国民生活に寄与しています。また、内水面は、海洋と比べ水産資源の量が少なく資源の枯渇を招きやすいことから、従来より、「漁業法」に基づき、漁業権を免許された内水面漁協には、水産資源の増殖義務が課せられており、内水面漁場の保全・管理といった役割を担っていました。

一方、河川等における内水面水産資源の生息環境の変化、オオクチバス等の特定外来生物やカワウ等の鳥獣による水産資源の被害などにより漁獲量の減少が続き、加えて漁業従事者の減少や高齢化も進行し、内水面漁業の有する機能の発揮に支障を来すことが懸念される状況にありました。

このような状況を踏まえ、平成26(2014)年、内水面漁業の振興に関する施策を総合的に推進し、内水面における漁業生産力を発展させ、併せて国民生活の安定向上及び自然環境の保全に寄与することを目的とした「内水面漁業の振興に関する法律」が制定されました。また、同法に基づき、内水面漁業の振興の中期的指針となる「内水面漁業の振興に関する基本方針」が策定され、これに基づき施策が実施されています。

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097